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更新日:2024/05/16 Thu 12:50:02NEW!
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魔
魔化魍とは、『仮面ライダー響鬼』に登場する怪物――他のシリーズ作で言うところの怪人の総称である。
●目次
【概要】
一定の気象条件下において発生する、姿を持った自然災害とでも言うべき存在。
大昔から人類を脅かす存在として猛威を振るい、目撃者によって化け物、妖怪として語り継がれてきた。
基本的には巨大な怪物だが、夏場には夏の魔化魍と呼ばれる等身大の怪物が発生するようになる。
両者に共通するのは音撃と呼ばれる方法以外では退治できないこと、人間を捕食して成長すること。
基本的には無から生まれるのだが、生物の肉体をベースに誕生するモノも存在する。
その発生メカニズムは未だ不明な点が多いものの、特定の条件下で発生という性質上、年間を通してそんなに現れることはない。
だが『響鬼』の舞台となった2005年は、全国規模で魔化魍の発生が増加するという異常事態が起きていた。
なお、各魔化魍の名称はカタカナで表記される。
これは民俗学における学術用語は全てカタカナで表記するというお約束があるため*1。
もし地元の民俗資料館へ行く機会があるなら、展示物の解説文をよく見てほしい。
余談だが、『仮面ライダーウィザード』では同じコンセプトで作られたファントムが登場した。響鬼とウィザードは脚本が響鬼前半と同じきだつよし氏が担当しており、怪人は伝承にある怪物をモチーフにしているという共通点がある。魔化魍とファントムはライダーの持つ力でしか倒せないのも共通する。
【魔化魍という名称について】
そもそも「魔化魍」とはどういう意味なのか。
字面をそのまま解釈すれば「魍が魔に化ける」という意味になる。では「魍」とは何を指すかお分かりだろうか。
「魑魅魍魎」という単語を目にしたことはないだろうか。ライダーシリーズなら我らが753の名言で聞いたことがあるだろう。
雑な説明で申し訳ないが、「魑魅」は山中に生じる精霊、「魍魎」は水辺に生じる精霊だと思っていただければいい。
「魑魅魍魎」と二つの単語を合わせることで、山川木石=森羅万象を表す言葉となる。ただ、「魍」のみでスダマ=森羅万象の精を指す場合もある。
「スダマ」というのはそれ自体は無害なのだが、周囲の影響を受けて聖にも邪にも変わってしまうという不確定性を持っている。
すなわち魔化魍とは自然の精霊が魔に変化したという事象を指す、そのものズバリな名称であると言える*2。
なお、当時のテレビ朝日公式サイトでも、魔化魍の説明として「自然の世界には我々が知らないメタモルフォーゼ(変化)の力がある」という一文が用いられていた。
では何故他の作品のように「妖怪」という呼称を使わなかったのか。
これは推測だが、魔化魍が太古の昔より出現しているという設定にあると思われる。
実は「妖怪」という単語が化け物を指して使われるようになったのは江戸時代からであり、それ以前は怪現象そのものを指す言葉だった。
更に言うなら江戸時代における妖怪とは、どちらかと言えば「黄表紙(現代のマンガに当たる、子供向けに書かれた文より絵が中心の読み物)に登場するキャラクターを指す言葉」だった。
我々が妖怪と聞いて日本各地の伝承に登場する化け物を連想するようになったのは、水木しげるが『ゲゲゲの鬼太郎』を発表して以降である。
以上の点を踏まえて、制作側は「妖怪」ではなく「魔化魍」という造語を用いたのだと考えられる。
【魔化魍の造形について】
魔化魍の造形は、実在する二種類の動植物を合成したキメラとでも言うべきもの、または一種類の動物をそのまま巨大化させたようなものに分けられる。
モチーフとして選ばれているのは現実に伝わっている妖怪伝承や妖怪画に関係がある、または連想させる生物が中心となっている。
ただし30話以降は伝承や絵とは全く関係ないデザインの魔化魍が増えた。
当時の雑誌に掲載されたスタッフインタビューによると、29話までは作中に登場する魔化魍に合わせてデザインの指定が行われていたが、30話以降は好きにデザインしても構わなくなったためとのこと。
【魔化魍と妖怪伝承の関連について】
劇中では、上述のように魔化魍の目撃情報が妖怪伝承として各地に残っていると設定されている。
「え、魔化魍って人外の化け物じゃん。人の姿をした妖怪はどうするの?」と思われるかもしれない。
その矛盾を解消するべく、各魔化魍には童子・姫と呼ばれる一組の男女の育て親が付くようになっている。
例えばウブメという妖怪は「赤子を抱いた女性」として描写されることが多いが、劇中では「魔化魍の餌となる赤子を拉致した姫の目撃談」であるとされている。
こういった設定の数々は、各話の放送終了後に公式サイトに掲載されていた。
魔化魍は同じ種族でも発生した地域によって細部が異なるのが特徴。そのため劇中の魔化魍は全て「地名」+「種族名」で表記されている*3。
これは実際の伝承でも、地域によって同じ妖怪なのに細部が異なるという事例があるため。
一番有名なのは河童だろう。通常、河童は緑色で描かれることが多いが、岩手県遠野地方の河童は体色が赤いことで有名*4。
また、呼び名は違うけれど明らかに同じ妖怪の伝承が日本各地に残っている理由付けとしても機能している。
