登録日:2014/12/14 (日) 12:23:23
更新日:2023/12/21 Thu 13:49:03NEW!
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THE LORD OF THE RINGS
THE TWO TOWERS
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』はアメリカのファンタジー・アクション映画。
J・R・R・トールキンの大長編小説『指輪物語』の第二部『二つの塔』を映画化したものである。
概要
北米公開は2002年12月18日、日本公開は2003年2月22日。
上映時間は179分、未公開シーンを追加したスペシャル・エクステンデット・エディションは223分(三時間半弱)。
監督は前作に引き続きピーター・ジャクソン。
今作では、前作の嗜好から一変し、前作の「冒険」ものから「戦争」ものへとシフトしていく。
それに伴い、旅の仲間の9人の描写に終始した前作以上に、群像劇としての側面が大きくなり、世界観もキャラクターも大きく広まった。
第二作という三部作の間の作品であるため、『スターウォーズ 帝国の逆襲』や『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』のような、ストーリーの「繋ぎ」の印象が強いが、
今作ではストーリー面の欠点を補足するように戦闘シーンを盛り沢山となっている。
そして本作最大の目玉は、後半のヘルム峡谷の籠城戦である。
使用したエキストラは2万6000人という大軍勢の中の乱戦を、濃い描写の中で迫力をそのままに描き、見る者を圧倒させた。
そして、批評は第一部から大きく上昇。第75回アカデミー賞で6部門ノミネート、視覚効果賞、音響効果賞を受賞した。
映像化部分は、第二部の上巻と下巻の時系列を、並行して描いている。
物語
冥王サウロンの力の込めた「一つの指輪」を捨てるために、フロド・バギンズは8人の仲間達と共に旅に出た。
だが、怪物バルログを足止めするためにガンダルフはモリアの谷底へと落ち、オークから仲間を守るため死闘を繰り広げたボロミアは凄絶に命を散らした。
そして、メリーとピピンがオークの軍団に攫われ、アラゴルン、レゴラス、ギムリは彼らの後を追い、フロドとサムは、たった二人で指輪を捨てる旅を続ける。
旅の仲間は、最早バラバラに行動せざるを得なくなってしまった…。
モルドールへ続く荒道を進むフロドとサムだが、指輪の存在感が日増しに大きくなり、幽鬼に追われては身を隠すという辛い旅を続け、二人の心は確実にすり減っていた。
そんな中、就寝中の二人を、尾けていた一つの影が襲う。それは、かつての指輪の持ち主である生物・ゴラムだった。
二人はゴラムを捕え、モルドールへの道順を知る彼に道案内をさせようとする。
そして、指輪に執着するだけだったゴラムは、命を助けてくれたフロドに恩義を感じ、かつてホビットの仲間だった頃の自分を思い出し、彼(と指輪)への忠誠を誓うのだった。
そんな奇妙な組み合わせの三人であったが、道中、ボロミアの弟・ファラミアが指揮するゴンドールの兵士達に捕えられてしまう。
一方、攫われたメリー達を追っていたアラゴルンら三人は、ファンゴルンの森の前で二人の跡が途絶えたことを知る。
そこで、彼らは騎馬の小国ローハンの騎士団に遭遇。国王がサルマンの手の者の傀儡にされていると聞く。
森へと入った三人は、そこで思わぬ人物に遭遇する。それは、死んだと思われていたガンダルフだった。
「白のガンダルフ」として甦った彼は、メリーとピピンの無事を告げ、三人と共にローハンへと向かう。
