Roman(Sound Horizon)

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登録日:2010/11/13(土) 23:48:41
更新日:2024/03/12 Mon 00:37:04NEW!
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sound_horizon サンホラ 2期 yeah! ローラン roman sound horizon 第五の地平線 其処に物語は在るのだろうか… 僕達が繋がる物語 物語 と書いてロマンと読む 其処にマロンは在るのだろうか 嘘をついているのは誰だ 第五の物語



Romanとは、2006年11月22日に発売された、Sound Horizonの5枚目のアルバムである。


●概要
今作は前作『Elysion』まで参加していたあらまり脱退後の初のアルバムであり、作り手であるRevo(に似て非なる人)のボーカル参加、声優の起用などの新しい挑戦が盛り込まれた作品でもある。
故に、『Elysion』以前のファンからの不評もあるが、同時に初めてサンホラを聞く人には聞きやすく、入門用のアルバムとしても人気が高い。


また、今作も謎かけが豊富で、特に最大の謎・嘘つき探しは様々な説があり、現在でも熱く議論がされている。


コンサート版は2006年12月・2007年1月に『Roman 僕達が繋がる物語』として上演され(DVD化)、
オープニングではなぜかRevoの国王戴冠式が執り行われた。
これが「Sound Horizon Kingdom」の始まりであり、彼が「国王陛下」、ファンが「ローラン」となった始まりでもある。


●メディアミックス

桂遊生丸によるコミック版。全2巻。
ファンからの評価は高い。


  • 『Roman 冬の朝と聖なる夜を廻る君の物語』(2016)

十文字青による小説版。全2巻。
本編楽曲を挟むようにシングル『ヴァニシング・スターライト』の「Interview with Noel」を原作とした物語「a piece of Noёl」が挿入されており、
並行して発表された小説・漫画版『ヴァニシング・スターライト』(時田とおる・有坂あこ)とは異なる解釈による「『ヴァニシング・スターライト』ノエルの過去」が綴られている。



●楽曲一覧


1.朝と夜の物語
「其処に物語は在るのだろうか?」
生きも死にもしない存在、イヴェール・ローランが、双児の人形・ヴィオレットオルタンスに、自分が生まれて来るに至る物語を探しに行かせる。
サンホラの曲の中でも特に人気が高い曲のひとつで、ファンクラブの人気投票では見事1位を獲得した。
ライブ版ではイヴェールがギターを携えてシャウトしている。ちなみに歌う時語る時でイヴェールの声色がずれているのだが*1、「国王生誕祭2010」版では声が歌声の方に統一されている。
またこれと次作『Moira』での描写から、サンホラ内でを暗示しているといわれる様になった。
後にコンサート版『Moira』で替え歌「朝と夜の運命(ミラ)」が創られ、同作のエレフセウス(ギター装備)とレオンティウス(マイクスタンド装備)によるデュエットで歌われた。


2.焔
「生まれぬ君に贈ろう…」
戦乱時にお腹に宿った我が子を亡くした母親が、その子を弔う。
コンサート版「Roman」・「国王生誕祭2010」・コンサート版「Nein」アンコールそれぞれで演出が異なり、
「Roman」・国王生誕祭版ではイヴェールが無言で彼女を見つめ、国王生誕祭・「Nein」版では夫(Jimang)が彼女と共に子を弔った。
Nein』では彼女の心が「改竄」された可能性として『涙では消せない焔』が創られた。


3.見えざる腕
「誰が加害者で誰が被害者だ…」
戦で片腕を失った男・ローランの復讐劇。
コンサート版『Roman』DVDにPVが収録されている。


4.呪われし宝石
「失うまでは逃がさない…」
世界最大級の赤色金剛石、レーヌ・ミシェルの誕生に纏わる、知られざる物語。
「国王生誕祭2010」版で新解釈が入るなどアルバム内で最も謎が多い曲。『Nein』の「西洋骨董屋根裏堂」では髑髏に入れられていた。


5.星屑の革紐
「こん0502ちは、初めまして!」
殆ど視力の無い少女・エトワールと、黒く大きな犬・プルーの交流と成長、そして母の愛の物語。
漫画版では1巻最大の涙腺崩壊話でもある。


