.hack_(ゲーム)

ページ名:.hack_(ゲーム)

テンプレート:Otheruses

.hack(ドットハック、まれにゲーム版.hack、.hack//Games)とは、サイバーコネクトツーが制作し、バンダイ(現:バンダイナムコゲームス)が発売したテレビゲームである。.hackのプロジェクト(Project .hack)の中心となるコンテンツになっている。

なお、.hackのゲームには大別して2つのシリーズがあるが、特に断り書きがない限り2002年から2003年にかけて発売されたvol.1~vol.4までの四部作および発展させた.hack//fragmentを指し、本記事ではこちらを取り扱う。また、2006年以降に発売されたゲームは、旧シリーズと区別する意味で.hack//G.U.として呼ばれることが多い。

目次

概要[]

テンプレート:See also

小説やアニメも含めた.hackのタイムテーブル上では、小説.hack//ZEROに続く物語が展開されている。

架空のオンラインゲーム「The World」内でストーリーが展開し、主人公らはThe Worldをプレイしているという設定である。この設定を活かした演出が随所でなされているのが特徴で、ゲームを起動すると最初に架空OS「ALTIMIT」のデスクトップ画面が表示され、そこからオンラインゲーム「The World」にログインすることでゲームの開始となる。このデスクトップは現実さながらに壁紙の変更が可能で、BGMの変更も可能である。他のプレイヤーとのメールのやり取りやニュースの閲覧もでき、ゲームの進行具合に同期する形で情報が追加される。ログイン後は主人公のPCであるカイト(開始時に名前の変更可)を操作することになる。

4部作を3カ月おきという短期間で発売するゲームとしては珍しい連続ドラマ的な構成と、ゲームと同時期の現実世界での出来事を描いたOVA『.hack//Liminality』のDVDビデオと同一のパッケージでセット販売するという前例の無い販売方法が話題を呼んだ。この商法はそれなりの成功を収めたらしく、他社からも同様にゲームと関連するOVAをセット販売するソフト(『機甲兵団 J-PHOENIX』、『GUNSLINGER GIRL』等)が登場することとなった。後に出た廉価版では4部作を2作ずつセットにした代わりにOVAは収録されていない。

テンプレート:ネタバレ

あらすじ[]

ごく普通の中学生である主人公は、友人のヤスヒコ(PC名:オルカ)に誘われて、“カイト”という名のPCを作成し、有名なオンラインゲーム(MMORPG)・「The World」に参加することとなった。オンラインゲーム自体不慣れなカイトは、オルカのレクチャーを受けつつ初めての「The World」を楽しんでいたが、初めて行ったダンジョンで白衣をまとった少女のNPCが追われている姿を目撃する。オルカは何かを知っている様子であったが、少女のNPCから“何か”を託された直後、追撃者の手によって倒されてしまう。カイトはその際、オルカが託された“何か”を受け継ぐことなり、それは『腕輪』に姿を変えた。カイトが少女のNPC(アウラ)と追撃者(八相の第一相スケィス)、及び『腕輪』の力を知るのはもう少し後のことである。

「The World」でオルカが倒されて以降、その影響はリアルでも現れた。ヤスヒコが意識不明になり、入院したのである。「The World」が何らかの原因となっているのではないかと考えた主人公は、情報を求めてBBSに書き込むものの、短時間で削除されてしまう。不審に思う主人公であったが、自らで情報収集をすべく「The World」を続けることにした。ちょうどその頃、カイトは“ブラックローズ”というPCと出会う。ブラックローズに促されるまま「Δ隠されし禁断の聖域」に行くが、そこで倒すことの出来ないモンスターと遭遇する。高いレベルのモンスター相手に苦戦するカイトだが、危ないところをバルムンクに救われる。その際にカイトは『腕輪』の力(データドレイン)を発揮するが、それはデータを改ざんする能力であり、不正規を嫌うバルムンクからは敵対視されることとなる。実はこのバルムンクは、オルカと共に『フィアナの末裔』と称される名プレイヤーであり、オルカの相棒であった。意識不明となったオルカを案ずるカイトとバルムンク、この2人は敵対することとなってしまった。

バルムンクとの一件以来、カイトの元にはヘルバからのメールが届くようになる。ヘルバは名の知られた凄腕のハッカーであり、本来管理者しか知りえない情報や、不正規アイテムであるはずの『腕輪』の使い方などの情報を主人公に与えた。ヘルバの手助けもあり、オルカを意識不明にした張本人である第一相スケィスと対峙することができたものの、カイトらの目の前でアウラはデータドレインされてしまう。カイトとそのパーティはスケィスを倒すことに成功したが、直後にスケィスとは比べ物にならない強敵クビアと遭遇、ヘルバの助けで事なきを得るが、同時にこの事件が簡単には解決できないことを知ることとなる。

クビアと遭遇したエリアに行ってみるものの何もなく、途方にくれたカイトとブラックローズは「意識不明者を回復させるヒントを持つ」という匿名の情報提供者に呼び出される。呼び出したのは管理者・リョースで、不正規なチートアイテムである『腕輪』をアンインストールするのが目的であった。ヘルバが乱入しその場は収まるが、カイトらはリョースの調査に協力させられることとなる。最初はおとなしく従うカイトらであったが、“意識不明者はハッカーらのばら撒いたウィルスのせいであり、管理者は関係がない”との姿勢を崩さないリョースに嫌気がさし、意識不明者を救うキーワードとなるであろう『黄昏の碑文』の情報を持つワイズマンと独自にコンタクトをとる。ワイズマンの勧めでヘルバを頼り、彼女が管理するネットスラムに辿り着くカイトらだが、リョースにネットスラムの場所を知られてしまう。ネットスラムごと「システムが不安定になる温床」を消そうとするリョースであったが、第三相メイガスが現れネットスラム自体が崩壊してしまう。時を同じくして影響はゲーム全体に広がり、今まで特定エリアのみであった侵食は、他のエリアや果てはルートタウンまで及んだ。

侵食の影響は他プレイヤーにも広がり、倒せないモンスターの存在や、本来手に入らないはずのウィルスコアの話題がBBSでもされるようになっていた。独自でウィルスと侵食について調べていたバルムンクだったが、事態解決の為にはカイトの持つ『腕輪』の力が必要不可欠であるという考えに至り、ダンジョンで苦戦していたところを助けたことをきっかけに協力するようになる。それでも未だリョースとは敵対関係にあったカイトらであったが、事件解決にはCC社内部の情報も必要との考えからリョースに協力を持ちかけ、上層部に不信感を抱き始めていたリョースはこれを承諾する。ヘルバ・リョース・ワイズマンの協力のもと、カイトらは第五相ゴレの潜むエリアを突き止めこれを撃破することに成功する。作戦の成功を喜ぶカイトらであったが、同時に開発者ハロルド・ヒューイックが仕掛けた「The Worldの本当のルール」に気づくのであった。

The World内の侵食の影響はリアルにも通信回線の麻痺という形で及ぶようになり、また医療機器の不具合という形で未帰還者の近辺にも忍び寄っていた。カイトらは今後の対策のため、公開されたばかりのΩサーバに呼び出されるが、非常に不安定であったためヘルバの立ち上げたミラーサーバへと誘導される。ヘルバの作成したワクチンと、リョースの部下らの協力で「波」の行動を制限し、カイトらはそのエリアに駆けつけるが、そこに居たのはカイトの仲間の1人ミアであった。ミアはこれまでにも奇妙な言動が目立っており、ここでカイトらの前に第六相マハとして対峙することとなる。カイトはやむなく撃破するが、ミアを親愛するエルクはワクチンを持って持ち場を離れてしまう。これによって「波」の包囲は崩れ、リョースの部下らは病院へ搬送されてしまった。そこで新たにカイトのパーティらが協力し、第七相タルヴォスを撃退することに成功する。

その後の「波」の追撃によりカイトらはハロルドの残留意識と遭遇、カイトはアウラからクビアと腕輪は表裏一体でありクビアを倒せば腕輪もなくなることを告げられる。直後にクビアに遭遇、苦戦するカイトらは腕輪を破壊することを決意する。カイトらは宿敵クビアを撃破することに成功するが、代償として「波」に対抗する唯一の手段である腕輪を失ってしまう。

Ωサーバに戻り対策を練るカイトらであったが、第八相コルベニクはそこに現れた。苦戦を強いられるカイトらであったが、アウラと共に駆けつけたオルカ・カズ・楚良ら未帰還者らの助けによりコルベニクを追い詰めることに成功する。しかし、あと一歩のところでコルベニクはドレインハートを発動、バルムンク・ブラックローズがデータドレインされてしまう。カイトにもデータドレインが迫った時、先の自分勝手さを悔いたエルクにより庇われる。仲間らがデータドレインされていく様に決死の覚悟を決めたカイトは、単身コルベニクに特攻する。コルベニクにとどめを刺そうとしたその時カイトの目の前にアウラが現れ、カイトはコルベニクと共にアウラを倒してしまう。

