登録日:2023/05/06 Sat 18:27:34
更新日:2024/07/05 Fri 13:22:44NEW!
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まんがタイムきららmax 4コマ漫画 クトゥルフ san値直葬 漫画 芳文社 クトゥルフ神話 ムクロメ 闇バイト 暗黒ぬい ですわ~ ギャグミックホラー ※きららです
レッツ捕獲★暗黒ぬい~~!
SAN値直葬!闇バイトとはまんがタイムきららMAXで連載されている4コマ漫画である。裏バイトではない。
作者はムクロメ。2022年2月号のゲスト掲載から連載されており、2024年5月時点で既刊2巻。
ちなみに1巻の表紙絵はこんな感じ。
出典:SAN値直葬!闇バイト 第1巻 ムクロメ 芳文社 2023年
念のためもう一度記しておくが、掲載誌はまんがタイムきららMAXである。
◆概要
元気が取り柄の女子高生黒乃あかりが「暗黒ぬい」を捕獲する「闇バイト」に励むのが主なストーリー。
この「暗黒ぬい」はクトゥルフ神話に登場する様々な種族・邪神がぬいぐるみ化されたものであり、話の大筋もクトゥルフ、特にその生みの親であるラヴクラフトの作品が元となっている。
人間離れしたメンタルとバイタリティを持つあかりが主役なこともあって、概ねコメディ調で話が進むのだが、それでも所々ぞっとするホラーが挿しこまれるのは作者の力量、そして題材の恐ろしさを感じさせられるだろう。
さらに、絵柄はアナログかつ所々諸星大二郎めいた劇画調となっており邪神達のインパクトを見せつけるのに一役買っている。*1
一方ギャグの方はパロディにブラックジョーク、時事ネタ下ネタ何でもありの無法地帯と化しており、こちらの方面でもバイタリティがすさまじい。
また、ギャグを強調するためかセリフのフォントがしばしばデカくなるのも特徴。
そんな独特のテイストを編集部では「ギャグミックホラー」と表現している。
こうしたギャグ及びホラーとしての完成度の高さ、そして一般的な「きらら」のイメージからは想像もつかない雰囲気が読者の心をつかんだのか、連載開始当初からかなりの人気を博している。
編集部も人気を把握しているようで、単行本の刊行時にはかなりの宣伝が行われていた。人気が出すぎたためか、きららベース(ニコニコ静画)において1巻クライマックスの公開が見送られる珍しい現象も起きた。
また、連載開始の回以外でカラー掲載されておらず、そちらの面でも異質。*2
重ねて言うが裏バイトではない。致死率が極めて高い点は同じ。
また2023年現在、時勢柄タイトルが物騒になってきたこともあってか、作中で「闇バイト」の単語が出る際に警告の注意書きがなされるようになった。なおその際「レッツ闇バイト!」的なセリフを主人公がノリノリで叫ぶので確信犯的にネタになっている模様。
◆あらすじ
素パスタと水道水で糊口をしのぐ極貧女子高生・黒乃あかりは、ある日怪しげなオカルトショップの高給バイトに応募する。
気になる仕事内容は、人間世界を脅かす闇の存在「暗黒ぬい」を捕獲すること!
怪しげな店長・アメンパインと、オカルト好きな同僚・明治こよと一緒に、レッツ捕獲★暗黒ぬい~~!