6.緋色の風車
「廻る廻る《緋色の風車》…」
街を襲った『奴等』から逃げる、少年と少女の物語。
『少年は剣を…』にも収録されているが、それとは歌詞の一部やメロディーなどが異なっている。
ライブでは定番の曲となっており、公演によっては会場が一体となり、緋色のマフラータオルや緋色のサイリウムがぐるぐる廻る。


7.天使の彫像
「やっと笑ってくれたね…」
後の世に語り継がれる彫刻家、オーギュスト・ローランの後悔とその一生が語られる。
歌い手はJimangだが、胡散臭くはない。


8.美しきもの
「私は、世界で一番美しい焔を見た…」
少女・モニカが唄う、病で亡くなった弟(あるいは妹)・ロランとの思い出。
曲もそうだが、漫画版2巻では多くの読者が涙でページが見れなくなったとか。


9.歓びと哀しみの葡萄酒
「そして…それこそが《人生》」
今は葡萄畑に立つかつての貴族、ロレーヌ・ド・サン・ローランの愛に生きた半生が描かれる。
他の曲もそうだが、別の地平線と物語が続いていることがよく分かる曲でもある。


10.黄昏の賢者
「こんばんは、お嬢0301ん」
お腹に宿った子を生むべきか否か迷う『お嬢さん(クロエ)』と、そこに現れた『賢者(サヴァン)』の物語。


この曲に登場する賢者は、隠された伝言へのメッセンジャーでもある。
ちなみにサンホラキャラの中でも人気が高く、2020年にメジャーでのCDが一斉にリマスターされた際の記念イラストにて、コンサート版の姿を元にしたキャラ絵が新規に制作されている。
胡散臭い


11.11文字の伝言
「愚かな母の唯一の願0102です…」
死に行く母が、最愛の我が子へ向けた11文字の伝言。
母の愛が溢れる曲。
また、曲が途中で切れているように聞こえるが、これには仕掛けがある。繰り返し聞いてみよう。


後にLinked Horizon名義で発表された楽曲内には「14文字の伝言」(アルバム『進撃の軌跡』)なんてのがあり、そっちはある少年の母が死ぬ直前に贈った伝言となっている。




以下ネタバレ






















  • truemessage

「あなたは―――」
ブックレット内に隠されたURLにアクセスし、伝言を入力すると聞くことができる。
11文字の伝言の完全版。『Chronology[2005-2010]』では「11文字の伝言 [Le vrai message]」と改題され収録された。


  • yaneuraroman

「さあ…生まれておいでなさい、Hiver…」
もうひとつの伝言を入力すると聞くことができ、『Chronology[2005-2010]』に「屋根裏物語」と改題され収録された。
「ハズレ」でもあり「正解」でもある。ちなみに小説版では上巻ラストの「Extra」として他の屋根裏シリーズ描写も交え収録、台詞の彼女はミシェル・マールブランジェとされた。
なお『呪われた宝石』から続いて意味深な台詞を担当した深見梨加は、『国王生誕祭2009』版「屋根裏の少女」でも同様の台詞を放ち、『Nein』の「西洋骨董屋根裏堂」にもミシェルを彷彿とさせる店主役で声参加した。



  • 朝と夜の物語~Another Roman Mix~

「壊れた人形、骸の男…」
タワレコで予約すると初回特典で貰えたCDに入っている曲。「yaneuraroman」ラストの台詞が冒頭に挿入されている。
『朝と夜の物語』が退廃的にアレンジされており、まさに「もうひとつの物語」となっている。


  • 冬の伝言

「それだけで僕は 幸せでした…」
『6th Story Concert Moira~其れでもお往きなさい、仔等よ~』の追加公演で初披露された、『11文字の伝言』のアンサーソング。
イヴェールから母へ、感謝の気持ちが込められている。


『国王生誕祭2009』でも披露されており、1日目のDVDに収録されている。…その後に「屋根裏の少女」が続いたけどね。
0403 0102 0202
0302 0803 0103 0304 0102
0805 0905 0302 0203





