探偵の探偵(小説)

ページ名:探偵の探偵_小説_

登録日:2016/01/25 Mon 20:12:10
更新日:2024/01/18 Thu 13:50:36NEW!
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君も、探偵なのか――?
なら、君はあの子の恩人だ。






――探偵は、事件なんか解決しない。





『探偵の探偵』(たんていのたんてい)は、松岡圭祐による推理小説のシリーズ名である。
現在全4巻で、第一章が完結している。


「探偵」というものをリアリティのある存在として描き、
盗聴・クラッキング・尾行など民事問題に関わる調査活動を薀蓄を混じえて描くが、
第1巻ではメディアで人気を得る「名探偵」が悪役として登場し、推理モノでは定番となる「探偵と助手」というコンビが主人公になる。
後に北川景子、川口春奈主演で3巻までが2015年にフジテレビ系列でドラマ化された。



表紙はQシリーズ(小説)同様清原紘だが、
暴力シーンや凶悪犯罪の描写が多く、人もバンバン死ぬので耐性のない人はやや注意。
また「Qシリーズ」とのコラボとして「探偵の鑑定」が発表されている。



登場人物


「演」は、ドラマ版での配役。


【スマ・リサーチ社】


  • 紗崎玲奈 (演:北川景子)

スマ・リサーチ社対探偵課所属のうら若き女性探偵。表紙イラストの女性。


長いストレートの髪にモデルばりのスタイルの良さを持つ美女だが、無駄口は叩かずほとんど笑わない。


もともとは名門高校生だったが、妹の咲良がストーカーに殺害され、
そのストーカーが探偵を使って所在情報を入手していたことから、探偵による犯罪を憎むようになる。
スマPIスクールに入学前後、その美貌と復讐心ゆえに探偵に不向きと須磨に言われたが、
卒業後スマ・リサーチ社に就職し、対探偵課に配属される。


調査術・化学・法律など様々な知識が豊富であり、また腕っ節が強いわけではないが
大の男達に襲われても根負けしない強い闘志を持つ。


琴葉に対しては妹に対するような想いを抱き始めており、彼女を現場に連れてこないなどして守ろうとし、
1巻で琴葉が傷ついた時には、その首謀格である連中に(妹の死とも関わりがあると思って)
「妹と琴葉が世話になったな!」と啖呵を切ったりもする。


第1巻および第4巻のイラストの通り、しょっちゅう敵に痛めつけられる。
……というより、レイプと殺害以外あらかた経験していると言っても過言ではない。



  • 峰森琴葉(演:川口春奈)

スマ・リサーチ社に新人として配属された探偵助手。
良心的な人に嫌われない少女。


最初は秘書や受付嬢として雇用される予定だったが、寮住まいの条件に対探偵課に配属。玲奈の助手となり、
寮のアパートを独占していた玲奈の同居人となる。


1巻終了後の怪我で一時退社していたが、姉が謝罪に訪れた玲奈を傷つけたという事件を知ってからは再就職して玲奈を頼る。


暴力沙汰には慣れておらず、玲奈が目の前で敵対する探偵と乱闘となった時はすぐ退社を考えるほどだったものの、
徐々に慣れていったようで、玲奈がスマ・リサーチを退社していた4巻ではたった一人で対探偵課業務を行うほどになっていた。


ドラマ版では咲良の転校先での同級生という設定。
咲良にとっては親友と言ってもいい存在で、一緒に熊のマスコットを買うこともあった。
玲奈同様遺体発見現場に現れ、スマ・リサーチに入社してから玲奈が咲良の姉であることに気付いたという。


  • 須磨康臣 (演:井浦新)

玲奈の上司で、スマ・リサーチ社社長。


「自分達を含めて悪徳ではない探偵はいない」という考え方を持ちながら探偵業の必要性を信じ、
玲奈の素質に敬意を脅威を感じて対探偵課の職務を与える。


原作では壮年だが、ドラマではもう少し若めである。


  • 桐嶋颯太 (演:DEAN FUJIOKA)