(まんがタイムきららweb 作品紹介ページより引用)
◆登場人物
○輝くトラペゾヘドロン
アメンパインが営むレトロで禍々しい外見のオカルトショップ。入口には自動ドアが導入されている。
暗黒ぬいとクトゥルフ神話にまつわるアイテムが主な商品。ただし当初は品揃えが少なく店内はがらんとした殺風景な状態であった。
その後、あかり達が暗黒ぬいを捕獲することで順調に品数が増えていったが、同時に空間ごと店内が拡張という超常現象も生じている。
主力製品である暗黒ぬいを捕獲するためのバイトを定期的に募集しており、あかりが受け取ったチラシには時給5000円もの高額報酬と安心 安全の文字が記載されていた。
実際報酬は嘘ではなく、「闇バイト」に関わった人には報酬や見舞金として高額のお金が支払われている。
「安心 安全」の方も何かあっても何やかんやで元に戻るので一応嘘ではないと言えなくもない。
ただし、1巻の描き下ろし部分にはおそらくあかりより前に「闇バイト」を行ったと思われる者の末路が記載されており……*3
無事に済んでも「死が怖い」という理由ですぐに辞めてしまう者も多いそうな。
- 黒乃あかり(くろの あかり)
主人公の女子高生。人間。健康。才は元気ですわ~
父親の会社が倒産したことで一家離散、極貧生活というなかなかに重い境遇なのだが、そうとは思えないくらい明るく逞しい人物。
アメンパインも認める強メンタルで、危うく殺されかけるような目にあっても即座に反撃する胆力の持ち主。
1巻時点で描写されている限りでは、SAN値直葬で死んだのは人形が身代わりになったのを含めても2回のみである。いや、十分多いな。
肉体的な強度も高く、極度の貧血に陥っても大量のお菓子を流しこんだらあっさり回復した。本当に人間かこの人。
その境遇のため金銭への執着も凄く、普通怪しむであろう「時給5000円」の「闇バイト」にも即座に食いついた。
一応は胡散臭く危険性の高いバイトであることは理解しているのだが、高額報酬をちらつかされるとあっさりと従う始末。
思考も本能に従っているようで、初回報酬は連日寿司屋で豪遊して一瞬で溶けたとのこと。
長いカタカナも覚えきれないのか、店名やネクロノミコン、店長の名前も一向に覚える気配がない。
お菓子1つで秘密をボロボロ喋り出し、頭に思ったことはすぐに口に出す歩く情報漏洩。
その図太さと金銭への執着心は、超然としたアメンパインを時には引かせたりイラッとさせたりするほど。ある意味凄い人物である。
もっともこれくらいのメンタルがないと即座に発狂するのは目に見えており、何だかんだで「闇バイト」が適職といえるだろうか。
友情にも厚く、親友の危機には激しく葛藤はするが金より親友を取るタイプ。
ぶっちゃけ、どこぞの派出所の警官を女子高生にしたような人物といっても差し支えないくらい。
こよからの認識は銭ゲバアタッカー。
存在そのものがギャグ補正の塊のようなキャラであり、本作がコメディになっているのも彼女の存在あってこそ。
逆に言うと時折ある主人公不在回では雰囲気ががらりと変わり、本格的なホラー話となることが多い。
ちなみに、うらんという友人がおり、一度事前に話を聞いていた上に一度事件に巻き込まれたので、ある程度事情は把握している。
ラヴをクラフトしていこ?(2巻ネタバレ)
- きれいな黒乃あかり
欲望の赴くまま暴れ、時には店に損害を与えるあかり。
そんな彼女に内心かなりイラついていたっぽいアメンパインが用意したあかりの新しい身代わりぬい。
従来のあかりがやられた際にこちらへと変貌して復活した。
しかし外見(店長曰く「モブ顔」)は美形に修正され、中身は「ラヴ」を唱える店長の忠実な僕と完全に別人。
さらに感受性こそ豊かだが、ぶっちゃけ弱い。まぁ最大の長所であるバイタリティが皆無だしね……
- 明治こよ(めいじ こよ)
あかりのバイト仲間で同じ高校。人間。臆病。魔術の才あり。
オカルトに興味を持っており、その縁で「闇バイト」に参加することとなったようだ。
だが臆病でメンタルが弱く、事あるごとにSAN値直葬されて命果てている。いや、弱メンタルというか主人公がおかしいだけでこれが普通なんだけど。
そんな本作の不憫担当。もしくは囮担当。
それでも数々の惨事を経て多少は鍛えられており、バイト外で屍食鬼と出会った際には毅然と立ち向かっている。
魔術の才があることから、店長から借りた魔術書で星の精を呼ぶことができる。
ただし、呼び出した当人もSAN値が激減するので下手すれば相打ちとなる。
召喚に耐えられるようになってからは暗黒ぬいの血抜きを任せられるようになった。
だがそのメンタルの弱さと魔術の才から邪神に目をつけられ……
- アメンパイン
オカルトショップ「輝くトラペゾヘドロン」の店長。銀髪の異人美女。「ですわ~」と語尾を伸ばす癖がある。
日光に弱く外では日傘をさしており、その体質と来客対応のために暗黒ぬいの仕入れはアルバイトに任せている。
また魔術に長けており、遠隔地からの通信・監視に転送、反魂術と大抵のことは可能。
額を拳銃で撃ち抜かれても平然としていたことも。本人曰く、胸元のペンダントが凶弾から救ってくれたそうな。
その気になれば、夢の中の金を現実に持ってくることも可能な様子。
口も回り、一時店を避けていたこよが悪夢の相談に来た際には言葉巧みに店に留まるように誘導していた。
はっきり言って胡散臭いことこの上なく、あかりも怪しんではいるが金払いがいいので結局付き従っている。
ただし、やっていること自体は人類の危機の回避につながっていることが多く、怪しいだけで一概に悪人だとは言い難い面も多い。
その多面性と日光に弱い点、何より店名から、正体はとある外なる神ではないのかと読者からは噂されているが……?
