登録日:2024/08/24 Sat 22:45:29
更新日:2026/07/16 Thu 15:37:41NEW!
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「俺用に改良したバイクだ!ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ」
「そんなのに乗ってる方が気が知れねぇぜ!」
「乗れるさ・・・」
「ハハッ!欲しけりゃな、お前もデカイのブン盗りな!」
”金田のバイク”とは、大友克洋の漫画およびアニメ映画『AKIRA』の登場人物である金田正太郎のバイクである。
概要
AKIRAの主人公の一人でネオ東京の暴走族の金田正太郎(以下金田)の愛車だが、かなり独特で未来的なデザインが人気を博し、サイバーパンクの文化的アイコンにもなっている。
原作では第1巻以降は鉄雄のフラッシュバックで金田と一緒に少し出て来るぐらいしか出番が無く、スペックや入手経緯なども不明だった。しかし、アニメ版でピックアップされ大活躍したことで、同作のヒットもあって世界的な知名度を誇るようになった、そのため「AKIRAのバイク」と呼ばれたりもする。
アニメで映る金田の免許に「電動二輪」と記載されているため、各種メディアなどで電動バイクと言われることがあるが、作中に登場しているバイクは燃料タンク*1のガソリンと内燃機関で発電を行い、その電気でモーターを動かして走っているため現代の分類*2ではハイブリッド車である。
性能
製造元は不明、上記の会話から元は盗品らしく盗んだバイクで走り出す*3、それを金田が改造したものであるらしい。金田のじゃない金田のバイク。
劇中で語られた概要はセラミックツーローターの両輪駆動、コンピューター制御のアンチロックブレーキ(ABS)*4、12,000回転の200馬力で、エンジン5000回転以下でギアチェンジするとエンストする。その他デジタルメーターも確認できる。
200馬力は当時のオートバイで世界最強の馬力を持っていたヤマハ V-MAX 1200が145馬力であることを考えると有り得ない異次元の数字である。現在のオートバイでは2008年のヤマハ V-MAX 1700が200馬力を超えて以降、200馬力を備えたオートバイが複数車種製造されているがどれも1000cc代のものばかりであり、日本で大型二輪免許が取得できる年齢は18歳からなので、まだ16歳の健康優良不良少年がリッター級のバイクに乗っているとするなら山形の発言も納得である。
ABSは2018年には日本のオートバイはABSの装備が義務化され、当時でもABSを搭載したバイクは存在していたが、BMW K100などごく一部のメーカーしか採用していなかった。
一人乗りだが体重80kg以下であればリアカウルを外してもう一人乗ることができ、作中では何度か二人乗りをしている。両輪駆動であるためかバックも可能である。
ホイールベースがやたら長いがこれは作中登場するどのバイクでも共通している。
真っ赤な流線形の車体に複数のステッカーが貼られ、フロントフォークの先端がバックミラーとなっていて、リアカウルと一体化した背もたれが付いており、運転の際は車のように座って運転する。現実のどのバイクとも相容れない独特なデザインである。現在はビッグスクーターと言うジャンルがあるが、当時はまだ黎明期であった*5。
このデザインは作者の大友克洋曰く、1982年の映画「TRON」に登場する「ライトサイクル」とアメリカ発祥のカスタムバイク「Chopper」から着想を得たものだそうである。
漫画での活躍
物語冒頭から金田の愛車として登場し、金田はたまに乱暴に扱いながらも大変気に入っていたようだが、第1巻で埠頭の倉庫で金田がバイクを超能力に目覚めた鉄雄にぶつけた後、倉庫の崩壊に巻き込まれたことで壊れてしまったため、それ以降物語中で金田は別のバイクに乗っている(後述)。
作中登場している他のバイクは現実のネイキッドやクルーザーベースで丸目ヘッドライトの車両が多いため、猶更目立つ存在であった。
アニメでの活躍
漫画ではあまりピックアップされていなかった金田のバイクに焦点が当てられ、詳しい性能について語られている。鉄雄は勝手に持ち出したり、山形に在処を聞いたりと金田のバイクに執着している。終盤では力を制御できなくなった鉄雄に飲み込まれてボロボロになってしまったが自走していた。
走行時にホイールからスパークが迸る演出は非常にカッコいい。
金田が作中運転した他のバイク
- 山形のバイク(アニメ)
バイクチーム仲間である山形が乗っていた青いバイク、乗車姿勢は現実のレーサーレプリカ*6と同じ。
山形が鉄雄に殺害されたことを知った金田が弔いとして運転して壁に衝突させ大破させた。
- ジョーカーのバイク1(漫画)
崩壊したネオ東京でクラウンのリーダーだったジョーカーが共食い整備で復活させたバイクだったが、金田と甲斐がケイを助けに行くために勝手に持ち出した。
丸目のヘッドライトでブロックタイヤを履いており、外見は ヤマハ DT250 や TW200 のような連載当時のオフロードバイクの特徴が色濃く現れている。チャンバーと思わしきものが装着されているため恐らくエンジンは2ストロークエンジン。