これまでの特撮番組では妖怪=毎週やられる怪人役以上の扱いを受けることはなく、それ故に実在する伝承をデザインや設定面にしっかり落とし込み妖怪と向き合っていた『響鬼』は妖怪ガチ勢・妖怪クラスタ・妖怪警察といった面々からの評価は高かった……のだが、造形の項でも触れた通り、30話以降は旧来の扱いに戻ってしまう。
30話以降のストーリー展開や演出に対して不満を抱いている人々が多い中で、このように妖怪の描写がおざなりになったことでショックを受けていたマイノリティな層も存在したという事実を、心の片隅にでも留めておいて頂けたら幸いである。
【魔化魍の発生条件について】
上述した通り、魔化魍は発生に一定の気象条件が必要とされている。
具体的に言うならば場所、温度、湿度、気圧の四つの条件が揃う必要がある。
実はこの設定、元ネタと思われるものが存在する。
1970年代、妖怪ブームの波に乗って様々な妖怪図鑑が発売された際、いくつかの書籍には「妖怪出現に必要な気温や気圧(妖怪指数)」が設定され、掲載されていたのだ。
現在流通している妖怪図鑑ではあまり見かけなくなったが、子供向け妖怪図鑑を執筆している村上健司は、当時の妖怪図鑑のオマージュとして自著の中に妖怪指数を記している場合がある。
なお、劇中では自然発生だけでなく、クグツと呼ばれる黒ずくめ(あるいは白ずくめ)の男女によって人為的に生み出されている描写が登場する。
魔化魍の発生件数が爆発的に増加した理由がこれ。
江戸時代の音撃戦士を描いた講談社キャラクター文庫刊の『小説 仮面ライダー響鬼』では魔化魍の成り立ちについて詳細に記述されている。
魔化魍は元々自然界の物質が不思議な力によって怪物に変じたもので、音撃の清めの音によって魔化魍の身体から邪気を取り除くと元の土塊に戻るという。
『響鬼』本編などで倒された魔化魍が爆散すると土塊や枯葉に変じるのはそうした理由による。
平安時代にはすでに魔化魍が京の都を脅かしていたらしく、時の朝廷は安倍晴明ら名うての陰陽師に魔化魍対策を命じたとのこと。
晴明達の尽力により鬼=音撃戦士への変身や音撃といった魔化魍への対抗手段が編み出され、やがて音撃戦士とその支援者の組織が形成され現代の”猛士”に繋がるのだがそれはまた別の話。
そのため魔化魍は本来本編のテングのように童子や姫を介さずとも自然発生するらしい。
ただし本編の大半の魔化魍は洋館の男女や彼らの生み出すクグツや童子、姫により人為的に生み出されたものである。
また前述の『小説 響鬼』に登場した魔化魍もその多くは悪しき忍者集団・伊賀血車党の手で陰陽道の系譜らしき術をもって生み出されている。
ちなみに放送当時、「毎年どの時期に出てくるかとか分かってんなら、最初から出てこないように対策しろよ」というツッコミが一部視聴者から出ていたことがある。
これは現実に置き換えるなら「過去のデータの蓄積とかがあるなら、台風や地震が最初から起きないようにしろよ」と言っているようなものである。
これが如何に困難なことかは、2005年以降に大きな自然災害を幾つも経験してきた今の日本人なら充分に理解できることと思う。
前にも述べたように魔化魍は森羅万象の化身、実体化した大自然の脅威そのものである。
人類が気象を100%コントロールできるようにならない限り、魔化魍の発生を事前に阻止することは難しいだろう。
【魔化魍と音撃について】
魔化魍は音撃戦士(劇中での呼称は「鬼」)が音撃武器を用いて奏でる清めの音によってのみ退治することが可能。
大爆発を起こした後、その肉片は土塊や枯葉へと変わり大地へと降り注ぐ。つまり文字通り土に還る、本来の自然のサイクルへと戻るわけである。
ただし夏の魔化魍に関しては肉体の一部が分裂・増殖して新たな個体を生むという特性を持つため、音撃管による銃撃、音撃弦による斬撃や刺突は体液や肉片から魔化魍を増やしてしまう場合がある。
そのため夏の魔化魍の退治には、本来音撃鼓を専門としていない鬼でも音撃鼓を体表に貼り付けて清めの音を叩き込むという方法が用いられている。
何故音が用いられるのか疑問に思われるかもしれないが、古来より音には邪気を祓う力があるとして、洋の東西を問わず用いられてきた歴史がある。
歌舞音曲も元を辿ればそういった理由で奏でられてきたものであり、たとえ楽器が無くとも弓の弦を指で弾いて音を鳴らすだけで邪気を祓う効果があった。
また、広義の意味では声もまた音であり、力ある言葉を口にすることで魔を祓う「パワーワード」「言霊」という概念も昔から日本には存在する。
装甲響鬼が自分自身の声を武器に戦う理由はそこにあるのだろう。
しかしながら、ディケイドのようにその世界の理が通用しないキャラクターに関してはこの限りではなく、音撃を用いずに魔化魍を倒している。
まぁ封印するしか術のないアンデッドを爆殺するような奴だし、そりゃ魔化魍を清めの音使わないで土に還せるわな。
また、終盤のオロチ現象によって大量発生した魔化魍も、音撃以外の攻撃を受けて退治される描写がある。
【登場魔化魍】
劇中にて登場、または言及された魔化魍
◆ツチグモ
発生地:屋久島、榧ノ木
土蜘蛛。
記念すべき最初の魔化魍であり、仮面ライダーシリーズ初回恒例となる蜘蛛モチーフの敵。
粘着性の糸で罠を張り、獲物となる女性や子供を狩る。
頭胸部が虎のようになった巨大な蜘蛛という外見で、実際に虎に似た咆哮を上げる。
これは伝承に残るツチグモが虎の体に蜘蛛の脚、獣の顔を持った怪物という姿で絵巻に残されているため。