そこでガンダルフはセオデン王の洗脳を解き、スパイであるグリマを追放し、平和を取り戻すのだった。
しかし、グリマの報告を受けたサルマンが、一万もののウルク=ハイの軍勢をローハンに派遣。
やむなく、ローハンの国民とアラゴルンらは首都エドラスを捨て、山間の要塞ヘルム峡谷へと退避することになる。
国民を守るため、騎士団と共に戦いへと赴くセオデン。そしてアラゴルンもまた、王の血を継ぐ者としての期待を背に、死地への戦いに応じる。
その頃、ファンゴルンの森の木の精に助けられたメリー達は、戦いに勝つために木の精に助力を乞う。
かくして、三つに分かれた旅の仲間の、「一つの指輪」をめぐった壮絶な戦いが幕を開けた―――。
登場人物
≪モルドール道中≫
◆フロド・バギンズ
演:イライジャ・ウッド/吹き替え:浪川大輔
主人公。五番目の指輪所有者。
険しい旅、闇の軍勢への恐怖と悪条件が重なる中、指輪の力が日増しに強くなり、それに対抗しづらくなって心が次第に衰えていく。
かつての指輪所有者であるゴラムに同情し、彼を「スメアゴル」として道案内に命じるが…。
◆サムワイズ“サム”・ギャムジー
演:ショーン・アスティン/吹き替え:谷田真吾
フロドの使用人兼親友。
ただ一人フロドの旅に同行し、足場や食事当番、彼を正気に戻す役等、フロドに懸命に尽くす。
フロドがゴラムを信用する中で、唯一ゴラムを危険視し、旅の先を不安に思う。
◆ゴラム/スメアゴル
演:アンディ・サーキス/吹き替え:長島雄一(現・チョー)
三番目の指輪所有者の、小さくてみすぼらしい姿をした生き物。
かつてはホビットの支族の一人だったが、指輪の力と山の暗い洞窟での生活により醜い餓鬼のような姿へと変わり果て、心もねじ曲がってしまった。
一つの指輪を「いとしいしと」と呼び、奪うためにフロド達に近づいたが逆に捕えられ、彼らの道案内役として同行する。
そして、フロドと接するうちに「スメアゴル」としての自分を取り戻し、彼と親しくなっていくが、その一方で「ゴラム」として指輪を奪う機会を伺っている。
≪ローハン≫
◆アラゴルン
演:ヴィゴ・モーテンセン/吹き替え:大塚芳忠
ゴンドール王の血を引く剣士。
ホビット二人の後を追ううちにローハンと邂逅し、また復活したガンダルフと再会。ローハンに加勢することに。
王の血を受け継ぐ者としての立場を嫌いながらも、民を守るために兵士達を率いていく。
遠く離れた恋人アルウェンを、一度はエルフと人間の差から諦めようとしたものの、迷いを断ち切り、今もなお変わらぬ愛を貫く。
蛇足だが原作における彼の家系図を辿っていくと(映画から入ったファンには)衝撃的な事実を知ることができる。
◆ガンダルフ
演:イアン・マッケラン/吹き替え:有川博
バルログと戦い命を落としたはずの魔法使い。
死を経験し、西方の洗礼を受け「白のガンダルフ」として生まれ変わった。
相変わらず白馬を駆け回し、杖で物理攻撃が主体。
魔法使いらしくセオデン王の洗脳を解く為に自身の声を通してセオデン王の生命力を高める魔法を使ったり、
敵と勘違いしてガンダルフを攻撃しようとしたアラゴルン達の矢を空中で焼失させ、剣を赤熱させて取り落させたり、魔王使いらしい行動も。もう物理を捨ててそいつで戦えよ。とか言ってはいけない。彼にも制約があるのだ。
それ以外はヘルム峡谷では、応援を求め、五日後の朝日を約束に一団を離れるが…。
◆レゴラス
演:オーランド・ブルーム/吹き替え:平川大輔
高貴なエルフ王子。
相変わらずエルフのくせに喧嘩っ早く、いつもギムリを馬鹿にし喧嘩している。…が、今作では喧嘩と死闘を共にし徐々に仲良しに。
戦闘では弓兵にも関わらず距離の弱点関係なしの獅子奮迅の活躍を見せている。
◆ギムリ
演:ジョン・リス=デイヴィス/吹き替え:内海賢二