数ヵ月後、八相全てを倒したことでThe Worldは正常を取り戻し、未帰還者は意識を取り戻した。再生したアウラに呼び出されたカイトとオルカは、アウラから『黄昏の腕輪』と同等の力を持つ『薄明の腕輪』を託される。この頃、カイトらのパーティは『.hackers』と呼ばれるようになっていた。

シリーズ[]

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( )内は発売年月日

  • .hack//感染拡大 Vol.1 (2002年6月20日)
  • .hack//悪性変異 Vol.2 (2002年9月19日)
  • .hack//侵食汚染 Vol.3 (2002年12月12日)
  • .hack//絶対包囲 Vol.4 (2003年4月10日)

ストーリーを最後まで進めた状態でセーブすると、セーブデータに「クリアフラグ」が表示され、次作でデータのコンバートができるようになる。コンバートすると、その時点での仲間のレベルや所持アイテム、メール履歴などが引き継がれる。なお、コンバートしなくてもプレイは可能であるが、その場合はvol.ごとに決まったステータスから始まることとなる。

また、クリアフラグが表示された状態で同じvol.のトップページを見ると「パロディモード」が追加されている。パロディモードではゲームの進行自体は変わらないものの、本編の台詞がほぼ全面的に差し替えられている。

全巻購入特典としてDVDの配布があった(.hackを参照)。ただし、2006年3月2日に発売されたベスト版(1&2、3&4)には、オリジナル版に同梱されていたアニメDVDは同梱されていない。

スタッフ[]

  • 脚本:伊藤和典
  • キャラクターデザイン:貞本義行
  • 制作:サイバーコネクトツー
  • 発売:バンダイ

ゲームシステム[]

ALTIMIT OS[]

#概要で示したとおり、ゲームを開始すると、まず架空OS・ALTIMITのデスクトップ画面が表示される。

デスクトップ上には、以下のメニューが存在する。

The Worldオンラインゲーム『The World』を起動する。Log inThe Worldをプレイする。BBSThe World公式BBSを閲覧する。書き込みの内容はゲームの進行に従って、ユーザが書き込むような形式で増えてゆく。QuitThe Worldからログアウトし、デスクトップに戻る。Mailerゲーム内における運営企業サイバーコネクト社からのお知らせや、仲間からのメールを受け取ることができる。仲間からの私的なメールに対しては、プレイヤーは返信する内容を選択肢から選ぶことができる。News文字と挿絵(写真)によるニュースが配信される。ニュースの内容は、未来技術に関するジョーク的なものから、主人公の関わる事件にまつわるものまで、様々な種類が存在している。Accessory壁紙の設定、ムービーの閲覧などを行う。Audioサウンドを変更することができる。Dataメモリーカードに現在までのゲーム進行を記録、あるいは読み込みを行う。セーブは、ログイン中にもルートタウンで行うことができる。

サーバーとルートタウン[]

The Worldには複数の並立するサーバが存在しており、ユーザはそのサーバ間を行き来することができる。これらのサーバには、必ず拠点となるルートタウン(Root Town)が設けられている。

プレイヤーがログインする際やフィールドから帰還する際には、必ずルートタウンへ転送される仕様となっており、仲間とのパーティ編成、武器・防具やアイテムの売買、プチグソ(後述)の育成、セーブなどもルートタウンで行うことができる。

本作のサーバと、それぞれのルートタウンの名称は以下のとおり。

Δ(デルタ)サーバ水の都マク・アヌΘ(シータ)サーバ高山都市ドゥナ・ロリヤックΛ(ラムダ)サーバ文明都市カルミナ・ガデリカΣ(シグマ)サーバ空中都市フォート・アウフΩ(オメガ)サーバ遺跡都市リア・ファイル

エリアワード[]

ルートタウンからエリアへ移動する際には、ルートタウン内に存在する転送ポイント「カオスゲート」に対し、エリアワードを入力する必要がある。エリアワードは前半Aパート・中盤Bパート・後半Cパートに区切られており、各々に数十種類設定された文節を組み合わせることで、生成される。それぞれのパートのワードには、敵のレベル・属性・天候などに影響するものも含まれている。

無数に存在するエリアの中には、特定のワードで到達できる特殊なエリアも存在しており、多くの場合レアアイテムが隠されている。BBSなどでプレイヤー同士が情報交換を行っていることも少なくない。

なお、エリアワードは全てのサーバに共通しているが、使用するサーバによって異なるマップへと転送される。そのため、表記の際はΔ 萌え立つ 過越しの 碧野などのように先頭にはサーバ名を付与することで区別できるようにするのが一般的となっている。

フィールドとダンジョン[]

プレイヤーは仲間と3人までのパーティを組んで、エリアへ赴くことになる。エリアは、地上フィールドと地下3階程度のダンジョンで構成されており、ダンジョンの最下層にはアイテムを祀る「アイテム神像」が置かれている。特殊なマップでは階層が深くなっていたり、奥にボスキャラクターが存在することもある。

エリアマップには黄色い円状のシンボルが点在しており、プレイヤーが近づくと宝箱またはモンスターとして実体化する。実体化したモンスターは、基本的にプレイヤーに向かい襲いかかってくる。フィールドではモンスターから遠ざかることで戦闘から逃げることも可能だが、閉鎖空間となるダンジョン内では逃げる手段は無い。

戦闘[]

戦闘はややアクション要素を持つものとなっており、モンスターに近づいての直接攻撃、またはスキル(技や呪紋)やアイテムを使用して戦うことになる。

プレイヤーは、他の仲間に対して行動指針(作戦)を提示したり、指定したスキルやアイテムを使うよう指示することができる。

ただし、サーバの異変によって発生したウィルスバグは、データ自体が通常の敵と異なっており、ダメージを与えることができない。黄昏の腕輪の「データドレイン」(後述)を使ってデータを書き換えなければ倒すことはできない。

黄昏の腕輪[]

ゲーム開始後間もなく主人公が手にすることになる黄昏の腕輪には、『The World』にとってイリーガルな機能が秘められている。ストーリー上の扱いに関しては#黄昏の腕輪を参照。

データドレインモンスターやウィルスバグのデータを書き換え、弱体化させる機能。反作用として、時に「暴走」し、味方を状態異常にする。副産物として武器・防具、あるいは特殊アイテム「ウィルスコア」が手に入る。使用するごとに侵食ゲージが増していき、一定値を超えると暴走した際ゲームオーバーになる可能性が出てくる。なお、主人公で敵に止めを刺すと、ゲージは減少する。ゲートハッキングプロテクトエリアと呼ばれるアクセス権限の無いエリアに対して、開放・侵入を行う機能。エリア毎に特定種類のウィルスコアを数個消費する。

登場人物[]

Vol.1から登場[]

カイト[]

(声:相田さやか)

本作の主人公。(“カイト”という名はデフォルトネームであり、PC名はゲーム開始時にプレイヤーが自由に変更できる)双剣士(ツインユーザー)。友人であるヤスヒコに誘われてThe Worldを始める。初めてプレイしたダンジョンで、ヤスヒコのPC・オルカと共に謎のモンスター(第一相 スケィス)に襲われてしまう。その時に謎の少女アウラと出会い、彼女から託されたインストールブック『黄昏の書』によって手に入れた『黄昏の腕輪』が彼の運命を大きく変える事になる。スケィスに襲われた影響で意識不明の重体に陥ってしまったヤスヒコ(オルカ)を救うため、The Worldに発生している様々な異変や混乱の原因究明に乗り出すこととなる。数々の苦難が待ち受ける中、カイトと仲間達はそれを乗り越え、絆を深めていく。カイトが事件の中心に近付くにつれThe Worldの世界自体にも大きな障害などの影響が発生し始め、やがてシステム管理者側からは危険な不正PCと見なされてしまい敵対することとなるが、後に管理者側とも和解。“オペレーションテトラポッド”や“オルカ”の計画により、異変の元凶である禍々しき波を追い詰めていく。カイトがウィルスバグに立ち向かう姿は、僅かながらにも他のプレイヤー達にも目撃されており、さらに“蒼天のバルムンク”・“蒼海のオルカ”と共に残党退治をしていたことから、後に“蒼炎のカイト”と呼ばれるようになる。後に伝説となるパーティ『.hackers』のリーダー。

