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『MOTHER』(マザー)は、任天堂が1989年8月27日に発売したゲームソフト。
MOTHERシリーズの1作目。日本国内で任天堂から1989年にファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲームソフトとして発売された。
開発はパックスソフトニカとエイプ。2003年に発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト『MOTHER1+2』にも収録されているが、バグなどの問題で原作の再現が完全ではない部分がある。
アメリカの田舎町・マザーズデイの街はずれに住む少年(主人公)が、自宅で起きた怪現象の原因を探るために旅立ち、道中出会った仲間と共に、世界を歪ませている「何か」と戦っていくストーリーが展開される。
当時、ロールプレイングゲームといえば中世がモデルの剣と魔法の世界(ドラゴンクエストシリーズなど)、あるいはその様に見えるポストカタストロフ世界(ファイナルファンタジーシリーズなど)を冒険するものが殆どであるなか、任天堂が(1980年代当時の)現代アメリカの世界観に立つ意欲作として発表した。
発売当時放映されたCMでは、キャッチコピーは「エンディングまで泣くんじゃない」「名作保証」などと書かれていた。キャッチコピーはゲームをデザインした糸井重里自身が担当した(『名作保証』は、一倉宏が考えた)。糸井重里は「ゆっくり、物語を読むように遊んでください」という趣旨のことを話している。ゲーム中の各所に、アメリカのジュブナイル映画の影響を受けていると思われる箇所が見受けられる。
MOTHERシリーズのページの「ゲームの特徴」も合わせて参照されたし。
広大なマップの上を主人公が移動する。続編のようにマップが一切区切られていないため、ストーリーを無視して自由にあちこち進むことができる。例えば、おんなのこやもうひとりのおともだちを仲間にしなくてもクリアは可能である。
徒歩による移動が基本であるが、本作は上下左右だけでなく斜め方向にも移動することができるという点が発売当時は斬新であった。ゲーム中盤になると、汽車(外観上は電車だが、ゲーム中で駅員が「汽車」と言っている)という公共交通機関を利用することができるようになる(現実の列車と同じく、利用するには運賃が必要)。
また、別の場所に瞬時に移動する方法としては、アイテム「パンくず」を使う方法とPSI「テレポーテーション」を使う方法とがある。
パンくずアイテム「パン」は"たべる"を選択した場合はHP回復の効果があるが、"つかう"を選択するとその「パン」は「パンくず」に変化する。そして離れた場所で「パンくず」を使えば、「パン」を「パンくず」に変えた地点まで瞬時に戻ることができる(パンをちぎってパンくずにして跡を残しながら歩き、戻るときは地面に落ちているパンくずをたどることにより戻ることができる、という原理である)。パンは2人以上がそれぞれ別の場所で使用することもでき、パンくずを使った場合はそのキャラクターがパンをパンくずに変えた場所へ戻ることができる。ただし、途中でテレポーテーションを使ったり、異世界へワープしたりした場合は、直前にワープした先の地点までしか戻れない。また列車に乗った場合は、最後に降りた駅までしか戻れない。テレポーテーションワールドマップ上の町まで瞬時に移動することができる。使用する際には行先を選択することが可能だが、テレポーテーションを成功させるには一定距離を障害物にぶつかることなく走る必要があるため、狭い場所では使いにくい。本作のエンカウント方式は、ドラゴンクエストシリーズなどと同様のランダムエンカウント方式(移動画面で敵の姿が見えない)である。戦闘はターン制で、プレイヤーが手動でコマンドを入力してキャラクターに指示を出すマニュアル方式の他、キャラクターの行動をコンピュータに任せる「オート」モードも使用できる。オートモードではひたすら攻撃するだけでなく、状況に応じて臨機応変に回復やカムバック(蘇生)のPSIを使うこともある。本作では敵側・味方側による先制攻撃がなく、敵味方の別なく常に素早い者から順番に攻撃する。
