登録日:2010/08/11(水) 08:32:18
更新日:2023/08/18 Fri 11:49:56NEW!
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ネタキャラ 競走馬 競馬 最弱 武豊 偶像 作られたアイドル サラブレッド 牝馬 記録ではなく、記憶に残る馬 無事之名馬 馬 全戦全敗 アイドルホース 負け組の星 ハルウララ 頑丈さなら最強 武豊でも勝てず 99年クラシック世代 愛されることで伝説になった馬 この惑星には、愛されるという勝ち方もある 高知競馬場の救世主 高知競馬場 日本のジッピーチッピー haru urara ヒノデマキバオー
一回ぐらい、勝とうな
2003年6月13日 高知新聞一面紙 ハルウララの特集記事より
ハルウララとは、日本の元競走馬。
レースで勝利こそ出来なかったものの、「ファンからの熱狂的な支持を勝ち取る」という形で多くの売り上げを呼び込み、いつ消えるかも分からなかった高知競馬、低迷していた地方競馬、そして中央までもを巻き込んだ競馬人気そのものを建て直した影の功労者。
通称「負け組の星」。
『ウマ娘 プリティーダービー』におけるハルウララはこちら→ハルウララ(ウマ娘 プリティーダービー)
目次
誕生
父は、かつて「マイルの帝王」と呼ばれ天皇賞(秋)・安田記念も制したニッポーテイオー。
1996年に母ヒロインが産み落としたその牝馬は、後に高知競馬場の人気者にして救世主となる。
生まれつき超小柄な体格に、臆病かつ暴れ癖のある難性格。
セリ市では誰にも買って貰えず、結局、牧場が引き取って競走馬登録をする事になった。
その登録名は『ハルウララ』。
余りに手が掛かる馬なので、調教師が「せめて名前は優しいものにしよう」と考案したものである。
が……。
現役時代
競走馬デビューしたは良いものの、全く勝てない…一着にならない日々が続いた。
デビュー後5年経過(2003年初春時)しても、結局勝ち鞍は無し。連敗数は80になっていた。
引退説の囁かれる中、世の中ではある動きがあった。
そう、突然のハルウララブームが巻き起こったのだ。
2000年代はあちこちの地方競馬場が廃止される地方競馬受難の年代で、それは高知競馬場も例外ではなかった。
廃止も囁かれていた高知競馬場は窮余の策と「高知の怪物イブキライズアップ*1、あとおまけで連戦連敗の割に引退せず走ってるハルウララ」をマスコミに売り込んだのだ。
そしてこのオマケが受けに受けた。
その負けっぷりが新聞、テレビで取り上げられ、その結果競馬ファン以外からも認知され、「負け組の星」として担ぎ上げられたのである。変なところで「持っている」ウマである。
廃止説の流れていた高知競馬場や、生産牧場には多くの観光客やファンが押し寄せた。
12月には100連敗を記録、その時の高知競馬場には5000人のファンが来場。
ハルウララの馬券が「当たらない」ことから、交通安全のお守りと称して買う人も現れた。
2004年には中央との交流重賞「黒潮賞」のため高知を訪れた天才ジョッキー・武豊が、本番のついでにハルウララにもゲスト騎乗し話題になった。
そして2006年に引退。
引退理由は「馬主と調教師サイドの仲たがい」である*2。
引退後
最後は人間に振り回され、いつの間にか人々の話題から消えていった馬…ハルウララ。
廃止寸前の高知競馬を救い、本来の競走馬とは違う形ではあるが経済動物としての役割を果たした名馬であることは間違い無い。
しかし、レース成績から繁殖入りを見込めるはずもなく*3、行方知らずの時期が長い間続いた。
そこそこの成績をあげた馬でも末路が判然としないことが珍しい事でもないのが競馬業界。
ましてやハルウララでは…と、残されたファンも諦めつつあった2012年頃、千葉県のマーサファームにいることが突如明らかにされた。
同牧場ホームページに書かれていたのは、牧場にハルウララを預けた馬主がその世話をするのに必要な預託料を突如払わなくなり、最終的に所有権を放棄したということと、それによってハルウララの世話ができなくなり、殺処分寸前に追い込まれているという衝撃的な内容であった。
しかし、牧場側もハルウララの殺処分には否定的で、彼女の余生を支援する者を集めるべく、ファンクラブの「春うららの会」を設立したことも明らかにした。
この頃には既にハルウララブームは過去のものとなっており、牧場側も会員や寄付が集まるかどうか確信を持てずにいたが、その不安をよそに現役時代のファンから会員希望者や寄付が殺到。
会員数はすぐに上限へ達し、ハルウララを養うために必要な資金があっという間に牧場へ集まった。これで殺処分の話は取り消しとなり、彼女の余生は約束されたのである。やはり「持っている」ウマであった
現在は、ソーシャルゲームのウマ娘 プリティーダービーでの登場もあり、改めて人気の馬となっている模様。2022年の3月のANNnewsでは、同ゲームでハルウララに触れた若いファンがマーサファームを訪れる様子が報道された。
また、2019年5月18日に行われたソフト競馬*4の第1回そふと女子会(GⅢ・16.00秒)で馬生初勝利を手にした模様。
