登録日:2011/02/10(木) 23:59:55
更新日:2023/11/02 Thu 12:52:54NEW!
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ellark リンドブルム 過疎 エルアーク 完結 ハギス 星空の下で サヴァンの庭
優先すべきは命ではなく、
この世界そのものだ。
賢者の天秤が傾く前に、
世界に正しき均衡を。
サヴァンの庭
***
『エルアーク』に登場する群書世界。
ワールド難易度は★★★
シナリオは白枠の魔術師ことuni。
エルアーク開始当初からある群書で、単位や評価値といった評価の概念がある他の群書に比べて自由な印象を受ける。
他の群書に比べて自然に富み、湿原や雪山に火山島、果ては地底遺跡まで存在する。
サヴァンの庭では黒猫商会という斡旋業者が各街に存在し、元金0だったとしても金を得る手段となっている。
同様に黒猫商会が発行する「手配書」があれば各地に点在する中ボスと戦闘可能で、彼ら限定のドロップアイテムの種類も数多い為、やり込み要素も多い。
――が、はっきり言って不遇の地であった。
何故なら、同様に最初から存在する群書であるラストキャンパスが次々とシナリオ拡張を行っていったのに対し、サヴァンの庭で初めてメインシナリオ拡張が行われたのがなんとエルアーク開始から1年半以上経った後。
この間にラストキャンパスは大筋のシナリオは区切りのいい所まで拡張され、各種レベル上げもそちらの方が効率が良かった為に初心者から熟練者まで多くの人がラストキャンパスに住み着くようになり、サヴァンの庭は極度の過疎化が進んだ。
また、サヴァンの庭は2つの国に分かれており、その間の国境検問所の通過には旅券が必要なのだが、旅券入手法のヒントが一切明示されてなかった事も過疎化に拍車をかけた。
ちなみにその旅券はメインシナリオ初解放から更に半年以上経ってようやく入手可能になった。
そして初開放から半年経った頃から毎月1回拡張した結果、群書の中では最も早く完結した。
また、出現する敵や登場人物の台詞等にみんなdeクエスト~芯海の楽園~や雪色のカレイドスコープを彷彿とさせる描写がかなり多い。
***
優先すべきは命ではない。世界がなければ命は生まれないのだから。
賢者は至極当然のように、天秤の傾きを直す。
そうして、世界の均衡は保たれた。
***
群書に入る前に主人公が見るイメージは「夜の荒野に独り立ち、空を見上げる少年の姿」。
様々な人に出会い、様々な敵と行き当たりばったりで戦ったりしながら、主人公はサヴァンの庭を駆ける。
***
★地理
- レンツール共和国
主人公が最初に降り立つ国。
2つの街と多くの自然が存在する。
ゼネラルロッツ
最初に行き着く街。
ハギスの森やハギス牧場が近くにあり、リンコルン及び国境検問所に接続する街道がある位の田舎。
リンコルン
周辺の坑道から採掘される銀によって栄えた街。
接続する2つのダンジョンはどちらもハギスの森より強敵が出現する。
ハギスの森
小規模な森。
精霊が棲む泉がある。
ジャコモ第七坑道
リンコルン近くの廃坑。
奥にはサラマンダーの巣と呼ばれる地底湖がある。
西フレビス山脈
リンコルンから登山可能な雪山。
ある地点からベルン公国へ入れる。
- ベルン公国
存在自体は最初から示されていたが、実際に行けるようになるまでがかなり長かった。
3つの街が三角形に接続されている他、面積の分レンツール共和国よりも多くの自然に富む。
同じ由来を持つ人名でも「ハリエット」より「アリエッタ」の方が一般的である。
ボーレンス
ベルン公国で最初に到着する街。
丘陵地帯で空気が良い為、サナトリウムが存在する。
ルイーズ
ベルン公国の南西部に位置する。
某リコルスのような港街で、蟹漁のバイトも出来る。
ベルケンダール
ベルン公国で最大の街。
森や湖が近くにある他、封鎖された村への街道が伸びる。
東フレビス山脈
ベルン公国で最初に足を踏み入れる地。
無事に下山出来ればボーレンス。
デフルー湿原
ボーレンス近くの湿原。
霧が出ている時は方向感覚を失う。
モーレンボールの森
通称猫の森。
内部で猫を倒すと強制的にベルケンダールに帰還。
ルーメン
通称「地図から消えた村」。
1年前、突然村人が全員消えた怪事件があった為、騎士団によって封鎖されている。
主人公らが忍び込んだ時、村の様子はほぼ変わっていなかったが、人間だけが居なくなっていた。
村人の消失は霊子誘導器ラダナン・カダランの事故が原因。
