この世界は不完全すぎる

ページ名:この世界は不完全すぎる

登録日:2023/04/22 Sat 20:10:39
更新日:2024/07/05 Fri 12:40:22NEW!
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漫画 コミックdays 講談社 アニメ vrmmo 異世界転生 24年夏アニメ ゲーム世界 バグ デバッグ 2020年 左藤真通 この世界は不完全すぎる





「この世界は不完全すぎる」とは、左藤真通による漫画作品。
2024年7月5日にアニメ開始予定。


あらすじ


極秘に組織された調査隊王の探究者キングス・シーカーによって、開拓が進められるファンタジー世界。
この世のあらゆる事象を調べ、世界を旅する探究者シーカーは人々から尊敬される憧れの職業であった。
そんな探究者シーカーの一員・ハガは、立ち寄った村でドラゴンに襲われていた村娘・ニコラを助け、さらにその村もドラゴンの襲撃から守ることに成功する。
喜びを分かち合う二人だが、それもつかの間、ニコラを含む村の住人は皆、突如体中が燃え上がり焼死してしまう。
死にゆくニコラにハガは言う。「これは負けイベントなんです」と。
どんな条件でも村がちゃんと全滅するかを確かめる、つまりVRMMOゲームであるこの世界「キングス・シーカー・オンライン」をデバッグ*1するのがハガの本当の仕事だったのだ。
ニコラの死を確認したハガは村のデバッグを切り上げ、張ったテントで野営しつつ調査結果をまとめる作業に入る。
そこに、さきほど眼の前で焼死したはずのニコラが現れて……?


ハガ達デバッガーがゲームに囚われ、キングス・シーカー・オンラインを出られなくなってから、もうすぐ一年。



概要


……というあらすじの通り、本作は「ソードアート・オンライン」や「ログ・ホライズン」に近い、「仮想世界に閉じ込められる」枠組みの作品である。
「異世界から帰れない」という点では異世界転生ものに近いと言えなくもないが、本作の目玉は「バグやハメ技、グリッチ等を最大限活用してゲームを攻略する」ところ。
基本はファンタジー冒険譚よろしく異世界を旅するものの、その世界……ゲームには欠陥があり、その欠陥をいかに突いて問題を解決するか、という謎解き的な要素が強め。


また、こういった作品ではモブキャラになりやすいNPC*2も本筋にガッツリ関わってくる。
逆に、人間のプレイヤーはとしての登場がほとんど。
しかもその全員がチート使い放題のチーターであるため、そいつらの排除方法もまた謎解きの一つである。
そうしてチートを使い尽くした人間がやることをなくして精神的に壊れていく様もわりと克明に描かれているので、そういうのが見たい人にはオススメの漫画である。


余談だが、敵キャラ等もオーソドックスなものから外れたキモカワデザイン*3であり、そういう新奇性も見どころ。



世界観


キングス・シーカー・オンライン

近日公開予定?のフルダイブ型MMORPG。
ゲームのシナリオ的には「大陸フェルナークの辺境にある島・クレボーン島を自由に冒険する」といった感じで、各地に発生するクエストやシナリオを好きなタイミングでこなしていくスタイルの模様。
デバッグ段階だからこそなのか、あるいは元々の作りが雑なのか、至る所にバグが存在する。


ゲームとしての世界観設定的なところを要約すると、

  • クレボーン島を中心に、いくつか離島がある
  • 大きく5つのエリアに分けられており、それぞれに管理者たる「メタAI」がいる
  • メインシナリオは一応存在する

といった感じ。



王の探究者キングス・シーカー

王の命の名のもとに、世界を探検する職業。
メタ的に言えば、キングス・シーカー・オンラインにログインしたプレイヤーが割り振られる役割。
「キングス・シーカー・オンライン」はまだ正式リリースされていないため、プレイヤーは全員デバッガーであり、「石版」を使ってデバッグモードになれる。つまりハガも含めて人間のプレイヤーはほぼ全員がチートを使うわけだが、ハガ等チートをあえて使わない、あるいは石版を紛失して使えない者もいる。


