登録日:2016/08/19 (金) 2:13:00
更新日:2024/01/26 Fri 10:40:54NEW!
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ちはやふる 経産婦 クイーン メガネ 坂本真綾 主人公より先に立った項目 猪熊遥 高砂会
示したい
クイーンだった頃よりなお強く
全盛期はこれからだって
◆概要で
猪熊遥とは漫画『ちはやふる』の登場人物の1人である。
高砂会所属のA級選手で、34歳の母。初登場は第98首。ちはや2年時の秋にて行われた吉野会大会。
声:坂本真綾
◆人物
外見は外はねのショートカットにぱっちりとした大きな瞳が特徴。視力が悪いのでメガネ装備。
かつてはクイーンに上り詰め4度防衛に成功した実力者だったが、産休により一時引退。2人の息子を出産してから競技かるたに復帰した。
かるたのスタイルは曰く聴こえたから取るだけの周防久志のそれと同質のもの。感じの精度は現クイーン若宮詩暢以上とされる。
また札の配置が特殊であり、普通は札を取るごとに自陣の札を外側に寄せていくがセオリーだが、遥はあえて動かさないため札の配置がバラバラになっていく。
都合上札押しは許されず札直を要求される(一度に払えないため)、その配置で練習をしてきた本人にだけ有利な配置。
旧姓が「千原」だったこともあって千早と同じく「ちは」が得意札。
富士崎高校の顧問である桜沢翠は同期の友人。現役時代は幾度となく彼女と対戦し全勝している。
母親になってもまだまだ現役でやれることを証明すべくクイーン位への復帰を目指す。
◆来歴
クイーン戦予選の前哨として吉野会大会に出場し、準々決勝でちはやと対戦。A級かつ全国大会優勝校・瑞沢高校のエースが相手であったこともあって、会場は女王の復活よりも新星による世代交代を期待する空気となっていく。
遥も徐々にかつての感じを取り戻していくも、練習量の差は埋められず惜しくも敗れてしまった。
「桜沢さん今の連絡先教えてよ。練習して、私と」
「コンタクトもちゃんと手入れするわ メガネはやっぱダメ。子供入るし時間だって作りにくいけど」
「全部尽くさず負けるなんて まっぴらよ」
「……」
「速い人は 衰えてくるといやになってやめてしまうものよ」
「私はそうだった」
速い人とは、即ち"感じ"、音を掴む能力に長けた人間。先天的な素養であり競技かるたにおける最も強力な武器の一つ。そして、最も早く劣化していく才能。
かつて感じの第一人者だった猪熊が感じの全盛期を過ぎて今もなお上を目指している。私の頂点はこれからだと言っている。
そんな元クイーンを目の当たりにしたかつての好敵手は、静かに涙を流した。
以降はかるたの際メガネを外しコンタクトに。瞳の大きさが更に強調された。
クイーン位挑戦者決定戦では順当に勝ち進むも、決勝を前にしてかるたと育児の板挟みから自分の好きな事のために子供を犠牲にしてるのではないかと葛藤を抱き、追い詰められてしまう。
しかし周囲の支えを自覚して前に進む覚悟を決めた。
「待ってて」
「お母さん 女王になりに行ってくる」
決勝では明石第一女子の逢坂恵夢と対戦。形式は三回戦二本先取。
一戦目に勝利するも差は僅か二枚差の辛勝。やはりかつての力は取り戻せていないように思われたが、しかし……
「半音…違う、『め』があるから一瞬待った。ずっとM音で反応してたのに」
「『聞こえたから取る』だった人が『決まり字になる一瞬前』を意識し始めた…?」
「(桜沢さん 私、随分傲慢な事言ってたのね)」
「なんとなくでお手つきなんて、もー嫌よ。そういうので何度か負けて、思ったの」
「私もっと強くなれる」
「負けたら変われる、もっと強くなれる」
感じだけのかるたからより音に貪欲に。新たな武器を手にした遥はそのままストレートで勝利し、クイーン位への挑戦権を獲得したのだった。
クイーン位決定戦では現クイーン・若宮詩暢に挑戦するも、下馬評を覆し拮抗した勝負を展開し運命戦へ持ち込む。
挑戦者を委縮させタイトルホルダーに力を与えるとされる近江神宮だが、元クイーンである遥は空気に呑まれずベストコンディションを維持。
だが惜しくも読まれたのは詩暢の陣の札であった。
「理音ちゃん、よく見ててね。たぶんこれが私の 最後のクイーン戦だから」
「全盛期はこれからよー…って、言いたかったんだけどね」
「『いま』だけになりそう。『いま』 全部を出すわ」
「偉そうだけど、奇跡を起こしたいの。一生かるたを好きでいる女の人のために」
「3人子供がいても、女王になれるって」
第二戦は取り返しクイーンになってから初めてとなる敗北を彼女に与えたものの、以降は巻き返され敗北。
クイーン位の奪還は果たせずに遥の最後の挑戦は終わる。
「やっぱりお腹の子、女の子だと思う。お願いしたのよ、『男の子でもいいから勝たせてください』って」
「……」
「そんなことって言わないでよね。男子三兄弟の母になる覚悟って相当なもんなのよ」
「…でも負けちゃったから 私の挑戦は、ここで終わりね」
「猪熊さんおめでた!?3人目?すごいわねえ」
その場に急いで駆け付けた理音の祖母、山城今日子読手。
「じゃあまた産休で育休なの?まあまあ」
「も、戻って来られるかは…」
「…猪熊さん、二戦目にクイーンが負けた時も思ったけど」
「私くらいの歳になると、若い人の立ち止まりは種を埋めているようなものだと思えるのよ」
「―――」
「私から見たら、あなたも『若い人』。…また戻ってくるのよ」
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