ドワーフの戦士。一見粗暴で短気な性格だが、女性に優しいという一面も。
嫌味っぽいレゴラスにいちいち噛みついていたが、 死闘を共にするうちに絆が芽生え始める。
◆セオデン
演:バーナード・ヒル/吹き替え:佐々木勝彦
ローハン国の国王。
人徳に満ちた偉大なる王だったが、サルマンのスパイに洗脳され、傀儡と成り果てていた。
そこへガンダルフにより洗脳を解かれ復活し、再び名君として国民を守るため自ら剣を取り、兵士達を先導する。
◆エオメル
演:カール・アーバン/吹き替え:山寺宏一
セオデンの甥でローハンの騎士団長。戦友である王子セオドレドが討ち死にし、サルマンの脅威に蝕まれていく国の行く末を案じるが、
実権を握るグリマに太刀打ちできず、軍団諸共ローハンから追放される憂き目に遭う。
◆エオウィン
演:ミランダ・オットー/吹き替え:本田貴子
ローハンの姫君で、エオメルの妹。
美しいながらも秘めたる強さを持つ女性。
祖国のために自らも戦うことを望むが、父王や兄に反対され、民を守れないことへの無力感を感じている。
アラゴルンに恋心を抱く。
◆ハマ
演:ジョン・リー/吹き替え:佐々木睦
セオデンの近衛団隊長。
◆ギャムリング
演:ブルース・ホプキンス/吹き替え:立木文彦
セオデンの近衛隊員。
≪ファンゴルンの森≫
◆メリアドク“メリー”・ブランディバック
演:ドミニク・モナハン/吹き替え:村治学
ホビット悪童コンビの大人しい方。
ピピンと共にオークに生け捕りにされたが命からがら逃げ出し、ガンダルフの助力を得て木の精・エントの集団に助けられる。
しかし、戦争が進んでホビット庄にまで危険が及ぶことを危惧し、力になるためにエント達に応援を頼もうと必死に説得する。
◆ペレグリン“ピピン”・トゥック
演:ビリー・ボイド/吹き替え:飯泉征貴
ホビット悪童コンビのやんちゃな方。
メリー同様、オークから逃げ出してファンゴルンの森でエントの保護を受ける。
最初はすっかり惰眠を貪っていたが、戦いに乗り気じゃないエントの態度に業を煮やし、純真さをもって彼らを一喝する。
◆エント
ファンゴルンの森に棲む、命を宿した大木の精霊。
ガンダルフの命を受け、ホビット二人を助ける。
中つ国第三紀の中でも最も長命な種族であり、何をするにも緩慢で平和ボケしきっている。
しかし、オークに仲間の木が次々と切り倒される現実を目の当たりにし、怒りに燃え遂にその実力を発揮する。
≪エルフ≫
◆エルロンド
演:ヒューゴ・ウィーヴィング/吹き替え:菅生隆之
裂け谷の領主。
闇の勢力が勢いを増し、西への出立をアルウェンに勧めるが、アラゴルンを信頼する娘に根負けする。
かつて、二人の将来を案じ、アラゴルンに娘を諦めるよう説得したこともあった。
◆アルウェン
演:リヴ・タイラー/吹き替え:坪井木の実
エルロンドの娘でアラゴルンの恋人。
遠い地で戦い続けるアラゴルンの身を案じ続けている。
人間とエルフの差をものともせず、最後まで彼を愛し続けることを誓う。
◆ガラドリエル
演:ケイト・ブランシェット/吹き替え:塩田朋子
ロスロリアンの奥方。
旅の仲間の行方を陰ながら見守り、ガンダルフ蘇生の手助けをした。
◆ハルディア
演:クレイグ・パーカー/吹き替え:安井邦彦
ガラドリエルの命を受け、ロスロリアンのエルフ騎士を率いてヘルム峡谷の応援として加勢する。
≪ゴンドール≫
◆ファラミア
演:デヴィッド・ウェンハム/吹き替え:宮本充
ゴンドール執政官・デネソールの次男で、ボロミアの弟。
遠征中、フロド達を偶然見つけ、指輪を戦力として利用するため彼らを捕える。
父に気に掛けられていないことで鬱屈した思いを抱いており、SEE版ではそれが如実に表れている。
◆ボロミア
演:ショーン・ビーン/吹き替え:小山力也