本作では雑魚敵においても戦闘曲に種類がある。たまに敵がまったく無意味な行動をとることもあり、勝手に混乱する敵もいる。敵のバリエーションも、蛇やムカデ、野良犬が襲ってきたり、さらにはおじさんやおにいさんまでが襲い掛かってくるなど、発売当時に衝撃を受けたプレイヤーも多い。
敵との対戦に勝った際のメッセージは敵により異なる。特に人間や動物に対しては「○○はわれにかえった」や「○○はおとなしくなった」などで、殺したわけではないことを表現している。製作サイドが敵との戦闘と言っても殺伐とした感じのゲームにしたくないとの配慮からこういう表現になったとされる。
装備主人公達は現代のアメリカを舞台に冒険を繰り広げるため、当然剣や魔法の杖といったものは使わず、バットやフライパンといった身近にあるものを武器に戦っていく。武器の材質は名前に使わず(ドラクエの「銅の剣」など)、「ボロの○○」・「いい○○」といった感じでステップアップしていく。これは名前を「金属バット」などにしてしまうと殴った感触がプレイヤーにも伝わってしまうという製作者の配慮である。防具はコインや腕輪など、やはり鎧やローブといった中世ファンタジーを感じるものは出てこない。本作はマップ移動の自由が利く一方、ヒントがほとんど無かったり、敵が強かったりと難易度は高い。糸井重里曰く本作は終盤のデバッグ調整を省いているため、近年のゲームソフトとは相容れないほど難易度が相対的に高くなってしまっており、自力攻略を断念したファンも少なくない。これが他の大作RPGと比較される事となりMOTHERシリーズは好き嫌いがはっきりするゲームといわれるようになったという説もある。しかし、ファミコンソフトに多かった、ゲームバランスが考えられていないような、いわゆる「理不尽な難易度」と言うほどではなく、キャラクターのレベルをしっかりと上げていれば攻略はそれほど難しいものではない。
テンプレート:ネタバレ
イースターからスノーマンにかけては鉄道が通っており(ゲーム中ではサンタクロース駅~イースター間は乗車不可)、列車に乗っての移動も可能だが、時間をかけて線路の上を歩いて移動することもできる。
また、一定条件を果たすごとに、夢の世界「マジカント」への道が開かれ、そして閉じられる。
地名のスペルが2種類あるものはそれぞれ「日本国内版/国外版」での表記となっている。
おともだちの暮らす町。町の山間部にダンカン工場をかかえる。
ティンクル小学校 / Twinkle Elementary Schoolおともだちの通う小学校。屋上からはホーリーローリーマウンテンも見える。スイートリトル工場 / Sweet Little Factory町の南にある工場。ダンカン工場 / Duncan Factory町の北にある工場。大岩をも破壊できるロケットが設置されている。サンタクロース駅 Santa Claus Station / Union Station町の北にある大陸横断鉄道の駅。線路をふさいでいる岩を破壊すれば鉄道に乗れるようになる。高い建物が立地する都市。レインディア駅でおばあさんからおんなのこの帽子を届けてほしいと頼まれる。カゼが流行しており、不用意に住人に話しかけるとうつされることもある。
町の中心部はモンスターが徘徊しており、町人は山奥の住宅地に避難している。病院やホテルのみ営業している。
幽霊屋敷 / Haunted House真っ暗で幽霊や甲冑が跋扈する恐怖の屋敷。内部は非常に広い。かつてはローズマリーという人の家だった。屋敷の奥にメロディーを奏でるピアノがある。おんなのこが暮らす町。雪国で大陸横断鉄道の終点。カゼをひいた住人が多い。
教会 / Churchスノーマン唯一の教会。おんなのこの家でもある。町から離れた山奥にひっそりと建っている。広大な砂漠。先の大戦時の名残がみられる。各所にある骨には話しかけることもできる。顔のあるサボテンがある。
