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マリ・エルの人々
マリ人(英語:Mari, マリ語:мари, ロシア語: мариМари́йцы)は、ロシアのシベリア中西部のヴォルガ川やカマ川沿岸に居住しているウラル系民族のうちフィン=ウゴル族に属するヴォルガ・フィン諸族の一派であり、ペルム諸族とも親近関係にある。その大多数がマリ・エル共和国に居住しており、隣接するタタールスタン共和国やバシコルトスタン共和国にも多く住んでいる。かつては、チェレミス人(черемисы/чирмеш/Çirmeş)とも呼称されていた。
現在のマリ人は、
の3つに分類されている。
2002年のロシアの国勢調査によると、604,298人が自身をマリ人であると回答し、そのうちの18,515人が山地マリ人、56,119人が東部マリ人であると称している。マリ人のうち、約60%が農村地帯に居住している[1]。
人種はおなじヴォルガ・フィン諸族のモルドヴィン人、ついでにペルム諸族のウドムルト人・コミ人と親近関係にあり、モンゴロイドとコーカソイドの混合種であり、モンゴロイドの遺伝子のうちウラル人種のハプログループNが50~60%と中頻度~高頻度に見られる[2][3]。
言語はマリ語を使用するが、現在はロシア語化がすすんでいる。
マリ人は元来は牧畜・狩猟民族であったが、中世から伝統的に農耕民族となり、主に小麦や蕎麦・ライ麦・豆類・亜麻を作って営んでいる。
マリ人は伝統的に、人間と自然とが密接に繋がっていると考える自然崇拝を信仰していた。彼らの見解によると、自然は人間たちに不思議な力を及ぼし、神聖かつ強烈で、人間が立ち入ることのできない領域に存在しているとされている。また、自然はその存在を侵さない限りは、人間に対して絶対的な恩恵をもたらし続けてくれる存在だとも考えられている。
彼らの信仰において、天界に住む神々の階級において、最上位におかれているのは大白神(Ош Кугу Юмо)とされている。より下級の神には、火の神(Тул Юмо)や風の神(Мардеж Юмо)もいる。また、天界に住む神以外にも、地球に住んでいるとされている半神半人も信仰の対象としている。
マリ人の間でキリスト教は、ロシア帝国のイヴァン4世による彼らの領域への征服が完了した16世紀から、採り入れられるようになった。だが、マリ人の間ではキリスト教はあまり一般的なものではなく、彼らの多くは前述の自然崇拝による無宗教、もしくは紀元前のキリスト教の要素を色濃く受け継いでいる伝統宗教を信仰している。
内ロシア・シベリア・ムスリム人民自治区指導部による、ソビエト連邦におけるムスリムの組織化がなされた後、マリ人の階層は民族問題人民委員部の後援によって組織化された。その目的は、マリ人と多民族の結婚の推奨や、マリ人の階級意識を高めることにあるとされていたが、実際はソ連政府による穀物の接収やマリ人の赤軍兵への徴用・ボリシェヴィキによる統制を容易にすることも含まれていた[4]。
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