脚本:猫熊アザラシ
出演:
・兎 じんた 役
●●
・梟 ほうすけ 役
●●
公開日:
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テーマ曲:
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作詞:リーヴリ
楽曲:suno
「片思いが両想いになった日」
兎・じんた:
「俺は高校生のジンタ。今日は修学旅行で北海道を満喫。美味しいものを食べ、各地を観光し、今は……宿泊先のホテルのベッドでゴロゴロしている」
兎・じんた:
「ホテルでは一部屋につき二人ずつで泊まるよう部屋が割り振られており、俺は幼馴染であり好意を寄せている相手でもあるフクロウ獣人のホウスケと同じ部屋になっていた」
梟・ほうすけ:
「ねえねえ、じんた」
兎・じんた:
「……ん??」
梟・ほうすけ:
「そろそろ風呂、入る?」
兎・じんた:(独り言)
「(ふ、ふろ??二人きりで?いや、それはまずいだろ裸だぞハ・ダ・カ!)」
梟・ほうすけ:
「ん?どうしたの?」
兎・じんた:
「……なんも。そうだなー、そろそろ大浴場も空(す)いてる頃かもな」
梟・ほうすけ:
「そうだよね。できたら誰もいなければ最高なんだけどね〜」
兎・じんた:(独り言)
「(はぁん?!誰もいない大浴場ってつまり俺と二人きりがいいってこと!?あの広い風呂場で?二人っきり?!)」
兎・じんた:
「ごほん……ああ、そうだな」
梟・ほうすけ:
「じゃあ着替えの用意しなきゃ。……あっ!」
兎・じんた:
「ん?どうした?」
梟・ほうすけ:
「最悪だ……下着、忘れてきちゃった……」
兎・じんた:(独り言)
「(えっ、偶然だけど俺下着2枚ある。偶然だけど!完全なる偶然だけど!え、どうする?貸す?貸しちゃう?)」
兎・じんた:
「あのさ…たまたま俺、下着の予備があるんだけど、俺のでよかったら、履く?」
梟・ほうすけ:
「ええっ、いいの!?でも僕デブだし、伸びちゃうかも……」
兎・じんた:
「そんな体型変わらんし、デブってほどデブじゃないんだから大丈夫だろ」
梟・ほうすけ:
「ありがとう!じゃー……借りようかな?」
兎・じんた:(独り言)
「(俺のパンツを!ほうすけが履く!だと!?おいパンツ、俺と代われ!)」
梟・ほうすけ:
「よーし、用意できたしお風呂いこっかぁ」
(間)
兎・じんた:
「大浴場には数人のクラスメイトがおり、結局二人きりになることもなく普通にワイワイと話したりしながら風呂を出て、当たり前だけど何事もなく部屋に戻ってきた俺とホウスケ」
兎・じんた:
「だが俺は恥じらいながらも裸になって湯船に浸かるホウスケに興奮を禁じ得ず、終始いろいろと危険だった……」
(間)
梟・ほうすけ:
「いいお湯だったね!」
兎・じんた:
「あ、ああ……」
兎・じんた:(独り言)
「(最高かよ、めちゃくちゃ可愛いじゃねえか!片思い相手と裸の付き合いしちまったよ、ああ修学旅行最高!サイ&(あんど)コウ!」
梟・ほうすけ:
「あれ?顔が赤いけど……ま、まさか!のぼせちゃった??」
兎・じんた:
「いや、大丈夫大丈夫。ホウスケも顔赤いけど、ホウスケこそ大丈夫か?」
梟・ほうすけ:
「え?……あっ、確かに顔、熱いかも。もしかしたら…ちょっと、変かもしれない…」
兎・じんた:
「変、って??」
兎・じんた:(独り言)
「(え?なに?どゆこと?変な気分ってこと?えっ、ええっ!?まさか、まさかの?!ここでワンナイト!?うそ、え、俺普段から薄いBL本とかめちゃくちゃ読むけどまだ実践経験はないんですけどおお!?)」
梟・ほうすけ:
「うん。……変だよ、空調の温度設定。暑すぎだよね」
兎・じんた:
「あ…そっち?」
梟・ほうすけ:
「ん??そっちって?……じゃあ僕が空調温度、調節するね?(SE:ぴっぴっ)」
兎・じんた:
「あ、ありがとうな…」
兎・じんた:(独り言)
「(変な期待しちまったじゃねえか!そりゃそうだよな、ホウスケ可愛いけどノンケだもんな、俺に対してどうこう興奮するなんてこと、あり得るわけ…)」
(間)
梟・ほうすけ:
「ねえ、ちょっと話があるんだけど……いい?」
兎・じんた:
「はっ?!え、あ……うん」
兎・じんた:(独り言)
「(え、改まって…なに?どゆこと?まさか、もしかして、ホウスケもこっち側ってカミングアウトだったりして?!だとしたら、この場で告白して襲い掛かっちまうぞ!?いいのか、いいんだな!?って落ち着け、そんなわけねーだろバカか俺は)」
