櫛間正成

従者を伴った櫛間正成

櫛間 正成（くしま まさなり/まさしげ、明応元年（1492年）？ - 大永元年11月23日（1521年12月21日）？/天文５年（1536年）？）は、戦国時代の武将。通称は兵庫介・上総介・常陸介・越前守ともされるが明確ではない。遠江国高天神城（土方城）の城主であったといわれている。

出自[]

武蔵七党の横山氏（横山党）流の猪俣氏（猪俣党）一門の藍原氏の庶家の野部氏（野辺氏）[1]の系統である粟飯原氏（藍原氏）[2]の庶家の櫛間氏[3]の当主の櫛間基正の子、勝広・長久保助春・石倉道重・北条綱成（綱房）室の父。

概要[]

今川氏家臣説[]

正成の一族は武蔵国から移住して[1]、駿河国の今川氏（駿河源氏）の家臣として仕え、正成の具体的な動向は今川氏親の代とされるが、史料上は明確ではない。

1521年没説[]

大永元年（1521年）に、氏親の命を受けた正成らが駿州往還（河内路）を甲斐国へ侵攻し、現在の山梨県南アルプス市戸田大字に所在した富田城を陥落させた。そこからさらに東進して、武田氏（甲斐源氏）が統治する甲府館へ迫るが、現在の山梨県甲府市飯田町周辺にあった『飯田河原の戦い』や、現在の山梨県甲斐市（旧・中巨摩郡敷島町）周辺の『上条河原の戦い』で、武田信虎（のぶまさ、信直）に撃退され、まもなく信虎の武将の下の原虎胤（友胤）[4]に討たれたとされる[5]。ただし、虎胤が討ち取った櫛間某と正成と同人物とする決定的な証拠はなく、あるいは同族の可能性もあり、否定的な見解も多い。

1536年没説[]

大永年間（1521年～1527年）の武田信虎との戦いに敗れたのちに、氏親の子の氏輝の代まで生きたが、氏輝とその弟の氏忠（彦五郎）の死後に発生した家督争い（『花倉の乱』）で、氏親の側室である櫛間氏を生母とする氏良（うじなが）/義真（玄広恵探）を、縁戚関係による誼で支持したが敗れて、氏良の異母弟の義元によって櫛間氏が討伐させられた際に国を追われて、逃亡する途中で、前述の武田信虎に討たれたとされる。ただし、当時の史料においての櫛間氏の一族に正成の名は確認されていない。

相模北条氏（北条伊勢家）家臣説[]

その一方、櫛間氏一族は、元々相模国の相模平氏の相模北条氏（北条伊勢家）に仕えていたとする見解もある。この見解においては、従来の正成の経歴とされていたものは、『飯田河原の戦い』で戦死した櫛間某は、正成の一族ということになる。

玉縄北条家の祖の北条綱成（綱房）は、早雲（早雲庵宗瑞/伊勢盛時/氏長/氏茂/盛藤/盛辰）の末子で、正成の娘を娶って、その間に綱景（氏秀/氏広/康元）産んだと伝えられる。綱景は元服時に父同様に伯父の氏綱の「綱」の一字を与えられた。

脚注[]

1. ↑ 1.01.1 歴史ライターの高澤等の『家紋の真実 - 北条綱成の家系を探る』より。
2. ↑ 読みは「あいはらし」。
3. ↑ 九間氏・久島氏とも呼ばれる。
4. ↑丹姓忠常流千葉氏一門下総原氏出身。
5. ↑ 『勝山記』『王代記』

関連項目[]

• 横山氏（猪俣氏）
• 今川氏（駿河源氏）
• 北条伊勢家（相模平氏）

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