Layers of Fear

ページ名:Layers of Fear

登録日:2023/06/25 Sun 07:56:00
更新日:2024/07/09 Tue 13:48:51NEW!
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『Layers of Fear』とは、bloober teamにより開発されたインディーゲームである。


概要

一人称視点かつストーリー主導型のサイコロジカルホラーゲームで、探索がメインのウォーキングシミュレーターでもある。
薄暗くループする廊下やプレイヤーの行動で逐一変化していくマップ構造など『P.T.』の影響を色濃く受けており、所謂「P.T.系ホラー」の開祖と言える作品。
シリーズ化されており、2016年に第一作『Layers of fear(2016)』が、2017年にDLCの『Layers of fear:Inheritance』が、2019年に第二作『Layers of fear 2 恐怖のクルーズ』が、2023年にはシリーズ全作を纏めてリメイクし更に追加シナリオを収録した完全版『Layers of fear(2023)』が発売された。
各作品のゲームエンジンは以下の通り。

  • 『Layers of fear(2016)』→Unity Engine
  • 『Layers of fear 2 恐怖のクルーズ』→Unreal Engine 4
  • 『Layers of fear(2023)』→Unreal Engine 5

ゲームシステム

第一作では歩く、走る、ドアノブやアイテムを掴む程度の基本的なアクションしかできず、敵の概念も無いため実質的にはホラー要素のあるウォーキングシミュレーターであった。
第二作ではしゃがむというアクションと、接触するとゲームオーバーになる追跡してくる敵の概念が追加された。また、セーフモードをONにすると敵がたんなる恐怖演出になり前作同様ウォーキングシミュレーターとして遊べるようになる。
リメイク版ではランタンや懐中電灯を持ち歩けるようになり、敵から身を守る武器にもなるなどサバイバルホラー的な側面が強くなった。また、セーフモードは前作から引き続き実装されている。

あらすじ及びゲームシステム

画家の物語

『Layers of fear(2016)』のシナリオ。
精神を病んだ「画家」が主人公。
プレイヤーの行動により次々と変容を遂げる「画家」の自宅である二階建ての家を探索し、「マグナムオーパス」と呼ばれる絵画を完成させるために素材を集めることになる。
現実と非現実が曖昧で抽象的な描写が多く難解なストーリー。
リメイク版の『Layers of fear(2023)』では後述する「作家」が実話を元に執筆した伝記という設定で、各章の冒頭に「作家」のCV担当のシーラ・モリスのナレーションが挿入される。
エンディングは3種類で、リメイク版では更に一つ追加された。
プレイヤーが行えるアクションは歩く、走る、アイテムやドアノブを掴んで動かすなど基本的なもので敵の概念も無いためホラー要素のあるウォーキングシミュレーターとして遊ぶことができる。
一方リメイク版では追跡してくる敵の概念が追加され、捕まると直前のチェックポイントまで戻されるゲームオーバーが存在する。
また、薄暗く視界が悪い箇所が増えておりランタンで照らすことができるが、ランタン使用中はエネルギー残量を表すゲージが画面上に表示され、徐々に減っていく。ゲージが尽きると一定時間ランタンが使用不可能となる
更にランタンの光を強めることで「こだま」と呼ばれる赤黒く光るオブジェクトを破壊できる他、敵を一時的に撃退できるが、光を強めている間は急速にゲージが減っていく。


娘の物語

『Layers of fear:Inheritance』のストーリー。
「画家の娘」が主人公。
廃墟と化した画家の家を探索し、相続可能な父親の遺産を探す。
「画家の物語」のエピローグに相当し、娘の目線から見た「画家」の姿が描写される、難解な本編の回答編に相当する。
『Layers of fear(2023)』では「作家」が実話を元に執筆した伝記という設定。
ランタンの代わりに懐中電灯を使用可能。敵との戦闘や謎ときには使用しない代わりに無制限に使える。
エンディングは3種類。


音楽家の物語

『Layers of fear(2023)』に追加された新規シナリオ。
画家の妻である「音楽家」の目線から「画家」と「娘」が描かれる、「画家の物語」のプロローグに相当するシナリオ。
妻の身に何が起きたのかが具体的に描写される。
ランタンの代わりに懐中電灯を使用可能で、特徴はランタンと同じ。
エンディングは2種類。


役者の物語

『Layers of fear 2 恐怖のクルーズ』のシナリオ。
奇才として有名な「監督」が最高傑作と称する映画の主人公として抜擢された「ハリウッド俳優」が主人公。
スピーカー越しに聴こえてくる「監督」の声に導かれながら撮影現場である無人のクルーズ船を探索する。
『Layers of fear(2023)』では「作家」が実話を元に執筆した映画の脚本という設定であるため、各章の冒頭のナレーターがシーラ・モリスに変更され、内容も微妙に変化している。
しゃがみアクションが追加された他、追跡してくる敵の概念が存在する。
更にリメイク版では懐中電灯が追加され、ランタンと同様に使用中は画面上のゲージが減っていき尽きると一定時間使えなくなる。
光を強めると障害物のマネキンを動かしたり敵の動きを一時的に止めることができる。


監督の物語

『Layers of fear(2023)』のアップデートで追加された新規シナリオ。
前述の「監督」の過去が描かれる。


作家の物語

『Layers of fear(2023)』に追加された新規シナリオ。
エージェンシー主催のエッセイコンテストに優勝し、エージェンシーが所有する灯台に招待された「作家」が主人公。
シリーズ全作を総括する内容。



