登録日:2016/10/07 Fri 16:47:47
更新日:2024/01/29 Mon 10:59:53NEW!
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scp scp財団 scp foundation neutralized keter 心臓 銀の弾丸 祈り 名もなき英雄の話 燃えるscp dクラス武勇伝 dクラス scp-1983 先の無い扉
Good luck.
Morituri te salutant.
開いたのならば、閉じない扉は無い。放たれた銀の銃弾が、心臓を貫くまで戻らないように
SCP-1983 Doorway to Nowhere (先の無い扉)
Object Class: Keter (現在Neutralizedと推定)
SCP-1983とは、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」のオブジェクトの1つである。
内部が異空間化している農家(SCP-1983-1)とそこから現れる怪物(SCP-1983-2)で構成されている。
SCP-1983-1の方は、カルト教団による連続殺人の後に廃屋となった農家。
先述したように異空間化しているため外部と内部の寸法が一致せず、居間に通じる筈のドアが別の部屋に繋がっている。
外部から居間に穴を開けようとしたところ、その部分が異空間と化してしまった。
その部分から後述する怪物の出現はなかったが、出現する確率を上げる可能性を懸念して中止となった。
SCP-1983-2の方は、1.8m程の真っ黒な人型のような見た目をしている怪物で非常に気性が荒い。
人間に接触した場合、肌などに傷をつけずに胸に手を差し入れ未知の方法で心臓のみを引き抜いて殺害する。
殺害し心臓を手に入れた後は再び、上記のSCP-1983-1の方に戻っていく。
倒すためには、祈りを込めた「銀の弾丸」(儀式とかの類ではなく、心を込めて祈る事が重要)を撃ち込む必要がある。
財団はこのSCP内部を調査するために、何度か機動隊員を送っているのだが・・・
- 付録1
機動部隊Chi-13の1部隊を戸口から内部に派遣させるも、帰還せず。
彼らが侵入後、正面入口の扉がすぐさま閉まり彼らを異空間に閉じ込めた。
SCP-1983-2は出現しなかった。
- 付録2
第一急襲部隊(付録1で突入した部隊と思われる)の安否を確かめるため第二急襲部隊がSCP-1983-1に侵入。
またしても帰還せず。今回は正面入口の扉が閉まらずSCP-1983-2が現れたため、
エージェントモーリスが戸口から侵入して扉を閉めた。(おそらく彼も帰還せず)
- 付録3
一度入った場合、二度と出てこれない可能性が高いと判断したのか使い捨て職員であるDクラス職員(D-14134)に
有線式ビデオカメラを持たせて侵入させた。しかし、戸口に入った瞬間に映像が途切れ、カメラのコードも切断されてしまう。
まあ、当然だよね。
このままこのSCPは対処不能のKeterクラスとして財団の手を焼くことに・・・
なりませんでした。
付録3の突入から数時間後、突如SCP-1983-1の怪異現象が消失。
内部を調査させると、干からびた数人のエージェントの死体とこのSCPについて書かれた非公式のレポートが見つかった。
詳細は公式を見てもらうとして、非公式のレポートの内容を一部抜粋すると以下のようになる。
途中までは、SCPの特徴と彼が今に至る経緯を語っている。
- 書いているのは先にSCP-1983-1に突入した部隊「聖歌隊」所属の「エージェントバークレー」
機動部隊Chi-13が"少年聖歌隊"なのでそれを略しているのだとすれば、補遺1で突入した部隊の一人ということになる。
- SCP-1983-2は光源によって生ずる影によって標的を感知しているらしい。
まずはSCP-1983-2の生(?)態。影っぽい見た目どおり影を見ているらしい。
そのため、奴らの巣窟とも言えるSCP-1983-1の中で懐中電灯などを使うのは自殺行為に等しい。
- 内部にある扉の先は色んな場所に繋がっている。彼の高校のロッカーまであったことから内部にはいった人間の記憶を元にしている可能性がある。
- 中には家の外に繋がっている扉があるが、そこから出ると文字通り溶けて死亡する。