『平家物語』と『土蜘蛛草紙』ではそれぞれ僧侶や女性の姿で現れたとの記述があるが、これらは劇中では童子と姫の目撃談だと設定されている。
榧ノ木山で発生した個体は、洋館の男女の実験によってヨロイツチグモと呼ばれる姿へと進化を遂げており、名前の通り体や脚が黒い装甲に覆われ、凶暴性が増している。
体表の装甲によって音撃への耐性も上がっており、威吹鬼・轟鬼・鋭鬼が一斉に叩き込んだ音撃にさえ耐え抜いている。
余談だが、童子と姫の体液が白いという演出は、この土蜘蛛の伝承にある、怪物の化けた人間が白い血を流したという描写から来ていると思われる。
◆ヤマビコ
発生地:奥多摩、小菅
山彦、または空谷響、幽谷響とも。
巨大な霊長類を思わせる姿の魔化魍。背中には小さな鳥の羽がある。
毒気を含んだ咆哮を放つ。劇中の設定では、野生の猿が変異した可能性が示唆されている。
地域によってはアマノジャク(天邪鬼)、ヤマンバ(山姥)といった妖怪との関連が語られているが、これらは本作では童子と姫の目撃談だと設定されている。
背中に羽があるという造形は、鳥取県ではヤマビコをヨブコドリ(呼子鳥)という鳥の妖怪として伝承していたため。
奥多摩の個体は体毛で顔が隠れていたが、小菅の個体は顔が露出しており、言われてみれば尖った鼻が鳥の嘴のように見えなくもない。だからと言ってあの外見で鳥と認識するのは無理があるような気がしないでもない。
ちなみに現存する山彦の絵は長い耳を持った犬のような姿で描かれているが、これは同じく山中に棲むとされるヤマコという猿の妖怪の絵を参考に描かれたのではないかと、妖怪研究家の多田克己は著書で述べている。
◆バケガニ
発生地:房総、日光、大洗、葛野、三浦、佐野、他多数
化蟹。
巨大なカニの姿をした魔化魍。海と河川、そのどちらにも発生する。
海のバケガニは溶解泡を噴出するフジツボが体表に群生しており、これで獲物の肉を溶かして残った骨を食う。川のバケガニはフジツボが無い代わりに鋏の威力が上がっている。
実際の伝承では廃寺に出現し問答を仕掛けてくる怪僧の正体とされることが多いが、本作では童子と姫の目撃談だと設定されている。
劇中、洋館の男女の実験過程で大量に生み出されたため、『響鬼』を代表する魔化魍という印象が強い。
『仮面ライダーディケイド』の響鬼の世界では、従来の個体より巨大かつ複数の腕を持ったバケガニ変異体が封印を解かれるという形で出現している。
◆イッタンモメン
発生地:奥久慈、高萩、館林、日高
一反木綿。
巨大なマンタとツバメを合成したような姿の魔化魍。幼体は水中で暮らし、成長すると飛行能力を得て人間を襲い、体液を吸い尽くして殺す。
伝承では人間に巻き付いて殺すとされるが、これは童子と姫が布状に変化させた脚を伸ばして攻撃するという描写で表現されている。
本来は鹿児島県のローカル妖怪だが、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場したことで全国区の知名度を得た。
似たような事例としてフスマ(衾)やフトンカブセ(布団かぶせ)という妖怪伝承が新潟県や愛知県に残っているが、横幅が広い造形はこれらを意識してのものだろうか。
実はこの妖怪、伝承のみで絵が残されていない*5。我々がよく知る一反木綿の姿は水木しげるの創作である。
上述の通りエイがモチーフなので水棲と設定されているのだろうが、実際の伝承では特に水辺に出現すると言った記述は無い。
ただし、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する一反木綿は水を浴びると再生するという特性が与えられている。
◆オオアリ
発生地:藤岡、鳩山、本栖湖
大蟻。
その名の通り巨大な蟻の魔化魍。地下に潜み、強靭な顎と蟻酸で獲物を襲う。
その外骨格は響鬼さんの鬼棒術・烈火弾をも弾くほどの強度。
日本国内に蟻に纏わる妖怪の伝承は一切存在せず、『響鬼』オリジナルの創作妖怪と考えられる。
一方で『百鬼夜行絵巻』に描かれた木槌を持った黒い姿の妖怪は、一部では大蟻妖怪と解釈されており、博物学者の荒俣宏も監修した作品でその名称を用いているため、制作側がその説を参考にした可能性は否定できない。
なお、アンソロジストの東雅夫は、著書『響き交わす鬼』にて本来妖怪とは既存の生物を単純に巨大化させたものであるとして本作のオオアリのコンセプトを高く評価している。
◆オトロシ
発生地:秩父、東秩父
おとろし。別名「おどろおどろ」*6。
巨大なリクガメとサイを合成したような姿の魔化魍。岩のような甲羅の側面には不気味な目が付いている。
本来は百年に一度しか発生しないレアな魔化魍だが、劇中ではオロチ現象も含め二度発生した。
作家の藤沢衛彦は自著にて鳥居の上から落ちてきて不信心者を驚かすと紹介している*7が、劇中では驚かすどころか落石を装って自動車を潰し、ドライバーを捕食していた。
手足を甲羅に引っ込めた状態で、時速660キロという驚異的な速度で空を飛ぶことが可能。その際、黒煙を噴き出して体を覆うが、その姿は絵に残る長い黒髪を振り乱した巨大な獣の顔そのものである。
十四之巻では、乱れ童子抹殺のためにクグツによって童子と姫のみが大月に発生したこともある。
◆オオクビ
大首。
劇中未登場。九之巻、二十八之巻にて言及あり。
お歯黒を付けた巨大な女の顔が宙に浮かびニタリと嗤うというもの。ゆっくりしていってね!!!
