劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-

ページ名:劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-

登録日:2014/03/03 (月) 15:16:06
更新日:2023/12/14 Thu 11:04:15NEW!
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異なる物理法則の別の宇宙


座標を同じくして、宇宙空間と重なるように存在する、亜空間




「全てはここから始まった……!」




亜空の流れ、その果ては何色か――。




「モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-」は、2月22日公開のアニメ映画。
モーレツ宇宙海賊の劇場版であり、TV版終了後の「劇場で会いましょう」という予告から約1年半の年月を経ての劇場アニメ化となった。


タイトルにも冠された「亜空間」に秘められた謎を巡るスペース・オペラ。
同時に、新キャラクターである無限彼方(むげんかなた)の成長譚である。


オープニングテーマ「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」
歌:ももいろクローバーZ


テーマソング「キラキラ-go-round」
歌:angela Presents 中川翔子


イメージソング「Sail away」
歌:小松未可子





ストーリー

TV版終了後、学生生活と並行しつつ海賊船「弁天丸」の船長を続ける茉莉香。
最近宇宙では、超高速跳躍に必要な亜空間航路の流れが不安定となり、多くの宇宙船が亜空間を使用できないでいた。
弁天丸も例に漏れず亜空間が不安定になったことで、業務に支障をきたしていた。


仕事がキャンセルになったことを知らされ、不機嫌な茉莉香。
そんな茉莉香にハロルド・ロイド保険組合のショウは、代わりの新たな仕事を斡旋する。
それはいつも通りの、客船を相手取っての海賊興行であった。
新たな仕事を手に入れた弁天丸は、早速依頼主である「ビギン・ザ・ビギン号」の元へと急行する。


ビギン・ザ・ビギン号へと乗り込み、いつもの通り業務をこなす茉莉香たち。
そんな中、彼女は乗客リストの中に、VIPの証である宇宙船のフリーパス「銀河パス」を持った少年、無限彼方の名前を発見する。


「僕を人質にしろっ!」


謎の男たちに追われていた彼方を、茉莉香は興行の一環に見せかけ「彼を人質として弁天丸に収容する」という方法で救出する。
とっさに茉莉香の意図を読み取り弁天丸へと逃れた彼方であったが、彼は茉莉香が自分を助ける理由に思い当たりがない。
茉莉香は父・ゴンザエモン加藤芳郎から彼方の父である無限博士の事を聞いていた。
ゴンザエモンは博士の旧友であり、博士とある約束をしていたという。
それは、息子である彼方をある場所へと導くことだった。


こうして茉莉香と彼方は、博士が彼方へと残した遺産・フリントを手掛かりに残された暗号の解読を試みる。



無限博士が彼方に残した遺産の正体とは何なのか?

彼方を追い、弁天丸を妨害する謎の艦隊の正体とは?



無限彼方は長い冒険の果てに、何を見出し、どのような未来を選ぶのか…。


概要・作風等

アニメ版終了から約1年半の年月を経て送り出された完全新作アニメ。
スタッフはTV版から全員がほぼ続投しており、原作者である笹本祐一がノータッチなのも変わっていない。


基本的にはTV版の延長線上にある作風であり、スケールは大きくなったものの、
「世界の命運」や「滅亡の危機」とは無縁、かつ人死にや陰惨な展開もない王道のスペースオペラである。


監督である佐藤竜雄はパンフレットにおいて「SF版『宝島』を作りたい」という旨を語っており、
彼の言葉通り本作は「亜空間に秘められた『宝』を巡る冒険」と言える内容になっている。
原作やTVシリーズにおける「黄金の幽霊船」あたりに近いものがあるだろう。
この「宝島」を意識した内容のせいかTV版に増して「古き良きSF」感が強まっており、
原作者である笹本祐一センセイの諸作品や野尻抱介、神林長平あたりで育ったSF者にとってはワクワクの止まらないストーリーである。


また本作は新キャラクター・無限彼方の成長譚でもある。
有名な亜空間ダイバーである父と常に比較され、父を失ってからは謎の組織に追われて日常生活さえままならなくなり、父に対して屈折した感情を抱くようになった彼方。
その彼方が弁天丸のメンバーやヨット部員と交流し、その中で父親との関係を見つめなおして自身の未来を見据え、決断する過程もまた本作の見所である。
そして、TV版では成長の途上にあった茉莉香が今度は彼方を導く側となり、
「船長」としてのカリスマを見せるところもTV版からのファンとしてはグッと来るところだろう。