日光に弱いのもあってか普段は露出は少ないが、ショゴスへのご褒美の際は女王様スタイルになる。
- 蟲野なごみ
アメンパインが連れてきた黒髪ロングでスタイルの良い新人バイト。
益虫害虫問わず、ありとあらゆる虫が近寄ってくるという特殊体質の持ち主で人々から避けられていた。
そのため非常に自尊心が低くネガティブ。自身の事は「生ゴミ」と呼んでくれと卑下している。
ただ、集まってくる虫たちの事は嫌っておらず仲は良い。虫の方もなごみを助けてくれることも時にはある。
そして特殊な場所である店内では虫つながりでとんでもない大物が誘われてくることも……*4
- ショゴス
単行本の表紙も飾っている粘液系奉仕種族。
あかりの相棒としてアメンパインが召喚し、以降暗黒ぬいと戦う上で大きな助けとなっている。
とはいえ見た目は不気味この上ないため、最初こよは一目見てショック死してしまった。
あかりは耐えられたものの、このショゴス、性格がおっさんそのものなため別の方向で精神が削られる羽目に。
言葉を発せないため端末を解して文字でやり取りしたのだが、返ってきたのは見事なおっさん構文。今後のコミュニケーションに不安を感じるあかりであった。
とはいえ、人懐っこいのと何だかんだ波長が合うのかすぐに仲良くなった……が、今度はドMである事が発覚し再び溝ができてしまったが。
あかりの制服と同じく黒いことから普段は制服と一体化して隠れている。
当然のことながらキモいクリーチャー(おっさん)を身にまとうわけで当初あかりは凄く嫌がっていたが。しかも制服がワンピース状なので下手したらスカートが持ち上がるし。
その代わりに肉弾戦では無類の強さを発揮しており、戦闘におけるあかりとの相性は抜群。
その他、店の拡張工事にも利用されている。鞭で叩くと喜んで仕事するとかなんとか。
あかり「(ゴミを見るような目)」
ショゴス「むしろご褒美です」
- ヘンリー・アーミティッジ
「ダンウィッチ(ダニッチ)の怪」に登場した博士その人。
「ここ(店内)で命果てた者」として輝くトラペゾヘドロン内を魂が漂っていたが、とある拍子に肉体がこよと入れ替わってしまい、思わぬ形で生き返ってしまった。
ちなみに元の肉体は「知りすぎた研究者の骸(頭部)」
つまりこよちゃんは髑髏と入れ替わったわけである。つくづく不憫。
期せずして自由に動けるようになったわけだが、そのことを喜ぶよりも若者(こよ)の身体を奪ってしまったことを申し訳なく思う非常にできた人物。
そのため店長に戻してもらうように自ら頼んだのだが、元に戻すためにはもう一度死ぬ必要があるので流れで暗黒ぬい捕獲に付き合うことに。
肉体のおかげか本人の知識か魔術の才は高く、ネクロノミコンで強力な魔術を使用していた。ちなみに、ネクロノミコンは使用すると死ぬっぽい。
事件解決後は再び元の骸の状態で眠りについている。
○暗黒ぬい
「闇バイト」における捕獲対象の生きたぬいぐるみ達。
元はクトゥルフ神話に登場する種族や邪神なのだが、星辰(星の配置)が「カワイイ♡配置」となったことでぬいぐるみ化して大幅に弱体化してしまった。
これでも人一人を発狂死させることや短期的な支配はできるのだが、その力は長くは続かない模様。
特に肉弾戦に持ち込まれるとぬいぐるみサイズではどうしようもできず、女子高生にあっさりと締め落とされている。この状態でも一応苦しいらしく、情報を吐いたりしている。
ただ、弱らせても不死身なため定期的に血抜きしていないと逃げ出していずれは復活する。
中には人間とのハーフもおり、こちらは星辰の影響をそれほど受けていないようで人の姿とある程度の力を保っている。
なお、こちらも弱ると暗黒ぬいと化すことからハーフであろうと容赦なく捕獲対象となっている。
- ダゴン/深きもの
クトゥルフでおなじみの半魚人系種族達。
ダゴンは記念すべき初バイトで登場し、ぽやっとしたぬいぐるみと思いきや急にリアルな劇画調の正体を見せあかりと読者の度肝を脱いだ。
後述のクトゥルフの件も考えるに、得意とする領域の中であれば一時的に力をわずかながら取り戻せると思われる。あくまでわずかながら、であるが。
その後、捕獲された父なるダゴンを奪還しようと、深きものどもがあかり達の高校で暗躍。
暗黒ぬいが女生徒に憑りついて操っており、操られた者は普段は変化ないが、正体を表すと肌が鱗状に変貌する。
なお、憑りついていた暗黒ぬいが隠れていたのはある意味合理的だがとんでもない場所だったり。
プールの中を含めて少なくとも10体以上は潜んでおり、全員取っ捕まって大量入荷となった。
ただ後々まで「商品」が並んでおり、わりと在庫がダブついているっぽい。
- 上鳥うるは(うえとり うるは)
ネクロノミコンを求めて輝くトラペゾヘドロンへと赴いた色黒の少女。
だが、あまりに高価だったため拳銃でアメンパインを撃ち抜いて無理やり奪い取ろうとしたが……?
