益州属国

益州の地形

益州属国（えきしゅうぞっこく）[1]は、古代中国にかつて存在した郡。漢代から晋代にかけて、現在の雲南省にあった。

概要[]

紀元前109年（元封２年）に、前漢の武帝によって益州属国が立てられ、中心地は滇池県に置かれた。前漢の益州属国は益州に属して、滇池県・双柏県・同労県・銅瀬県・連然県・兪元県・收靡県・穀昌県・秦臧県・邪龍県・味県・昆沢県・葉楡県・律高県・不韋県・雲南県・巂唐県・弄棟県・比蘇県・賁古県・毋棳県・勝休県・建伶県・来唯県などの24県で構成されて、管轄した。新の王莽のときに、就新郡と改められた[2]。

後漢の光武帝のときに、益州属国の旧称にもどされた。益州郡は滇池県・勝休県・兪元県・律高県・賁古県・毋棳県・建伶県・穀昌県・牧靡県・味県・昆沢県・同瀬県・同労県・双柏県・連然県・弄棟県・秦臧県で構成された17県を管轄した[3]。

225年（建興３年）に、三国時代の蜀漢の諸葛亮が、西南夷遠征を鎮定したあとに益州属国を建寧郡と興古郡として分割させた[4]。父の文帝の代に蜀漢を併呑させた西晋の武帝は、270年（泰始６年）に、益州南部を寧州と改名させた。翌271年（泰始７年）に、南寧州と改称された。

303年（太安２年）に、西晋が建寧郡の西部７県に益州属国として設置した[5]。308年（永嘉２年）に、益州属国は晋寧郡と改称されて、以降は益州属国の呼称は皆無となった[6]。

脚注[]

1. ↑ 『元本』（『元大徳九路本十七史』）
2. ↑ 『漢書』地理志上
3. ↑ 『後漢書』郡国志五
4. ↑ 『三国志』「蜀書」後主伝
5. ↑ 『宋書』州郡志四
6. ↑ 『晋書』地理志上

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