スクランブル(航空用語)

ページ名:スクランブル_航空用語_

登録日:2012/02/19(日) 09:55:28
更新日:2023/10/20 Fri 12:48:00NEW!
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航空機 戦闘機 用語 オーレンジャーed スクランブル〜ダッ〜シュッ!! たまごじゃないよ スクランブル



概要

航空用語の一つで、待機させている航空機を緊急発進させる指令のこと。
最も有名なのは戦闘機の緊急発進指令だが哨戒機や救難機、マスコミの取材機などを発進させるのもスクランブルの一例。
現代の航空機の速度を最大に生かすため、通常指揮系統の手続き等を簡略化、判断を迅速にするのがこのスクランブルである。



日本の場合

ここでは例として、日本の空を守る航空自衛隊の例をとろう。


航空自衛隊では、長らく24時間の体制でF-15JF-4EJ改F-2Aの三機種の要撃戦闘機を待機させていた。
2020年末にF-4EJ改が退役したため一時期は二機種での対応となるがF-35の準備が整えば再び3機体制に復帰する。
そのためF-35が配備されている三沢基地では準備が整うまで千歳基地から部隊が派遣されスクランブルに対応している。
以前は墜落事故など重大事故発生時にはスクランブル機も飛行停止になっていたが、かつてF-2とF-15どちらも飛行停止になってしまい
F-4だけがスクランブル待機という事態になったことで現在はスクランブル機は除外されている。
空自のスクランブル指令は全国4つの防衛区域それぞれの防空指令所から出され、各部隊はその受令からわずか5分以内に離陸できるよう態勢を維持しているのだ。



ただしすぐに発進するわけではなく、


@国籍不明機等が防空識別圏に侵入する様子を見せたところで、エンジンをかけ、着座しシートベルトを締めたり、いつでも発進できるよう待機する。


A不明機が防空識別圏に侵入した時点で発進。



という手順をとる。


スクランブル待機している機体にはあらかじめ武装が施されており、F-2Aは固定兵装のM61ガトリング砲、翼のパイロンに短射程空対空ミサイル2発標準装備である。
更にはF-4EJ改やF-15J同様中距離空対空ミサイルを2発装備していることが多いがこの装備は部隊によって装備位置異なっている。*1
また実際に出撃する場合は基地の配属部隊が2つで同一の機種の場合*2それぞれ1つの飛行隊から1機ずつの計2機で出撃することもある。


幸運なことに、自衛隊のスクランブル発進で実際にこの武装が使用されたことは一回だけ*3である。
ちなみに日本の空自は命令してから5分以内に最初のスクランブル機が飛べる態勢を24時間常に保っているが
アメリカ本土に展開している空軍や州軍は1時間以内に上がればOKという基準で動いていて空自の防空体制を参考資料にしている。
別に米空軍がヌルいというわけではないが、日本とアメリカの地図を見比べて航空機でオイタしてきそうな他国との距離の差である。
(逆にアメリカは弾道ミサイル等への対処は死ぬ気でやっている)



実際の所

「スクランブル発進=領空侵犯された」と思われがちだが、年間数百回、近年では1000回を超えることもあるスクランブルの内
領空侵犯は昭和24年から平成21年までに34回であり、平均しても年間一件に満たない。
そのため領空侵犯させないためにスクランブルするが実情である。
あなたの娘がお家の中で遊んでいるときにキモオタが家に近づいてくるのが分かったとしよう。
キモオタが家の敷地や建物に入らない限り警察を呼んだり退去を命ずることができない…わけがない。
キモオタが公道を自由に歩く権利があるように、あなたも自分の家の周りの公道を自由に歩く権利があり、
家に近づくキモオタをその手前で立ちふさがり、家以外の方向に向かわせる権利が当然あるのだ。
相手にとっても外交問題を避けるため積極的に領空侵犯する事はまれだが、元々防空識別圏が領空から余裕を持って設定されているため、不明機が領空に入る前にスクランブル発進が行われるからである。
自衛隊も頑張ってくれているのだ。


ただし中国軍機は頻繁に防空識別圏へ接近するため回数も急増しており、近年では頻繁に防空識別圏に接近する基地の航空機の発進が確認されたら
前もってスクランブルをかけている、これがスクランブル回数が急増している一因にもなっている。
そのため常に24時間体制で監視を行っているE-767や戦闘機を上空待機できるよう給油機の追加配備が決定、現在配備されている愛知県の
小牧基地とは別に新たに島根県の美保基地に輸送機部隊を新設する準備が進められている。