内部に突入した部隊が帰ってこなかった理由。
この家に入ったら最後、遅かれ早かれ待ってるのは確実な死なのである。
- 殆どが光で照らされた黒くて影みたいな「ゴミ」があり、それに光を消さずに触れると「何かに引っ張られて消える。」
罠みたいなモノだろうか、レポートでは彼の仲間が一人犠牲になったことが語られている。
やはり光をつけたままは危険なようだ。
- 扉を片っ端から閉めるとSCP-1983-2の巣に辿り着く。
ここで彼はあることに気がつく、扉を開けて別の場所と繋がる=扉が開いている別の場所に繋がっている ということなのではないかと。
それならばと片っ端から扉を閉めて全ての扉を閉めた後に再び開けた結果、辿り着いたのがSCP-1983-1の中心部分にあったSCP-1983-2の「巣」だった。
巣には大量の心臓でできた「塊」があり、SCP-1983-2が新しい心臓を取り込ませると新しいSCP-1983-2が生み出されたという。
すなわちSCP-1983-2が心臓を奪う理由は「自らの同胞を増やすため」だったのだ。
- 自分は仲間を置いて「巣」から逃げ出してしまい、隠れ続けながらこのレポートを書いている。
仲間かはたまたSCP-1983-2のものかも分からない声を背に「このクソッタレな状況に対抗する術」を持っていない彼は逃げ、以降ペンライトの僅かな光を使ってこのレポートを記述しているのだという。
そしてこれ以降の内容は、彼がこのレポートを見つけた人物(=D-14134)に託したものとなっている。
「決心がついたら、巣に行ってぶち壊してくれ。すべての心臓をぶっ壊すんだ。」
「そうすりゃ、ヤツらを殺せるかもしれねえ。これがオレが考えられる唯一の方法だ。」
そう、彼は自身には出来ないと認識した上でただ呆然と死を待つのではなく、
いずれ現れる何者かに打開策を託すためにこのレポートを書いていたのだ。
そして彼はこれを見つけてもらうために居間に行き、心臓をSCP-1983-2に使わせない為に自害したのだと思われる。
冒頭の文はレポートの最後に記されている彼の、名も知らない誰かに向けた祈りの言葉である。*1
財団は、この非公式レポートからSCP-1983が付録3で突入したD-14134によって無力化されたと推測し、彼の死に勲章が送られた。
(Dクラス職員は本来危険な実験などのための使い捨ての職員であるため、勲章は特例中の特例である。)
また、非公式レポートの情報よりこの現象が局地的でないと考えられるためこれと類似した事案の調査に人員が当てられている。
おそらく内部に色んな場所が継ぎ接ぎで存在する以上、そこも同じ現象にあっている可能性があるのだろう。
余談だが、「銀の弾丸(Silver Bullet)」という言葉は狼男への必殺手という意味から変遷して「物事への打開策・特効」と言う意味がある。
エージェントバークレーにとって打開策を託した名も知らぬ誰かは銀の弾丸であり、
レポートに込められた銀の弾丸への祈りを受け取ったD-14134はまさしく「祈りを込めた銀の弾丸」であった。
「祈りを込めた銀の弾丸」を撃ち込んだのは他でもないD-14134の勇気だったと言えるだろう。
「Morituri te salutant」はラテン語で、古代ローマの剣闘士(どちらかが死ぬさだめ)が闘技会を主催する皇帝に捧げた挨拶。
公式Wiki日本語版では当初「死にゆく貴方に、敬礼を」と訳されていたのだが、これは格変化の解釈が間違っているという有識者の指摘のもと、現在は正しい訳「死にゆく者より、敬礼を」に訂正されている。
だが初期の訳も本件の内容に反するものではないため、ディスカッションでは訂正への反対意見も上がっていた。
死にゆく者「が」敬礼を捧げるのか、死にゆく者「に」敬礼を捧げるのか。
いずれにしても、そこには捨て身で脅威に立ち向かう者への敬意があった。
追記・編集はKeterクラスを無力化した二人を讃えてからお願いします。
SCP-1983 - Doorway to Nowhere
by DrEverettMann
http://www.scp-wiki.net/scp-1983
http://ja.scp-wiki.net/scp-1983
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