スマ・リサーチ社の探偵課所属。PIスクール一期生。
須磨に信頼される部下であり、ドラマ版では個人的に話し合う場面も多い。


精悍な顔立ちをした若いイケメンだが、琴葉に探偵の実情をぶっちゃけるなど内実は泥臭く、
問題のある輩に質問するときには手荒な態度も辞さない。


  • 伊根涼子 (演:高山侑子)

スマ・リサーチ社の探偵課所属。盗難車の捜索などを担当。
よくも悪くも常識人であり、玲奈の強引な手法に苦言を呈する事が多い。


  • 土井修三(演:伊藤正之)

スマ・リサーチ社の探偵課課長。影が薄いオヤジ。


  • 佐伯祐司(演:六角慎司)

スマ・リサーチ社の探偵課所属。主にメカニック担当。



【警察】


  • 窪塚悠馬 (演:三浦貴大)

警視庁捜査一課の刑事。
妻に先立たれ、娘を母と一緒に育てている。


阿比留が刑事事件に参加すると聞いたときはその人となりを怪しんでいた。
誘拐事件の影で活躍した玲奈のことが気になり、後にDV被害者連れ去り事件ではコンビとなるが、
事件を引き起こした主犯格の淀野に刺殺され殉職。2階級特進することになる。


  • 長谷部憲保(演:渋谷謙人)

警視庁捜査一課の刑事。玲奈のことを危険な犯罪者と見て警戒している。


ドラマでは窪塚の後輩という役回りで、窪塚の殉職後の取り調べでは、
窪塚の死に責任があると思った玲奈に激昂する一面も見せている。


  • 藤戸俊久(演:佐戸井けん太)

民間企業上がりの警視庁捜査一課長。
数々の事件で阿比留への依存をしたことにより、後述の詐術に遭い地獄を見る。


  • 船瀬卓(演:阪田マサノブ)

警視庁捜査一課係長。長谷部の相棒兼先輩。
クリスチャンを自称している。


  • 坂東志郎(演:相島一之)

警視庁捜査一課係長。須磨とは因縁があるベテラン刑事。
実は探偵同様にえげつなく、スマ・リサーチ社のオフィスに隠しカメラを置こうとした。


原作では3巻から登場するが、ドラマ版では最初から登場する。




【探偵】


  • 阿比留佳則(演:ユースケ・サンタマリア)

阿比留総合探偵事務所社長。
メディアで「名探偵」としてコメンテイターにも抜擢され、警察内の民事問題にも調査協力を行う。


というのは虚飾の姿であり、実態は警察を目の前にやらせの事件を起こして、
それを自分で解決するといった方法で権力を得ようとする悪党。


後に日銀総裁孫娘の誘拐事件への捜査協力を依頼されるが……。


  • 竹内勇樹 (演:岩松了)

竹内調査事務所の社長。竹内事務所はスマ・リサーチ社同様対探偵課を保有しており、
他社の対探偵課と協力して玲奈を追うが、その過程で「死神」捜索にも参加する。


  • 澤柳菜々/死神(演:???)

数々の犯罪者に情報を提供する非道な女性探偵。名前は「野放図」のメンバーが挙げていた。
咲良の情報を提供した張本人であり、玲奈の人格が豹変した元凶。
違法な探偵業だけでなく、探偵としての調査技術を結婚相手の殺害・財産の略奪にも使っており、
法令を遵守する須磨でさえ「必要があれば、殺せ」と玲奈にいうほどの超危険人物。



【犯罪者】


  • 岡尾芯也 (演:岡田義徳)

変質者の無職。「死神」の情報により咲良を殺した実行犯。


咲良を殺した後、自らも焼却炉に飛び込み焼身自殺したと思われたが、
女医の矢吹洋子によるとDNA鑑定の結果に不十分であり、
日銀総裁の孫娘が誘拐された事件の実行犯として名前が挙がる。


