ラタの舟

ページ名:ラタの舟

登録日:2011/06/03(金) 10:35:11
更新日:2023/09/29 Fri 13:17:15NEW!
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神話 アニヲタ昔ばなし ニュージーランド 伝説 ラタの舟 マオリ トタラ



『ラタの舟』とはニュージーランドの先住民マオリ族に伝わる伝説。




昔々、ラタという男がいた。



ラタ「戦に使う大型のカヌーを作りてーな。いい木ねーかな」


彼は森を歩き回り、ちょうどよさ気なトタラの大木を見つけた。


ラタ「……ふぅ。なんとか切り倒せた。作るのは明日だな」


ところが翌日。
切り倒したはずの木は、何事もなかったように、もとの場所にそびえていた。


ラタ「何これこわい。でもカヌー作らないと」


気味悪く思いながらももう一度その木を切り倒した。


さらに翌日。
木はまたもとの場所に立っていた。


ラタ「キツネにつままれたのかなぁ」


さらにもう一度木を切り倒し、今度はそのままカヌーを作るために削り始めた。
けれど途中で日が暮れてしまったので、作業を中断して家に帰った。


しかしラタは木のことが木になり、夜になってから森に戻ってみることにした。


こっそり現場に近づくと…




小鳥や虫たちが、切り屑を集め、その木を元通りにしていた。



ラタ「ごめんねトタラちゃん、俺が悪かった! もう二度と切り倒したりはしないから!」


と、倒れたトタラを抱きしめて謝った。
木を抱きしめて謝った。
大事なことなので(ry


すると、どこからともなく「いいんだよ」という声が聞こえた。


「切り倒してもいいけど、その時には前もって森の神様に許しを乞わないといけないよ」


声の聞こえてきた方を振り返ると、そこには完成した大きなカヌーが地面に横たわり、ラタを待っていた。



■トタラ


ニュージーランド原産のポドカルプス属(日本の表示ではイヌマキ属)の高木で、高さ30メートルくらいになる木。
トタラのシンボルは『尊重』


ニュージーランドのノースアイランドにあるプリオラ森林保護区には【ポウアカニの木】と呼ばれる現存する最古のトタラの木があり、
高さ約55メートル、樹齢はおよそ1800年と推定されている。


マオリ族の伝説によれば、トタラの霊とマオリ族は共通の先祖を持ち、その先祖は人間でありかつ神聖な木とされている。
(したがって、もしトタラの木を切り倒す必要がある時は、森のネ申から許可を得なくてはならない)


マオリ族は、式典のための彫刻物、カヌー、住居などを、昔からこの木で作ってきた。
そのために切り倒す木は何年も前に選ばれ、一本一本に名前がつけられるという。
19世紀にヨーロッパ人の製材会社が乱伐したため、トタラの森は壊滅状態になった。
1978年、ニュージーランドの環境保護団体による一連の樹上抵抗運動は、トタラの木を守る「プリオラ森林保護区」の制定に大きく貢献した。








追記・修正は森の神様に許しを乞うてからお願いします


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  • やさしい世界 -- 名無しさん (2021-01-15 13:42:57)
  • ヲタかと思った -- 名無しさん (2022-01-03 23:30:44)
  • 必要だから消費するのは構わないけど使わせてもらってる以上は自然には敬意を払えってことか…環境問題が深刻な現代人としては耳の痛い話ですな。 -- 名無しさん (2022-01-03 23:40:28)
  • なんで「森のネ申」になってる? -- 名無しさん (2022-01-04 00:01:47)

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