登録日:2016/12/24 (土) 12:30:10
更新日:2024/02/01 Thu 13:54:15NEW!
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『Superman: Red Son』は2003年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。
『Superman: Red Son』#1~#3
発売 2003年6月から
脚本 マーク・ミラー
作画 デイブ・ジョンソン、キリアン・プランケット(#2、#3)
日本では2012年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。
MARVELの『シビル・ウォー』やIconの『キック・アス』を手掛けたマーク・ミラーによるIFの世界エルスワールドを描いた作品。
スーパーマンの宇宙船がアメリカではなくソビエト連邦(現ロシア)に墜落した世界が描かれる。
ソビエトの共産主義に染まりながらもレギュラーシリーズと同じ正義の心を持ち平和な世界を造ろうとするスーパーマンと
それに対抗するレックス・ルーサーの戦いを通じて正義や理想郷の在り方について描いている。
スーパーマンがソビエトに誕生した結果、レギュラーシリーズから大きく人生が変わったヒーローたちも見所の1つ。
『Superman: Red Son』#1
『Superman: Red Son』#2
『Superman: Red Son』#3
『Superman: Red Son』#1
【物語】
冷戦の時代。突如ソビエト連邦がスーパーマンと呼ぶ超人を世界に公開する。当初その存在信用していなかったアメリカ政府だが、
様々な噂や映像が知れ渡るにつれ信じざるを得なくなり、『STARラボ』のレックス・ルーサーに対策を依頼する。
【登場人物】
突如世界に姿を現した超人。ウクライナの集団農場に墜落した宇宙船から拾われて、農場で育ち共産主義を信奉している。
レギュラーシリーズと同じ能力を持つがコスチュームの色が黒く胸のマークがソビエトの国旗にも使われている鎌と槌になっている。
ソビエトでの活動が多いがその目的は世界の平和にあり他の国のピンチも救う。
その活動や信念から政治の道を進められるが本人は興味が無かった。
スターリンの死後もその考えは変わらなかったが、幼馴染のラナをはじめとする民衆が貧困に苦しんでいるのを知り党首になることを決意する。
- レックス・ルーサー
メトロポリスにある『STARラボ』の天才科学者。ロイス・レーン(ルーサー)の夫。チェスが好きで複数人を相手に対局ができる。
大統領の依頼でスーパーマン対策に乗り出すが当初はパズルで頭を活性化させるばかりで何もしていなかった。
ある日朝刊の記事からアイデアを得てソビエトの人工衛星スプートニクをアメリカに落下させスーパーマンの細胞を入手する。
その細胞をもとにスーパーマンのクローン、ビザロを作りスーパーマンと戦わせるが失敗し姿を消す。
レギュラーシリーズではスーパーマンのヴィラン。
≪アメリカ≫
- ロイス・ルーサー
メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの美人記者。レックス・ルーサーの妻。ペンネームでは旧姓のレーンを使う。
ルーサーの落としたスプートニクによる事故からスーパーマンに助けてもらい運命的な出会いを果たす。
結局それ以上の関係にはならなかったがお互いに深く心に刻まれた。数世紀後、この出会いをもとにした物語が発売されたらしい。
レギュラーシリーズではスーパーマンのヒロイン。
スーパーマンの細胞からルーサーが生み出したスーパーマンのクローン。
外見は不完全だがスーパーマンと同等のパワーと真逆の能力を持ち、胸のマークがUSになっている。
対スーパーマン兵器第1号として投入されスーパーマンを殴り飛ばしロンドンに甚大な被害を出す。
その後、潜水艦から発射されたミサイルを見て何故かスーパーマンよりも早く動きミサイルの爆発を防ぎ命を落とした。