オアシス退役軍人の老人が戦闘機での遊覧飛行を営業している。遊覧飛行のチケットの半券を集めれば、戦車を貸してくれる。遺跡 / Historic ruins砂漠にある古代遺跡。あちこちにサルがいる。入り口は強力なロボットが守っている。最深部にはマジカントへの入り口がある。地雷 / Land mine砂漠のどこかに地雷がある。踏んでしまうと・・・・・・?サボテン群砂漠北西部にあるサボテンの密集地帯。顔のあるサボテンにあることをすると・・・?アドベント砂漠の南にある集落。マザーシップに大人たちが連れ去られ、住民は皆子どもである。鉄道の終点だが、駅は線路が破壊されて閉鎖されている。
イースターとバレンタインをつなぐ道。ピッピの別荘がある。
デトロイトを彷彿とさせる工業都市。若者の風紀の乱れと犯罪が問題になっている。
もうひとりのおともだちがボスを務めるブラックブラッド団、略してブラブラ団が町のあちこちにいる。
展望台港にある展望台。屋上から見える島には研究所があり、研究員達はいちごとうふを欲しがっている。クイーン・マリーが生み出した夢の世界。あるイベント後は来れなくなる。
地下大河 / Undergroundマジカントの地下に広がる大河。ドラゴンや忘れられた男がいる。元の世界への出口がある。クイーンマリーの泉 Queen Mary's Castleテレパシーを使うとおじさんが出てくる。GBA版では預けてあるお金を引き出すことができる。フライングマンの家 / Flying man's houseフライングマンの住む家。バレンタインの東にそびえ立つ標高の高い山。頂上までの道のりは敵の強さも半端ではなく熾烈を極める。
糸井重里によるとこのホーリーローリーマウンテンはエンカウント調整を端折っているという。
洞窟 / Caveホーリーローリーマウンテンにつながる洞窟。山小屋 / Mountain hut中腹にある山小屋。無料での回復やセーブができる。工場 / Factory中腹の湖底にある工場。ここにはイヴがいる。断崖 / Cliff山頂が近い断崖絶壁。あちこちで行方不明になっていた人たちがカプセルに閉じこめられている。山頂 / Summit「XX」と刻まれた石碑がある。その後ろには岩でふさがれた洞窟があり、マザーシップが停泊している。テンプレート:SpoilerH主人公の曾祖母マリアと同一の存在であり、マジカント自体いつか来るはずの主人公たちを助ける為にマリアが作り出した幻であった。主人公が8つのメロディを全て集めた後、全てを思い出した。その際、ギーグの育ての親であったかの様な描写が見受けられる。その後、8つのメロディがギーグに歌ってあげていた「子守唄」である事を主人公達に教えて夫・ジョージの待つ天国へ昇っていった。テンプレート:SpoilerF
イヴ / Eveホーリーローリーマウンテンの湖の底の工場でたたずむロボット。製作者のジョージを「父」と呼ぶ。長い間主人公を待っていて、主人公達を守るために再び起動する。一定の区間でのみ仲間になり、その強力な戦闘力で終盤の助け舟となるが、その宿命がゆえに悲しい最期を迎えることになる。ギーグ / Gyiyg / Giegue地球征服を企む宇宙人。とてつもなく高い戦闘力を持ち、ありとあらゆる武器・力をもってしても勝つことはできない。しかし、幼きころに覚えていたあるものが弱点。テンプレート:SpoilerH育ての親であるマリアを現在も大事に思っており、その思い出が弱点となっている。そしてその最大の思い出がマリアが歌ってくれた子守唄であり、その子守唄こそが8つのメロディであった。最終的には主人公たちが歌う子守唄に敗れ去り、宇宙に帰っていった。テンプレート:SpoilerF
本作で使われたBGM「Eight Melodies」「Bein' Friends」「POLLYANNA (I BELIEVE IN YOU)」が大乱闘スマッシュブラザーズDX・大乱闘スマッシュブラザーズXのステージ「オネット」に使われている。なおこのステージは本作には登場しないが、BGMは全て本作のものが使われている。
テンプレート:Navbox genericjbo:la mamtasimple:Mother (video game)sv:Mother
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