ジョーカーが「傷ひとつでもつけて帰ってみやがれ、ただじゃすまねェからなァ」と言っていたほど大事にしているバイクだったが、金田が乗っていた方は大破してしまった。
- ジョーカーのバイク2(漫画)
壊したバイクの補填のためにジョーカーや甲斐らとフライングプラットフォームの部品を回収しに行く際に乗っていたバイク。先述のバイクと似ているがフロントフォークなどが異なっており、甲斐が乗っていたバイクとは別機だと思われる。
他のバイク共々高潮に巻き込まれたりと散々な目に会った。
- ジョーカーのバイク3(漫画)
最初はジョーカーの作業場に停められていたが、物語終盤でケイと一緒にこれに乗って登場した。
金田が物語冒頭で乗っていたバイクとの関連性は不明だが、そっくりであり、もしかすると同一車種なのかもしれない。
AKIRA slide
アニメでクラウンとの抗争の際、金田とジョーカーがチキンレースで勝負した*7直後、画面の手前から金田がバイクを横向きにし左足を地面に擦りながら奥にスライドしながら停車する*8シーンは現在に至るまで国内外の多くの映像作品でオマージュされており、バイクが登場する作品やバイク好きのキャラクターのファンアートは大体この構図のイラストが描かれる。
AKIRAは知らないけどこの構図は見覚えがあると言う人は多い。
原作では金田がバイクに乗りながらクラウンの構成員を殴った後スライドで止まるシーンがある他、山形が鉄雄を殴った際もこのような止まり方をしており、それが元になったと思われる。
その他
アイデア元になったのは1982年の映画『トロン』に登場するライトサイクル、『イージーライダー』のチョッパーであると大友克洋がシド・ミード展の取材で回答している。デザインのモチーフにはドイツのインダストリアルデザイナーであるルイジ・コラーニが1973年に発表した『Frog』という名前の付いたバイクではないかと言われていたが、2016年のアングレーム国際漫画祭で「ルイジ・コラーニのデザインも好きで、金田のバイクのフロント部分がドイツ人デザイナーのものとよく似ているので、盗作だと非難されないようにあちこちにステッカーを貼って問題を回避した。」とのこと。金田のバイクはステッカー以外にもFlogのデザインを前後逆にしたものとなっており面白いアレンジがなされている。
原作とアニメ両方でバイクを手動で押してエンジンをかける「押しがけ」をおこなう描写があるが、基本的には押しがけはバイクの中でもアシストトリッパークラッチのないキャブレター車でなければ困難。
一応motoGPのバイクをみれば分かるようにインジェクション車でもできるはできるのだが、基本的に制御で「押しがけしようとしてもエンジンが始動しない」ようになっている。
理由としてはいわゆる「プラグがカブって再始動不能」を防ぐため。そういうバイクでも長い下り坂を利用して最初に2人がかりで押すなど条件がそろえばできることもあるらしい。
ECUの書き換えでこの辺りのリミッターをカットすれば普通のバイクなら掛かるはずだが、「5000回転以下でエンストする」というエンジンだとやっぱり押しがけ不能じゃないかなぁ…。
ただ設定を見る限り「エンジンは電力しか作らない」という点からシリーズハイブリッド方式と推測されるが、この場合タイヤとエンジンが直結してないのでそもそも押しがけ自体が不能なんじゃないか説もある。
この描写はAKIRA連載登場、バイクはキャブレター車しかなくハイブリッドのバイクは夢のまた夢であったし、インジェクションはバイクではまだ一般的ではなかったので仕方がない。
アニメ版で金田のセリフで「やっとモーターのコイルが温まってきたところだぜ」と言うのがあるが、実際はモーターは温度が上がると出力が低下する*9。
これに関して「発電機かエンジンと間違えたのでは?」、「潤滑油には適温があるから間違ってない」の他「あまりにもピーキー過ぎるので金田でも出力が落ちないと扱いきれないのでは?」などとささやかれている。
そのシンボリックなデザインからリアルでも本機の実車再現が何度か試みられているのだが、映画でのあの機動は多分に二次元のウソ的なフィクション性の強い描写であり、
特徴的なフロントフォークやスイングアームを寝かせたデザインも、これを忠実に再現して実際に動かそうとするとキャスター角が大きすぎて直進はできるが曲がれないため
フロントフォーク用とステアリング用の2つのヘッドパイプの間をリンクでつないで後方操舵が可能なツインステア操舵システム「ロッドエンド式ツインステアリングシステム」なるシステムを独自開発したり、
走行時にリアサスを伸ばすことで相対的にキャスターを立てるなどハンドル方式とパワートレインの搭載方法が数々の実車化プロジェクトにおいて最大の難関となっている。
あまり原型を留めていないが、GTAOnlineでは本車をモデルにした『ショータロー』が実装されている。
SF映画『トロン』の如く各所が派手にネオン発光する上、流石にそのまま実装するワケにはいかないので細部がアレンジされている。