静かではあるが独特の面白さを持つ戦艦バトルや、「TV版オールスター」とも言える豪華登場人物、そして劇場アニメ化にあたって更に強化された音響やBGMなど、他にも見所はたくさんある。
茉莉香と彼方の冒険譚、そして彼方が決断の果てに見つける「宝」は、アニメ化以前からのファン、アニメから入ったファン、そしてこの作品で初めて「モーパイ」を知る人、どの層にとっても面白さと感動を与えてくれるはずである。


登場人物

弁天丸船長にして、白鳳女学院ヨット部部長。
海賊興行の最中無限彼方の名を乗客リストに見つけ、彼を弁天丸へと保護。
ゴンザエモンと無限博士が交わした「約束」に従い、彼方と共に博士の残した謎へと挑む。
今作では意識して頭身が高く作画され、「彼方を導く『年長者』」としての顔が強くなっている。


後半でマミから新調された海賊服を渡されてイメチェン。


  • 無限彼方(CV:下田麻美)

亜空間ダイバーである無限博士の息子。
幼少の頃から無限博士のもとで育てられていたが、無限博士の失踪とともに学校へと入学。
しかし、銀河パスと謎の鳥型ロボット「フリント」を手にしたことで謎の組織に追われるようになり、ビギン・ザ・ビギン号へと銀河パスを使って乗船。
そこで海賊興行を行う茉莉香と出会い、茉莉香の意図を汲んで「人質」として弁天丸へと乗り込む。


幼少の頃から「無限博士の息子」としてしか見てもらえず、
さらに父の残した遺産のお陰で普通の生活を送ることさえできなくなったため、父には嫌悪の感情を抱いている。
また逃亡生活のせいか懐疑的であり、彼を保護した茉莉香やセレニティ姉妹も信用しようとしない。
しかし、弁天丸メンバーやヨット部の人々と触れ合ううちに本来の素直な人柄を取り戻していく。


父のもとにいた頃に船外活動をした経験があるようで、
弁天丸の手伝いとして働いていた時も軽い身のこなしで弁天丸の外装をクリーニングしていた。


  • [[チアキ・クリハラ>チアキ・クリハラ]](CV:花澤香菜)

海賊船バルバルーサ船長ケンジョー・クリハラの娘。
バルバルーサで亜空間を航行中に何者かの攻撃を受け、
調査するうちに黒幕の正体に感づく。それを知って茉莉香に警告しようと海明星へとやって来るが…。
本作ではいつにも増してギャグ要員と化している。勿論、終盤ではかっこいい姿を見せてくれるのでご安心を。


  • グリューエル・セレニティ(CV:戸松遥)

セレニティ連合王国星王家の第7正統皇女。白凰女学院中等部への留学を継続している。
一時的に彼方をセレニティ王家のゲストハウスに匿う。
ヨット部の面々とともに、彼方の遺産を見つけることに協力する。


セレニティ連合王国星王家の第8正統皇女。グリューエルの妹。姉と同じく白凰女学院中等部への留学を継続中。
茉莉香に近づく彼方に露骨に敵意を示すが、かつての自分と似たものを感じたのか、心を閉ざした彼方をヨット部へと招く。


茉莉香を筆頭にして活動するヨット部の面々と、ヨット部のOG達。リンは首にフェアリー・ジェーンの社員証をかけている。
茉莉香の船長業を知っており、相変わらず茉莉香、そして弁天丸に協力的である。
今回もセレニティ姉妹と共に茉莉香に協力し、無限博士の暗号、そして新奥浜にばら撒かれたマルウェアの正体を解き明かすべく挑んでいく。


  • ジェニー・ドリトル(CV:佐藤利奈)

星間旅行会社「フェアリー・ジェーン」の社長。元ヨット部部長。
弁天丸に海賊興行を依頼し、茉莉香の「彼方を保護したい」という願いに応えた。


  • 弁天丸クルー

茉莉香を支えるブリッジクルー達。
ヨット部と協力しつつ、弁天丸を襲撃した謎の艦隊の正体を追う。
画風が変わった影響で全員TV版よりシュッとした印象に。
シュニッツァーは厳つさ倍増。しかも喋る時に口が動かなくなった


ストーリーでは彼方らに焦点が当てられているため今回はちょっと空気気味だが、彼を追う連中の正体に当たりを付けるなど、端々で活躍している。


茉莉香の母親。ゴンザエモンの妻。海賊稼業と学生生活を平行して行う茉莉香を見守る。
中盤、彼方を追う襲撃者たちの奇襲を受けるが…。


終盤に意外な形で再登場する。


  • 無限博士(CV:飛田展男)