腕輪を手に入れたことにより、自身もシステムを超越したPCへと変化してしまう。そして、腕輪こそがウィルスバグに対抗出来る唯一の手段でもあり、禁断の能力であるデータドレインを駆使することで意識不明者たちを救う手掛かりを得ていく。また、この時の影響でエディット色が緑から赤色に変化し、本来エディットは作成できない紋様などが追加されている。そして禍々しき波、すなわち八相を全て倒すことにより未帰還者を蘇らせることを知った彼は、ゲーム内の仲間やゲーム外と協力して全ての波を撃破する。物語の途中で、クビアを消滅させるために対となる『黄昏の腕輪』も消滅させることになったが、後にアウラから『薄明の書』を授けられてほぼ同様の力を持つ『薄明の腕輪』を得ている。

パロディモードでは、居なくなった母親を探すために多くの人が集まるThe Worldにログインしているという設定。必殺技は「奥義暗黒吸魂輪掌破」(通常の本編におけるデータドレインのこと)。

後日談となるOVA『Unison』では、消滅した禍々しき波の残滓としてThe Worldに残っているウィルスバグを殲滅するため、フィアナの末裔と共に東奔西走中である。バグはほぼ完全に世界から姿を消したが、何故アウラが波との戦いを終えた後に再び腕輪をカイトに授けたのか、その真意を知るまで腕輪を守り抜くという決意を語った。

その姿は、.hack//黄昏の腕輪伝説の主人公『シューゴ』や、第2作(.hack//G.U.)に登場する追跡者『蒼炎のカイト』と似ている。シューゴの場合はイベントで運営が特別に用意した正規のPC(コミック版ではアウラが創り出した不正規のレプリカPC。どちらの場合も腕輪はアウラが与えた『カイトの腕輪』)であり、『蒼炎のカイト』はアウラが7年前のカイトを模して作り出した守護者の1人である。いずれも『黄昏の書』の影響でカイトが変化したような、本来はエディットで作成できないはずのカラーリングや模様が施されている。

リアルでは中学二年生の、ごく普通の少年である。The Worldを始めるまでネットゲームは未経験だった。物言いは年齢相応だが誠実な性格で、何事に対しても自分の意見をしっかりと持っている。

ブラックローズ[]

(声:浅野真澄

本作のヒロイン。重剣士(ヘビーブレイド)。カイトとほぼ同時期にゲームを始めた初心者で、主人公の良き相棒。ゲームのプレイ中に意識不明となった弟を助ける手掛かりを探すために、カイトと行動を共にすることになる。何事も一度決めたら後先考えずに突っ走る、猪突猛進型の少女。積極的で勝気で行動派。感情も熱くなりやすく、そして冷めやすい。いつも勝気で喧嘩腰の姿勢であるが、それは不安の裏返しであり、時折その不安をカイトに打ち明ける。その性格通りにPCのパラメータを相当偏った設定にエディットしており、弱い敵には滅法強いが劣勢になると打たれ弱い。伝説のパーティー『.hackers』の副リーダー。

パロディモードでは、様々な歴史物をごちゃ混ぜにしたようなあらすじと次回予告をいつも口走っている。決め台詞は「いけませんいけません」。実はカイトの母親。夫はリョースだが、その前はバルムンクと結婚していて双子の娘、ヘルバとミストラルを設けている。またThe Worldはブラックローズの精神世界で、ハロルドはアニムス、アウラは超自我だった。

後日談のOVA『Unison』では、(いずれは)伝説のプレイヤーと自称していた。この時点で、何故か司以外のSIGN・PC達との面識がある。同タイプのエディットな上、各パーツの色まで似通っているミミルとは、PCの件で言い争うこともあるが実際の仲はそれほど悪くないらしい。

その姿は、.hack//黄昏の腕輪伝説のヒロイン・レナが似せている。「ドットハッカーズ仕様」としてこのエディットは使用できないことになっていたが、イベントで運営側が特別に用意した(コミック版ではアウラが創り出した)。

リアルでの名は速水晶良、神奈川県横浜市旭区在住(ちなみにここは.hack//黄昏の腕輪伝説の国崎兄妹が近所に住んでいた)。県立朝陽高校に通う高校一年生。部活はテニス部に所属。部活に真面目に取り組む姿勢と類稀な運動神経で、一年生の中ではただ一人レギュラーの座を獲得している。また以前住んでいた九十九里町で得た泳ぎの経験から水泳も得意としており、“1Cの人魚(マーメイド)”を自称している。恋人などはいないが、決してそういう話に縁がない訳ではないという(ちなみに第2作(.hack//G.U.)内に本作のデータをコンバートした場合、彼女からカイト宛のメールが何故かハセヲの元に届き、その内容はカイトに対する告白とも取れるような文章となっている)。本人曰く、「自分に告白してくる男は皆タイプではない」らしい。The Worldのプレイ中だった上の弟の文和とのやり取りの中で、彼が未帰還者になってしまい、その事からも弟が倒れた原因の一端は自身にもあると感じており、その確固とした原因を確かめるべく不慣れなネットゲームを始めた。文和が意識不明となったことをきっかけに徐々に沈みゆく家庭の空気や、自分が部活のテニスの大会で選手に選ばれたことに端を発する上級生からの逆恨みによる虐めなど、様々な悩みを抱えながらも、自分のためそして弟のためにリアルとネットの両方で奮闘する。

余談となるが、当初は続編である.hack//G.U.のVol.3で撃剣士として再登場し、G.U.メンバーを支える立場となる予定であったが、工数の都合により登場せずに完結している[1]

バルムンク[]

(声:檜山修之)(※カイトのパーティーとして入れるのはVol.3から)

オルカと共に『フィアナの末裔』と呼ばれる有名なプレイヤー。剣士(ブレイドユーザー)。ザワン・シン討伐という伝説のクエストの達成報酬として、その背にはエディットにない純白の翼が生えており、その名は“蒼天のバルムンク”としてThe World中に知れ渡っている。

The Worldというゲームに対して特別な思い入れを持ち、その平和を願っている。そのためか不正行為に対して極度に憎しみを抱いており、始めはイリーガルなPCであるカイトに敵対的な立場をとる。単独でウィルスバグの調査を進めていた彼であったが、不正を憎む心を管理者であるリョースに利用させられ、結果的にカイトらを騙してリョースがネットスラムに乗り込むため片棒を担いでしまう。しかし、後にカイトと和解し、自身も事態の解決を目指すためカイトらに協力する。

パロディモードでは、SFマニアで難解な物理や数学について話し続ける。カイトいわく「宝塚モドキ」。実はブラックローズの離婚した前の夫で、ヘルバとミストラルの父親。

後日談となる『Unison』では禍々しき波の残滓として残っているウィルスバグを調査・殲滅するべく、カイトと行動を共にしている。腕輪所持者としての思いを語るカイトに、自らもThe Worldやカイトのために尽力する決意を新たにする。

リアルでは18歳の男子高校生。ネットゲームとは小学生の頃からの付き合いで、『The World』もそのテストバージョンである『フラグメント』を中学生の頃からプレイしている。ゲーム中では完全にバルムンクという人物になりきっている彼だが、ネットゲームの経験も深いからか現実との分別は出来ている。単車という趣味も持っている。律儀で真面目だが、それだけに融通の利かない一面もある。現在ほどではないが時折ボケた発言をかましており、密かにブラックローズからつっこまれていた。またリアルでも魅力的な人物であるらしく、異性からも何度か告白された経験がある。本人は色恋に興味が無いが、その性格故か告白の断り方に悩んでいるとか。成人後はCC社に就職(.hack//黄昏の腕輪伝説#バルムンク参照)。上役からの命令とThe Worldの管理兼運営という板挟み状態に悩まされており、中間管理職の見本のような存在となっている。しかしこの世界を愛する心は変わっておらず、プレイヤー達のためにも管理作業には真摯に取り組む姿勢を見せる。事実上.hack//AI busterから.hack//黄昏の腕輪伝説までずっと登場しているR:1世代の皆勤賞キャラ。また、.hack//G.U.ではR:2に移行しているためにエディットできなくなっているはずの“蒼天のバルムンク”に姿を似せた存在が登場する。

オルカ[]

(声:増谷康紀

主人公のリアルでの親友。主人公を『The World』に誘った。『フィアナの末裔』の一人“蒼海のオルカ”として有名なPC。剣士(ブレイドユーザー)。プレイヤーに対しては助力を惜しまず、他のプレイヤー達からの評判も良い。彼のパートナー“蒼天のバルムンク”と並ぶ有名プレイヤーの一人であるが、独自にThe Worldの異常について調べていた。しかし、その核心に達する前に初心者の主人公にThe Worldの遊び方をレクチャーしている際、アウラとスケィスの追撃戦に巻き込まれてしまう。その中でカイトをかばってデータドレインを受けた為に、PCが消滅してしまい、プレイヤーの意識がゲームの内部に取り込まれてしまった上に意識不明者、通称「未帰還者」となってしまった。後に第八相コルベニクとの最終決戦で、他の未帰還者と共に登場。