デバッガー

ゲームの中でいろいろな動作を試し、そのゲームが正常にプレイできるかを調査する職業。一応言っておくが実在の職業である。*4


キングス・シーカー・オンラインにログインしたプレイヤー=デバッガー達は1年近くログアウトできずゲームの中に閉じ込められている。当然、そんな異常事態下で漫然とデバッグをしていられるはずもなく、殆どのデバッガーはデバッグの仕事を放棄し、デバッグモードを利用して自由気ままに遊んでいる。
一応擁護しておくと、デバッガー達はもとからクズだったり怠惰だったりするわけではなく*5、ゲームの世界から抜け出せないストレスから心を守るためにチートで遊んでいるという側面が強い。
しかしそれにも限界はあり、登場するデバッガーは多かれ少なかれ精神を病んできている状態にある。


なお、デバッグモードの存在から基本的に死ぬことはないが、万が一描画範囲外の座標に飛び出して戻ってこれなくなる無限ループにハマる、アバターが処理落ちする等で身動きが取れなくなった場合、死ぬことがない分たいていいっそ死んだほうがマシなくらいつらい目に遭うことになる。
なお、ゲーム内で死亡したプレイヤーがどうなるのかは確かめようがないため、不明。


石版デバッグストーン

プレイヤー達がそれぞれ一つずつ所有するアイテム。
本来はプレイヤー全員が持たされるサポートアイテム*6だが、本作は正式リリース前なので「調査結果を書いた紙(バグシート)を裏向きにして押し当てることで運営にメールを送れる機能」「デバッグモードを起動し、そこから自由にチートコマンドを使用できる機能」が追加されたデバッガー専用バージョンが配布されている。
現在ほとんどのプレイヤーはこのデバッグモード目的で使用しており、前者の使い方をするのはハガくらいである。
プレイヤー1人につきひとつずつ紐づけられており、他人の物は使用できない。


登場人物


主要人物


ハガ/羽賀
本作の主人公。所属は(株)ニシマテック。
半無秩序状態に陥ったプレイヤー達の中でほぼ唯一、地道にデバッグを続けている男。
これはデバッグの仕事に誇りを持っている……だけではなく、「仕事に没頭することで正気を保っている」ためであることが示唆されている。
他のデバッガーと同じく「石版」を用いてチートを使える立場だが、それを乱用したニシマテックの同僚が無限ループにハマって生死不明の状態に陥ったことから、デバッグモードの使用を頑なに拒んでいる。
なお、デバッグは使用しないがバグの悪用などのグリッジは躊躇なく使用し、クソ真面目にバグを探しているだけあってデバッガーとの戦いでは幾度もそれが切り札となる。
ガタイのいい体格をしているがこれはキャラクリでごつい見た目を使っているだけで、現実の姿はひょろいもやしっ子みたいなルックス。性格も草食系で主張の弱いオタク気質。だが、デバッグに掛ける執念は人一倍であり、傍目からは奇行にしか見えないデバッグ作業をわき目も振らずやり続ける姿には呆れられることも多い。
現在は「ゲームのシナリオを最後まで終えれば出られるのではないか?」という仮説のもとに、シナリオの攻略を進めている。


ニコラ
ルイーザ村の村娘。
ルイーザ村にデバッグの為訪れたハガに憧れ、自分も探求者シーカーになるべくハガに弟子入りを志願する。
ゲーム的にはNPC、それも「むらびとその1」的立ち位置のモブキャラで、本来はある襲撃イベントによって村人もろともドラゴンに殺される運命であった。しかし、何らかの理由により蘇生。その際死亡直前の記憶を「探求者シーカーに憧れ、村を飛び出して旅に出た」という内容に改ざんされており、その状態でハガの旅に同行することになる。


ハガのことはも探求者シーカーとして尊敬しており、彼の奇行(=デバッグ作業)も「探求者シーカーとして必要な仕事」と捉えてデバッグ作業に勤しむ。やがて彼女も、NPCでありながら一人前(?)のデバッガーへと成長することに……。
元が冒険を想定されていないモブキャラなので戦闘能力は皆無で、レベルも持たない。だが、レベルが設定されていないが故に「持ち主のレベル次第で威力が変わる道具」を手にするとその道具がバグを起こし、カンスト同然の超威力を叩き出す。



テスラ
「メタAI」を自称する謎の存在。本人の曰くによれば「全部で5人いるゲームの管理AIのひとり」とのこと。
ニコラの体を借りて現れ、ハガに「デバッグを放棄してゲームの秩序を荒らしている悪質なデバッガー達を追い出してほしい」と頼み込む。以降もたびたびニコラを乗っ取る形で出現するが、やることは「石版を食べて回収する」くらいであんまり役には立たない。