光源

リメイク版で追加された持ち歩ける光源。
構えると前方を照らせるが構えている間は画面にエネルギーゲージが表示され少しずつ減っていき、ゲージが尽きると一定時間使えなくなる。
また、構えた状態で光を強めることもできるが、代わりにゲージが急速に減っていく。


「画家の物語」のランタン/「音楽家の物語」の懐中電灯

強めた光を浴びせることで障害物である「こだま」を破壊できる。
また、強めた光を浴びせ続けることで敵を撃退できる。


「役者の物語」/「監督の物語」の懐中電灯

強めた光を浴びせることで「マネキン」を動かすことができる。
また、強めた光を浴びせ続けることで敵の動きを一時的に止めることができる。


重要オブジェクト

■囁き声

全シナリオに登場。
手に取れるアイテムの大部分は、手に取った瞬間そのアイテムと関わりのある人物のフラッシュバック音声が聴ける。
例えば警笛を手に取ると船の乗組員が警備員に注意したときの会話が流れる。
これらのフラッシュバックを聴くことで物語を整理する上での足りない情報が断片的に埋められていく。

■こだま

「画家の物語」と「音楽家の物語」に登場する。
「画家」のランタン、もしくは「画家の妻」の懐中電灯で破壊できる、赤黒い光を放つ物体
主人公にとって大事なものの見た目をしており、基本的には敵から逃亡する際の障害物のような役割だが、時には「家族」を象徴するこだまと「エゴ」を象徴するこだまの内どちらを破壊するかの選択を迫られる場面もあり、エンディングに関わる。


キャラクター

主人公

■画家(The Painter)

CV:エリク・ブラー/クリス・ニクター(娘の物語のみ)
「画家の物語」の主人公。
白人のイギリス人。中年男性。本名不明。髪の色は黒で瞳の色は茶色。第一次世界大戦の退役軍人である画家。右脚が義足で、脚を引き摺りながら歩くため歴代主人公の中で最も画面が揺れる。
拘りが強くロマンチストで完璧主義者。癇癪持ち。
かつては高名な画家で妻、娘と三人で幸せに暮らしていたが、妻が火事に巻き込まれ大火傷を負って以来スランプに陥り、現実を受け入れられず異常行動を繰り返す妻や思い通りに育たない娘との衝突を繰り返し精神を疲弊させていった結果、アルコール依存性と遅発性統合失調症に罹患し、ネズミの幻覚に苛まれネズミ取りを大量に仕掛けたりネズミ駆除専門の業者を呼んだりと異常行動をとるようになった末、まともな絵を描けなくなった。
さらに妻に先立たれ、家庭裁判所に親権を剥奪されて娘とも引き離されてしまった。
その後、児童保護施設から娘を誘拐した結果、逮捕され、服役を終えて帰宅したところで物語がスタートする。
最高傑作(マグナムオーパス)を完成させるために屋敷を探索して材料を集めるのだが、その素材は明らかに妻の遺体である*1
「娘の物語」の時点で亡くなっているが死因は不明。
オリジナル版では匂わせる程度だったが、リメイク版にて後述の超自然的存在「ラットクイーン」と接触したことが露骨に示唆されており、作中の怪奇現象の数々が完全に妄想や幻覚とは言いきれなくなっている。
作中では白いドレスシャツ、濃緑のスーツ、ベスト、義足、革靴を着用。
後に「作家」によって執筆された彼の伝記の題名は『The Masterpiece』。


■画家の妻(The Painter's Wife)

CV:クリスティン・レノックス
「音楽家/ミュージシャン(The Musician)」とも呼ばれる。
「音楽家の物語」の主人公。
「画家」の妻である白人女性。アメリカ出身のイギリス人。享年不明だが鏡に写る晩年の容姿がかなり若く見えることや「画家」と出会った時は「少女」と呼べる年齢だったこと、娘が幼い時期に他界したことなどの作中で得られる情報から20代後半くらいと推測できる。本名不明。髪の色は黒で瞳の色は茶色。
夫と同様に完璧主義者の気がある。
かつては美貌と高い技量を兼ね備えたバイオリン、ピアノ、フルートの奏者。
夫、娘と共に幸せに暮らしていたがデパートで火災に巻き込まれ後遺症の残る大火傷を負ってしまったことを機に地獄の日々が始まる。またこの時に火恐怖症と閉所恐怖症を患った。
皮膚移植により火傷の痕は顔や両手の一部に残るのみとなったが、指が変形した影響で演奏が一切できなくなってしまった。また、完璧主義者の彼女にとっては顔に僅かに残る火傷痕も許容できるものではなく、精神を病んだ末にヒステリーと鬱病を発症した。
医師の指示に従い自分に安静を強いる夫に対し自分を支配しようとしていると思い込み一方的に敵視したり、夫や娘が自分を怪物だと思っているという被害妄想に取り憑かれて家のドアを鎖と板で塞いだり、スランプに陥った夫の作品を徹底的に貶めたり、夫の殺害計画を練ったりと様々な異常行動を取るようになる。
かつて夫が描いた自身の肖像画である「黒衣の婦人」に嫉妬し、火恐怖症であるにもかかわらず絵を燃やす事件も起こしている。
現実と非現実が入り交じった鎖で満ちた屋敷を徘徊して様々なしがらみを断ち切っていき最期はバスルームに閉じ籠りナイフで自害したが、「音楽家の物語」には「画家の物語」に繋がらないIFエンディングもある。
因みに、「画家」と非現実的な世界でニアミスする場面があるため、「画家」が見ている迷宮のような世界と「画家の妻」が見ている鎖に満ちた世界は必ずしも幻覚や妄想とは限らず、ラットクイーンの力による超常現象である可能性も否定できない描写となっている。
作中では白いドレスを着用し、主人公の中では唯一裸足。
後に「作家」によって執筆された彼女の伝記の題名は『The Final Note』。
出身地であるアメリカにはジョン、メアリーという名前の甥と姪がいる。