ウィルスバグ事件が解決した後、プレイヤーのリハビリを経てゲームでも復帰する。久々にログインしたThe Worldで「絶対倒せないバグモンスター(ウィルスバグ)を倒した凄い奴ら」の噂を耳にしたオルカは、それを他のプレイヤー達に「The Worldを救った伝説の勇者のパーティー“ドットハッカーズ(.hackers)”」なのだと、彼なりの解釈で説明する。結果、この話は沢山のプレイヤー達の間に際限無く広まってしまった。 本人は広まった事をそれほど気にするわけでもなく、「ドットハッカーズ仕様のPCとか出したりして」などと冗談めいたことを言っていた(そして「黄昏の腕輪伝説」で実現することとなる)。

パロディモードでは、皆から「足臭い」呼ばわりされ続ける。ミアがよく言う「怒られカボス」もオルカのこと。実はリョースとミアの息子で、カイトとは異母兄弟。

後日談のOVA『Unison』においてもThe Worldの有名プレイヤーの1人である。禍々しき波の残滓として残っているウィルスバグを調査・殲滅するべく、カイトと行動を共にしている。この頃は復帰から間も無い時期のようで、いまいち冴えの無い動きをするオルカの様子を見たカイトやバルムンクから心配されたり、からかわれたりしていた。

リアルでは、前述の通り中学二年生の少年で、本名はヤスヒコ。人に誇れるような特技も無く、平凡な日常に物足りなさを感じている時に『The World』のプロトタイプである『フラグメント』と出会った。そこで作り上げたPC・オルカは、ヤスヒコの理想を投影した姿であり、ゲーム序盤の彼の言動からもその様子が窺える。ちなみに実際の外見は、PCの筋骨隆々としたエディットからは想像し難いほど掛け離れたものらしい。オルカがスケィスにデータドレインをされた際、ヤスヒコもまた意識不明の昏睡状態に陥ってしまい、新里病院に搬送された。事件解決の後に意識が回復し、それから数ヵ月後にはThe Worldへ復帰を果たす。しかし、「ゲームは一日一時間」という約束をさせられ難儀している。なお、.hack//G.U.ではR:2に移行しているためエディットできないはずの“蒼海のオルカ”に姿を似せた存在が登場する。

ミストラル[]

(声:榎本温子)[2]

レアアイテム集めが趣味で、いかにも作っているかの様なキャピキャピ口調で話し、顔文字などを多用した発言をする。明朗快活でいつも明るいムードメーカー的な能天気プレイヤー。その性格からか、PCデザインや装飾もいかにも少女趣味な仕上がりになっている。呪紋使い(ウェイブマスター)。一連の事件は全てイベントの一種かと思っており、カイトの行動もロールプレイだと思い込んでいたが、実際にセグメントとアウラ、そしてクビアを目撃することで、カイトの言葉を真実だと知る事になる。リアルでは(意外にも)主婦であるが、その事が理由となりvol.3では出産のため休止する。Vol.4で復帰している。ちなみに、娘は.hack//黄昏の腕輪伝説のPC、ミレイユ(後述)。

パロディモードでは、多重人格。SFマニアの父親バルムンクに改造されてしまった改造人間でもあり、改造人間なために寿命が短くなっている。母親はブラックローズでヘルバとは双子の姉妹、カイトの異父姉にあたる。

後日談のOVA『Unison』にも登場しており、レアアイテムを入手しダンジョンから脱出した直後、女性PCのメンバーアドレス収集に執念を燃やす楚良に捕まってしまう。しかし、間一髪のところでクリム(他一名)が駆け付け、事なきを得た。

リアルでの本名は黒川真由美。当初は遠からず出産を控えている主婦。後に産休を経て復帰。埼玉県さいたま市の大宮方面在住。閉店間際のスーパーで値切る等の生活術は主婦ならではの賜物。料理は自身の趣味でもあり、得意とするのはおかず類。菓子類も作るがそちらは食べる側に回る方が多い。ちなみにかなりの甘党。GAMEより4年後、『.hack//黄昏の腕輪伝説』ではミストラル自身は既にThe Worldを引退しており、彼女が使用していたPCは愛娘である深鈴(みれい)のPC・ミレイユとして受け継がれている。深鈴がThe Worldの変化の渦中にいると知ったのは、バルムンクから連絡を貰ったのと同時期。以降はネットとリアルの両面から娘とその仲間達の行く末と成長を見守っていた。

ミア[]

(声:高山みなみ)[2]

謎の多いネコ型のNPC。剣士(ブレイドユーザー)。モルガナがマハ(.hack//SIGN参照)のデータを書き換えて作った存在であるため、本来エディットできないはずの外見で作成されたようだが、内部能力的には通常の剣士型PCと大差が無い。Δサーバのルートタウン「マク・アヌ」ですれ違った際に、本来不可視であるはずのカイトの『腕輪』を見て「素敵な腕輪だね」と話しかける。猫としての外見の通り、気紛れで神出鬼没。言動の一つ一つが謎めいていて、会話の内容にも妙な矛盾が多い。主人公に対しても“興味が有る”という理由だけで、腕輪の秘密や使い方などの助言をする。マハであったときの記憶があるのか、エノコロ草というアイテムを好み、司そっくりのエルクと行動を共にしていることが多い。

クビアが誕生した後、その際に起こった障害の影響か、暫くの間は言葉や文字をまともに発音・変換出来なくなるなどの出力異常に陥る。更にルートタウンまでウィルスバグによる侵食が発生した時は感情や記憶のデータにまで異常が及び、それと呼応するように彼女の様子も少しずつおかしくなっていく……。これらの影響は全て肥大する“禍々しき波”によるものであり、波の第五相であるゴレが撃破された後、第六相となるマハがミアの身体を媒介にして実体化してしまう。マハと化したミアは主人公の前に立ち塞がったが、最終的には撃破される。しかしそれは同時にミアの死を招き、光の粒となって消滅した。全ての戦いが終わり数ヵ月後、アウラと同様にミアもまた新生の時を迎える。かつて主人公と出会ってから後の記憶は、エルクのことを除いて全て失われていたが、ミアは無事に新生を果たしてエルクと再会する。

後日談のOVA『Unison』では、The Worldに住まう普通のNPCとなっていた。かつて見られた異常な様子は既に無く、外見以外は普通のPCと何ら変わりなく時を過ごしている。イベントに参加するべく集合した先で司と出会い、以前のマハとしての記憶は無くなっていたが、司の呼びかけに自分でも理由の判らぬまま涙を流した。

パロディモードでは、エルクと共にいつも電波を受信していたが、毒電波を受信しておかしくなる。実は行きずりのリョースと肉体関係を持っていて、オルカの母親。

第六相の碑文はミアの新生後も再び彼女に定着しており、そのためGAMEから5年後の2015年の春にモルガナ因子を回収していたProjectG.U.によって破壊され、「碑文」として回収される(チャップチョップ事件、以後については.hack//G.U. (ゲーム)#マハを参照)。

エルク[]

(声:斎賀みつき[2]

気弱な少年。呪紋使い(ウェイブマスター)。人見知りが激しいが心優しい少年で、仲間を治癒するスキルやアイテムを絶やすことは無い。見た目も性格も、SIGNに登場した司と瓜二つ(同じキャラエディットを使っているから当然と言えば当然。しかしカラーエディットは違う)。ミアと共にいることが多く、彼がThe Worldにアクセスする理由も、今では憧れの存在であるミアに会うためだけとなっているほどで、ミアの気を引く為にカイトに腕輪の交換を持ちかけるなど、ミアへの依存心が非常に強い。ミアと完全に連絡が途絶えてしまった後、禍々しき波と戦う主人公達に協力することでミアと再会できる可能性を見出す。しかし、ミアがその禍々しき波の一部、第六相・マハであったことが判明。やむなくカイトはそれを打ち倒すが、ミアを失ったエルクは絶望し、カイト達の前から姿を消す。その後も遠くより密かにカイト達の動向を窺っていたエルクだが、最終決戦のフィールドに巻き込まれ、未帰還者達を取り戻すために諦めず戦うカイト達の姿を目撃する。ミアの一件以来、協力を拒んでいたエルクだが、第八相・コルベニクの凶刃から腕輪を失ったカイトを庇い、倒れた。

数ヵ月後、アウラと同様に再生を迎えたミアと再会。これからもミアとこの世界で時を共にしてゆくことを誓った。そのため後日談のOVA『Unison』でも一緒に行動しており、イベントに参加するべく仲間と集合した先で同タイプPCの司と出会った際に、司もミアと心を通わせる。その間、エルクは二人の様子に気が気ではなかったようだ。