波子黒ちゃん鈴木さん神さん
(株)ニシマテック所属の社員。ハガこと羽賀と共にログインし、デバッグ作業を担当していた。
……が、神さん以外の三名はゲームから出られない事で仕事を放棄し、デバッグモードで遊んでいた。
その結果、波子は無限ループに嵌り、黒ちゃんは地形に埋まり、鈴木さんは空の彼方に飛ばされてしまい……という凄惨な目に遭う。
神さん、および羽賀は彼らを助けることを目的に、それぞれシナリオ攻略、デバッグ作業を継続している。


(株)アソビング社員とその関係者

キングス・シーカー・オンラインのデバッグに参加している企業の一つ。
いわゆる「陽キャ」のノリが強い体育会系の会社らしく、社員は社長を含めて全員がデバッグを放棄し異世界ライフをエンジョイする方針を取っている。
一方、社員の多くがNPCに拷問をして遊ぶ、アマノが社内で虐められていたことを示唆する描写があるなど、異世界生活の中で負の面も如実に出てしまっている。


アマノ/天野イソラ
ハガと同じくこの世界にログインしたまま出られなくなっているデバッガーの男性。
(株)アソビングから派遣されているようだが、本人曰く「デバッガーのバイト」。
二足歩行する猫のような犬のような亜人種「フェザー」をアバターに使用している。
彼もまたデバッグ作業を放棄しているが、現在は書斎に引きこもり、趣味の漫画*7を描いてそれをNPCのルゥに読ませる生活を続けている。
ハガ曰く「仕事に没頭することで正気を保ってる」「僕と同じ」とのこと。
人付き合いを好まず、(株)アソビングのウェイ系のノリに嫌気が差して逃走。とある村にNPCのフリをして潜伏しつつ漫画を描く隠遁生活を送っていた。
偏屈で口の悪い皮肉屋だが実際のところは結構な人情家で涙もろい。
NPCや他のプレイヤーに感情移入することも多い。



ルゥ
サブクエスト「詩を聞かせて」の依頼人にあたるNPC。
劇中の描写を見る限り、クエスト内容は「足が悪く、あまり外出できないルゥに物語を聞かせ、高い評価を貰えればクリア」という内容の模様。
アマノはそれを利用し、漫画を描いては彼女にその原稿を見せ、彼女の反応をモチベに漫画を描き続けていた。
アマノ同様、排他的で人との関わりをあまり好まない性格だが、アマノのことだけは慕っている。



隅田酒井
(株)アソビングのデバッガー。
デバッグを駆使して物理演算的に無理のある城を構築したり、怪物に乗って街を破壊したりと好き放題やっていたが、その末路はあまりにも無様であっけなかった。




(株)エンタメイション社員とその関係者


アキラ
この世界にログインしたまま出られなくなっているデバッガーの女性。
長身のエルフの姿をしたアバターを利用しているが、女性というには不用心な言動から、ハガやアマノはちょっと引いている。
「この世界の住人として生きる」と公言し、元の世界に帰ることを諦めているようだが…?


アルバ
サイ王国を統括するNPC。テスラと同じく管理AIのひとり。
厳格にデバッグ作業を要求するテスラに比べ、良くも悪くも民思いの面が強く、溝口をはじめとするデバッガーの要望に合わせる形でサイ王国の指導者となっていた。



溝口
デバッガーの男性。アキラの上司であり、アルバの側近。





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  • コンソールコマンドがスカイリムでよく見たヤツ -- 名無しさん (2023-04-22 21:53:14)
  • dmmにて3巻まで無料で読めたが、これは… -- 名無しさん (2024-04-20 16:40:07)

#comment(striction)

*1 ゲームの中でいろいろな動作を試し、ゲームにバグがないかを調査すること
*2 ノンプレイヤーキャラクターの略。プレイヤーが操作できないキャラのことを指す。たいていは敵だったりモブだったりといった脇役である。
*3 「ドラゴン」が爬虫類というよりカエルの化け物みたいな造形
*4 ちなみに、デバッガーが不具合を発見した場合、その不具合の発生条件と発生確率、つまり再現性を明らかにして運営に報告する。それを見た開発チームは修正対応を行い、バグが直される……というのが仕事の流れ。
*5 むしろ倫理観が現代日本人準拠なので勤勉ですらある
*6 現在受注しているクエストやミッションが表示されるなど、少なくともメニューとしての機能はある
*7 ゲーム制作チームを題材にした漫画の模様。流し読みしたハガが「続きを読みたい」「プロにならないのか」といった旨の発言をしている為、漫画としてのクオリティは高いようだ

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