■画家の娘(The Painter's Daughter)

CV:クリスティン・レノックス(大人)/ビクトリア・ベタンセス(幼少)
「娘の物語」の主人公。
「画家」と「画家の妻」の娘である白人女性。本名不明だが父親からの渾名は「お姫様(Princes)」もしくは「小鳥ちゃん(Birdy)」。「画家」が描いた肖像画によると髪の色は黒で瞳の色は茶色。
両親から芸術家になることを期待されて望んでもいない夢を追いかけらせられ、重圧の最中に崩壊していく地獄のような家庭の中で育った。
幼くして母を亡くし、家庭裁判所の命令で父親と引き離され児童保護施設に保護され、カースタイン夫妻に引き取られた。
「娘の物語」では成人して娘を持つ母親となっており、父親の遺産を相続するために幼少期の廃墟と化した自宅を訪れる。
幻想が入り交じった回想パートでは魚眼レンズのような視点になる。
ラットクイーンの影響を受けたことが示唆されており、特に精神疾患の兆候は見られないにもかかわらず様々な怪奇現象に遭遇する。
鏡に姿が写らないため大人になった姿は不明で、画面には手首と足だけが映り、白いシャツを着ていることがわかる。
「作家の物語」では両親の悪いところを受け継いだ怪物のような人間性を持つ女性に成長したことが明かされている。
後に「作家」によって執筆された彼女の伝記の題名は『The Inheritance』。


■俳優(The Actor)

CV:ジュール・デ・ヨング
日本語字幕や日本語版の商品紹介文では「役者」とも表記されるが、何れも特定の性別の含みを持たない「actor」の日本語訳である。
「役者の物語」の主人公。
白人のイギリス人。名前や性別はエンディングで変化する。髪の色はダークブラウンで瞳の色は青。ダメージを受けると女性の声で呻く。また、用意された楽屋には男性用と女性用の両方の衣装がある。
ハリウッドで活躍する役者で、高度なメソッド演技で有名。船にトラウマがある。
映画『The Vessel of Flame』の主演として「監督」からオファーを受け、エージェントを介して主演を務めることになった。
前代未聞である太平洋を横断する遠洋定期船での撮影に臨み、無人のクルーズ船内でスピーカー越しに聴こえてくる「監督」に導かれながら行動する。
「監督」の指示に従うか否かでエンディングが変化し主人公の性別も変わる
作中に登場する鏡は全て曇っているため姿は不明瞭だが白いシャツとベージュのズボン、黄色いスカーフ、革手袋を身に付けている。
「作家の物語」にて撮影現場であるクルーズ船が沈没し消息不明となったことが明かされ、映画のフィルムは「エージェンシー」により回収され灯台に保管されることとなる。

  • リリー・バーンズ(Lily Burns)

CV:ココ・レフコウ(幼少)/ジュール・デ・ヨング(大人)
白人のイギリス人女性。髪の色はダークブラウンで瞳の色は青。
男勝りで勇敢かつ能動的な少女。弟のジェームズを深く愛しており、彼のメソッド役者としての才能を見抜いていた。
しばしばベインズ船長を名乗って弟と海賊ごっこをしたり家の屋根裏から隣接する映画館のバルコニーに侵入したりと活発。
暴力的な父親から弟を必死に守っていた反面、頼りにならない弟を重荷に感じていた。
父親が死んだ後、宛もなく家をあとにして弟と共に英国クルーズ客船「RMSオデッセイ」に密航する。
警備員や乗組員の監視を躱しながら船内を探索するが弟のミスにより食料を失ってしまい、弟と別行動で食料を探しに行く。
後に弟と再会した彼女は怒り狂っており、弟に激しく罵倒し八つ当たりをした。
弟とはぐれている間に何があったのかは明確には描かれないもののリンゴの果実・血・ベッドといった要素が繰り返し描写されるといった数々の暗喩から乗客に見つかってしまい、乗組員に突き出さない代わりに性交渉を強要されたことや、最低でも一人の乗組員もしくは乗客を映画『サイコ』の如くナイフで滅多刺しにしたことが露骨に示唆されている。
密航してから5日目、ボイラー室が炎上したことで船が沈没し、弟の目の前で息を引き取った
しかしラットクイーンによって魂を取り出され弟の身体に宿らされた。
後述の「監督」に逆らい続けるとエンディングでジェームズの自我が自害し、超自然的な力で心身共に完全にリリーとなる。つまりおとうとはおしまい!女体化である。
幼少期の服装は白いシャツにズボンとサスペンダーという女の子らしくないもの。大人になったリリー、即ちリリーとなったジェームズは白いシャツにベージュのズボンを着て右手首にジェームズが幼少期に身に付けていた黄色いスカーフを巻いている。