パロディモードでは、ミアと共にいつも電波を受信していて「ぴぽ」「っぷ」など、語尾に「ぱ行」を付けてしゃべる。

リアルでは中学一年生の少年。現実での人付き合いが下手で引っ込み思案な彼は、元々は友達作りを目的としてThe Worldを始めたという。2015年の春に起こったミア消失事件(チャップチョップ事件)で、心の拠り所にしていた彼女がいなくなったことで精神に失調をきたしてしまう。その後、The World R:2で「エンデュランス」として再登場する(詳細は.hack//G.U. (ゲーム)の登場人物#エンデュランス参照)。

ぴろし[]

(声:小野坂昌也

大げさな言い回しと奇妙な発言の目立つPC。他人には理解出来ない独特の価値観を持つ。重斧使い(ヘビーアックス)でずんぐりとした巨体を持つが、頭はそれに到底不釣合いなヒョロリとした童顔と、とんでもないPCエディットをしている。本人曰く「グラフィックには青春を捧げている」とのことだが、やはりそのセンスは他人には計り知れない。カイトの事を「良い目をした人」と呼ぶ。何かとトラブルに巻き込まれ易い…と言うよりは、自ら進んで首を突っ込んでいる。特にミアからはよく怪しいアイテムでからかわれており、“色男になる薬”という怪しいアイテムを名前に騙されて飲んでしまったりなど、単純なものに引っ掛かっている。そんな日頃の行いから結局本人は“ただのバカ”という話もあるが、そういうトラブルむしろを悲劇として楽しんでいる節もある。

リアルではCC社に勤めるグラフィックデザイナーの男性らしい。普段の言動や態度からはあまり想像できないが、31歳で既婚。職場では主にゲーム開発を担当している。The Worldは開発側には内緒でPCをエディットし、勤務時間の内外を問わずにプレイしている。「黄昏事件」後に「ぴろし2」という2ndPCを作るが、ぴろし2は「ミア消失事件」(正式名称「チャップ・チョップ事件」)に関わっていた模様。その後、The World R:2で「ぴろし3」として再登場し(.hack//G.U. (ゲーム)の登場人物#ぴろし3参照)、主人公をカイト同様に「(一見どす黒く濁っているが)良い目をした人」と呼ぶ。

なつめ[]

(声:坂本真綾)

どこか気弱な礼儀正しい初心者プレイヤーの少女。双剣士(ツインユーザー)。レアアイテムの入手を手伝ったことをきっかけにカイトと知り合い、感激しカイトに一目惚れした。ちょっとした言動や行動に感心・感動したりするなど、何かと感化されやすい性格。更に自己改革願望があるためか、人生観をあっさり変えてしまったりする。しかし傍目にはどう変わったのか分からないことがほとんどである。他人を疑うと言うことを知らず、あからさまに嘘臭い情報さえも鵜呑みにしてしまい、結果的に損を見てしょげることも少なくない。火と木の呪紋を体に施している。

リアルでは中学三年生の少女で、本名は大黒なつめ。学校では図書委員を務めている。仲良くなった主人公にあっさりと本名を教えてしまったりなど、やはりネット初心者な面を窺わせる。The Worldを始めたきっかけは、人から薦められてとのこと。図書委員だけあって小説好きでもあり、活字本は幅広く好むが中でもファンタジーやSFなどの空想小説がお気に入りの様子。しかしそんな典型的な文学少女の例に漏れず、運動神経はゼロに等しい。跳び箱に手を付くのを忘れ、そのまま体当たりしてしまう程の運動音痴だという。家庭的な面も持っており、自ら料理の腕を振るうこともある。料理は現在修業中で、レパートリーはカレー、スパゲッティ、ハンバーグの3種類のみとのこと。その後、The World R:2で再登場し(.hack//G.U. (ゲーム)の登場人物#なつめ参照)、主人公にメールで「(カイトに)一目惚れした事がある」と言ったり、戦闘前後のセリフなどから7年経ってもカイトのことを想っているらしいことが伺える。

ガルデニア[]

(声:冬馬由美

口数の少なく愛想の無い女性PC。重槍使い(ロングアーム)。女性PCでありながらその凛々しい外見のため女性に人気で、ファンクラブまで存在する。ファンの間では『ガル様』の愛称で呼ばれることもある。もっとも本人は、そのことには全く興味が無い。物事や話題に関しては何かと自己完結してしまうタイプで、必要な事柄以外は口に出さず、実際に口に出す言葉は大概が結論だけのものなので、本当の意図を誤解されてしまうことが多い。野花が好きで、自分が向かうエリアワードの中にも何かと花の名前を入れている。自身のPC名もガーデニア(梔子)の花が由来で、自分が無口なことと、クチナシという読みを掛けている。

リアルでは18歳の女子高校生。薙刀部の部長を務めている。PCと違わず当人もかなりの美形。PC同様に同性の人気が高いらしく、下級生の女子の憧れの的となることも多く、ラブメールも連日大量に届くなど注目の的となっているようで、その事に若干困惑しているらしい。タコとキノコの味、そして猫の生き様が好きらしい。

砂嵐三十郎[]

(声:増谷康紀

侍の外見をしたPC。日本刀をこよなく愛する重剣士(ヘビーブレイド)。古い時代劇が好きらしく独眼の鋭い目つきに無精髭や、髷こそ無いがそのPCエディットはまさに侍と言った印象。用心棒という存在に憧れているからか、三船敏郎の姿を再現しているとのこと。The Worldでも刀系武器を好んで収集している。面倒見は良く義理堅いが、ベタベタした付き合いや馴れ合いは嫌っている。ただクサいシチュエーションは馬鹿にしつつも好きらしい。豪快な物言いだが日本人でない為、メールには様々な誤字が目立つ。

リアルでは時代劇フリークのアメリカ人の男性。米国・サウスダコタ州在住。リアルではゲーム中の性格とは違い、非常に温和な態度で人に接する。無類の時代劇マニアなだけあり、彼の部屋には時代劇のビデオテープやDVDが数百本も揃っている。ボランティアで近所の子供達に日本語の勉強を教えており、その教材にも時代劇の小説や脚本を使っているらしい。.hack//黄昏の腕輪伝説にも再登場する(.hack//黄昏の腕輪伝説#砂嵐三十郎参照)。

アウラ[]

(声:坂本真綾)

アニメ版.hack//SIGNから引き続き登場。アニメ版で覚醒してから、モルガナの追手であるスケィスに追われている途中で、カイトとオルカにインストールブック『黄昏の書』を託した謎の少女NPC。物語の鍵を握る存在であり、黄昏の書をインストールしたことで腕輪所持者となった主人公に何度となく助けを求めるが、スケィスによってデータドレインされたことで無力化させられてしまった為、たびたびカイトに文字化けしたメールを送信してくる。

その後、八相との戦いの中でカイトの手によって元の力を取り戻す。しかし“真に誕生するための死”を必要とした彼女は自らその命を絶ち、“禍々しき波”の最後の一部である第八相・コルベニクと共に消滅する。そして数ヶ月の時を経てアウラは新生する。アウラは改めて主人公に腕輪の力となる『薄明の書』を預けた。

パロディモードでは、カイトが飼っていたハムスターの「たみよ」、カブトムシの「たまみ」、「たまよ」、野良ネズミの「長治郎」などのペットに間違われるが、その正体はブラックローズの超自我。様々な方言をあわせたガラの悪い話し方をする。

後日談のOVA『Unison』では、The World内に介在する意思として静かに世界を漂っており、禍々しき波との戦いを終えたプレイヤー達の宴の様子を静かに見守っていた。特別編OVA『.hack//GIFT』では、温泉を巡る戦いには一切姿を見せることはなかったが最後の最後で大トリを務め、彼女の悲壮な語りにより終幕する。エリア「Δ隠されし 禁断の 聖域」には彼女を模した像が存在し、その像は八本の鎖によって縛られている。その後、「世界を創るのは人である」と考え、The Worldから姿を消してしまう。そのため、R:2になった時点で彼女の像は無くなっている。

へルバ[]

(声:冬馬由美)(※カイトのパーティーとして入れられるのはVol.4のクリア後)

アニメ版から引き続いて登場。The Worldの変化や異変に早い時期から気付いていた凄腕のハッカーであり、物語序盤からカイトに接触してくる。自称『お節介な警告者』で、どうすれば良いのか悩むカイト達をたびたび導く事になる。

名前の由来は黄昏の碑文に登場する闇の女王で、ハッカーである為に本来エディットできないはず外見をしており、その名に相応しい力を持っている。放浪AIの溜まり場『ネットスラム』の管理者でもある。コンピュータと人との新たな関係を模索しており、今回の変化の果てに「コンピュータと人との新たな関係における一つの答えがあるのではないか」と考え、その行き着く先を見届けようとしている。そのため、異変の原因を探るカイト達に対しては導き手の様な役割を担い、逆にそれを押さえ込もうとするシステム管理者側とは対立する。しかし、やがてCC社内部の情報も必要と感じたカイトの行動により、自身の面子を捨てた管理者リョースと手を取り合うことになる。Ωサーバーのミラーサーバー稼動や、ウィルスバグに対するワクチンプログラムの作成など、その仕事全てにプロ以上の技術を見せる。