  • 淀野栄斗(演:丸山智己)

池袋の半グレ集団「野放図」のリーダー的存在。弁護士資格を持つ。
DV被害者の連れ戻しを請け負い「死神」に情報提供を受ける。


窪塚を殺害した直後激怒した玲奈にナイフで刺され警察病院に入院し、
「死神」に筋弛緩剤を投与され殺害される。


原作ではヘタレな小心者だが、ドラマでは犯罪組織のボスらしい貫禄を持つ。


  • 沼園賢治(演:姜暢雄)

市村凛の夫。
DVの常習犯であり、野放図からの凛の引き渡しが失敗した後は、「死神」の情報を頼りに独自で凛を追い詰めていく。


【その他の人物】


  • 織田彩音(演:中村ゆり)

企業勤めのOLで、結婚している主婦。
少女時代から何をやっても完璧で、琴葉にとっては優しくて理想的な姉。


しかしその本性は粗暴で独善的なヤンデレ気質。
琴葉が業務中にほかの探偵から傷つけられた時は謝罪に来た玲奈に因縁をつけ、
夫や夫の友人とともに徹底的にリンチするというDQN過ぎる行為に走る。


その後琴葉と不仲となって自暴自棄になり夫と離婚し会社も退職して失踪。
やがて琴葉に自殺をほのめかすメールを送るが……。


  • 矢吹洋子(演:高岡早紀)

大学病院に所属する鑑識の女医。愛知県警から咲良と岡尾のDNA鑑定を依頼された。
その後に日銀総裁の誘拐事件で岡尾のDNAが発見されたことを玲奈に告げる。


  • 市村凛(演:門脇麦)

野放図によるDV被害者集団失踪事件の被害者。
淀野に刺殺されかけるが、窪塚に救われる。


14歳の頃にレイプされ、流産の末沼園のようなDV夫と結婚し、
無抵抗のままで終わるという悲惨な境遇を背負う。

















【以下、事件の真相。ネタバレにつきご注意ください】

















小説や漫画の中の探偵ってクールよねえ。

猟奇趣味の奇天烈な推理を披露して、事件が終わったら食欲減退も人間不信もなし。

イカれた神経。ずっと私の憧れだった。





  • 市村凛

正体は「澤柳菜々」を名乗り、咲良の個人情報を岡尾に提供した探偵「死神」。


地声は低く、本来の表情は恐ろしげ。
ちなみに「澤柳菜々」という偽名は、性転換していた別人の戸籍を勝手に名乗ったものである。


上記の悲惨なプロフィール自体はすべて真実であり、更には親に捨てられ、妄想性人格障害や素行症を発症。
しかしそのあまりの苛烈さに傷つけられることすら快楽に感じるマゾヒストかつサディストとなり、
そして探偵という職業が自らの欲望・性癖を満足させられると見て、悪しき名探偵・姥妙の下で修行。
若干18歳で探偵としての頭角を発揮するようになった。


玲奈から「小悪党」「ストーカーの代行屋ごときが探偵気取り?」と酷評される通り、
直接の行動原理を見てみれば矮小で救いがたきゲスとも言えるが、
警察病院内やスマ・リサーチ社の内部に巧みに潜入し、
夫である沼園を影で操ってマスタードガスもどきを作らせるなど化学的知識も豊富。
また心理分析力も活かして琴葉と玲奈の共依存関係を見抜き玲奈をブチ切れさせるなど、
探偵としては玲奈に匹敵する実力を持つ。


私は「探偵の探偵」の探偵をやりたいんだよ。



仕事の邪魔し続けた玲奈に興味を持ち、凝った手段(原作ではコンクリ詰め、ドラマでは筋弛緩剤を注射)で殺害しようとするも、
玲奈のとっさの機転(原作では生コンに砂糖を混ぜ固まらなくさせる。ドラマ版では脇を締めて脈を止め、隙を見て筋弛緩回復剤を打つ)
により敗北。玲奈にナイフで刺され(ドラマ版ではナイフを突きつけた玲奈の腕を引っ張り、自殺同然のやり方を取った)
意識不明の重体となる。