  • ジェームズ・“ジミー”・バーンズ(James “Jimmy” Burns)

CV:ジェームズ・ワッツ(幼少)/クリストファー・ラグランド(大人)
「俳優」の正体。リリーの弟である白人男性。髪の色はダークブラウンで瞳の色は青。口元に黒子があり、リリー化しても黒子の位置は変わらない。
姉とは対照的に気弱で自己主張が希薄だが、だからこそ誰にでもなりきることができるメソッド役者としての才能を持つ。幼少期はベインズ船長を名乗る姉から「ミスター・ハーディ/ハーディ操舵手」と呼ばれて振り回されていた。
母親が自分を出産したことが原因で死亡したため父親から恨まれており、「役立たず」と罵倒され日常的に暴力を振るわれていた。
また姉の重荷になっていることも自覚しており、自己肯定感は極めて低い。
密航したクルーズ客船にて柵を潜り抜ける際に鞄のひもを引っ掛けてしまい、食料を失った。その後食料を奪うため、入浴中の乗組員もしくは乗客の一人を感電死させたことが露骨に示唆されている。
後に姉とはぐれた際、ラットクイーンとその眷属に接触した。
その後に船が沈没した際、自分は救命ボートで助かるが姉を目の前で亡くし、海に向かって姉に呼び掛けるとラットクイーンにより取り出された姉の魂をその身体に宿した。
「監督」の指示に従い続けると「形のない」自分を受け入れジェームズとして生きることを選ぶが、「監督」に逆らい続けると前述の通りジェームズとしての自我を手放し心身共にリリーとして生きることを選ぶ。
何れにせよ救助された後、映画関係者に見初められハリウッドで活躍するメソッド俳優として開花していくことになる。
幼少期の服装は白いシャツに短パンとサスペンダー、黄色のスカーフを巻いている。エンディングに登場する大人の姿の服装は「俳優」と全く同じだが皮手袋は身に付けていない。
因みにプレイヤーが操作する「俳優」はジェームズの姿にリリーの声というキメラとなっている。
「作家の物語」にて「彼/彼女」と呼ばれていることや映画のポスターに大人のリリーとジェームズが描かれていること、後述のサインを求めた女性ファンが何故か「人違い」したことを踏まえると、いつでもリリーとジェームズどちらの姿にもなれる可能性が高い


■監督(The Director)

CV:トニー・トッド
「役者の物語」に登場する映画監督。本名不明。
奇才として知られており、自身が最高傑作と称する映画『The Vessel of Flame』の主演に「俳優」を抜擢した。
前代未聞となる遠洋定期船での撮影を敢行しスピーカー越しに「俳優」に指示を出し導くが、彼の指示に従うか否かでエンディングが分岐する。
何故か映画の内容が「俳優」本人しか知り得ないはずの過去の出来事を描いたものだったり、ラットクイーンについて言及したりと超自然的な存在、もしくはラットクイーンの仲間であることが示唆されている。
「作家の物語」にて「画家」の伝記である『The Masterpiece』の実写化映画の監督を担当していたことが明かされる。
アップデートで追加された「監督の物語」で主人公となる。


■作家(The Writer)

CV:シーラ・モリス
「作家の物語」の主人公。
黒人のアメリカ人。中年女性。本名不明。
センセーショナリストのホラー作家で、身体が不自由な息子がいる。
後述の「エージェンシー」が主催したエッセイコンテストで優勝し、「エージェンシー」が所有する灯台で「画家」に関する本を執筆する権利を勝ち取った。
『Layers of fear(2023)』の物語は彼女が1955年6月に灯台に到着したところから始まる。
エージェンシーからの催促や狭く薄暗い灯台での孤独な執筆活動に精神的に追い詰められていった結果、「ラットクイーン」と接触し契約を交わしてしまった。それからは異常に筆が進んだらしく「画家の物語」である『The Masterpiece』を完成させた後、「娘の物語」である『The Inheritance』、「音楽家の物語」である『The Final Note』を書き上げた。
しかし代償として息子を何者かによって連れ去られてしまい、彼を取り戻すために10年かけて「エージェンシー」について調査する。
息子を失ったショックからスランプに陥ったらしく、10年の間で有名作家としての地位を失い多額の借金を背負うまでに落ちぶれており、公立図書館で開かれた朗読会では読者からのとある質問に逆上し問題行動を起こした挙げ句出禁になった。
全ての元凶である灯台に行けば息子を取り戻すことができると信じて「エージェンシー」と再び契約を交わし、「役者の物語」である「俳優」の伝記を執筆するという建前で再び灯台へ赴くが、そこで数々の超常現象に遭遇することとなる。
なお「画家」一家とは交流があったらしく「画家の妻」から演奏会のチケットを受け取っている。
本作には「作家」以外にもシーラ・モリスがCVを担当したキャラクターが何人かおり、その中でも「画家」一家と深く関わっていて尚且つ職業不明なのは「画家の妻」の友人であるベアトリス・ガレスピーだけだが同一人物かは不明。


その他の登場キャラクター


■ミスター・バーンズ(Mr.Burns)