パロディモードでは、意味不明な言葉言うが官能小説的な内容が多い。実はブラックローズとバルムンクの娘で、カイトの異父姉にあたる。ミストラルとは双子の姉妹。

全てが終わった後のOVA『Unison』や『.hack//GIFT』では、レクリエーションを演出し、皆の労をねぎらったりもした。

ハロルド=ヒューイック[]

テンプレート:Rellinkパロディモードでは、カマっぽい京都弁の恨み節。実はブラックローズのアニムス(女性の中の男性的傾向)。

Vol.2からの登場[]

ニューク兎丸[]

(声:檜山修之

いつも陽気なPC。PCエディットがやたらと派手な重槍使い(ロングアーム)。その時々で最も“おいしい”と思った芸人的行動を好んでいる。その行動理念において、物事や結果の正否は関係無い。とにかく人々の注目を集めることを好む彼は戦闘さえも一つのショーだと考えており、自分の窮地よりも観客に対しウケているかどうかを最も気に掛ける。漫才師を目指しているらしく、たまにBBSで告知してダンジョン内で漫才やトークショーなどを披露しているが、掴みのギャグが寒いためお客の反応は芳しくない。

リアルではお笑い芸人の男性。首都圏在住。レイチェルのプレイヤーと漫才コンビを組んでおり、主にボケ役を担当している。しかし、ツッコミ役の相方も自分と一緒にボケてしまうことに頭を悩ませている。相手のノリを期待してメールなどでギャグを飛ばしたり、リアルでも路上ライブを行うなど、その活動は幅広い(?)。後にレイチェルと漫才コンビ「にゅ~くれいちぇる」を組み、「ウサギ丸くん」の名でお笑い芸人へとのしあがっている。

マーロー[]

(声:檜山修之

悪役気取りの元PKというPC。剣士(ブレイドユーザー)。物事をひねくれた見方をする人物で口調も乱暴。他人と同じ行動を取ることを極力嫌っており、言ってしまえばへそ曲りな性格。その口元には常に皮肉っぽい笑みを浮かべている。全身は禍々しい暗色系の鎧に包まれており、モンスターと勘違いされて攻撃されそうになることもあるらしいが、無理もない事と割り切っている。口が悪く、人の癇に障ることも平気で言うので、他のPCとのトラブルが絶えない。言葉の内容には何かと文句が多いが、根っからの性悪というわけでもなく、仲間への面倒見は意外と良い。以前、凶悪なモンスターと出くわした際に仲間から見捨てられてしまった過去があり、それ以来ずっとソロプレイを続けていた。BBSでカイトを呼び出し、治安維持を目的とするPCと「個人を名指しで呼び出すのはネチケット違反だ」と口論をしているところでカイトと出会う。Vol.3である条件を満たすと、かつての仲間と和解する。

日々の生活を事務処理的に比喩していたり、飲酒していることなどから、リアルでは成人以上の社会人を連想させるが、実は平凡な高校二年生だったりする。ネットでの付き合いは所詮ネットだけのものだと割り切っているため、自身の素性に関することなどを口にする素振りは全く見せない。自分とは正反対のタイプである主人公の前向き振りには呆れつつも感心している。

レイチェル[]

(声:久川綾

金儲けが趣味の少女。関西弁で商人気質な剣士(ブレイドユーザー)。世話焼きな性格で仕切り屋。根っからの商売人で、The World内でもトレードの斡旋やアイテム宅配便など、様々な商売を考案している。このようにいつも新しい商売について考えているが、その度に割に合わずに挫折している。それでも「過ぎた事は仕方がない」と、全くめげない所が彼女の美徳と言えるかもしれない。お宝発掘にも燃えているようで、周りに出現した宝箱等の類は必ずチェックする程の徹底ぶり。だが価値の低いアイテムには興味が無く、守銭奴というわけではないようだ。

リアルでは19歳、フリーターの女性。首都圏在住。人に使われるのは嫌いだが、人を使うのは好きなのだとか。そんな彼女の将来の夢は編集長。だが決して明確な目標ではなく、とにかく“長”の字が付く役職に憧れているようだ。またアルバイトの傍ら、ニューク兎丸のプレイヤーと漫才コンビ「にゅ~くれいちぇる」を組んで路上ライブなどの活動をしている。担当はツッコミ役なのだが、ボケを振られるとつい一緒になってボケてしまうらしい。

月長石[]

(声:増谷康紀

いつもとことん寡黙でクールな青年。双剣士(ツインユーザー)。表情を隠した顔や細身でしなやかや外観など、どこか暗殺者を連想させるようなPCエディットとなっている。基本的に己の鍛錬以外の行動には興味を示さず、日課である毎朝2時間のトレーニング(レベルアップ)も欠かすことはない。喋る機会はガルデニアよりさらに少ないが、小動物を愛する心優しい人物。また惚れた女性にはやや弱いという一面もある。

リアルでの年齢・職業・性別などは不明。現実でも筋力トレーニングなどの自己鍛錬を行っている。プロテイン等も服用していることから、かなり本格的に取り組んでいる様子。また動物好きでもあるのだが、不器用な性格が祟って子犬との付き合い方一つにも苦しんでいる。

リョース[]

(声:西村知道)[3]

サイバーコネクト社(CC社)に属するシステム管理者。リョースというのは管理権限を持つ者に与えられるコードネームであり、PC自体の名前ではない。イリーガルな存在であるカイトに対して度々干渉を行う。外見はアイテム屋などのNPCを利用する他、通常と異なる転送方法によって登場する。The Worldという世界の安定を至上としており、世界を正常に運営するためには手段を選ばない、融通の利かない石頭。ゲーム世界全体に影響を与える主人公の動きを抑えるため、不正キャラという理由で主人公を排除しようとするも、その場に割り込んだヘルバに「主人公を削除することによるゲーム世界への影響」を諭されて排除を中止する。ところがリョースは社員としての面子を捨てきれず、その後も主人公を利用してThe Worldのシステムを自分の力一つで元に戻そうと画策していた。しかし主人公ととある勝負をし、主人公の真っ直ぐな行動の前に負けを喫した彼はヘルバと協力し合うことを約束する。

後日談のOVA『Unison』では相変わらずThe Worldの管理者の仕事を続けていた。禍々しき波と戦った者として、ヘルバの手によるネットスラムでの祭に招待されており、そこでかつてΩサーバーとして代用されていたネットスラムを正式なルートタウンとして採用したい考えをヘルバに持ち掛ける。

パロディモードでは、時代劇や西部劇や極道映画やハードボイルドなどのようなダンディなくさい芝居がかった口調で話す。カイトに多くの試練を与えるが、実はカイトの父親であること気付かれるのが怖くて邪魔をしていたのだった。ミアとの間にオルカを設けている。

リアルではCC社の社員であり、The Worldのサーバー管理者。The Worldに隠された謎や『黄昏の碑文』などに関する知識は皆無で、実際はCC社上層部にいいように使われている。役職の上では課長。最近昇進したばかりなのか、係長と呼ばれると怒る。なお、名前の由来は黄昏の碑文に登場する光の王であり、管理者が代々引き継ぐらしい。本来その光の王の軍勢である碧衣の騎士団は、CC社の別の人間によって管理されている。

ワイズマン[]

(声:山崎たくみ

『賢者』と呼ばれる有名なプレイヤーで、トレードの元締めを行っている。呪紋使い(ウェイブマスター)。多くのPCと取引して情報やアイテムの流通を実質的に管理しているため、本人は殆ど冒険に出る事もなく欲しい情報やアイテムを入手出来る。そのため常に散逸的だと言われる黄昏の碑文に関する情報も、他プレイヤーに比べて非常に数多く握っている。その一方で、他のユーザー達が偶然入手したウイルスコアの買い取りも行っている。The World内の異変にはカイト達と出会う前から独自の調査で気付いており、特別な事情を持つ主人公に興味を持った彼は、その広範な知識でカイト達に有益な情報を提供するようヘルバに紹介される。

パロディモードでは、いつ心臓が止まるかもしれない病弱キャラ。そのため会話内容には医学ネタが多い。

非常に切れ者であるが、リアルでは実は小学生の少年(GAME当時)。静岡県熱海市在住。私的なメールには普段の知的な言動と年齢相応の言葉や話題が混ざっているため、文面からは妙なギャップを感じる。趣味はトレーディングカードゲーム。PCの印象もあってインドア派だと思われがちだが、運動もこなせるようで、小学校対抗サッカー大会の代表選手に選ばれたりもしている。その後、The World R:2で「八咫」として再登場する(.hack//Roots#直毘(なおび)/八咫(やた)を参照)。