何らかの経緯で生き残った者達がナイオンの組織に加わっている。
***
★人物
ヴァン・ユルバン
「まぁ、大した事件じゃないと思うけど、一応祈っておくよ」
ゼネラルロッツの教会の神父。
のらりくらりとした発言ばかりの人で、特にマリーは格好の的。
マリー・ネックベット
「ええ……“お姉さん”は教会のシスターなの」
怪奇現象好きのシスター。
年齢がそういう年齢な為、おばさんは禁句。
同ライターのシナリオの某幻の学徒と名字が同じだが関連は不明。
ハリエット・ディヴリー
「もー! なんで売っちゃうんだよバカバカにゃんこ!」
盗賊まがいの少女。
盗みを働いて逃走していた所で主人公に会い、その後は成り行きで主人公をベルン公国へ案内する。
彼女が書く文章は携帯ゲームならではの物なので、一見の価値アリ。
マノット・ランブレー
「メイド……だと」
メイド好きのモミアゲ。
金にがめつく、彼の最初のイベントはある意味最強の初心者殺し。1人5000zelも払えないでやんす……。
ピーテル・ディヴリー
「僕も本来ならそうした表現の方が好みですが、さっきは姉の言葉遣いに合わせていたのです」
ショタ。
ハリエットの弟で病弱な為サナトリウムに入院。
リーシェ
「アタシの名を呼ぶときは、サマを付けろ」
森の痴女魔女。
猫を用いた魔術を使う猫魔術師。彼女の話には催眠効果アリ。
メルキオール
「人間ですよねー?」
サヴァンの庭で最初に会う少年。
その後はシナリオをある程度進めると名前が出始めるが、主人公とはなかなか会わない。
ユベール
「――処刑ごっこは楽しいかい?」
通りすがりの手品師。
ナイオンの集団の中では一番下っぱのようである。
ジュリエッタ、ジュリアンヌ
「ささっと皆殺しにして、下を応援しに行こうね!」
「いまいち気乗りしませんわね……」
双子の幼女。
力は人を超越した域にあるが精神的に幼い。あと微妙に厨二病気味。
バルタザール
「わたしの噂話などしても面白くはないでしょう」
穏和な老紳士。
ナイオンの組織の頂点。
マルハレータ
グラール
ナイオンの組織の一員。
バルタザールともども立ち絵無し。
★用語
アーネムの三至宝
始祖の賢者アーネムにまつわる3つの品。
世界を改竄する聖筆、世界を滅ぼす聖杯、強制的に行動を制限する天秤の3つを指す。
それぞれの正体は、リーシェ、メルキオール、バルタザール。
ただし、劇中で出会う「メルキオール」は厳密には別物。
騎士修道省
アーネム正教会の一部署。聖堂騎士はここの中でもエリート。
均衡省
アーネム正教会の一部署。ここに属する殺し屋が世界の外から来た人間を始末している。
五大遺産
複数の時代を乗り越えて遺った構造物。最近のものでも100年以上の歴史を持つ。
- ラダナン・カダラン:「ラダナン・カダラン」を参照。
- リーシェのアトリエ:リーシェの住処。モーレンボールの森の中にある。
聖賢の座
通称「ナイオン」。エルアークの箱舟を模倣した浮遊島で、聖賢の座が現れると世界は終わりを迎えるという。
その後、ゼネラルロッツの町外れに墜落し、五大遺産に続く第六遺産と呼ばれる様になった。
双架省
アーネム正教会の一部署。ここに属する秘蹟執行者が各地の教会から大聖堂に収めるべき遺産を探し集めている。
世界
サヴァンの庭の世界は既に3度作り直されている。
第1の時代「アガタ」、第2の時代「ベルナデッタ」、第3の時代「キュネブルガ」、第4の時代が現代となる。
第1の時代はアーネムが楽園として造ったが人々の苦しみは尽きなかったとされる。
また霊子誘導技術が優れていた様で、ある人間の霊子状態を他人の肉体に上書きする荒技も可能だったかもしれないと語られている。
第2の時代には猫魔術が確立された。文字通り猫に魔術を使わせる手法で、現代ではリーシェが利用している。
第3の時代の文明は現実のそれに近かった様で、蛍光灯らしきものが遺産として登場する。
第4の時代が滅ぼされることはない。聖杯がその霊子状態を第3の時代の人間達に抜き出され、それも劇中のごたごたで紛失された為。
デン・ドー
黒猫商会の依頼「配達依頼」にて受け取った荷物を届け先まで配達せず、なおかつアイテム欄に荷物が無い状態で荷物を受け取った街の黒猫商会に行くと、悪評が付けられる。
この悪評がついている状態で街で更新を迎えると、ランダムで罪のとり手「夢次郎」が現れ、プレイヤーを地底遺跡「デン・ドー」に軟禁する。
ここでは(脱獄を試みれば別だが)霊子の塊「エルトロンセル」か黒猫の好物の魚を悪評の度合いに応じた分のノルマ以上黒猫に納めないと、地上には戻れない。