ハルウララは2022年現在26歳になり、馬としては老齢の域になったが、ファンたちに支えられ、穏やかな余生を送っている。父ニッポーテイオーは2016年(33歳)まで生きた長寿馬だったのでまだまだ元気に過ごしてほしいものである。
なお、その生涯成績ばかりが話題になるが、現役中ほぼ休む事なく年20回ものペースで合計3桁出走して一度も故障無し*5という地味にとんでもない実績も残している。
事実上の引退のきっかけとなった長期休養についても、実はわりと早い段階で獣医師が復帰しても大丈夫と太鼓判を押すぐらいには回復していたらしく、最終的には「高知競馬クラスなら勝てない方がおかしい」というレベルにまで仕上がっていたとか。
そのため、「勝ってしまうとハルウララの商品価値がなくなるから、(先述の三番目の馬主が)わざとレースに出さないで長期休養させ続けていたのではないか」という説もある。
余談
▲「無勝100連敗以上の競走馬」にはまだ上が多数おり、引退時点でも「ハクホークイン」(1984年~1992年、浦和競馬場)の161連敗という日本記録があった。
そしてそのワースト記録は彼女の引退後、門別競馬に所属していた牝馬ダンスセイバーが229連敗を記録して更新された。(2022年3月引退。最終出走は2021年10月26日)
またアメリカでもハルウララと同時期(世代的には5歳上)、無勝100連敗で2004年に引退した「ジッピーチッピー」なる馬が存在。
こっちもウララの様に人気になる一方(というかこっちをウララブームが参考にしたとか)、あまりにも勝てない事から現役後半ではその出走を拒否する競馬場が増える等「目指せアメリカ馬連敗記録106敗更新!」的な人気に苦言を呈す者も多かったが、
それでもジッピーは馬主に愛され最後まで走り続け、ちゃっかり他種類の馬や人間とのハンデレースで非公式ながら勝ちを上げつつ引退。かつて出禁された競馬場での誘導馬を経て功労馬として余生を過ごし2022年4月に天寿を全うした。
なお、高知競馬には他にも日本競馬史上最多出走したサラブレッド「セニョールベスト」(1999~2014、元中央馬。409戦32勝)も所属しており、実は「負け数」だけだとそっちにも負けていたり…。
△ハルウララ引退後の高知競馬は再び苦境に立たされる。話題の更新がなければ負け続ける馬のブームなど長く続くはずもなかった。
高知競馬は一度負債を県が肩代わりし、次に赤字が出た場合は即廃止という条件で存続した前歴があった。レースの賞金や出走料を極限まで削ったり、職員が競馬場の掃除その他の雑務を行うことで経費を節減し、それでも出た赤字はハルウララブームの貯蓄を取り崩して補填した。座して死を待っていたわけでは決してなく、地道なキャンペーンを張ったりネット利用の馬券販売に向けた体制整備を積極的に進め、残り少ないハルウララ資金を投じてナイター設備を導入した。
耐えに耐え、持てる手を出し尽くして生き残りを図った高知競馬は、中央を落伍した競走馬「グランシュヴァリエ」とともに復活していくこととなるのだが、それはまた別のお話。詳しくはグランシュヴァリエの項目を参照。
▲ハルウララには妹と弟がいる。*6妹のミツイシフラワーは高知競馬、弟のオノゾミドオリは兵庫競馬にそれぞれ所属し、ハルウララと揃って3頭一緒に走ったことがある。
△漫画『みどりのマキバオー』の続編『たいようのマキバオー』の主人公・ヒノデマキバオーのモデルはハルウララ。
そもそも作者が『たいようのマキバオー』を描き始めたきっかけが、ディープインパクトとハルウララの存在。
勝ち続ける馬と負け続ける馬が、どちらもヒーローとして扱われる。
同じ競走馬なのに「こんなにも住む世界が違うんだ!」という格差を描きたかったとか。
作中のヒノデマキバオーは序盤で「勝つことの喜び」と「負ける事に自分が慣れてしまう恐怖」を実感し、彼の気持ちを受けた主戦騎手等の助力もあり立派な勝てる高知のエース馬に成長。作品エンディングでちゃんと引退後の第2の馬生を見つけたこともありぶっちゃけウララとは最初の人気の理由(と親がG1馬)な事以外被っていなかったりする。
なのでファンの中にはむしろ漫画連載中に彼女の後を受けて活躍した彼の方が近いという意見もあったり…。
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▷ コメント欄
- 何があるか分からんという好例 -- 名無しさん (2014-02-19 23:53:25)
- いや武豊は乗った後は少々考え変えたが、乗る前はブームについてかなり苦言呈してたし好例とは言い難い -- 名無しさん (2014-04-11 20:11:20)
- 武豊が良いと思うかが好例かどうかの判断基準じゃねぇだろ -- 名無しさん (2014-04-11 23:14:21)
- まだ生きてるんだろうか… -- 名無しさん (2014-04-12 09:10:01)
- 引退後も色々あったけど今は平穏に暮らしてるらしい。 -- 名無しさん (2018-04-25 19:10:06)
- 擬人化ながらもアニメ出演記念 -- 名無しさん (2018-07-01 20:07:47)