スクランブルの目的は必ずしも対領空侵犯措置ではなく、緊急事態の旅客機のエスコート、飛行申請が出ていない航空機の確認、災害時の偵察など割と多岐に渡る。
また航空自衛隊ではスクランブルに就く資格は部隊に配属されてから取得するため、スクランブル訓練をすることもありスクランブル待機している機が離陸。
それに続いてスクランブル機と同じ装備の訓練機がエプロンからエンジンスタート・タキシングしてランニングテイクオフ*4で訓練をしていることもある。
近年では中露へのけん制も兼ねた米軍との訓練の一環で合流ポイントまでスクランブル発進、航法・編隊飛行の訓練を実施するケースもある。



災害時のスクランブル

自衛隊が公表しているが震度5弱以上の自身が起きると運用に支障が出ていない最短の基地からスクランブルがかかり
震源付近の地域の状況を航空機で確認する。
地震発生から5分で離陸してそこから遅くても数十分で被災地上空に到達できるのはスクランブル発進した戦闘機だけである。
2016年の熊本地震・2021年の福島県沖地震ではそれぞれ築城基地のF-2・小松基地のF-15Jが深夜にスクランブル発進を行っている。


高度や滞在時間に融通がきいて綿密に調査したいならばヘリの方が有利だが到達までには時間がかかるし
詳しいデータが欲しい場合には偵察機を使って具体的なデータを収集する。
前述の地震のように深夜であれば大規模な火災などは目視で有無が確認できるためそれだけでも大きな情報である。
2020年まではこの任務も航空自衛隊の偵察部隊で行われていたが、使用していた機材の老朽化・F-15偵察機計画の頓挫・無人偵察機導入により閉隊している。



救難のスクランブル

冒頭に述べたように自衛隊の場合は民間では救助困難な場合に自衛隊の救難部隊に災害や事故でのスクランブルを行うことがある。
自治体のみならず消防・警察・海上保安庁からも救援要請を受けることがあり自衛隊の救難隊は文字通り最後の砦と称される。
海上自衛隊が保有する救難機US-2は空港がなくヘリでは航続距離が足りない離島などでの急患輸送では度々出動しており、離島が多く更に距離が離れている
小笠原諸島を抱える東京都からの要請に対応するため、以前は厚木基地に常に1機待機していた。


救助に当たる救難員(メディック)と呼ばれる人たちはあの過酷な訓練を行うレンジャー訓練にも参加し優秀な成績を収める隊員も多いという。
更には第一空挺団のように落下傘降下も行うためその資格も取得、ザイルを使った懸垂下降、潜水や山岳救助など
あらゆる場面を想定して訓練を行うため彼らは地味ながらも屈強な精鋭たちである。




ビーッビーッビーッ


冥殿「wiki籠もり諸君、スクランブルだ。
現在アニヲタwiki内に荒らしが出現している。多数の項目が被害にあっている模様。
直ちに発進し、荒らしを撃退せよ。
また、荒らされた項目の復旧も行え。


wiki籠もり隊、出撃!」


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  • F16はないんだっけ? -- 名無しさん (2013-12-30 14:11:47)
  • どこの国に事を言ってるのかは知らんが少なくとも日本にF-16は存在しないぞ -- 名無しさん (2014-12-06 20:57:59)
  • 海・空問わずちょっかいを掛けてくる近隣大国に即座に牽制をかけ、日々の暮らしを守ってくれてる隊員たちに感謝! -- 名無しさん (2014-12-06 21:12:49)
  • もしかしてスクランブル2000回のコーラサワーって無茶苦茶凄い・・・? -- 名無しさん (2014-12-06 21:17:42)
  • ↑あいつはマイスターやイノベイド、人外(グラハム・サーシェス)除けば最強に近いよ。てか年齢的に恐ろしい頻度で飛んでたんだな -- 名無しさん (2014-12-06 21:36:44)
  • 「千歳第一航空団スクランブル」からのギドラとの空中戦は胸熱 -- 名無しさん (2019-08-18 22:25:23)
  • ↑3 めっちゃ、人革連やユニオンから領空侵犯寸前受けてたんだろうなぁ。コーラご愁傷様(´・ω・`) -- 名無しさん (2020-06-04 15:35:52)

#comment

*1 F-4は胴体4か所あるうちの機体後部2か所に装備し、F-15は同様に4か所あるうちの左側2か所に装備、F-2は胴体に装備できないため主翼に左右に1発ずつ装備していることが多い、また滞空時間を考慮し増槽も2~3個装備が普通である
*2 現在航空自衛隊では1つの基地に極力同じ機種を配備しており、これに該当しないのは1つしか実働部隊がいない百里基地・新田原基地くらいである
*3 1987年12月9日ソ連軍のTu-16が沖縄上空を通過した事件、なおこの実射をおこなったパイロットはその後F-15に機種転換したが訓練中の空中衝突事故により殉職している
*4 通常滑走路端で離陸前の最終チェックで駐機し滑走路上では管制指示を受けて離陸する手順を省略し、滑走路までノンストップで入ったらそのまま離陸すること

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