発生に必要な気温・湿度・気圧が後述のウブメと似通っているのは、実際の伝承では産女と同じそぼ降る雨の夜に現れる女怪とされるからか。
実は当時発売されていた「TVプレイ」という玩具で遊べるテレビゲームには登場しており、*8そちらでの造形は腹部の模様が人の顔のように見える巨大な蜂というもの。
大型魔化魍の中でもかなり特殊で、自力で卵を産み、増殖が可能。
音速で空を飛び、大量にばら撒いた子を用いて獲物や敵に襲い掛かる。音撃打を再現したゲームなのに管担当の魔化魍を出してどうすんだとか言ってはいけない。
◆ヌリカベ
発生地:下野
塗壁。
巨大な二枚貝と蓑虫を合成したような姿の魔化魍。遠目からだと巨木のように見えなくもない。
普段は山中で樹木に擬態しており、貝殻状の胴体に獲物となる人間を挟み込んで捕食する。
劇中で響鬼さんがライダーキックを叩き込んだ相手。
伝承では足元を木の枝などで払うと消えるとされるが、劇中のヌリカベも幼体は下半身が弱点だと設定されている。
一反木綿同様、伝承のみで姿が伝わっていない妖怪。ところが2007年に川崎市市民ミュージアム学芸室長の湯本豪一により、『化物づくし絵巻』に描かれていた三つ目の犬のような姿の妖怪が実は塗壁だったと発表されている。
もし発見が早ければ『響鬼』にもそちらの姿を参考にしたデザインで登場していたであろうことは想像に難くない。
実際、2015年の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では当デザインでの登場が実現している。
◆ウブメ
発生地:鎌西湖、浅間山、東秩父、日高
産女、または姑獲鳥、憂婦女鳥とも。
深海魚を彷彿とさせる巨大な魚に鳥の羽が生えた姿の魔化魍。幼体時は水中に潜み、人間の子供を食らって成長する。
鳥の妖怪なのにデザインは魚が主体なのは、伝承ではそぼ降る雨の夜に水辺に現れる女怪とされるからか。
劇中では幼体が乱れ童子に捕食される、ヤマアラシと相討ちになる、オロチ現象で大量発生するといった感じで、出番は多いものの音撃戦士とまともな状況下で戦ったことはない。
◆ヤマアラシ
発生地:足尾、浅間山
山荒。
ヤマアラシの棘を持った巨大な牛とでも言うべき姿の魔化魍。
前足は退化しており、後足のみで二足歩行して移動する。棘を打ち出して獲物を貫き捕食する。
尻尾で巻き取った裁鬼さんをお持ち帰りしていた姿が印象に残る。
伝承では山中にて木を伐り倒す音をさせる、いわゆる音の怪。和歌山県や広島県ではこの妖怪を牛が非常に恐れているらしい。
絵も残っているが、そちらには解説は一切なし。『百鬼夜行絵巻』には全身に棘が生えた奇怪な生物の姿で描かれているが、別の絵巻では全く同じ絵にのぶすまと注釈が付けられており、現時点の研究では何が正しいのかよく分かっていない。
◆オオナマズ
発生地:東雲、東秩父
大鯰。
チョウチンアンコウのような触角が生えた巨大な鯰の姿をした魔化魍。劇中において初めて都市部に発生した魔化魍でもある。
巨体に加え水の中から出ることができないため、人間の背丈とほぼ同じ大きさの胃袋を外部に放出して獲物を捕食する。そこから分泌される消化液は、ディスクアニマルや音撃戦士の胸部装甲をいとも簡単に溶かしてみせた。
ちなみに本体はいつもの地下神殿地下の排水施設で育てられていた。
伝承の通り地震を起こす能力を持っているようだが、劇中に登場した個体はまだ成長しきっていなかったためその能力を使うことはなかった。
オロチ現象の際は、東秩父に胃袋のみが出現している。
◆アミキリ
発生地:大洗、三浦
網剪。
巨大なエビに昆虫を思わせる翅が生えた姿の魔化魍。
劇中では長らく発生条件不明とされていたが、二十之巻にてバケガニの変異体であることが判明した。
伝承では寝室の蚊帳を家人の知らぬ間に切る妖怪だとされるが、劇中では童子・姫が蚊帳を切って中の人間を拉致すると設定されている。
響鬼さんとの決戦地は海岸だったが、これはやはり伝承にて漁師の網を切るとされているからか。
◆ナナシ
発生地:浅間山
名無し。
洋館の男女の実験によって、ウブメとヤマアラシが合成されて生まれた新種の魔化魍。合体魔化魍とも。
ウブメの特性を持っているため本来は飛行可能なのだが、生まれたばかりだったためか空を飛ぶことはなかった。
本来の担当者である管の鬼、弦の鬼両方の清めの音に対して耐性を持っているらしく、太鼓の鬼である響鬼さんが合流し共鳴音撃を用いたことでようやく退治できた。
なお、ナナシが正式名称であり後付けで名前が付けられるようなことはない。
小説家の京極夏彦は名前という「個」を与えられず記録されなかったモノこそが真の意味での妖怪であると持論を述べているが、つまりはそういうことなのだろう。
