登録日:2016/12/03 (土) 20:32:28
更新日:2024/02/01 Thu 13:39:19NEW!
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棺担ぎのクロ。 高山みなみ 中性的 黒い染み 喪服 96 旅人 退廃的 無気力 クロ 主人公 きらら主人公 魔女の呪い 葬儀屋 旅の終わりには…… 金澤まい
けれどもきっと 旅人さんは今も
この空の下のどこかで、ながいながい旅の最中で、
このお話もまた、そのほんの一部になってしまうのでしょう。
「一緒に来るかい? 外の世界へそれを探しに」
きゆづきさとこが描くダークファンタジー、棺担ぎのクロ。~懐中旅話~の主人公。
ドラマCDではバーローでお馴染み高山みなみ氏が演じている。きららファンタジアにおいては金澤まい氏が担当。
◆概要
全身を覆う真っ黒な衣服に帽子に尖った耳とメガネ、そして身の丈ほどもある大きな棺を背に抱えた旅人。
センという名のコウモリの他、作中序盤の謎の研究施設跡地で出会ったニジュクとサンジュという双子と共に旅をしている。
因みにクロというのはニジュクとサンジュに便宜上名乗ったものでしかなく、
本名はとあるキャラクター曰く可愛らしい名前とのこと。
中性的な外見で体つきも非常にスレンダーであり、服装も合わさって一見すると男に見えなくも無いがれっきとした女性。
しかしその衣服の下は嘗て遭遇した黒い魔女にかけられた呪いによって全身の大半が黒いシミのようなもので覆われている。
更にこのシミは時間の経過や感情の昂ぶりで侵食が強まるらしく、クロは定期的に包帯を体中に巻きつけてそれを隠している。
世界中を旅しているのも魔女にかけられたこの呪いを解くためであり、
同行しているセンもまた元人間で、同じように呪いによってコウモリに変えられてしまった存在である。
◆性格
基本的にクールで冷静、外見的な怪しさも合わさって近寄り難い印象が強い。
丁寧口調で積極的に人と関ろうとはせず、どこか退廃的な雰囲気も醸し出している。
とはいえそれは第一印象の話であり、ある程度の交流がある相手には親切な一面も多く見せている。
実際、第1話の時点で宿場の娘を襲っていた賊をセンと協力して撃退しており、娘がお礼を言いに来た時に笑顔も見せている。
旅をして多くの人々との交流を経てきた故にか、何気なく真実を言い当てる勘の鋭い面もある。
が、更に言うとその奥底の本質は何てこと無い有触れた少女のものであり、
センやフカシギといった関係の深い人物には年相応の子供っぽい幼い表情を見せることもある。
……そして様々な真実が判明していくに連れて話の内容もどんどん重くなっていき、
比例するようにクロの抱える暗い部分も増えていっているのが現状だったりする。
◆過去
幼い頃は北方のとある国の施設に預けられていた少女であり、容姿も現在の真っ黒なものとは正反対の白基調で女の子らしいもの。
巡り巡って領主の次男坊である人間だった頃のセンの下に足を運ぶようになる。
出稼ぎに行ったきり戻らない母親と再会することを強く望んでいて、早く大人になって自立したいと語っていた。
その最中で偶然黒い魔女と出会い、セン共々呪いをかけられて今の容姿に変貌してしまった。
そしてセンと共に魔女を探す旅を始めたのだが、当初はまだ子供らしいあどけなさも多く見られていた。
象徴である棺と漆黒の衣装を纏い、今のスタイルを完全に確立したのはとある村に唯一生き残っていた少女、
自分と同じ呪いをかけられた存在であるモーと出会ってからである。
同時にモーの最期の言葉を守り、もし元に戻れなかったらどうするのかを明確に定めたことの表れでもある。
以下、不確定の情報を含む。
◆96+4=……
黒い魔女こと123(ヒフミ)の謎も含めてある程度の情報は明かされてきているものの、
未だにクロ自身のことも含めて謎のままの伏線も多く残されている。
特に注目されているのがクロ自身の両親のことや、クロの本名のことなど。
3巻終盤で出会った修理工の旅人はクロとその母親の名前を知っており、
過去に徴兵で生き別れてしまった妻と子供を捜して旅をしていたということも合わされば、