『メタルマックス3』にも同様の『サイファイ』が登場。(上記ショータローとは逆に)前半分がかなり似ている上に、カラーリングの一つが『アキラレッド』とそのまんま。
流石にやりすぎと思ったのか、以降の作品では『キラァレッド』と誤魔化し変更された上に、普通には手に入らないようになっている。
映画『レディ・プレイヤー1』ではヒロインであるアルテミスがオンラインVRゲーム<オアシス>内で所有するバイクとして登場。
ライディング・ポジションが原作とは異なる他、車体にATARI社のロゴとハローキティのステッカーが貼られている等アルテミスの独自改造が加えられている。
作品冒頭で描かれたレースゲームでデロリアン・タイムマシンらと激しい戦いを繰り広げるが、
レース終点で待ち構えていたキングコングによって本機は大破。
これの修理を請け負った事で、主人公であるパーシヴァルと親友エイチはアルテミスと知己を得る事になる。
尚、本作に登場する様々なキャラクターやガジェットでも珍しい「作中で登場人物が明確に出典と固有名詞を口に出す」物品の一つでもある。
追記・修正は、金田ターンを決めてきてからお願いします。
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項目変更&link_copy(text=項目コピー )&link_diff(text=項目変更点 )&link_backup()&link_upload(text= アップロードページ)
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- このバイクで披露した煙と共に横滑りして停止するアクションはあらゆる作品にオマージュされるものになった -- 名無しさん (2024-08-24 23:10:57)
- 登録日がおかしいような -- 名無しさん (2024-08-24 23:13:06)
- サルページ..なのか? -- 名無しさん (2024-08-24 23:14:28)
- 現実的に考えるとホイールベースが長すぎて暴走族みたいなスポーツ走行できるような車体じゃない…元はゴールドウイングみたいなハイパワーツーリング車だったのを改造しまくった結果まともに乗れたもんじゃないマシンになったんじゃないかと勝手に解釈してる -- 名無しさん (2024-08-24 23:49:50)
- ↑ホイールベースもだけどフロントフォーク寝かせすぎているからさらに曲がりにくいバイクにしかならない…それでもあのスタイルを再現して実際に走れるやつを作ろうとした人がいるのも事実 -- 名無しさん (2024-08-25 07:51:59)
- レディ・プレイヤー1のレースで登場していたのが印象的。「カネダ・バイク?」の台詞付き。 -- 名無しさん (2024-08-25 08:40:08)
- 例のブレーキシーンのパロディをまとめた項目かと思った -- 名無しさん (2024-08-25 16:33:05)
- 曲がりづらい以上にリアルだとキツイのがホイール部分完全に覆われてるから熱の逃げ場が無くてブレーキ熱ダレ不可避なことだとか -- 名無しさん (2024-08-25 16:42:32)
- 非現実的なデザインだからこそ、人はロマンに惹かれるってね -- 名無しさん (2024-08-25 17:37:58)
- ABSが付いてるバイクだとタイヤがロックしないからああいうスライドは実際は出来ない…はず。金田のことだし細工して切ってるんだろうな… -- 名無しさん (2024-08-25 21:45:40)
- ポスター見て、他の乗り物も先進的デザインなのかな?と思って、漫画や映画を見たら、他は大体公開当時の乗り物なのに驚いた -- 名無しさん (2024-08-26 09:21:15)
- バイクに興味なくてもカッコいいと感じる -- 名無しさん (2024-08-26 19:36:41)
- セインツロウにもこれを意識したKANEDAというバイクが。2に限ってはTETSUOもある。 -- 名無しさん (2024-08-28 12:04:30)
- 東京オリンピック開会式で走る案があったけど見てみたかったなあ -- 名無しさん (2024-09-09 21:13:51)
- ↑7 「やっとブレーキのパッドが温まってきたところだぜ」 -- 名無しさん (2025-08-12 10:32:14)
#comment()
*2 2024年6月に実際にハイブリッド式オートバイの販売を開始したカワサキはハイブリッド車を「HEV」電動車を「EV」と分類している
*3 ちなみにこれの元ネタは原付なので尾崎豊より派手な真似をしている
*4 減速回避のサポートシステム、現在では法律で装着が義務化されている
*5 ホンダ フュージョンが登場したのが1986年、ヤマハ マジェスティの登場が1995年
*6 現スーパースポーツ
*7 リーダー同士が道路のセンターライン上を向かい合わせに走り、先に避けた方が負け
*8 現実ではブレーキターンと呼ばれている
*9 磁力は温度が上がると弱くなるため
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