正体は暗黒ぬいとのハーフで、下半身が触手状の化け物となっている。
もっとも拳銃を使っていた辺り本人に大した力はないようで妹には馬鹿にされていた模様。
元ネタは「ダンウィッチの怪」のウィルバー・ウェイトリー。
- うるはの妹
こちらは元ネタのウィルバー弟ならぬ、うるはの妹。
元ネタ通り姉よりも力が強く、普段は透明。さらに全身触手状の化け物と化すことができる。
ネクロノミコンと特殊な団地の配置を利用して父親ヨグ=ソトースを呼ぼうとしていたが、あかりと教授によってあえなく阻止された。「このままでは人類は滅亡する!」「な、なんだってー!!」
- くてら
ツインテール状に髪を結った幼女。
年相応に無邪気だがその言動はどことなく物騒。
その正体はクトゥルフと人間とのハーフ。
暗黒ぬいと化して力の出ない父親に代わって働いており、こよを悪夢の中に捕らえて僕にしようとしていた。
夢の中ではツインテールを触手のように伸ばして締め付けており、外見に反して戦闘能力は高い。
あかりの夢と融合させられた結果、札束という強い執着による攻撃によって大ダメージを負い、逃げ出した(夢の中なので捕獲は不可能)。
その後はホラー系配信者を罠にかけ捕えている姿が目撃された。
ちなみに髪こそあかりに千切られたため短髪となっていたが、当人曰く成長期とのことで大きく成長している。
名前と役割からしておそらく元ネタはクトゥルフの娘クティーラだろう。
父に対して敬意は皆無で、蹴りを入れたりしていた。
ちなみにクトゥルフは元の通りタコっぽい化け物。
悪夢の中とはいえ、ある程度は元の姿を保っていたのはさすが旧支配者というべきか。
なお、書下ろしで過去の闇バイターの少女の精神を破壊したのもこいつ。髪型や目元がくてらに似ているため、もしかしたら母親は彼女かもしれない。
- 古のもの
頭部が五芒星の旧支配者。ショゴスを作り出した存在でもある。
アメンパインが闇のクリスマスツリーを作る際の飾りとして捕獲を依頼した。
例にもれず星辰で弱っているが、ショゴスを操る力は未だ健在であり……?
追記修正お願いしますわ~
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▷ コメント欄
- 萌えクトゥルフ?の歴史がまた1ページ…… -- 名無しさん (2023-05-06 18:42:32)
- 同じ裏バイトでもあまりの温度差に、どこかのパツキンピアスと黒髪巨乳が何とも言えない顔でこっちを見ている! -- 名無しさん (2023-05-06 19:01:58)
- ↑でも残機消費して死亡回避してるだけであって危険度自体は変わらん…というか、立ち向かわないといけない分こっちの方が難易度高いんですのよ… -- 名無しさん (2023-05-06 20:42:06)
- 温度差の原因主に主人公の性格であってバイトそのものは… -- 名無しさん (2023-05-06 20:56:23)
- え、きらら掲載!? -- 名無しさん (2023-05-06 21:45:21)
- 裏バイトの新記事かと思ったら知らない漫画だった 良さそうな雰囲気だし買ってみようかな -- 名無しさん (2023-05-06 22:10:45)
- 女の子さえ可愛ければ…どんな話でもいいよねっ!って開き直り方をしてるある意味きらららしい漫画 -- 名無しさん (2023-05-07 00:31:29)
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*2 おそらく画風の関係でカラーにすると時間がかかりすぎるので困難なのだと思われる。単行本の描き下ろしではカラーが使用されている。
*3 こちらは時給4000円。危険な仕事なのでだんだん報酬を上げているのだろうか。ちなみに店の場所もあかりの受け取ったチラシとは異なっている。
*4 元ネタ不明な物を除けば、何気に初のクトゥルフ関連以外の魔物だったりする。「出典」が違うためかアメンパインは「何度誘ってもこなかった」と述べていた。
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