順当に考えてクロの父親が正にその旅人だったのではないかと言われている。
クロと別れた直後に出会った別の母娘を庇う形で爆撃に巻き込まれて生死不明になってしまい、
それを追ってクロも呪いの発作を強めて1年近くも昏倒してしまうなど、あまりに悲しいすれ違いが起きてしまったのだが……
5巻序盤ではヒフミの元となった3人の女性についても語られており、その内の3人目が幼い娘を女手一つで育てていた貧しい母であったこと、
その娘が呪いをかけられる前のクロにそっくりであったこと、叔父の下に娘を預けて出稼ぎに行ってそれっきりなことなどから、
これまた彼女がクロの母親であるという見方が強まっている。
仮にこれが真実だとするなら、自分を苦しめる呪いをかけた相手の一部が母親であるという何とも救われない話になってしまうが……
更に言うならヒフミは3人の女性が共通して残したいと願っていた声の1つを、道中で出会った声の出ない羊飼いにあげている。
もしこの声が3人目の女性のものだったりするなら悲劇は倍増する。
そして5巻終盤で判明したのが、ヒフミは自分たちの死を探して彷徨い歩いているということと、
クロからクロ自身の死を奪い、自分たちの本来の死を持ってきたら返してあげると約束したということ。
故に今のクロは死という概念の存在しない、摂理から切り離された魔女の一部と化しているらしい。
そしてそれゆえに、「感情が揺れる」度、彼女は黒に侵食されていってしまう。
また6巻終盤で再び魔女と対峙したシーンで、ヒフミの一部…そしてその奥に潜む「でんせんびょう」は「死」ではなく、「自分の黒を全て入れられる新しい身体」を探していることが判明。
それゆえに壊れていくクロはいらないと感じ、真っ白でクロを蝕む黒を容易く吸ったニジュクとサンジュを自分の器に見定めてしまう。
これらを踏まえてもう一つ、棺担ぎのクロ。の登場人物の大半は数字が由来となっている。
(セン=千、ニジュクとサンジュ=29と30、チョウ=兆、ケイ=京)
クロ自身も96という数字に置き換えることが可能ということと、クロはヒフミから死=4を奪われたということ。
以上のことからクロの本名は96+4=100、100に由来した名前、
例えば「モモ」などではないか? と考察する声もあった。
以下、最終巻のネタバレ
クロの回想にて、クロはかつて最期を看取ったモーや黒に侵食され切った少女ミリーを自分の体に取り込んでいたことが判明。
それゆえにニジュクとサンジュをターゲットにしたヒフミを止めるべく相打ちの様に吸収しようとするも、魔女ですらより広い器を必要とした「黒」を受け止められる訳もなく手足がほどけかけ瀕死状態に。
…だが力尽きかけた時、彼女の懐から出た首飾りが「母」の記憶を、センが偶々見つけていた耳飾りが歌い手…「赤薔薇」の記憶を目覚めさせた。
「母」に対して「名前を呼んで」と言い、「赤薔薇」はセンに対して未練が晴れた礼と「三番目」だった「母」がもはや伝える事叶わぬクロへの思いを代弁し…
そして「はかせの幼馴染」へニジュクとサンジュが彼女の名前と「はかせが伝えたかった言葉」を伝えたことで、ヒフミは無念を無くして消え、「でんせんびょう」も器を無くし再び眠りにつき世界のどこかへと拡散していった。
…「ヒフミ」が末期に呟き続けた「自分の名前」…「シューニャ*1」を胸に残しつつ、人の姿に戻れるようになったセンに看取られ、
クロは「空の棺にいれていたのは自分自身だった」と悟り黒の浸食を受け入れようとしたとき、
ニジュクとサンジュが、彼女の黒を全て引き受けた。
…その後2人は「新しい姿」となってクロの元から離れ、目が覚めた時彼女はつぎはぎな手ながらも2人と最初に会った時に近い身体を取り戻していた。
そしてその後、呪いの影響が薄くなった(消えてはいないし、モーとミリーも中に留まっている)クロとセンは棺を地に埋め再び旅を始めており、
時々ある条件がそろった夜、クロと一時的に元に戻ったニジュクとサンジュが邂逅するシーンで、物語の幕は降りている。
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