作戦の前夜ルーサーにチェスで勝利している。
- ジェームズ・オルセン
CIAの捜査官。ルーサーとの仲介役を行う。
レギュラーシリーズではデイリー・プラネットのカメラマンでスーパーマンの友人。
- ペリー・ホワイト
メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの編集長。ロイスとスーパーマンについて話し合う。
- ドワイト・アイゼンハワー
実在の人物。第34代アメリカ合衆国大統領。国民にスーパーマンについての会見をして冷静な行動を促す。
その後、スーパーマンの活躍を知り政府や軍隊、CIAでは対処できないと悟りルーサーに対策を依頼する。
- マーサ・ケント
カンザスの片田舎スモールビルの主婦。夫のジョナサンには先立れている。
知り合いとスーパーマンの世間話をする。
レギュラーシリーズではスーパーマンの育ての親。
≪ロシア≫
- ヨシフ・スターリン
実在の人物。ソビエト連邦の最高指導者。
スーパーマンを気に入り彼にダイアナとの結婚や政治の道を勧めるが断られている。
スーパーマンを寵愛しピョートルを蔑ろにした結果、彼に暗殺されてしまう。
- ピョートル・ロスロフ
ソビエトの国家機関NKVDの長官。
スターリンの私生児で党首になるべく幼いころから訓練重ね、25歳という若さで長官に就任した。
しかしスーパーマンの登場でスターリンの興味が移り始めたうえ、
自身の仕事の汚さを思い知り追い詰められスターリンを暗殺してしまう。
レギュラーシリーズではスモールビル時代のスーパーマンの友人。
- ラナ・ラザレンコ
スーパーマンの少年時代の友人。2人の子持ち。
スターリンの葬儀に参加するため全財産を失い配給に並んでいたところスーパーマンと再会する。
彼女との出会いがスーパーマンの運命を変えることになった。
レギュラーシリーズではスモールビル時代のスーパーマンの友人。
≪その他≫
- ヒッポリタ
パラダイス島セミッシラの女王。ダイアナの母。
スーパーマンの日のパーティに出席しスターリンから同盟入りを打診されるが、断っている。
パラダイス島セミッシラの王女。ヒッポリタの娘。後のワンダーウーマン。
スーパーマンの日のパーティに出席しスーパーマンとダンスを楽しむ。
『Superman: Red Son』#2
【物語】
ソビエト連邦の党首となったスーパーマンは政治家としてヒーローとしてワンダーウーマンと共に全世界の同盟国を守る活動を続けていた。
そんな彼の前に黒衣の無政府主義者バットマンが立ちふさがる。
【登場人物】
ソビエト連邦大統領で世界を守る鋼鉄の男。
スターリンの死後、弱体化したソビエトを復活させチリとアメリカを除く全世界を同盟国とした。
スターリンと異なり平和的な方法で社会をまとめようとしている。
ルーサーとの戦いを続けながら世界各地で起こる事件を解決している。
人間と会話するのが嫌になっておりワンダーウーマンが唯一心を許せる人物になっている。
自身の誕生式典でワンダーウーマンを人質にとったバットマンと対決し、
一時は追い詰められるがワンダーウーマンの決死の行動で逆転勝利する。
この事件をきっかけに圧政を強め、ソビエトから北極に拠点を移す。
- ワンダーウーマン(ダイアナ)
パラダイス島セミッシラの王女で国際平和親善大使。共産主義へ転向し人間社会で活躍している。
スーパーマンと行動を共にすることが多く、彼に好意を寄せているが彼からは男友達のような存在に思われている。
スーパーマンの誕生式典でバットマンに自分の『真実の投げ縄』を使われ人質にされてしまう。
その結果スーパーマンがピンチになってしまうが彼からの"友人"としての頼みを聞き入れ、投げ縄を破壊し彼のピンチを救う。
その代わりに髪が白くなり廃人の様になってしまう。
蝙蝠のような服装をした無政府主義者のテロリスト。その正体はかつてピョートルに両親を殺された少年。
志を同じくする仲間たちと共に反政府活動を続けている。
ピョートルが会いたがっていると聞きつけ彼を誘拐、CIAとルーサーが手を貸したいことを知り取引に応じる。