ハギス
茶色い円筒に短い脚が3本生えた様な、サヴァンの庭名物モンスター。もっと言うと腸詰めで、表皮は白だが、茶色い内臓が透けて見える。
牧場で養殖されていたり、逃げるタイプが存在したり、異形の者がいたり、ハギスかどうかすら怪しい者もいたり。過去には課金用ペットの中にもその姿があった。
好物はユーレイタケ。
元ネタはスコットランド料理のハギス。
ラダナン・カダラン
五大遺産でも最大の構造物。ベルケンダールの地下にもその一部が走っている。
霊子誘導器としても現存する中では最大で、その規模から1人で運用する様にはできていない。
ほぼ光速にまで加速した荷電霊子線を発し、霊子を観測する。
光よりも波長の短い、エネルギーの高い波を利用することにより、精細に観測を行える。但し距離次第で検出率は下がる。
正確に言うと、観測問題により霊子の観測自体はできないが、霊子状態を破壊できる。この他にも高度な霊子誘導操作が可能。
シャルエーゼの前任者の制御ミスにより、ルーメンの村人達は一夜にして霊子状態を破壊され、空気に同化したも同然になっている。
リポジトリ
霊子状態を抜き出して保存したもの。
本体は両掌に収まる大きさの、金属光沢のある球体。放射線に影響を受けない様、茶色い液体と鉛ガラスでできた箱で二重に覆われている。
第1の時代のものは全て大聖堂に収められている。第3の時代末期のものであれば田舎の教会に放置されていたりする。
霊子
クォークとレプトンを構成する、物質の最小構成単位。
霊子は単体では安定せず、霊子単位で分解されても何らかの形で原子や分子を作ろうとする。
量子力学の量子同様、波動性と不確定性を持つ。
霊子の不確定性とは、霊子が確定的な位置と速度を同時に持つことはできない、というもの。
霊子の位置の不確かさをΔx、速度の不確かさをΔpとして、Δxを0に近付けると、Δpは無限大に発散し、逆もまた然り。
途中から霊子を用いた霊子誘導が大きな要素となる。
霊子状態
文字通り霊子の状態。
観察者効果よろしく、観測問題を抱えている。観測という行為は電磁波の相互作用により成り立つが、これが観測対象の霊子状態を破壊するのである。
霊子の不確定性により霊子状態の完全な複製もできない。
フライドポテトくらいなら原子単位でコピーすれば事足りるが、生物は霊子状態が違えば似ても似つかない別物になる。いやでも素粒子レベルで異なるフライドポテトって食べていいのか……?
霊子状態を破壊しないように移し変えるだけなら可能。しかし現代の技術では元の肉体に戻すこともできない。
他の肉体に移すのは、できたとしても脳のすげ替えに等しいことで、個体差の大きい末梢神経系を中心にズレが生じる為、肉人形と言っていい状態になる。
生物の霊子状態は噛み砕いて言えば「心」「魂」に相当する。
***
▽以下、核心につきネタバレ注意
旅の途中から、ナイオンの集団が「アウターズ」と呼ばれる敵を狩る光景に出くわす。
彼らの目的はアウターズを食し、人外の力を手に入れる事であった。
しかし、それはバルタザールの策略であった。
バルタザールの目的は「破壊された聖杯の復活」。
かつて本物の「メルキオール」は人間によって霊子状態を抜き取られ、破壊された。
バルタザールは原子レベルで再現されたメルキオールの肉体、それを動かす「協力者」と、十分な「餌」を用意。
アウターズを食べさせて生体濃縮が行われたナイオンの集団をメルキオールに吸収させて聖杯としての力を取り戻させ、
保管されていたメルキオールの魂をリーシェに霊子誘導で元の肉体に移動させ、聖杯を取り戻そうとしていた。
用済みの時点で「協力者のメルキオール」の精神を壊す方法も用意していた。
しかしメルキオールは事前にそれを予測して自らの精神を別の生物に宿す事によりバルタザールの策略を回避、逆に天秤であるバルタザールを吸収した。
そして聖筆――リーシェに天秤の強制力をもって自らの本当の身体を結界から解放させた。
そして本当の身体を取り戻したメルキオールは世界の外に向かおうとする。
それは、サヴァンの庭を崩壊させるという代償を伴う行為であった。
そしてそこに居合わせたメルキオールが精神を預けていた生物――主人公は、世界の崩壊を止める為に無謀な戦いを挑む。
そして敗れた彼は、リーシェにより化け物としてでは無く「迷い人」として世界から旅立つのであった。
「――またいつか、追記修正できますように」
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