CV:アンドリュー・ウィンコット
エンドクレジットでの役名は「Father(父親)」で、日本語字幕では「お父さん」と訳されている。白人のイギリス人。中年男性。リリーとジェームズの父親。
画家、写真家、映画製作者などの芸術家になる夢を抱いていた映写技師。第一次世界大戦の西部戦線にて戦場カメラマンとして参加し、右目を失った。階級は伍長。
ジェームズの誕生と同時に妻を亡くしたため彼を憎んでおり、日常的に暴力や暴言を浴びせていた。
アルコール依存性であり、リリーとジェームズからはサイクロプスと呼ばれ恐れられていた
映画館で起きた火災に巻き込まれ、リリーとジェームズに助けを求めるが見捨てられた。
なお、リリーが意図的に火事を起こしたことが示唆されている。
彼を象徴するオブジェクトや怪物が複数存在する。
因みに彼の家のレイアウトは「画家」の家そっくりで、本人も第一次世界大戦の退役軍人でアルコール依存性で家庭内暴力を振るう芸術家という共通点がある。
また、ファミリーネームの「Burns」には火傷という意味があり、最期を踏まえると皮肉である。


■少年(The Boy)

CV:デビッド・カミングス
「俳優」の行く先々に現れる幼少期のジェームズに瓜二つな少年。灰色の肌と不気味に光る眼を持つ。
貧困地域で暮らし、みすぼらしい服装だった当時のジェームズと違い立派な子供用の燕尾服を着ている。
ジェームズのイマジナリーフレンズと思われる。


■俳優のエージェント(The Actor's Agent)

CV:マーティン・T・シャーマン
「俳優」の友人兼エージェント(代理人)。本名不明。
「監督」と「俳優」を仲介した。「監督」の人となりに関する情報を「俳優」に伝えた。
彼の書いた手紙はプレイヤーが「監督」に従ったか否かにより内容が変化する。


■写真家(The Photographer)

CV:マーティン・T・シャーマン
被写体を間違えた写真家。男性。詳細不明。


■ジャーナリスト(The Journalist)

CV:ベン・ホワイトヘッド
イギリス人男性。幼少期のジェームズにインタビューしたジャーナリスト。
蓄音機でインタビューの内容を聴くことができるが、異様に大人びているジェームズに引いていた。


■狂人(The Madmen)

CV:グレン・マクレディ
ラットクイーンと接触し狂気に陥った男達。
謎のアイテムが発する奇妙な音をとあるアイテムで解読すると彼らの独白を聴ける。


■警備員&乗組員(The Guard & The Crewman)

CV:グレン・マクレディ
クルーズ客船を運営する会社「イカロス・トランスアトランティック」に所属する職員と警備員。
警備長から密航者を捕まえるよう執拗に指示されていたがうんざりした様子であった。


■俳優の女性ファン(The Actor's Female Fan)

CV:ローレル・レフコウ
「俳優」の崇拝者を自称するファンの女性。撮影の舞台となったクルーズ客船に乗客として乗船しており、サインを求めたが何故か「人違いでした」と謝った。


■作家の息子(The Writer's Son)

CV:パトリック・ジャンジャック
「作家」の息子。黒人の青年男性。
身体が不自由らしく、モルヒネを処方していることから癌を患っていると思われる。
灯台で執筆活動をする母親と電話越しにやり取りするが、母親がラットクイーンと契約を結んだのを機に何者かによって連れ去られた。


■エージェンシー(The Agency)

CV:ショーン・ルトゥルノー
エンドクレジットでの役名は「Writer's Agent(作家のエージェント)」
「画家の妻」が亡くなった際、「画家」が受け取り拒否した多額の保険金を元に設立された組織に所属する男性。
エージェンシーとは代理店を意味する単語であり本来は個人を指すことはないのだが作中では一貫してエージェンシーと呼ばれる。
また「管理部(The Management)」を自称する。
エッセイコンテストを主催し優勝した「作家」と契約を交わして彼女のエージェントとなり、自身が所有する灯台で「画家」に関する本を執筆する権利を与えた。
ラットクイーンの仲間であるらしく、「作家」がラットクイーンと契約すると同時に「作家の息子」を拉致したり、作家が10年越しに灯台に戻ってきた瞬間に歓迎の手紙を出現させたりと超自然的な力を持つ。
なお、彼(彼ら)が所有する灯台は「俳優」と「監督」が乗っていた船が沈没した日に灯台守が行方不明となっている。


文書の筆者

作中で読める手紙、書き置きなどの文書の筆者。
2023年版では大半の文書がボイス付きとなった。

■トマス・コールドウェル(Thomas Caldwell)

CV:パトリック・ジャンジャック
「画家」のエージェント兼友人。男性。
自身が運営するギャラリーに「画家」を誘ったことを機に彼のエージェントとなった。
落ち目になった「画家」と「画家の妻」を手紙で励まし続けたが無意味に終わった。


■リアム・ブリックストーン(Liam Brickstone)

CV:ショーン・ルトゥルノー
ウィスパード・テイル出版社の社員にして「画家」の出版担当兼友人。男性。
「画家」に「赤ずきん」の挿し絵を前払いで依頼したが、非常に悪趣味かつグロテスクな絵が送られてきたため失望した。
最終的には「画家」との契約を打ち切った。


■ジェームズ・ジェローム・サドラー(James Sadler)

CV:パトリック・ジャンジャック
「画家」の弁護士兼友人。男性。
社会福祉施設に娘を奪われた「画家」の法廷弁護人を担当し、家庭裁判所で争うも「画家」が問題行動ばかり起こしたため敗訴した。


■グレゴリー・ベイカー(Gregory Baker)

CV:ショーン・ルトゥルノー
会計士。男性。
火を恐れる妻のために全ての部屋に電気が通るように改築の計画をした「画家」から費用の算出を依頼された。


■アダム・S(Adam S.)