Vol.3からの登場[]

寺島良子[]

(声:名塚佳織

上品な物腰の重斧使い(ヘビーアックス)。普段は温和でおっとりとした態度をしており、どの様な場面でもその態度を崩さない。ネットゲームの初心者であり、かなりの方向音痴らしく、Lv5で高レベルダンジョンを彷徨っているところをカイトに助けられた。ダンジョンの一階にいたつもりが実は最下層まで行っていたという話もしばしば。カイトに好意を寄せていて、ゲーム中ではカイトをめぐってブラックローズと言い争いをしたことがある。

リアルでの本名はPC名と同じ寺島良子。高校二年の女子学生。九州方面在住。いわゆるお嬢様であり、福岡県内にある名門中の名門と言われる最馬女子大学付属高校(車でのお出迎えは当たり前で、修学旅行は世界一周クラスだとか)に通っている。その姿勢や物腰は気品を漂わせるものがあるが、本名をPC名にしてしまうなど天然ボケや世間知らずな言動が多々見られる。また、良子曰く、彼女の父親は「お茶目な人」らしく、お米の気持ちが判らない料理番を庭の池に縛り付けたり、良子に付いた“悪い虫”を黒服の男達を使って掃除させているらしい。

Vol.4のみ[]

カズ[]

(声:斎賀みつき[3]

ブラックローズの弟。姉の晶良と談笑しながら適当に選んだフィールド「Δ 隠されし 禁断の 聖域」で起こった何らかの出来事に遭遇し、スケィスに襲われて意識不明者となっていた。vol.2でブラックローズが言っていた“彼”とはカズのことである。第八相コルベニクとの最終決戦で、他の未帰還者と共に登場する。

意識回復より数ヵ月後にThe Worldへと復帰したが、端末は姉に取り上げられてしまっているため、ネットカフェより接続する日々が続いている。また直情型の姉を何かと心配しており、主人公にブラックローズの助けとなる役割を託した(世話を任せたとも)。

リアルでの名前は速水文和。人懐こい性格で、現在の住居に移る以前は近所に住んでいた子供達(『黄昏の腕輪伝説』の主人公・シューゴとレナのプレイヤー)の遊び相手もしていた。動物好きな一面もあり、ハナと名付けたプレーリードッグ(この時代は輸入が解禁されている)を飼っている。

ジーク[]

テンプレート:Rellink第八相コルベニクとの最終決戦で、他の未帰還者と共に登場。

楚良[]

テンプレート:Rellink第八相コルベニクとの最終決戦で、他の未帰還者と共に登場。

リョースの部下[]

第八相コルベニクとの最終決戦で、他の未帰還者と共に登場。

ネットスラムの住人[]

テンプレート:節stub

SIGNのキャラクターの思念体[]

それぞれの元となったキャラクターについては.hack//SIGN参照。

ボスキャラクター[]

テンプレート:節stub

八相[]

.hackのボスキャラクター。波のエフェクトと共に出現する八つの相(かお)であり、モルガナ(.hack//SIGN参照)の化身であり分身。その名はエマが死ぬ間際まで書き綴った未完の叙事詩、「黄昏の碑文」に由来しており、The Worldの世界観も、この碑文が元になっている。

なお.hack//G.U.に登場する憑神(アバター)でもある。(G.U.では外見が変化している者がほとんど。見た目は人型に近づいており、質感も石のようではなくなっている)。

パロディモードでは、製作者の手先となっている。

第一相『死の恐怖(The TERROR of DEATH)』スケィスアニメ版/SIGN、及び/Rootsの両方に唯一登場した相。データドレインにより楚良を未帰還者にした。各関節ごとにパーツを分解した人形のような奇妙な姿をしている。顔に当たる部分にはボウリングの球のような三つの穴が存在しており、ケルト十字に似た赤い十字架を得物にしている。データドレインを行う際は、標的を十字架に磔にしてから処刑を行うかのように発動させる。モルガナの差し金でアウラを追っていたが、その途中で自らの行動の邪魔となったオルカをデータドレインで消滅させる。その後にアウラを捕らえて無力化させた。最終的にはスケィスとアウラの動向を追っていたカイトやブラックローズらによって討伐されたが、「碑文石」と化した後は他の八相と違って碑文石の崩壊を起こさず、その残骸がクビアを呼び寄せた。第二相『惑乱の蜃気楼(The MIRAGE of DECEIT)』イニス外郭は地図のような形で、歪な形にくり貫かれた古代壁画に、一つ目のような物が描かれた何とも無機質な外見を持っている。実体から幻に変化して移動したり、攻撃を無効化したりする。また幻を自在に操り、形状を変化させて攻撃を行う。Λサーバーのエリアに異常を起こし、そのエリアに主人公らを誘い出したが返り討ちに遭う。スケィスの最期の時とは異なり、構造体である碑文石が完全に崩壊を起こし消滅した。第三相『増殖(The PROPAGETION)』メイガス大きな球体に十数枚の葉を付けた一本の枝、というような植物の形をしているが、無機質な印象を感じさせる。本体の葉の部分から光線を発射したり、無限に増殖する葉の部分を削ぎ落として爆弾として使用するなどの攻撃方法を持つ。主人公やヘルバの動向に感付いたモルガナによってネットスラムに刺客として放たれたが、主人公達に返り討ちにされ消滅する。その後、逆上したモルガナの手によりネットスラムも崩れ去ってしまうことになる。第四相『運命の予言者(The PROPHET)』フィドヘルイニス以上に無機質な雰囲気を持っているため、まるで落書きのようなその姿は言葉では形容し難い。強いて言えば、様々な形状の仮面を組み合わせた様な形状をしている。おそらく頭部と思われる円盤状の仮面を開放し、そこから様々な属性を持つ魔法攻撃を放つ。"予言者"の名を持つ通り、「災いの炎、全てを焼き尽くすだろう…」などの予言の後に魔法攻撃を行う。ウィルスバグの影響を現実世界に発現させ、ネット災害を起こそうとしていたが、主人公達によって半ばで阻止された。最期に意味深長な予言を残して消滅し、その直後に現実世界で機械の停止・誤作動など、後に『ネットワーククライシス』と呼ばれる災害が発生する。.hack//LiminalityVol.2でその詳しい様子が描かれた。第五相『策謀家(The MACHINATER)』ゴレ外見は二枚の対称的に並んだ菱形状の岩盤。それぞれ固体として独立しており、攻撃の効果も違うが、HPなどのステータス部分を共有している。攻撃時には岩盤に浮き出た顔がせり上がり、様々な特殊攻撃を放つ。また、「あのさぁ、あいつむかつくんだよねぇ」「そうですねぇ、やってしまいましょう」などと会話を交わすこともあり、互いの相談の後に頭頂部から同時にエネルギーを射出する、という変り種の攻撃方法も持っている。Σサーバー内に潜伏していたが、ヘルバにサーバーの容量が肥大している様を察知される。間もなく、八相撃退のために予定されていたワイズマン立案の作戦“テトラポッド”が発動し、実動部隊である主人公達によって討伐された。黄昏の腕輪伝説漫画版で、ほたるの部屋にゴレのキーホルダーがあった事から、グッズ化されている可能性もある。第六相『誘惑の恋人(The TEMPTRESS)』マハThe World内を移動していた禍々しき波の力がミアを媒介にして具現化した姿。上半身は女性を象ったものであり、下半身は目のような模様がかたどられた一枚の巨大な花を連想させるような物がスカートのように展開している。"誘惑"の名を持つ通り、パーティー全員を誘惑状態に陥れる攻撃を仕掛けて来るほか、呪紋や衝撃波といった直接的な攻撃手段も持っている。マハが主人公達に討伐されると共にミアは死んでしまう。ことの顛末を知ったエルクは絶望して皆の前から姿を消す。第七相『復讐する者(The AVENGER)』タルヴォス不可思議な形をしていて、強いて形容するならハテナマーク。曲がりくねった石柱の中点に、一本の巨大な杭が打ち込まれているという、何とも抽象的な形態である。石柱の前面部には埴輪の様に穴を開けただけで表現された目と口らしきものがあり、巨大な杭で攻撃を仕掛ける際などはその穴のような目から泥の色の涙を流す。作戦に綻びが出た主人公達に一度は甚大な被害を与えるが、禍々しき波を包囲するオルカ作戦を再度実行された際に追い詰められ、反撃に出た主人公達によって討伐された。第八相『再誕(The REBIRTH)』コルベニク最後の相であり、今作のラストボス。“誕生”をその姿によって表しているのか、最初は巨大な種のような形をしていて、次は発芽したかの如く二枚の葉に姿を変え、最後は人間の眼を象った無数の花弁となり主人公達を翻弄した。種による爆弾、全ての攻撃を無効化する絶対防御など、形態によって戦法も変化する。モルガナの持つ最後の相(かお)であり、クビアとの戦いで『黄昏の腕輪』を失った主人公達を追い詰めるが、帰還者達の協力を受けた主人公達に形勢逆転され追いつめられる。"ドレインハート"を発動し、カイトと彼のメンバーアドレスを持つ仲間全員をデータドレインしようとするが、エルクが身代わりになることで防がれ、カイトにより止めを刺された。最期はアウラと共に消滅するが、『再誕』の名前は、アウラ及びThe Worldがやがて生まれ変わることを意味していた。カイト達とコルベニクとの戦いは、「見たこともないモンスターと戦っている奴がいて、尚且つそれに勝った」とBBSで話題にされ(ゲームクリア後)、後にカイト達がパーティ『.hackers』として有名になる要因となった。クビア[]