余談だが、ナナシとの決戦地は鬼押し出しと呼ばれる景勝地であり、すぐ傍には鬼押ハイウェーが通っている。
ここまで本作にピッタリのロケ地はないと言えるだろう。
◆ドロタボウ
発生地:旭村
泥田坊。
夏の魔化魍で、人型の泥に苗が生えたような姿をしている。
親と呼ばれる個体はタニシのような瘤を背面に持ち、そこから子のドロタボウを生み出す。
猛毒の泥を吐き出して獲物となる人間を溶かし、体組織が溶け込んだ泥を体に取り込んで栄養にする。
童子と姫がやけにフレンドリーな性格をしていたのが印象に残る。
数の暴力で襲い掛かるが、動作は緩慢なので落ち着いて対処すれば音撃戦士三人だけでも全滅させることは可能。
伝承では大事な田圃を子孫に売却された老人が死後妖怪化したモノとされるが、実は鳥山石燕の『画図百鬼捨遺』以外にこのような妖怪の伝承は存在しない*9。
そのため近年の研究では泥田坊は石燕の創作妖怪であるとされているが、それはそれで「泥田を棒で打つという諺のシャレ説」*10「人間の悪徳を擬人化した説」「当時の有名人、泥田坊夢成のパロディ説」「見立てを用いた吉原風俗擬人化説」が入り乱れており、今なお描かれた意図についてははっきりしていない。
◆カッパ
発生地:秩父、東秩父、館林、さいたま
河童。
夏の魔化魍で、亀*11とカエルを合成したような姿をしている。
口から吐き出す粘液で獲物を固め、動きを封じたまま川に引きずり込んで溺死させる。
親となる個体は体から抜けた首から子を増やす。抜けた首はすぐに新しいのが生えてくる。この方法でねずみ算式にどんどん増殖していくとのこと。
ちなみに実際の伝承では抜けるのは首ではなく腕*12。
ある理由からヒビキさんには嫌われている。オレダヨ、オレ
童子と姫は既に裁鬼さんに退治されていたため劇中未登場。
実際の伝承では河童も人間に化けるとされる地域があるので、仮に出てきていたらそのような解説が公式サイトに掲載されていたことだろう。
人間の尻子玉を抜くという伝承は、劇中では肛門から内臓を吸いだして食べていると設定されている。
劇中に登場した個体には頭部に皿が無かった*13が、設定上は皿を持つ個体も存在する模様。
ちなみに人ではなく野菜を食べる個体も存在するとのこと。
実際、『ディケイド』では胡瓜を食べていた。あれ、じゃああいつ無害だったんじゃ……。
◆バケガラス
化烏。
劇中未登場。二十六之巻にて言及あり。威吹鬼さんによって退治された模様。
オオアリ同様日本国内にカラスに纏わる妖怪の伝承は存在しないが、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』及び『悪魔くん』に同名の妖怪が登場する。
『ゲゲゲの鬼太郎』では、鬼太郎の仲間として普通の烏と同じ大きさのバケガラスが登場するが、『悪魔くん』の実写版では敵として航空機を墜落させるほどの巨大なバケガラスが登場した。
このバケガラスは「烏人」と呼ばれる人間形態で普段は活動しており、高い知能を持ち、拉致した人間を魔力で同族に変化させて仲間を増やしていた。アニメ版にもほぼ同じ設定で登場している。
◆バケネコ
発生地:猿橋、鳩山、館林、さいたま、狭山
化猫。
夏の魔化魍で、人型の猫。
親と呼ばれる個体は複数の尻尾を持った俗に言うネコマタ(猫又)で、尻尾が九本まで増えると千切れて子のバケネコを生み出す。
夜行性で昼間は家屋の中に潜み、夜になると獲物となる人間を襲っては生き血を啜る。
四十七之巻では、いくらオロチ現象によって発生したイレギュラーな個体とは言え、変身していないヒビキさん相手に二体掛かりで返り討ちに遭うという失態を演じている。
劇中でそんな扱いを受けた一方で、『ディケイド』以降のテレビシリーズ*14、ゲームの『バトライド・ウォー』、更には紅白歌合戦と外部出演の機会が非常に多く、バケガニとともに『響鬼』を代表する魔化魍となっている。
◆テング
発生地:下久保、三浦、さいたま、佐野
天狗。
夏の魔化魍で、霊長類と鳥類を合成したような姿をしている。
設定上、ヤマビコ同様に猿が変異した可能性が示唆されているが、それとは別に人間が変異した可能性についても触れられている。
オオクビとは逆に夏の魔化魍ながら分裂・増殖を行わないが、その代わりに高い戦闘能力を有しており、タイマンならば音撃戦士相手にも圧勝するだけの力を持つ。
そんな特殊性ゆえか、昔から自然発生する個体が殆どで、クグツ産の報告件数は非常に少ないと言われている。
劇中に登場したのは鳥のような顔を持ったカラステング(烏天狗)と呼ばれる種類だが、鼻の高いテングも設定上は存在しているとのこと。