スーパーマンの誕生式典にワンダーウーマンを彼女の『真実の投げ縄』で捕らえ人質にする。
やって来たスーパーマンに赤色太陽光線を浴びせ弱体化させ収容所の地下の独房に閉じ込めるが、
ワンダーウーマンの妨害に会い失敗する。
敗北を悟ると裏切者がピョートルだと告げ自爆した。死後、彼の信念や蝙蝠の象徴は仲間に受け継がれていった。
レギュラーシリーズではアメリカのゴッサムのヒーロー。
≪アメリカ≫
- レックス・ルーサー
天才科学者。ビザロの失敗後、姿を消したがアメリカ最大の企業レックス・コープの社長として返り咲いている。
超人兵器や異星の生体コンピュータブレイニアックを使って対スーパーマン作戦を続けている。
スーパーマンの宇宙船から彼の弱点が赤色太陽光線だと気づきバットマンに放射装置を与える。
その後、エリア51で大統領から隠されていたもう1人の宇宙人を見せられる。
- ロイス・ルーサー
メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの美人記者。ペリーに代わってデイリー・プラネットの編集長になった。
ルーサーとの関係は複雑でスーパーマン対策を優先する彼に怒りを覚えながら離婚せずにいる。
ルーサーがエリア51を訪れた際には同行している。
- ペリー・ホワイト
メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの編集長。編集長の引退式を行いロイスに編集長の座を譲る。
- オリバー・クイーン、アイリス・ウェスト
ペリーの引退式の出席者。
オリバーはレギュラーシリーズではグリーンアローとしてヒーロー活動をしている。
アイリスはバリー・アレンの妻で、バリーはレギュラーシリーズではフラッシュとしてヒーロー活動をしている。
- ジェームズ・オルセン
CIAの捜査官。国防総省の対スーパーマン・アドバイザーになった。
- ジョン・F・ケネディ、ノーマ・ジーン
実在の人物。ケネディは第35代アメリカ合衆国大統領。ジーンはマリリン・モンローの本名。
この世界ではニクソンが暗殺され彼らが生き残っている。
≪ロシア≫
- ピョートル・ロスロフ
ソビエトの国家機関KGBの長官。スーパーマンに圧政を強めるよう求めるが拒否される。
バットマンにCIAとルーサーの情報を渡そうと思っていたところ彼に誘拐される形で接触する。
彼に情報とスーパーマンを倒したい理由を伝え取引を成立させる。
しかしバットマンが敗北しスーパーマンに裏切りを知られてしまいスーパーマン・ロボットに改造されてしまう。
- ラナ・ラザレンコ
スーパーマンの少年時代の友人。
集団農場出身だがスーパーマン博物館の案内人に選ばれ、スーパーマンの誕生式典にも呼ばれている。
- スーパーマン・ロボット
反体制活動に参加し脳を改造された人間。スーパーマンの命令に従って雑用を行う。
- シヴァナ
科学者。かつてルーサーの下で働いていたが現在はスーパーマンの下で活動している。
スーパーマンの誕生式典で花火の準備をしていたがバットマンの犯行声明に利用されてしまう。
レギュラーシリーズではキャプテン・マーベルのヴィラン。
≪その他≫
- ブレイニアック
異星の生体コンピュータ。様々な星の都市を住人や文化ごとボトルに詰めて保存している。
ルーサーと手を組んでスターリングラードをボトルに入れるがスーパーマンに阻止されてしまう。
- ヒッポリタ
パラダイス島セミッシラの女王。ダイアナの母。スーパーマンの誕生式典に出席する。
『Superman: Red Son』#3
【物語】
バットマンとの対決後、北極にこもったスーパーマンは修復したブレイニアックの力を借りて、アメリカを除く世界をよりよく成長させていった。
そんな彼の前に大統領となったルーサーが現れ最終決戦の火蓋が切られた。
【登場人物】
ソビエト世界連邦大統領で世界を見守る鋼鉄の男。
ピョートルの裏切りで人間を信じることができなくなったのか北極の『冬の宮殿』にこもり、
修復したブレイニアックと共に世界を管理している。チェスが趣味となった。