彼方の父。
亜空間の奥底へと潜ることを生業とする「亜空間ダイバー」であり、亜空間の航路を次々と発見していた。
しかしある日亜空間に潜ったまま消息を絶ち、世間では死亡した扱いとなる。
失踪の前、息子である彼方にフリントと銀河パスを送っていた。


謎の女性。弁天丸を追うミラ星系軍の戦艦に同乗し、彼方を追う。
無限博士とは何らかの関係があるようだが…。


メカニック

  • 弁天丸

茉莉香が船長を務める、お馴染みオリジナルセブン。船齢120年の老朽船。
今回は劇場アニメ化にあたってCGモデルがブラッシュアップされ、より細かいものとなった。


  • オデットII世

白凰女学院高等部の練習船。太陽帆船である。
基本的にはヨット部の話題になる程度の扱いであるが、終盤にて、意外な形で登場する。


  • バルバルーサ

ケンジョーが船長を務める、弁天丸の同型艦。
亜空間航行中、謎の敵から襲撃を受け損傷。ドック入りを余儀なくされる。


  • フリント

無限博士が彼方に送ったオウム型のロボット。
普段は本を模した形状であるが、様々なきっかけでオウム型にトランスフォームする。
本物のオウムよろしく、やかましく騒ぎ立てるだけのロボットと思われていたが…?
腹部にはクロスワードのような暗号が彫られている。


  • ミラ星系艦隊

リンコドン級戦艦ヒュロークを中核とする、ミラ星系軍の艦隊。彼方を保護した弁天丸に対し彼方の引き渡しを求めた。
どの艦も本来ならメンテナンスのために造船所のドックに入っているはずなのだが…。
デザインはいずれの艦も鮫を連想させる。


  • ビギン・ザ・ビギン号

フェアリー・ジェーンの星間旅行ツアーに使用された豪華客船。
弁天丸の海賊興行の舞台となった。


  • アドヴァジーレ

無限博士が残したとされる「遺産」。その正体とは…?


用語

  • 亜空間

宇宙空間と座標を同じくしながらも、異なる物理法則の上で成り立つ空間。
「光速=速度の限界」という物理法則も存在しないため、
安全が確認されている亜空間航路を利用することで安全に超光速跳躍を行うことが可能。
しかし安全なのはあくまで浅い上層だけであり、開拓された航路以外は高エネルギーが充満する危険な空間となっている。
亜空間ダイバーはこの亜空間に潜ることで、新たな亜空間ルートを開拓したり、亜空間の深部に沈んだ宇宙船などを回収する仕事である。
最近不安定となっており、超光速跳躍を控える宇宙船が多く出ていた。


  • イグドラシルグループ

巨大コングロマリット(複合企業)。
「オーマ電脳」、「セオドア・グループ」、「ゼネラル・オプチカリクス」の3社を中心に、2897社もの企業が参加する超巨大な企業。
さらにその下の傘下の企業は数千社から数万社になる。


余談

パンフレットでは原作者・笹本祐一先生のインタビューが見られるのだが、
アニメにノータッチであることについて「アニメやコミックの専門家でもないのに口出しして作品の質を左右するぐらいなら、
何も口を出さずに好き勝手やってもらったほうがいいものが出来るはずだと思った(要約)」
とコメントしている。


本作の公開と前後して、モーパイのパチスロ化が発表された。
某特撮作品よろしく、パチンコマネーで是非2期をやってもらいたいところではあるが…。




「追記・修正は自分の選んだベスト!!」


[#include(name=テンプレ2)]

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  • ネタバレを控え、読んだ者に「この作品を観たい」と思わせる、こういう項目はいいねぇ -- 名無しさん (2014-03-03 16:28:21)
  • 期待値が高かったせいか、個人的にすごい退屈な内容だった。黄金の幽霊船編を映画化して欲しかったわ。 -- 名無しさん (2014-03-03 16:41:28)
  • 勝手に期待してつまんないとおあやつの神経知れんは、全部てめえの采配だろうが糞が。批評家気取るんなキモい -- 名無しさん (2014-03-03 21:35:26)
  • ↑煽り扱いでまとめて斬られかねんから攻撃的になんなさんな -- 名無しさん (2014-03-03 22:10:33)
  • あやうくおねショタに目覚めかけたぜ・・・ -- 名無しさん (2014-03-03 22:17:10)
  • ↑↑↑個人的にって前置きしてあるんだからそこを攻めたらいかんでしょ -- 名無しさん (2014-03-03 22:40:18)
  • とりあえず海賊服は黒の方が似合ってたと思う。 -- 名無しさん (2015-01-05 00:35:18)

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