登録日:2019/03/18 Mon 0:17:00
更新日:2024/04/04 Thu 11:15:18NEW!
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「俺は蟒蛇だ。人間の恰好をして里の食べ物を喰らってやろうとしていたところだ」
本項目における蟒蛇とは、東方Projectのコミカライズ作品『東方鈴奈庵』第22・23話「煙草と煙と無銭飲食」に登場する妖怪である。
その名の通り大酒呑みだが、一応この人たちとは関係ない……はずである。
【概要】
最近外の世界から幻想郷に入ってきた新参の妖怪*1。
元々はただの蛇だったようだが、人間を喰った事で妖怪へと変じた。所謂妖獣の一種である。
そのため本来は蛇の姿をしているが、里で活動する際は他の妖怪同様に人間の姿に化けている。もっともマミゾウからは「変化のレベルが低すぎる」と酷評されていたが。
人間の里で続発していた食い逃げ事件の犯人。
里では食い逃げ犯は複数いるとされていたが実際には蟒蛇が犯行の度に別人に化けていたと言うのが真相で、作中では三つの人間態を見せていた。
作中で初めてマミゾウとすれ違った時の姿はほっかむりをかぶり後ろ髪を結った貧相な男だった。この時はマミゾウに警戒の目線をかけられた事にも気付かずに最寄りの料亭へと入っていった。
本居小鈴や里の男性が追いかけた際には三度笠でむくんだ顔を隠した装いで逃走、袋小路に追い詰められるも小鈴達が着いた頃には忽然と姿を消していた。
居酒屋でマミゾウと再会した時には、髪を逆立てた恰幅のいい中年男性の姿になっていた。鼻や耳が尖っていて、長い舌の先端は二股に分かれている。
登場するごとに体型が大きくなっているのが窺える。
【妖怪の妖怪退治】
巨漢の姿で閑散とした居酒屋に入った蟒蛇は、店員の奇異な視線を気に留める事もなく料理やお酒を大量に注文しては平らげていた。お酒を運んできた女性が心配するのをよそに徳利から直接お酒を呑もうとする始末で、新米の妖獣とはいえお世辞にもテーブルマナーがいいとは言えなかった。
そこに人間に化けたマミゾウが店を訪ねる。
彼女は自身も化け狸を束ねる大妖怪でありながら、一連の食い逃げ事件を早くから妖怪のせいと睨んで独自に動いていたのだ。
一瞬で蟒蛇から徳利を奪うと、華麗な手さばきでお猪口にお酒を注いでこう言った。
「相席しても良いかな?酒は奢ろう」
突然の出来事に戸惑いながらも蟒蛇は提案を了承、店員が離れたのを見計らってマミゾウが「お前さん、蟒蛇だろ?」と話を切り出した。これには蟒蛇もいきなり正体を言い当てられた事への衝撃により更なる動揺を露わにした。明らかに狼狽えながらもしらばっくれる彼に対してマミゾウは自らも妖怪である事を告げる。
安堵した蟒蛇はお猪口の酒を一気呑みして快活に笑いマミゾウの肩を叩く。その人、あなたよりずっと先輩なんですが……。
だがマミゾウは“里の人間に手を出した”*2として蟒蛇を糾弾する。
そしておもむろ唐突にパイプを取り出したマミゾウに対して蟒蛇はあからさまに狼狽した。蟒蛇の悲鳴を意に介せずにマミゾウは煙草の煙を思い切りふかした。
……蟒蛇に。
「俺はなあ、煙草のヤニが弱点なんだ!それを吸うと姿が保てなく……」
「ああ、もちろん、」
「知ってた」
煙草の煙を浴びせられた蟒蛇の身体はたちまち煙のように消え失せた。直前まで蟒蛇がいた場所には正体である蛇が身を縮めていたが、マミゾウは蟒蛇を完全に滅ぼす事はせず、“幻想郷の妖怪らしい人間との付き合い方を教育する”事を約束した。
なお店側には男は急用のため先に帰ったことにして代金は宣言通りマミゾウが支払っている。
その後食い逃げ事件は発生しなくなり、早苗が用意した守矢神社の分社からはお供え物がなくなっていた。
【元ネタ】
「煙草のヤニが苦手な蟒蛇」そして「それを退治する化け狸」と言えばもうお分かりだろう。
彼のエピソードは昔話「たのきゅう」のパロディなのだ。
それをわかって読み直せば、「必死で化け狸のフリをしたたのきゅうと違って、ガチの化け狸じゃねーか!」とツッコミたくなること請け合いである。
その分、元ネタにある「力のない一般人が知恵を駆使して行う妖怪退治」という要素は丸ごとカットされている。
「里の人間はひたすら弱く、妖怪を恐れるばかり」という東方鈴奈庵の世界観ゆえだろうか?*3
「なあに、心配は要らん。追記・修正は儂が全てするじゃて……立て逃げなんかせんよ」
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- この文字の色読みづらくないですか? -- 名無しさん (2019-03-18 19:56:22)
- 文字色修正しました。ご意見ありがとうございます -- Yomihito472 (2019-03-18 20:26:05)
- 二次では易者や抗鬱薬おじさんと飲み仲間だったり -- 名無しさん (2022-07-31 13:01:58)
#comment
*2 人間の里は妖怪の賢者に保護されているため表向きは妖怪の立ち入りが制限されている。人里に出入りする者も人間に化ける事が暗黙のマナーとなっているが、たとえ天狗のような実力者であってもここで揉め事を起こすのはご法度とされている。もちろん人間の物を盗むなどいくら妖怪のせいでも論外である。
*3 里の人間の描写は別作品ではやや雰囲気が異なり、例えば『求聞史紀』では妖怪をナメていたり、『心綺楼』では見とれていたりもする。
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