ハウメア_(準惑星)

ページ名:ハウメア_(準惑星)
ハウメア
(136108) Haumea
ハウメアと衛星の想像図
仮符号・別名2003 EL61
Santa
分類準惑星
冥王星型天体
軌道の種類エッジワース・
カイパーベルト

(ハウメア族
キュビワノ族
発見
発見日2003年3月7日
発見者J. L. オルティス
P. サントス=サンズ
F. J. アセイトゥノ
軌道要素と性質
元期:2008年11月30日 (JD 2,454,800.5)
軌道長半径 (a)43.133 AU
近日点距離 (q)34.721 AU
遠日点距離 (Q)51.544 AU
離心率 (e)0.195
公転周期 (P)283.28 年
平均軌道速度4.484 km/s
軌道傾斜角 (i)28.22 度
近日点引数 (Ω)239.18 度
昇交点黄経 (ω)122.10 度
平均近点角 (M)202.68 度
前回近日点通過1849年頃
次回近日点通過2132年頃
衛星の数2
物理的性質
三軸径1,960 × 1,518
× 996 km
質量(4.2 ± 0.1)
×1021 kg
平均密度2.60 - 3.34 g/cm3
表面重力0.44 m/s2
脱出速度0.84 km/s
自転周期3.9154 時間
絶対等級 (H)0.17892
アルベド(反射能)0.5 - 0.7
表面温度32 ± 3 K
色指数 (B-V)0.626 ± 0.025
色指数 (V-R)0.343 ± 0.020
色指数 (V-I)0.683 ± 0.020
■Project■Template
ファイル:AnimatedOrbitOf1361082003EL61.gif

ハウメアの軌道。青がハウメア、赤が惑星(一番外側の赤は海王星)、黒が太陽。

ハウメア (136108 Haumea) は、準惑星であり、太陽系外縁天体のサブグループである冥王星型天体の一つ。細長い形を持つことで知られている。スペインのシエラネバダ天文台でホセ・ルイス・オルティスらのグループが発見し、2005年7月29日に公表した。仮符号は2003 EL61。

2008年9月17日に準惑星として認められた。同年7月のマケマケに次いで、準惑星としては5個目、冥王星型天体としては4個目となる。

目次

概要[]

オルティスらのグループが2003年に行った観測を2005年に再分析したことによって発見され、1955年の記録までさかのぼって調査された。カリフォルニア工科大学のマイケル・ブラウンらのグループも2004年12月28日に約半年前に撮影された写真からこの天体を発見し、さらに半年間観測を続けていたが、公表はしていなかった。ブラウンらが発見者とされることもあるが、小惑星センターにはオルティスらの発見として登録されており、ブラウンもこの発見の手柄をオルティスらに帰すことを支持している。

この天体はサンタという愛称で呼ばれていた。これはカリフォルニア工科大のチームがこの天体の存在に気づいたのがクリスマス頃だったためである。

なお、ブラウンらはこの天体の発見について、他の外縁天体2003 UB313(後のエリス)と2005 FY9(後のマケマケ)の発見と同時に公表している。

2006年9月8日、(134340) 冥王星、(136199) エリス、(136472) 2005 FY9と共に小惑星番号が与えられ、136108番となった[1]。

冥王星型天体として認められると同時に、ハワイ諸島の豊穣の女神ハウメアに因んで命名された。この名前を提案したのはブラウンの共同研究者のデイヴィッド・ラビノウィッツであり、ハウメアが多くの子を産んだことと2003 EL61が2個の衛星を従えていることをかけている。オルティスらが提案した名前は "Ataecina" で、イベリア半島のカトリックの伝承に由来する。

性質[]

形状と大きさ[]

ファイル:Haumea.svg

ハウメアのシルエット。左は赤道方向から見た最大時と最小時 (1960×996 and 1518×996 km)、右は極軸方向から見た時 (1960×1518 km) の形状