CV:ショーン・ルトゥルノー
電力会社の社員。男性。
「画家」から通電の不具合を訴えられ調査したが異常を見つけられなかった。


■ウィリアム・H・グリーン(William H.Green)

CV:パトリック・ジャンジャック
「画家の妻」の治療を担当した医師。男性。
最善を尽くしたが結果に納得しなかった「画家」から罵詈雑言を浴びせられたり脅迫を受けたりした。


■ヘンリー・マーヴィン(Henry Marvin)

CV:シーラ・モリス
医師。女性。夫婦関係カウンセラー。
「画家」は彼女の名刺を持っていたがカウンセリングを受けたかは不明。


■ロバート・リチャーズ(Robert Richards)

CV:ショーン・ルトゥルノー
「画家の娘」の治療を担当した医師。男性。


■疲れきった隣人(The Very Tired Neighbor)

CV:シーラ・モリス
エンドクレジットでの役名は「Neighbour Female(隣人の女性)
「画家」一家の隣人。子供が複数いる模様。
「画家」と「画家の妻」の夫婦喧嘩による騒音でノイローゼになり、苦情の手紙を送った。


■カール・デントン(Carl Denton)

CV:ショーン・ルトゥルノー
ネズミ駆除会社ペスト・バスターズ・カンパニーの社員。男性。
「画家」からネズミ駆除を依頼されるが屋敷にネズミの存在を確認できなかった。


■メアリー・スミス(Mary Smith)

CV:シーラ・モリス
女性の使用人(メイド)。
「画家」の粗暴な態度に耐えかねて辞めてしまった。


■使用人(The Maid)

CV:シーラ・モリス
メアリーの後任者の女性。
メアリーと同じ理由で辞めてしまった。


■ピーター(Peter)

CV:ショーン・ルトゥルノー
新聞のインタビュー記事で全盛期の「画家」にインタビューしたジャーナリスト。男性。


■ベアトリス・ガレスピー(Beatrice Gillespie)

CV:シーラ・モリス
「音楽家の物語」にのみ登場する「画家の妻」の友人。女性。アメリカ人
セバスチャン、マーガレットという名前の二人の子供がおり、「画家の妻」の甥と姪であるジョン、メアリーとも親交がある。
火事で火傷を負った友人に幾度も手紙を送り懸命に励ましたが、現実から目を反らし続ける「画家の妻」が彼女の言葉に耳を傾けることは無かった。
「画家」一家と交流があったことやCVが同じことから「作家」と同一人物の可能性もあるが不明。


■ミセス・バーンズ(Mrs.Burns)

リリーとジェームズの母親。ジェームズを出産したその日に亡くなった。
このことからジェームズは父親から「存在が過失」とまで呼ばれるほど憎まれている。


登場する動物


■ネズミ(The Rats)

歴代主人公が行く先々で目撃したドブネズミたち。
特に白い毛皮の個体は主人公達を導くように行動する。
その正体はラットクイーンの眷属と考えられる。
なお、「画家」はネズミ駆除を業者に依頼するも痕跡すら発見できなかったことから幻覚もしくは超自然的な存在であると思われる。
2023年版の「画家の物語」第五章では大群で現れ、群れに飲まれると即死するため逃げなければならない。


■迷える魂(The Lost Souls)

CV:グレン・マクレディ
エンドクレジットでの役名は「Sinners' Souls(罪人の魂)」。
「役者の物語」第四章に登場する人語を解する5匹のネズミ
リリーとはぐれた幼きジェームズに接触しリリーとラットクイーンの元へ導いた。
人間の生まれ変わりであったことが露骨に示唆されており、5人の人間としての死亡現場がマネキンで再現されている。
映画『セブン』と同様に七つの大罪の内「暴食」「傲慢」「色欲」「怠惰」「強欲」になぞらえて何者かに殺されたらしく、クレジットでの名称が「“罪人”の魂」なのはこれが由来と思われる。
なお残りの「嫉妬」は強い姉に内心嫉妬していたジェームズに、「憤怒」は役立たずな弟に内心憤りを募らせていたリリーに当てはまる。


■ポピエル(Popiel)

「画家」がペットとして購入した、血統書付きの雄のドーベルマン。
「画家の物語」では言及されるのみだが「娘の物語」では犬恐怖症の「画家の娘」の幻覚として度々登場する。
「画家の娘」が犬恐怖症となった原因で幼少期に追いかけ回されたり噛みつかれたことがある模様。
狂気に陥った「画家」に虐待された末に死んだことが示唆されている。


■イヌ(The Dogs)

「役者の物語」第二章に登場する大型犬。シルエットからドーベルマンと思われ、二匹の子犬を引き連れていることから雌であると推測できる。
クルーズ客船のケージに閉じ込められていたが脱走し、食料庫の食料を食い荒らした。
「監督」に従いイヌを殺して咥えていた食料を奪うか見逃すかの選択を迫られる。