ちなみに伝承では、日本各地の霊山にはオオテング(大天狗)と呼ばれる格上の天狗が存在し、中には八大天狗と呼ばれ畏敬の対象とされた存在も伝わっている。
もし『響鬼』の世界にもそんなヤバめの個体が存在するのだとしたら、妄想が捗ると言わざるを得ない。
余談になるが、ロケ地となったダム周辺は当時鬼石町と呼ばれていた*15。
これまた本作のロケ地としてぴったりの名前である。
◆カシャ
発生地:四谷、さいたま
火車。
浅間山のナナシの実験を基に誕生した合体魔化魍第二弾。ただし劇中でそれに関する説明は一切ない。
姿は人型のキツネ。合成の際、霊的な力を発揮する呪具や梵字が体に移植されており、従来の夏の魔化魍とは一線を画す能力を持つ。
この姿を見て衝撃を受けた妖怪ガチ勢多数。と言うのも、火車が猫の妖怪だというのはガチ勢にとって常識だからである*16。
設定上、カシャとワニュウドウ(輪入道)の合体魔化魍であり、劇中でも炎の輪となって走り回る能力を披露した。
ちなみに輪入道の伝承の方にも、狐に関連するエピソードや連想させる要素は皆無である。
別地域の呼び名であるカタワグルマ(片輪車)にもそのような要素は微塵もない。
四十五之巻にも登場。洋館の男女の差し金かと思いきや、公式でオロチ現象によって発生した個体と説明されている。
人為的に造られた合成魔化魍という話だったはずだが……?
◆カマイタチ
発生地:奥多摩
鎌鼬、または窮奇。
巨大なイタチの姿の魔化魍。やはり洋館の男女の手によって呪具や梵字が合成されパワーアップしている。
自らの体を旋風と化して高速移動し、攻撃の際には竜巻を放つ。
日本各地に伝わる悪い風の伝承の中でも特に有名な妖怪。転じて旋風そのものを指す言葉でもある。
三匹一組の妖怪として表されることが多い*17が、この魔化魍は西洋のケルベロスのような三つ首の姿で造形されている。
公式の解説では三体に分離・合体する能力が示唆されているが、合成の影響で新たな力と引き換えに分離機能をオミットされたのだろうか。
◆ウワン
発生地:港区、三浦、館林、さいたま
うわん。
夏の魔化魍で、人型のセミ。幼虫と成虫とで外見や能力が異なり、幼虫は地中移動能力を、成虫は飛行能力を持つ。
呪具と梵字の合成により、幼虫と成虫両方の特性である大声による威嚇を、超音波に変えて攻撃に用いている。
この大声という特性、妖怪図鑑などに記載されているうわんの特徴として有名なのだが、実はおとろしと同じで残された絵には妖怪に関する説明は一切記されていない。
うわんに関する伝承は、これまた上述した藤沢衛彦の本が初出であり、その解説を水木しげるが自著に転用、それらを参考に山田野理夫が実際の伝承という体で創作エピソードを発表……という形で広まったとするのが研究者の見解となっている。
ちなみにウワンも呪具や梵字を埋め込まれた状態で、オロチ現象の際に大量発生している。本当にオロチ現象とは何なのか……。
劇中の登場人物たちはオロチ現象のことを「魔化魍が季節に関係なく大量発生する現象」だと認識しているようだが、ひょっとしたら『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる「ブリガドーン現象」*18のようなものと解釈するべきなのかもしれない。
◆ノツゴ
発生地:長瀞
のつご。別名「のづこ」。
十年に一度発生するとされる、巨大なサソリにクワガタムシの顎を持った姿の魔化魍。
普段は地中に潜み、糸を吐いて獲物を絡めとるほか、顎と尻尾の針による高い攻撃力、堅牢な外骨格を併せ持つ。
実際ののつごは四国のローカル妖怪。伝承では地域によって泣き声を上げる音の怪だったり、人の足元に纏わりつく道の怪だったりとまちまち。
共通しているのは伝承のみで姿が存在しないという点。*19
ただし四国では牛馬の死霊として塚が築かれていることもある。
◆ヨブコ
発生地:東筑波、さいたま、佐野
呼子。
人型をベースにワニと大蛇を合成し、更にコウモリの羽を加えた姿をした夏の魔化魍。捕らえた獲物を洞窟などの棲家に吊るし、搾り取った体液を啜る。
東筑波に現れた個体は、呪具と梵字の合成により高い戦闘能力を得たのに加え、左肩の蛇の口から放つ「隔壁音波」によって清めの音を無効化したり、装甲響鬼への強化変身を妨害するという対策が施されている。
ナナシ戦で使われた共鳴音撃さえも無効化し、猛威を振るった。
が、この音波は常に垂れ流しているのではなく一定の周期で発生しており、そこを見破られて敗北を喫した。
後に登場する個体は隔壁音波発生器官*20がオミットされており、野生個体であることが判りやすい。梵字はそのままだが。