- 故障無しとか逆に恐ろしいな、しかも3週連続で走ってた事もあるんだろ? -- 名無しさん (2021-03-12 22:40:18)
- いわゆるその他大勢の馬って、たびたび連闘するもんじゃないのか? -- 名無しさん (2021-03-23 05:51:45)
- ゲームの中でハルウララ金策を再現する人って、いつもどういう気持ちでプレイしてるんだろう? -- 名無しさん (2021-03-23 10:52:37)
- というよりこの手の金策自体は割と簡単に思いつくから、それを可能にしてる運営側に問題がある。ウマ娘の場合馬の権利どうこうを持ち出してるので猶更 -- 名無しさん (2021-03-29 07:49:44)
- 故障無しっていうけど、蹄に問題があるのを分かっていて走らせていたし、まあ、調教もせずまじで出してぼーとはしるだけみたいなかんじだったからな -- 名無しさん (2021-04-02 16:27:51)
- 途中から敗北ブランドの為にわざと負けるレースだけを選んでいたり、出させないとかやってたからなーあの糞馬主 -- 名無しさん (2021-04-02 16:49:12)
- 馬主のせいにするのは簡単だが、負けたからここまで人気になったって経験与えちゃった世間の受け取り方も悪いよ。マスコミが~とか言いたくなる気持ちもわかるけども。 -- 名無しさん (2021-04-09 01:38:30)
- ↑ウマ娘流行り便乗して当時のハルウララブームを批判する姿勢と大して変わらんよ -- 名無しさん (2021-05-07 10:13:42)
- 同じ馬主で行方不明になってたヒシアンデスも仲良く一緒に暮らしているとのこと -- 名無しさん (2021-05-24 11:37:52)
- 連敗記録に気付いて売り出してくれた橋口アナウンサーが先日の協賛レースで「トレーナーの皆さん、ハルウララ随分可愛がってくれて恐縮です笑」と話してたな -- 名無しさん (2021-06-04 14:07:01)
- この星には愛されるという勝ち方がある。 by宇宙人ジョーンズ -- 名無しさん (2021-07-16 21:55:55)
- 100回走っても大丈夫な馬、って形で繁殖に回せなかったものか。馬主だってもう維持費払えなくともマニアに売るとか出来た気がするんだよなあ。 -- 名無しさん (2021-08-17 13:33:56)
- ある意味「悪名は無名に勝る」ということなんだろうか -- 名無しさん (2021-11-04 02:29:17)
- 文字通り命を削りながら走るGⅠ馬と出走報酬目当てで走るだけの馬とじゃ当然負荷が違うしこの馬が頑丈って訳じゃない -- 名無しさん (2022-03-16 13:50:30)
- ニュースでやってたな 今では中国からもファンが来てるとか -- 名無しさん (2022-03-22 16:53:35)
- 色々ヤバい噂がある三番目の馬主はともかく、二番目の馬主はそこまで言われる筋合いないとは思うんだけどな…わざと負けさせて人気稼いでたとか言われても高知が終わればウララも亡くなってただろうし -- 名無しさん (2022-04-23 21:22:27)
- 負け続けたから人気が出たとはいえ、結局勝ってないから勝った場合に人気がどうなるかなんて誰にもわからないんだよな。 -- 名無しさん (2022-05-17 00:29:41)
- 近親にミヤビランベリ(重賞4勝)がいるとはいえ、そもそも小柄の馬は危険が伴うから繁殖に向かないのよ -- 名無しさん (2022-07-13 20:21:52)
- 実はソフト競馬でで1着をとったことがある、ただルールの都合上アウトなんだけどね -- 名無しさん (2023-02-25 00:09:13)
- もし預託料の支払いが滞ったことを理由に処分してたらバッシングヤバかっただろうな。どのみちテレビが捜索したのは変わらないし、良くも悪く安西のアホが -- 名無しさん (2023-05-18 21:41:08)
- ↑マーサファームに預けたことと知名度の高さで助かったとも言える -- 名無しさん (2023-05-18 21:44:07)
#comment
*2 仲違いした馬主は3番目にハルウララを所有した人であり、負け続けても長く走らせていた2番目の馬主とは別人である。だがこの3番目の馬主は様々な点で『言動が胡散臭い』と当初から言われており、「ハルウララの知名度で儲けたかっただけではないか」という見方が根強い。
*3 知名度を生かしてあのディープインパクトと交配する計画もあったが、馬主が種付け料を払えないことから頓挫している
*4 引退馬中心を中心としてコースを既定のタイム「以上」で走る競技。タイムが規定以内だと失格で、2番目に速い馬が勝利となる
*5 休んだのは蹄の病気を患って出走を取りやめた1回のみ
*6 競走馬の兄弟姉妹関係は母親が共通の場合のみ兄弟姉妹として扱われる。両親ともに共通の場合を全兄弟/姉妹、母親のみが共通の場合を半兄弟/姉妹と呼ぶ。
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