■定説


  • ミシェル関連の説

「屋根裏の少女」→「檻の中の遊戯」→「屋根裏物語」→「黄昏の賢者」→「檻の中の花」の順番だといわれる。
最近ではさらに『Nein』(1曲目が「檻の中の箱庭」)の「西洋骨董屋根裏堂」女店主との関連も指摘されており、それを示すように「涙では消せない焔」でも店主は登場している。


  • エトワール関連の説

「澪音の世界」のレイン=エトワールだとか。
「黄昏の賢者」のクロエが母、「見えざる腕」のローランが父で、「腕」→「賢者」→「伝言」→「革紐」→「澪音」と続いているらしい。
ちなみに漫画・小説版では「見えざる腕」ローラン=エトワール父説を採用したが、母はあくまで「ローランの元彼女」でありクロエではないとしている(クロエのその後こそ描かれるが、相手や道行きが異なる)。


  • イヴェール関連の説

「生まれて来る前に死んでいく~」というのは「死んでから生まれ変わる」ではなく「生まれることなく死んでいる」という意味だとか。つまり「水子*2
だから賢者は「輪になりなさい」→それに気づくまで堂々巡りすればいい、と言っている。
同じ理由で「伝言」はエトワール宛。「あなたが今、生きている」と明言されているのだから、生まれていないイヴェール宛の曲だとおかしい。
…だが2014年に発売された『ヴァニシング・スターライト』の描写から、イヴェールに関する新しい可能性が浮上している。



■公認2次創作での仮説


  • 緋色の風車のその後

漫画版・小説版共に『「緋色の風車」の「僕」』=『「見えざる腕」で赤髪のローランを殺したローランサン」』、『最後に復讐劇を見つめていた少年』=『赤髪のローランの息子にして、ローランサンに復讐する人物』と設定している。
ただローランサンと「赤髪ローランの息子」を巡る状況の違いから、最後の答えは180度異なっていた。
一方漫画版『Nein』の「涙では消せない焔」では、「『涙では消せない焔』のローランサン将軍」=「緋色の風車で少女を失わずに済んだ『僕』」というパラレル解釈がされていた。


  • イヴェールとノエル

十文字青の小説版、及び漫画版『ヴァニシング・スターライト』・『Nein』ではシングル盤ヴァニスタ付属の「手紙」からの連想からか形は違えど、
「母から望まれながらも生まれえなかったイヴェール」と「母から誕生を望まれなかったのではと疑いを抱く『ヴァニシング・スターライト』のノエル」に関連性を持たせるような演出がされていた。
なお二人には「フランス系で冬っぽい名前の青年」・「ライブでは歌兼ギター演奏」・「後ろで長い銀髪を結んだ髪型」という共通点があり、
小説版上巻表紙でイヴェール(冬の朝)がヴィオレット・下巻表紙でノエル(聖なる夜、公式イメージカラーが青)がオルタンスの肩を抱くという意味深な絵が描かれた。
無論公式が言及しておらず、上記作品でも暗喩以上の事はしていない以上憶測の域を出ないが*3
ファンの考察にはさらに『Nein』の「輪∞廻」(生まれる前の双子の上の方が弟の聴覚障害を引き受け…)とヴァニスタ付属手紙を繋げる解釈も存在している。
ちなみに2021年の『絵馬に願ひを!』にも、どこかノエルやイヴェールに似た髪型をし、紫と青の光に照らされ立つ狼面の「神社関係者」が登場。彼が歌う『狼欒神社』には本作と同じ台詞と似た様な語りが入れ込まれている。



追記・修正は自分のロマンを見つけてからお願いします。


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*1 『呪われた宝石』では語るイヴェールは「盗賊」・歌うイヴェールは「兄」と別キャラ扱いされている。
*2 それを示すように後の「涙では消せない焔」では中絶してしまった子・『絵馬に願ひを!』内の「暗闇を照らすヒカリ」では流産で喪われた子を「冬の子」と呼んでいる
*3 ただ『ヴァニシング・スターライト』デラックス版付属のRevo×ノエル対談では、「(自分は)イヴェールが生まれてくる地平線を見つけるため目を光らせている」という趣旨の発言を作中のRevoがしている。

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