玲奈は彼女との対決中、激しい憎しみと憤りを覚える一方で哀れみすら感じていた。



  • 岡尾芯也

やはり事件時に死亡しており、矢吹が嘘の情報を玲奈に伝えていた。
ちなみに、日銀総裁孫娘誘拐の真の実行犯は阿比留が雇った別の探偵である。


  • 矢吹洋子

金目当てで阿比留に協力し、玲奈に鉄パイプで滅多打ちにされることになる。
その後、鑑定書の偽造が発覚し逮捕されたとのこと。


  • 阿比留佳則

自社をカジノ運営の筆頭探偵社にするため、日銀総裁孫娘誘拐事件を引き起こしていた。


幼少期、青少年期は不遇な生涯を送り、やがて誰も自分を覚えていないがゆえに過去を偽れると考え探偵になった。
後に日銀総裁孫娘誘拐の主犯として逮捕されたが、警察が探偵に依頼したということは伏せられたままであった。


ちなみに玲奈に「死神」と見られていたが、実際の所全くの無関係だった。


また、ドラマ版では凛に関する調査を依頼され、彼女の尻尾をつかめなかったことを「苦い案件だ」と言っており、
本来の調査業務は一応真剣にやっていたことが伺える。


  • 淀野栄斗

実際に殺そうとしていたのは探偵である凛一人であった。


ちなみにこいつと手下達がやらかした「DV被害者の連れ戻し」は、早い話が人身売買に等しい行為である。
特にDV被害者の引き渡しの際には、当然のごとく加害者側による陰惨なDVが再開しており、
原作では玲奈が「地獄絵図」と思うほどの酷い有様であった。


凛に口封じで殺害されるが、あらゆる意味で自業自得と言えるだろう。


  • 沼園賢治

凛を奴隷のように扱っていたが、実際はこいつが凛に操り人形のように使われていた。


ちなみにドラマ版では桐嶋に水責めの拷問を食らうというざまぁ……としか言いようのない憂き目にあっており、
こいつが野放図のほうから連絡を受けていたという事実が凛が「死神」であるという証拠に繋がった。


  • 須磨康臣

「死神を殺せ」とは言ったものの、それはあくまで「社会的抹殺」という意味であり、玲奈が殺人犯になることは望んでいなかった。


ドラマ版および「探偵の鑑定」にてヤクザの専属探偵をやっていたことがあり、その贖罪としてスマ・リサーチを立ち上げたという。


  • 桐嶋颯太

凛とのパイプ役だった野放図メンバーを乱暴なやり方で締め上げたり、嘘つきの依頼人からボッタクるなどかなりえぐいこともする人。


ドラマ版ではさらにヤクザと繋がりのある野放図メンバーと格闘戦したり、沼園を拷問したりと見せ場が増えた。


また「探偵の鑑定」にて探偵になる前はヤクザで、須磨の舎弟であったこと判明。須磨のことを「兄貴」と呼び、
須磨が逮捕されてからは彼が後釜として探偵をしていたという。



  • 織田彩音

「琴葉と仲直りさせてあげる」とそそのかされて凛に利用され、琴葉の拉致に加担してしまうも、
最終的には自分を助けることになった玲奈への行為を反省し、琴葉と和解することになる。


  • 峰森琴葉

最後の対決で彩音を人質に取られ、凛に「玲奈と彩音のどちらか一方を生かして、どちらか一方を殺すか選べ」と迫られ、実の姉である彩音を選んでしまう。
その結果玲奈に「本当は自分を選んでほしかった」と吐露するなど心の傷を再び抉られることとなり、若干とはいえ二人の心の溝を作ってしまった。









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