指輪に誘惑されながらも、最期は仲間を守るためにその命を犠牲にした。
本作ではSEE版の回想シーンで登場。
人望も厚く、父にも期待され、弟とも仲が良かった勇敢な戦士だった。
彼もまた、父に過度な期待を押し付けられそれを重枷に感じていたようだった。
◆デネソール
演:ジョン・ノブル/吹き替え:勝部演之
ゴンドールの現在の統治者である執政官。
SEE版でのみ登場。
ゴンドールの失地回復に固執し、そのためにはいかなる犠牲も厭わない。
自分に似ない上の息子・ボロミアを溺愛している。
≪闇の軍勢≫
◆冥王サウロン
指輪が近づき、力を蓄えつつある闇の支配者。
着々と指輪を通じてフロドの心を蝕んでいく。
◆サルマン
演:クリストファー・リー/吹き替え:家弓家正
サウロンの配下と成り果てた魔法使い。
アイゼンガルドの塔・オルサンクに拠点を構え、オークの軍勢を指揮している。
手下を使ってローハンを支配下に置いていたがガンダルフに打ち破られ、ローハンを滅ぼすためウルク=ハイの大軍を派遣する。
◆蛇の舌/グリマ
演:ブラッド・ドゥーリフ/吹き替え:金尾哲夫
サルマンの部下で、ローハンにセオデン王の相談役として潜り込んだ。
陰ながら彼を洗脳し、従わせていたが、ガンダルフに見破られ、正気を取り戻したセオデンにより追放され、アイゼンガルドに戻る。
用語集
◆ローハン
中つ国の盆地に位置する豊かな人間の国。
騎馬の国とも称され、騎士達は皆馬の乗り手である。
かつてゴンドールの救援に駆け付けた王族に与えられた国であり、同盟国であったが今は関係が破綻している。
◆ヘルム峡谷
ローハンが所有する要塞。
ウルク=ハイ軍から身を守るため。ここの角笛城に国民を避難させ、籠城する。
◆アイゼンガルド
霧降り山脈の南に位置する岩壁に囲まれた平原。
「鉄の砦」の異名を持ち、立ち入りは難しい。
サルマンが拠点を持ち、オークの支配下に置いている。
黒い塔「オルサンク」が目印。
◆ファンゴルンの森
霧降り山脈の東側に位置する巨大な森林。
木の精・エントが棲む森であり、ここの木々は彼らに育てられ意志を持っている。
名前はエントの長老・木の髭の名からとられた。
◆ゴンドール
かつて強大な軍隊と誉れ高き意志を持った王によって統治されていた王国。中つ国屈指の大国。
モルドールのすぐそばに位置し、闇の軍勢と戦う最大の戦力として誇ってきたが、戦乱によって徐々に衰退し、王家の血も途絶え今や執政が国を統治している。
◆バラド=ドゥア
サウロンが拠点を構えるモルドールの最大の砦。
尖塔にサウロンの目がある巨大な塔。
To be continued to
THE LORD OF THE RINGS
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▷ コメント欄
- もうここからクライマックスになっている気がした。まだ最終章があるのに。 -- 名無しさん (2014-12-14 20:46:58)
- エオメルが馬で立ち去る時、鞘から剣が抜け落ちてるのは修正されてるんだろうか -- 名無しさん (2014-12-15 07:22:25)
- でもごちゃごちゃし過ぎてどうやって逆転したのかイマイチわからんかった -- 名無しさん (2014-12-19 11:32:14)
- 夜明けの突撃は最高にしびれた -- 名無しさん (2015-07-21 01:36:21)
- 自然にやさしく。2章は戦闘シーンがそれ一つ一つで一本分くらいの満足感あるからすごーい -- 名無しさん (2018-09-12 20:18:12)
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