肥田氏_(美濃国)

曖昧さ回避

この項目では、陽成源氏（摂津源氏）流の土岐氏（美濃源氏）一門について記述しています。その他の氏族については「肥田氏」を、美濃肥田氏の他称で、尾張姓熱田氏流尾張安井氏（安江氏）一門の根尾氏については「浅野氏」をご覧ください。

肥田氏の家紋（桔梗）

肥田氏（ひだし）とは、日本の氏族。美濃肥田氏、または源姓肥田氏とも呼ばれる。陽成源氏（摂津源氏）流土岐氏（美濃源氏）一門である。庶家に中津川肥田家があった。

概要[]

土岐光衡（美濃三郎）の次男の肥田光時（浅野次郎）を祖とする。美濃国土岐郡肥田郷[1]を拠点とした。通字は「頼」「光」「国」「勝」「長」。

光時は、後鳥羽上皇方として、北条得宗家と対決して『承久の乱』で奮戦するも大敗して、浅野判官と称して、美濃国土岐郡浅野郷[2]で隠居して、長男の光清（浅野太郎）は嗣子がないままに早世したために、次男の光房（浅野次郎）と三男の光忠（浅野三郎）の系統に受け継がれた。

光房の系統は子の光保（浅野孫次郎/三郎）、孫の光慶（顕智入道/浅野小三郎）からはじまり、戦国時代初期の頼勝の代の明応４年（1495年）の『船田の乱』では、石丸方に与して大敗したために、美濃肥田氏の勢力は急速に衰退した。頼勝の子の勝行（浅野弥三郎）の代になると、弘治２年（1556年）に斎藤義龍（利尚/高政/玄龍入道/范可斎）の攻撃を受けて、勝行は子の勝隆（浅野彦次郎/彦三郎/彦六郎）と孫の勝長をはじめ、同族の惟任氏の当主の惟任康秀とともに戦死を遂げて、勝長に嗣子がなかったために、ついに光房系は断絶した。

その一方、光忠の系統は子の光盛（浅野三郎太郎）、孫の国盛（浅野又太郎）からはじまり、曾孫の頼隆（浅野彦三郎）と玄孫の頼長（浅野彦三郎）父子を経て、６世の孫の詮長の代の南北朝時代から室町時代前期かけて、詮長の子の持長が早世したために、光忠系も途絶えたが、詮長は族祖父の土岐頼清（頼宗）の孫の詮直（あきただ）[3]を婿養子に迎えて、「肥田詮直」と名乗り、彼は尾張国守護となった。後に詮直は、惣領家で従弟でもある美濃国守護の土岐頼益（頼忠の子）の軍勢と戦い、戦死を遂げて、嗣子がなく断絶した。

江戸時代に、尾張姓熱田氏流尾張安井氏（安江氏）とその庶家の浅野氏（根尾氏）[4]は光時の後裔と仮冒した。

歴代当主[]

1. 肥田光時（浅野次郎） ： 土岐光衡（美濃三郎）[5]の子、光行（美濃太郎）の弟。

光房系[]

1. 肥田光房（浅野次郎） ： 光時の子、光清（浅野太郎）の弟、光忠（浅野三郎）・光仲（三栗五郎）・光朝（浅野八郎）・光純（浅野九郎）・正智（僧侶）・願意（僧侶）の兄。
2. 肥田光保（浅野孫次郎/三郎） ： 光経（浅野次郎太郎）の弟。
3. 肥田光慶（顕智入道/浅野小三郎） ： 有光・重光の弟。
4. 肥田光興（浅野彦五郎） ： 光長の弟。
5. 肥田光洲（みつくに）
6. 肥田光康
7. 肥田光勝
8. 肥田勝道
9. 肥田勝富
10. 肥田頼勝
11. 肥田勝行（浅野弥三郎）
12. 肥田勝隆（浅野彦次郎/彦三郎/彦六郎）
13. 肥田勝長 ： 断絶。

光忠系[]

1. 肥田光忠（浅野三郎） ： 光時の子、光清（浅野太郎）・光房（浅野次郎）の弟、光仲（三栗五郎）・光朝（浅野八郎）・光純（浅野九郎）・正智（僧侶）・願意（僧侶）の兄。
2. 肥田光盛（浅野三郎太郎） ： 慶盛（良智入道）の兄。
3. 肥田国盛（浅野又三郎）
4. 肥田頼隆（浅野彦三郎） ： 国衡の弟。
5. 肥田頼長（浅野彦三郎）
6. 肥田詮長 ： 浅野長光（弥兵衛/又右衛門）[6]室の兄。
7. 肥田持長 ： 断絶。

中津川肥田家[]

1. 肥田国衡（浅野太郎） ： 頼隆の兄、中津川肥田家の祖。
2. 肥田国村（浅野又太郎）
3. 肥田国氏（浅野又太郎）
4. 肥田国定（国貞/小里太郎） ： 断絶。

脚注[]

1. ↑ 現在の岐阜県土岐市肥田町
2. ↑ 現在の岐阜県土岐市肥田町浅野大字（下記の尾張国丹羽郡浅野郷とは異なる）。
3. ↑直氏（ただうじ）の子。
4. ↑ 尾張国丹羽郡浅野郷（現在の愛知県一宮市浅野町）を拠点とした。
5. ↑土岐光長の子、国長・光経の弟。
6. ↑ 浅野氏の祖。

関連項目[]

• 肥田頼衡 ： 親族関係の系譜は不詳。観応３年（1352年）に、遠縁筋の足利尊氏（高氏）より、伊豆守に任じられた。
• 肥田頼寿 ： 同族の明智頼重（頼助）の子。族父の肥田詮長の婿養子となった。
• 浅野氏（根尾氏）
• 尾張安井氏（安江氏）

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