倒されたスケィスの碑文石から実体化した。『黄昏の腕輪』と対になる存在。たびたびアウラの前に現れたがそのたびにカイトが立ちはだかり、クビアが消滅すると腕輪が消滅、腕輪が消滅するとクビアが消滅する表裏一体の関係にあるため、腕輪を持つカイトを倒すわけにいかず、カイトに邪魔されるといつもある程度戦って逃げ出していた。

アウラが覚醒した場合、クビアはカイトが立ちはだかっても戦いことを厭わず逃げることはないが、何を目的にアウラを追っていて、何故この場合は逃げないのか詳細不明。(覚醒したアウラは、クビアはもう逃げないので戦わずに逃げるようカイトに言っていた)。

カイトが黄昏の腕輪を破壊したことでクビアは消滅した。

The Worldの元になった黄昏の碑文には、「超古代生物クビア」が登場している。碑文の主人公サヤにたびたび退けられ、最後にラゼスの夢の中でサヤの使い魔と共に消滅した。

スピンオフ作品である「.hack//XXXX」では設定が変更されて、クビアが重要なキャラクターとしてクローズアップされている。

「.hack//G.U.」では、八相と対になる反存在としてクビアが再誕した。

補足[]

  1. ゲーム「.hack//G.U」攻略本「.hack//G.U. Vol.3コンプリートガイド」(ファミ通、ISBN 978-4757734937)の細川氏のコメントより
  2. 2.02.12.2 Vol.3ではパーティーに加えることが出来ない。
  3. 3.03.1 パーティーに加えることは出来ない。
  • この他にも、アニメ『.hack//SIGN』のキャラクターが思念体ではなくPCとして登場するが、『.hack//SIGN』参照。

黄昏の腕輪[]

主人公にアウラが託した仕様外の得物。通常のプレイヤーでは見えない。ある程度ダメージを与えたモンスターの内部からウィルスコアを除去してデータを書き換え弱体化させる力(=データドレイン)と、システムによって封鎖されたエリアを解放する力(=ゲートハッキング)を持ち、事実上禍々しき波への唯一の対抗手段である。その他にもカラーエディットの変化や、八相のデータドレインによる意識障害からパーティを保護する能力、全魔法耐性向上などの恩恵を受けると同時に、使い方によってはプレイヤー自身に危険が及ぶ可能性もある。また、イリーガルプログラムである性質上、主にシステム管理者からの敵愾心もを受けることは避けられない。なお、腕輪はクビアと表裏一体の関係にあるため、片方が消えればもう片方も消えることとなる。

用語解説[]

.hackに登場する重要な語句を50音順に記載する。

職業(ジョブ)ゲームを始める際、決定する戦闘を司るシステム。これにより決定した職業にはそれぞれに特性がある。剣士/ブレイドユーザー(装備品…片手剣、防具は全種類)一般的な職業。攻撃力もそこそこあり、回避、防御力も高め。魔法能力はやや劣る。バランスがとれているともいえるが、秀でた部分がないともいえる。小回りの良さを活かし、前面に押しでての連続攻撃が得意。重剣士/ヘビーブレイド(装備品…両手剣、防具は全種類)両手で扱う大振りな剣を使用するため物理攻撃力はかなり高めだが、その分防御力に欠け魔法に弱い。他のバランスは至って普通。先手必勝系のスタイルが基本となる。双剣士/ツインユーザー(装備品…双剣、防具は布、皮製のみ)攻撃力防御力、共にやや低め。接近戦は不向きだが魔法などの攻撃スキルはスゴイので万能タイプにもなれる。避けて当てるが基本スタイル。重斧使い/ヘビーアックス(装備品…斧、防具は全種類)HPが高く、回避、移動速度が低いため攻撃が当たりやすい。攻撃力・命中はトップだが、魔法になると攻守共に弱い。重槍使い/ロングアーム(装備品…槍、防具は布、皮製のみ)攻撃力は抜群に高く、装備次第では重斧使いを超える。防御力は低いが命中・回避率は高い。前線向き。呪紋使い/ウェイブマスター(装備品…杖、防具は布製のみ)攻撃力、防御力は低く、戦闘能力は低いが魔法攻撃・防御は高く、回復も期待できる。後方支援向け。ヘルバのみ前線向け。黄昏の碑文/Epitaph of the TwilightThe Worldの原型、フラグメントの本となった物語。精霊の時代がいかにして終わりを告げたかを語った未完の長編叙事詩。作者はエマ・ウィーラント。この中にゲームのボス八相の名前も載っている。.hackers(ドットハッカーズ)カイトを中心としたパーティーの事。カイトの「データドレイン」の力によって、撃破不可能な筈のバグモンスター(ウイルスバグ)を次々と倒した姿を目撃され、噂になった上にその話を聞いたオルカに「ドットハッカーズ」と命名されてしまう。リョースとヘルバとワイズマンが裏工作でもしたのか、リーダー・カイトとサブリーダー・ブラックローズ以外のメンバーは詳細を知られることは無かった(後日談にあたる.hack//黄昏の腕輪伝説でもカイトとブラックローズ以外のメンバーに関しては人数・構成共に一切不明とだけ説明されていた)。「ドットハック事件」(Pluto Again)終結後、事件を解決してくれたことにたいしてのお礼なのか、CC社によりカイトとブラックローズのエディットは「ドットハッカーズ仕様」として彼ら以外使用不可能の限定PCになった。(つまり限定された特殊エディット。バルムンクがイベントの報酬として手に入れたPCのエディットと似たような物と考えれば分かりやすい)ウイルスバグの殲滅が完了したのか、.hack//黄昏の腕輪伝説の時点では既に活動を停止していた模様。コミック版・アニメ版の両方を併せて作中で確認できるのは管理者のバルムンクをはじめ、砂嵐三十郎(HOTARUの友人)、ミストラル(PC自体は娘に譲っている)、ワイズマン、ヘルバの計5名のみ。カイトとオルカは大学受験を控え、ログインしていない模様。プチグソルートタウンの牧場で育てることが可能な生き物。エサを与えることで成長し、成獣になるとフィールド上に呼び出して移動手段にする事がでる。成獣となった後はルートタウン内に生活しており、アイテムのトレード相手にもなる。未帰還者The Worldをプレイ中に原因不明の意識障害を起こした者。具体的にはオルカ(カイトの友人)、カズ(ブラックローズの弟)、ジーク(Liminalityの登場人物)、楚良(SIGNの登場人物)、カール、アルフ(ZEROの登場人物)の6名が確認されている。なお、CC社によって彼らとゲームとの繋がりに関する情報は隠蔽されている。The Worldのサービスの中止によって、アウラの成長(=自らの破滅)を防ぐ為にモルガナが引き起こしたとされている。

.hack//fragment[]

2005年11月23日発売。本編の時間軸のどこにも属さないパラレルワールドを舞台とし、第1期シリーズのゲームやアニメ等で登場したキャラクターと共に冒険することができる。また、オンラインモードを搭載しており、全国のプレイヤーとの冒険を楽しむことができる。

メーカーサイドではオンラインプレイ用のサーバーを用意せず、メーカーが提供するフィールド製作用フリーソフトウェア(パソコン用・無料)を用いて一般のプレイヤーがゲームマスターとなり、ゲームマスターのパソコンをサーバーとして使用するため、プレイヤーはパッケージ料金のみでオンラインモードをプレイすることが可能である。

2006年11月末日を持ってオンラインモードサービス終了の予定だったが、「.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで」の発売予定日である2007年1月18日まで延長していた。

関連商品[]

  • .hackモバイル
iアプリDX対応端末向けのアプリケーションとして配信されている。
  • .hack//GAME MUSIC Perfect Collection
サウンドトラック。2003年4月末に発売された。

外部リンク[]

  • バンダイレーベル内公式HP
  • サイバーコネクト2公式HP(.hack)
  • サイバーコネクト2公式HP(.hack//G.U.)
  • .hack 人物辞典 -登場キャラクターの解説・参考サイト

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