残った問題であるアメリカとボトルに入れられたスターリングラードをどうするか考えていたが、
ルーサーが攻撃を仕掛けてきたため自衛のためにアメリカを襲撃する。
- ブレイニアック
異星の生体コンピュータ。修復されてスーパーマンの手伝いをしている。
アメリカの危険性を指摘しを強制的に支配するよう提案しているが平和的な方法を望むスーパーマンに却下されている。
冬の宮殿に現れたルーサーを捕らえアメリカに対する攻撃を実行する。
- レックス・ルーサー
天才科学者。すっかり髪が抜け落ち禿げてしまった。
孤立したアメリカの大統領となって急速に経済や貧困を回復させ支持率100%を獲得した。
一方、エリア51に隠されていた宇宙船の技術を使い『グリーンランタン・コァ』を組織し、
ワンダーウーマンに接触し協力を仰ぐなど対スーパーマン作戦の準備を進めていた。
そして単身『冬の宮殿』に乗り込みスーパーマンを倒そうとするがブレイニアックに捕らわれてしまう。
≪アメリカ≫
- ロイス・ルーサー
メトロポリスの新聞社デイリー・プラネットの編集長。
ルーサーの嫌がらせでデイリー・プラネットは業務停止になっているが編集長を続けている。
パラダイス島を訪れダイアナに協力を呼び掛けた。
スーパーマンがホワイトハウスにまで迫った際に最後の切り札としてルーサーからの手紙を見せる。
- ハル・ジョーダン
『グリーンランタン・コァ』のリーダー。階級は大佐。
元パイロットで史上最多の勲章を手にしている。1983年にマレーシアで捕虜になるが
自分の頭の中に強制収容所を建設し耐え忍んだ精神の強さを持ち最初のグリーンランタンに選ばれた。
スーパーマンとの決戦では攻撃に使用する指輪を奪われ敗北した。
レギュラーシリーズでは宇宙の平和維持組織『グリーンランタン・コァ』の一員。
- グリーンランタン・コァ
エリア51に隠されていた宇宙船の技術を使い生み出された最強の軍隊。
ランタン型のバッテリーからエネルギーを供給し指輪からソリッドビジョンを出して攻撃する。
『ファントム・ゾーン』と呼ばれる異空間で訓練を重ねていた。
スーパーマンとの最終決戦でソリッドビジョンの箱を何重にもすることで閉じ込めようとするが失敗し指輪を奪われ全滅した。
レギュラーシリーズでは宇宙の平和維持組織。メンバーの中には正史でグリーンランタンだった人物が含まれている。
- メタロ、ドゥームズデイ、パラサイト、ライブワイヤー、ケモ、サナタス
ルーサーに生み出された超人兵士たち。スーパーマンの最終決戦に投入されるが歯が立たなかった。
レギュラーシリーズではいずれもスーパーマンのヴィラン。
- ジェームズ・オルセン
アメリカ合衆国副大統領。スーパーマンとの最終決戦の指揮を執る。
- ルーシー・レーン
ロイスの妹。ロイスにデイリー・プラネットのビルを取り壊すよう求めるが拒否される。
レギュラーシリーズではジェームズ・オルセンの彼女。
≪その他≫
パラダイス島セミッシラの女王。廃人のような状態から復活したがスーパーマンとは縁を切っている。
パラダイス島を訪れたロイスを出迎え、彼女からスーパーマンとの最終決戦への参加を求められる。
最終決戦では他のアマゾンの女戦士と共にスーパーマンに立ち向かうが敗北した。
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▷ コメント欄
- 大胆で突き抜けたIFだった 誰でも思いつきそうなテーマなのに見かけ倒しと言う事が全くない バットマンVSスーパーマンより数段面白いんだが、映像化は無理そうだ -- 名無しさん (2016-12-24 15:52:10)
- ソ連に落着して党首になろうと彼は「スーパーマン」だった、というのが尊くもあり不幸でもある物語 -- 名無しさん (2016-12-26 11:09:31)
- これ読んでから レックスルーサーが好きになった -- 名無しさん (2020-09-06 22:10:22)
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