「生きている」人形・玩具

生きてるかのように動く無機物達。彼らもまた立派な「キャラクター」である。

■人形(The Dolls)

「画家の物語」「娘の物語」「音楽家の物語」「作家の物語」に登場するビスクドール(頭部や手足が陶器でできた着せかえ人形)たち。
まるで生きているかのように動き回り、歴代主人公の行く先々に現れる。
特に青いドレスを着た個体は幼少期の「画家の娘」を象徴しており、出番が多い。「彼女」の動向に注目することで「画家の娘」の身に起きたことを知ることができる。
bloober teamの別作品『Observer』にも登場する。


■ミスター・スクーター(Mr.Scooter)

「画家の物語」「娘の物語」「音楽家の物語」に登場する猫の玩具。四肢が車輪になっておりゼンマイを巻くと走り出す。歴代主人公を導くような挙動を見せる。
「役者の物語」や『Observer
』にも隠し要素として登場する。


■マネキン(The Mannequins)

「役者の物語」と「作家の物語」に登場する。
「監督」が100体も発注した等身大のマネキン(厳密にはダミー人形)。
クルーズ客船内は無人である代わりにこのマネキン達が至るところに配置されている。

  • 勝手に動き出すマネキン

前述のビスクドール同様に勝手に動き出すマネキン。

  • ダブルバイセップスポーズのマネキン

両腕で力こぶのポーズをしたマネキン。動かないが「俳優」の過去を追体験する「役者の物語」第三章以降、作中通して度々登場する。
最初に登場する頭部が無い個体はリリーから「お父さん」と呼ばれており、「父親」や「暴力的な男性」の象徴であることが露骨に示唆されている。

  • 仮面を被ったマネキン

「オペラ座の怪人」の仮面を身に付け鈍器や刃物を手にしたマネキン。作中では仮面の扱いから「役を演じるあまり狂気に陥った人間」の象徴と見られる。

  • 演技をするマネキン

2023年版に追加された、他とは違いまっ白なマネキン。
「俳優」が手に入れた不思議な懐中電灯の強めた光を浴びせると「演技」をしてくれる。
敵からの逃走経路を阻む障害物の役割が基本。


■海賊団(The Pirate Crew)

「役者の物語」に登場する、バーンズ姉弟が所持していたぬいぐるみ。
肥満体型の犬をモチーフにしたものと痩身の猿をモチーフにしたものの2体登場し、どちらも継ぎ接ぎだらけで海賊のコスチュームを身に付けている。
第三章の子供部屋で繰り広げられるリリーとジェームズによる海賊ごっこの際、人間並のサイズに巨大化して人間のように動きだし、ジェームズが演じる「ミスター・ハーディ」と共にリリー演じる「ベインズ船長」を裏切った悪役という役回りを与えられる。
リリーに従い悪役に徹して「ベインズ船長」を撃つか、「監督」に従い海賊団を撃つかの選択を迫られる。
なお、銃を向けられた際の怯える様子が妙に生々しい、


登場する怪物


■ワイフゴースト(The Wife Ghost)

CV:クリスティン・レノックス
妻の幽霊」の意。作中では一貫して「怪物(Monster)」と呼ばれ正式名称は不明だがデータ解析した際のファイル名が「WifeGhost」となっている。
その名の通り「画家の妻」に酷似した姿をしており、死亡時に身に付けていた白いドレスとは対照的な黒いドレスを着ている。
『Layers of Fear(2016)』では面影を強く残しながらも青白い死体のような肌で顔の一部がケロイド状になっていたり包帯が巻かれていたり左頬が抉れて奥歯が剥き出しになっていたりするなどゾンビの様な外見で、服装はボロボロに破け乳房が完全に露出しているため色んな意味で18禁な姿。また、追跡してくる場面はなく、プレイヤーが自ら接触しない限りは襲ってこない。『P.T.』に登場する幽霊「リサ」をオマージュしたと思われる。
一方『Layers of Fear(2023)』では肌と着ているドレスが絵の具が混ざり合うかのように一体化しており、肌の質感も人間というより乾いてひび割れた油絵の具のようになっており、より「怪物」的な見た目となっている。 
こちらは「画家の物語」と「音楽家の物語」で主人公に幾度も襲撃を仕掛け、「GET OUT!(出ていけ!)」などと呟きながら一定範囲まで追いかけてくる。捕まったら当然即死な上、短距離をテレポートして一気に間合いを詰めてきたりするなど厄介。
ランタンや懐中電灯の強めた光を一定量浴びせ続けると一時的に形象崩壊して絵の具の水溜まりのような姿になるが直ぐに復活するため足止めにしかならない。
時折その場にうずくまって泣いている姿は悲哀を感じさせる。
なお「音楽家の物語」では「画家の妻」自身がこの怪物に襲われるためゴースト(幽霊)とはいうものの本質的には「画家」にとっての罪悪感や「画家の妻」にとっての直視し難い現実の象徴がラットクイーンの力で具現化したものであると思われる。


■イービルサーペント(The Evil Serpent)

邪悪な蛇」の意。巨大な大蛇の切り絵の姿をした怪物。
「娘の物語」で条件を満たすと入れる「おとぎの世界」を徘徊しており、接触されるとスタート地点に戻されるが積極的に追跡はしてこない。
条件を満たすと岩から引き抜ける剣を手に入れた状態で接触すると返り討ちにできる。
なお、ただの切り絵の見た目なのに倒すと返り血を浴びることになる。