初期の報道では、この天体は冥王星の倍の大きさがあるとされたが、現在では否定的である。ただし変光周期などから3軸不等楕円体だと考えられており、ハウメアのアルベド(反射率)が知られていないため、正確な大きさを測定することは不可能であるが、長軸の長さは冥王星に匹敵すると推定されている。

衛星を持つため質量を測定することが可能で、およそ4 ×1021 kg(冥王星の3分の1)と計算されている。準惑星の条件の一つである「重力平衡形状に達する」のに十分な質量を持っているにも関わらず球体でないのは、自転周期が4時間弱とこのサイズの天体としては非常に短いためである。

これらの見積もりが正しければ、ハウメアは太陽系外縁天体のなかでも最も大きい部類に入る。セドナ、オルクス、クワオアーよりも大きく、エリス、冥王星に次ぎ3番目に大きいということになる。ただしマケマケのほうがわずかに上回る可能性がある。

なお、ハウメアの自転が速いのはかつて大規模な衝突を経験したからであり、2つの衛星もその時に出来たと思われる。

軌道[]

ファイル:TheKuiperBelt Orbits 2003EL61 2005FY9.svg

マケマケ(青)、ハウメア(緑)、冥王星(赤)と海王星(灰)の軌道

ハウメアは海王星軌道共鳴の関係にないためキュビワノ族に分類されるが、大きな離心率と軌道傾斜角を持つ。発見当時、太陽からおよそ51AUの距離にあった。軌道が楕円形をしているため、近日点ではこの距離が35AUになるだろうと考えられている。公転面は他の惑星に比べると、およそ28度の傾きがあり、また公転速度が遅いことから、発見されるのが遅れたと考えられている。

表面[]

ジェミニ天文台で行われた分光分析によると、天体表面にはの氷が存在している。これは冥王星の衛星カロンにも見られる性質である。

衛星[]

2005年の1月から6月にかけてW・M・ケック天文台で行われた観測によって、2003 EL61(ハウメア)の衛星が2個発見された。1個目は同年7月29日に母天体と同時に、2個目は11月29日に発表された。質量はそれぞれハウメアの約1%、約0.2%とみられている。カリフォルニア工科大学では第1衛星をルドルフ、第2衛星をブリッツェンという愛称で呼んでいた(サンタクロースの橇を引くトナカイに由来する)。

2008年9月、第1衛星はヒイアカ、第2衛星はナマカと命名された。いずれもハウメアの娘に由来する。

ハウメアの衛星
名前直径
(km)
軌道
傾斜角
(度)
離心率軌道
半長径
(km)
公転
周期
(日)
IIナマカ
S/2005 (136108) 2
S/2005 (2003 EL61) 2
170?39 ± 6(*)0.0(**)39,30034.7 ± 0.1
Iヒイアカ
S/2005 (136108) 1
S/2005 (2003 EL61) 1
310~350234.8 ± 0.30.050 ± 0.00349,500 ± 40049.12 ± 0.03
  • (*)…ヒイアカの軌道に対する角度
  • (**)…暫定

ハウメア族[]

(136108) ハウメアは、外縁天体で最初に発見された族(collisional family: キュビワノ族や冥王星族のように軌道要素が似ているだけではなく、同一の母天体から形成された小天体群)の中で最大の天体である。この族にはハウメアの2個の衛星、(55636) 2002 TX300、(24835) 1995 SM55、(19308) 1996 TO66、(120178) 2003 OP32、そして(145453) 2005 RR43が含まれる。

関連項目[]

外部リンク[]

ウィキメディア・コモンズ
ウィキメディア・コモンズには、ハウメア (準惑星)に関連するカテゴリがあります。
  • ハウメアの軌道
  • ハウメアと衛星
  • マイケル・ブラウンによるハウメアの紹介ページ
  • 細長い準惑星、「ハウメア」と命名(アストロアーツ)


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