梟・ほうすけ:
「あのさ……僕、実は……」
兎・じんた:
「お、おう……どうしたんだ?」
梟・ほうすけ:
「最近すごく好き、って言うか……気になってる……んだ」
兎・じんた:
「キタァァァァァ!!!」
梟・ほうすけ:
「えっ?な、なにがキタの?!」
兎・じんた:(独り言)
「(し、しまった、声に出てしまった……!)」
兎・じんた:
「いや、その、改まって相談といえば告白系かなって思ったら実際そうみたいだったから、えっと……つい声に出ちまった」
梟・ほうすけ:
「ん?ま、まあ…告白と言えば、告白かも」
兎・じんた:
「それで、好きって?気になるって……誰が?」
梟・ほうすけ:
「じ、ジンタ君……」
兎・じんた:
「おっ、え?ま、まじか?クゥッ!俺も好きだ!ホウスケ、俺と付き合ってくれ!!」
梟・ほうすけ:
「えっ!?ええっ……え、っと、ええ!?」
兎・じんた:
「待ってた、いや待ってたっていうか、まさかホウスケも俺のこと好きなんて思ってなかった!俺ずっとホウスケのこと好きだったんだ、だから、だからっ!」
梟・ほうすけ:
「お、落ち着いてよ!僕が気になってるのはジンタ君の隣の席の、レナちゃん、のことだよ」
兎・じんた:
「はっ……????」
(間)
兎・じんた:(独り言)
「(お、終わった……ハヤトチリしてしまった……俺の人生、終わった……)」
(間)
梟・ほうすけ:
「……じ…ジンタ君……」
兎・じんた:
「ご、ごめ……その、えっ…と」
梟・ほうすけ:
「僕のこと、そういうふうに見てたんだ……?」
兎・じんた:
「いや、そのー……えっと、それは…」
梟・ほうすけ:
「好きって、僕たち…男の子同士、だよ?友情として好き…ってこと?それとも……れ、恋愛感情、として?」
兎・じんた:
「…………っ」
兎・じんた:(独り言)
「(友情として好きって言えば、きっと丸くおさまる。でも、でも俺…自分の気持ちに嘘つけない…!もう嫌われてもいい、正直に言う!)」
兎・じんた:
「恋愛感情として、俺はホウスケのこと、好きなんだ。ごめんっ……そんな目で見てて、キモいよな!ごめん、ごめんなっ…!」
梟・ほうすけ:
「…………ジンタ、君……(グズグズと泣き出す)」
兎・じんた:
「な、泣くなよ!ごめんって、俺が悪いよ、ごめんな、でも友達としても本当に仲良くしたいって思ってて……あー、くそっ上手く言えないけどさ!」
梟・ほうすけ:
「嬉しいっ……ぐず、ずび…っ」
兎・じんた:
「え?」
梟・ほうすけ:
「僕も…ジンタ君のこと、恋愛感情として、すごい…ぐすん、好きです…っ!」
兎・じんた:
「は?いや、レナちゃんのこと、って…」
梟・ほうすけ:
「レナちゃんの使ってる筆箱がすごく気になってて、もしよかったら…次の休みで探しにいきたいからさ。ジンタ君に、一緒に着いてきてほしいって言おうとしたんだ」
兎・じんた:
「はへ……?ふで、ばこ……?」
梟・ほうすけ:
「うん、レナちゃんの筆箱すごい可愛いでしょ?僕もあーいう筆箱、欲しくて。でも僕探すの下手だから、着いてきて欲しいなって」
兎・じんた:
「……ありがと、いくらでも着いて行くよ。だから改めて言うぞ…?」
梟・ほうすけ:
「な、なに?」
兎・じんた:
「お、俺と……付き合って、くれないか」
梟・ほうすけ:
「……えへへっ、僕で、よければ?」
兎・じんた:
「なんで疑問形なんだよっ!」
梟・ほうすけ:
「あははっ、だって、こんなの初めてなんだもん」
兎・じんた:
「いや、俺も初めてだからな!?」
梟・ほうすけ:
「それにあんまり畏まって(かしこまって)ても、互いに緊張するだけかなって」
兎・じんた:
「それもそうだけどさ……」
(間)
兎・じんた:
「こうして、修学旅行の一夜を別の意味でも満喫した俺とホウスケは、付き合うことになった」
兎・じんた:
「同性愛について世間でその認識が広まっている一方で、まだ肩身の狭い思いをすることも少なくない昨今(さっこん)」
兎・じんた:
「それでも俺たちは、俺たちの距離感と歩幅で、これからも一緒に歩いていく」
兎・じんた:
「片思いが両想いになった、この日から一緒に……」
(END)
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