前述の通り呼子とは山彦の別称であるが、この魔化魍が出現してしまったことで『響鬼』世界にはヤマビコとヨブコが別個に存在していることになってしまった。
言うまでもなく、ヤマビコの鳥要素は完全に意味を失ってしまっている。
なお、後述する古文書にはヨブコについても記載されているのだが、漢字表記は呼蠱だった。
読みが同じというだけであくまでも『響鬼』オリジナルの創作妖怪だとするのが制作側の見解なのだろうか。
なお、公式サイトではバッチリヤマビコとの関連が説明されていた。
◆コダマ
木霊、または木魂、木魅とも。
オロチ現象の前兆として出現する異空間「コダマの森」の主。本体は森の奥に鎮座する巨木であり、人型の分身を生み出して外敵を排除する。
山で大声を出した際の反響を妖怪化した存在という意味では山彦や呼子と同じなのだが、伝承では樹木の精霊それ自体を指すこともあるので、この魔化魍に関してはヤマビコと同時に存在していても問題はないと言える。
なお、『画図百鬼夜行』では古木の化身と思しき男女が描かれているので、従来通り童子と姫が存在していればと思わざるを得ない。
ちなみにオロチ現象の際には、分身のみが発生している。
◆カエングモ
発生地:長瀞
ツチグモの亜種で、その名の通り火を吐いて攻撃する。
実は奈良県には、数百もの蜘蛛が集まって火を噴くとされる蜘蛛火という怪火の伝承が残っている。
が、公式サイトでもツチグモの亜種以外の情報はなく、これが意図したものなのか偶然の一致なのかは不明。
◆サトリ
発生地:東松山
覚。
サイズ的に夏の魔化魍。造形は人型の山犬*21。洋館の男女の強化を受けて武装している。
また、伝承通り相手の思考を読むことが可能だが、通常の個体がこの能力を危機回避に用いるのに対し、強化された個体は攻撃に転用していると設定されている。
実際の伝承や絵では等身大の猿と表現されており、従来通りならばそれは童子や姫の目撃談なのだろう。
ではサトリの造形が四足獣なのは何か理由があるのだろうか。
なんと「山村民俗の会」という研究機関の報告によると、さとりの怪と同じ特性を持つと伝承される獣の話が国内にあったのだ。
だが残念なことに、伝承にて語られているのはオオカミとは似ても似つかないオコジョだったが*22。
◆ロクロクビ
発生地:東松山
轆轤首。別名「飛頭蛮」。
巨大なムカデの胴体にシュモクザメの頭を持った魔化魍。
設定ではオオムカデ(大百足)との合体魔化魍。ということはロクロクビの部分はサメということになるのだが……。
まず前提条件として、轆轤首とは人間の首が伸びる、または胴体から離れて空を飛ぶ妖怪である。
ムカデの胴体を長い首に見立てたいのであれば、最初からオオムカデとの合成と設定しなければいいのに何故そうしたのかは不明。
もしかしたら、本来は別のニョロニョロした生き物が首のパーツになっており、そこをオオムカデと組み替えたのかもしれない。
サメ要素については、轆轤首もその元ネタである大陸のヒトウバン(飛頭蛮)も海どころか水辺とは一切関係がない。
類話を探せば東南アジアの海洋民族の伝承まで辿ることが可能だが、そこまで行くとただのこじつけになってしまう。
ちなみに岐阜県には轆轤首はヘビが化けたモノという話が残っている。
劇場版に登場した魔化魍
◆ヒトツミ
戦国時代に魔化魍が徒党を組んだ集団「血狂魔党」に食客として招かれた等身大魔化魍。
元々『響鬼』が『変身忍者 嵐』のリメイクとして企画されていたことを踏まえてか、『嵐』の敵組織・血車党の首魁である血車魔神斎そっくりの造形となっている。
人語を解し、自ら話すことも可能。どうも当初の設定では童子と姫が合体して生まれた怪人になる予定だったらしいので、その名残か。
なお、設定上はフタクチオンナ(二口女)の伝承の元になった魔化魍だとされる。
そのためか、喉に第二の顔が隠されていると設定されており、普段は町娘に化けて人里に潜伏している。
元ネタの魔神斎は明らかに髑髏を意識した造形なのだが、二口女ではなくキョウコツ(狂骨)やガシャドクロ(がしゃ髑髏)*23のような分かりやすい髑髏モチーフの妖怪を何故採用しなかったのかは不明*24。
『HERO SAGA』の響鬼編「MASKED RIDER HIBIKI EDITION -SEVEN OGRES-」では男女二つの魂が一つ身に宿っていることからヒトツミと呼ばれると説明されている。
◆火焔大将
血狂魔党に所属する等身大魔化魍。劇中では鎧武者の化け物の伝承元として設定されている。
その名の通り炎を吐き出す能力を持ち、手にした武器で近接戦闘もこなす。
