周勃_(前漢)

曖昧さ回避

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周勃像

周勃（しゅうぼつ、？ - 紀元前169年）は、前漢初期の部将。周勝之[1]・周亜夫・周堅の父。

概要[]

原籍は巻県[2]で、泗水郡（四川郡）沛県[3]の人。生業は機織業・葬儀屋であった。

若くして高祖・劉邦に従い、秦あるいは楚の章平（章邯の弟）を撃破するなど多くの功績を残し、武威侯に封じられた。項羽から離反した劉邦に帰順しばかりの陳平が重用されたことに対して、周勃は灌嬰とともに「陳平は魏や楚から離反しただけでなく、兄嫁と密通したことがあり、さらに賄賂を受け取っている無節操な人物で、信用しないほうがよろしいでしょう」と訴えたが、陳平が劉邦に事情を話して、周勃らは陳平に対して誤解を解く結果となった。

紀元前195年に劉邦が逝去する直前に、勅命で陳平とともに劉邦の竹馬の友人である燕王の盧綰が反乱を起こして鎮圧に向かった樊噲を更迭して、周勃が交代して盧綰を討伐した。劉邦が逝去すると、その妻の呂雉（孝高皇后/呂后）が亡き夫の「漢王朝を長らく安んずるものは周勃であろう…」という遺言に警戒されて、太尉（軍事長官）でありながら、軍事権を発揮できずにいた。

紀元前180年秋７月に呂雉が逝去すると、右丞相の陳平とともに「打倒呂氏」を挙げた。劉邦の孫である斉の哀王（劉襄）に呼応して、その弟の朱虚侯の劉章（城陽景王）を率いて、割符管理官の紀通（紀成の子）の手引きによって軍事権を把握して。相国である梁王の呂産・趙王の呂禄（いずれも、呂雉の甥）らを滅ぼした。

まもなく陳平と灌嬰らとともに劉邦の第４子である代王の劉恒（太宗文帝）を迎えて、右丞相となり、絳侯に封じられ、文帝から父子の礼儀を以って厚遇された。

しかし、これを見た郎中の袁盎[4]が「周勃どのは、功臣であって社稷の臣ではありません。陛下はもっと威厳を示すべきです」と諫言したため、文帝は周勃に対して君主として威厳を示すようになった。以降から、周勃は文帝が讒言で自分が粛清される被害妄想に陥った。そのため彼は文帝からの勅使が来ると、武装して迎えた。このことが「周勃将軍に謀反の兆しあり」と文帝に進言する者があり、ついに周勃は投獄されて、獄卒から苛烈な拷問を受けた。

しかし、例の袁盎と薄昭[5]（文帝の母方の叔父）らが周勃の無実を弁護したことや、周勃が獄卒に謝礼金を渡すために、長子の周勝之に書簡を認（したた）めたため、まもなく釈放された[6]。その際に長子の周勝之と袁盎の出迎えを受けた。その後は領国に戻り、余生を過ごした。紀元前169年に逝去すると、武侯と諡された。

脚注[]

1. ↑ 妻は文帝（劉恒）の双子の妹の昌平公主。
2. ↑ 現在の河南省新郷市原陽県
3. ↑ 現在の江蘇省徐州市沛県
4. ↑ 周勃は袁盎の兄の袁噲と親交があった。
5. ↑ 薄昭は、周勃が文帝から賜った金五千斤と一万戸の領地を贈られたことがある。
6. ↑ その際に周勃は「今まで、わしは百万近くの軍勢を動員したこともあった。だが、獄卒にこれほどの力があることを知らなんだわ…」と漏らしたという。

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