■フォームレスマン(The Formless Man)

形のない男」の意。
肌が真っ白で体毛のないのっぺらぼうの人型の怪物。
最初は中肉中背でワイシャツ、ベスト、トラウザーズ、蝶ネクタイ、革靴を着用した姿をしており無害だったが、後に形態が変化し上半身が異様に盛り上がり左腕が二本生えた異形と化す。なお、その体型故か上半身が裸になっているが下半身は殆ど変化がないためズボンと革靴はそのまま。
「役者の物語」にて幾度も「俳優」に襲撃を仕掛けてくる。
ワイフゴーストと同様に捕まると即死するため逃げなければならない。
2023年版では懐中電灯の強めた光を一定量浴びせ続けると一時的に動きを止めることができる反面、ただ逃げれば良かったオリジナル版と違い逃走経路の障害物となるマネキンを懐中電灯の力で動かして退かしながら逃げる必要がある。
その正体はジェームズのアイデンティティーの希薄さを象徴する存在で、ラットクイーンの力で具現化したと思われる。
因みにイメージ元となったのはジェームズが幼少期に作った粘土の人形で各エンディングにも登場する。
各エンディングでこの人形はジェームズによって咀嚼されたり銃で撃ち抜かれたりするが、それらの描写からこの「形がない」存在をそれこそが自分のアイデンティティーであると割りきれた時、ようやくジェームズはジェームズ自身でいられるのだと思われる。


■サイクロプス(The Cyclops)

一つ眼怪物」。
 船舶と一体化した巨大な一つ目のガイコツの怪物。
目から光線を放ち、これに触れると即死する。
「役者の物語」第三章の終盤、芝生迷路にて「俳優」に襲いかかる。光線を避けながら出口を探さなければならない。
子供に暴力を振るうバーンズ姉弟の父親(ミスター・バーンズ)の象徴で、これはbloober teamの公式X(旧Twitter)にて明言されている。
因みに芝生迷路で狂気の父親から逃げ回るというシチュエーションは『シャイニング』のオマージュである。


■プロジェクショニスト(The Projectionist)

CV:アンドリュー・ウィンコット
映写技師」の意。
奇形の頭部と細い手足を持ち、生殖器がない全裸の人型の怪物で、車椅子に力無く座って微動だにしない。ミュージックビデオの『ラバー・ジョニー』にそっくり。
「役者の物語」第三章でサイクロプスから逃げきった先の映写室で遭遇する。
「痛い」「助けて」と呟き続けているがリリーに見捨てられた。
名称が映写技師、CVがアンドリュー・ウィンコット、右目が裂傷で潰れているなどの要素から、バーンズ姉弟の父親(ミスター・バーンズ)を象徴するもう一体の存在であることが露骨に示されている。 
映写室の窓からは炎が漏れており、その状況で助けを求め続けていることから、現実では映画館で火災が発生し身動きが取れなくなった際、居合わせたリリーとジェームズに助けを求めるも見捨てられ死亡したと推測できる。
なお、第二章にてリリーは「サイクロプスを打倒した」と述べているため火事はリリーによって引き起こされたと考えられる。 


■テンタクルズ(The Tentacles)

イカの触手のような何か。「役者の物語」第三章と第四章に登場する。
恐らくラットクイーンの仲間で、『クトゥルフ神話』のリバイアサン的な何かと思われる。


■ラットクイーン(The Rat Queen)

CV:ローレル・レフコウ
げっ歯類の様な前歯と瞳を持ち、黒衣を纏ったスキンヘッドの女性型クリーチャー。
『白貂を抱く貴婦人』の構図を模した絵画として歴代主人公の行く先々に現れるが、「役者の物語」と「作家の物語」では実体化してその姿を露にする。
クリエイターやアーティストと接触しアイデアや創作力を与える代わりに狂気に陥れる超自然的な存在
歴代主人公全員と関わっており、リメイク版の『Layers of Fear(2023)』では大幅に出番が増しており物語上のキーパーソンとなっている。
作中の超常現象は彼女が起こしていると考えられる。


余談

「役者の物語」には以下の通りキューブリックの映画『シャイニング』のオマージュが多く見られる。

  • 『シャイニング』の舞台である「オーバールックホテル」にそっくりな模様の床と廊下が登場し、更に『シャイニング』作中でダニーが乗っていた三輪車が置かれている。
  • 「父親」がアルコール依存症で虐待を行うなど『シャイニング』の主人公「ジャック・トランス」との共通点がある。
  • 父親の化身である「サイクロプス」から逃げ回るエリアは、『シャイニング』終盤でダニーが父ジャックから逃げ回る芝生迷路に酷似している。
  • 双子の少女の幽霊が「Let's play!」と主人公に呼び掛けてくる『シャイニング』の一場面にそっくりな廊下がある。

追記、修正はアルコール依存性を克服してからお願いします



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  • ロナルド・ウィルキンスの詳細について誰か加筆修正をお願いします -- 名無しさん (2023-06-25 22:49:18)
  • タイトル正しくは『Layers of Fear』ですね。修正します -- 名無しさん (2023-08-14 06:56:18)

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*1 但し筆のみ娘の髪の毛

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