実際の伝承ではこの魔化魍に該当する妖怪は存在しない。強いて挙げるならば『耳なし芳一』に出てくる平家の怨霊あたりか。
なお設定段階では邪骨大将という名前だったそうな。
おそらく血車党幹部の骸骨丸を意識したネーミングだと思われるのだが、そもそも骸骨丸は武者ではなく忍者であり、名前まで変更された結果完全に別人と化してしまっている。
◆魔化魍忍群
血狂魔党の下級構成員。バケギツネ(化狐)の伝承の元となった等身大魔化魍の集団。
赤い仮面の赤影紅狐、白い仮面の白狐の二種類が確認されている。
化狐=妖狐は厳格な階級制が敷かれているとされているので、その説を踏まえるならば魔化魍忍群は最も階級が低いとされるヤコ(野狐)と見るべきだろうか。
◆オロチ
大蛇。
巨大な蛇と獅子を合成した、龍の如き姿の魔化魍。
血狂魔党の支配者として君臨しており、童子と姫を使って他の魔化魍を束ね組織を作り、長年に亘って村々から人身御供を要求していた。
空を飛び、海を泳ぎ、強力な尻尾による一撃と火炎弾で敵と戦う。
大蛇に纏わる伝承は日本各地に存在し、美青年の姿に化けて娘を嫁に貰いに来たとか、美しい娘が沼に入って大蛇になったとか、パターンは様々。
TV本編にて発生したオロチ現象との関連は不明。
劇中登場の古文書に記述が見られる魔化魍
◆アカナメ
垢嘗。
詳細は不明だが、伝承では深夜の風呂場に現れるとされる子供の妖怪。その名の通り風呂桶にこびりついた垢を舐める。
『響鬼』劇中に出てくるとすれば、実在する絵から判断するに人型の爬虫類や両生類のような姿をした魔化魍だったのではないだろうか。
◆アザフセ
字伏。
古文書に描かれていた姿を見るに、海に発生した魚の魔化魍。
この名前を見てピンと来た人も多いと思うが、『うしおととら』に登場する創作妖怪の名前である。
デザインこそ異なっているが、スタッフのお遊びと見て間違いないだろう。
ちなみに、実際の伝承だとイクチやイソナデ(磯撫)といったモノが海に現れる魚に似た姿の妖怪*25だと言われている。
◆ライギョ
雷魚。
水中に潜み人を襲っていたとされる巨大魚の魔化魍。
名前からしてオオアリと同じ、実在の雷魚を大型化したような魔化魍と考えられる。
なお、仮面ライダーシリーズで雷魚モチーフの怪人と言えば『仮面ライダースーパー1』のライギョンが真っ先に思い浮かぶ人も多いことだろう。
ライギョンは体内に別の怪人が寄生していたが、この魔化魍も内部に別の魔化魍が潜んでいたらと考えると……。それだけで一本エピソードが作れそうである。
◆翔蠱
読み不明。そのまま読むなら「ショウコ」なのだが……。
ちなみに姿も不明。字面からして管担当の魔化魍だと思われる。
言うまでもないことだが翔蠱という名前の妖怪伝承は存在しない。
万が一のこともあるので国際日本文化研究センターの「怪異・妖怪伝承データベース」で検索してみたが未ヒットだった。
◆キュウビ
九尾。
巨大な狐と節足動物を合成したような姿の魔化魍。九本ある尻尾の先端は顔のようになっており、それぞれが意思を持っているらしい。
この魔化魍の頁が映ったのが劇場版であることを考えると、当初はオロチではなくキュウビが血狂魔党の支配者の予定だったのかもしれない。
もしそうだとすれば魔化魍忍群が化狐だったことにも説明がつくのだが。
その他媒体に登場した魔化魍
◆オオニュウドウ
大入道。
ノベライズ『仮面ライダー響鬼 明日への指針』に登場する大型魔化魍。
この魔化魍との戦いで響鬼さんの音撃棒が破損してしまい、素材となる新たな霊木を求めて屋久島に旅立ったとされている。
実際、オオニュウドウの体躯は、鬼と比べても数倍の大きさがあった。
(中略)
全身が鋼のような鈍色の筋肉に覆われている。髪は長いざんばら、エラの張り出した四角い顎。目は髪の奥に隠れて見えないものの、時折開く口腔内からは、石臼のような臼歯が覗いている。真冬だというのに、その肉体は何も身に纏っていない。(『仮面ライダー響鬼 明日への指針』8頁より抜粋)
以上の作中での描写から、ヤマビコ同様に人型をしていることが窺える。
ただしモチーフとなった動物は不明。アミキリのように、ヤマビコの突然変異の可能性が高い。
なお東北各地に残る伝承では、その正体は年を経た大きなカワウソやイタチだったとされている。
カワウソは近年、食事中の顔が異常に怖いとして話題になっているのだが、実際に夜道で出くわしたらマジでヤバいと思う。語彙力がすっ飛ぶレベルでヤバい。
ちなみに宮城県の伝承によると、仙台城下に天を衝くほどの大入道が出現したと伝わっているが、それを退治したのはなんとあの伊達政宗である。レッツパーリィ!の方ならやりかねないが……。
◆ヤマタノオロチ
八岐大蛇、または八俣遠呂智。
『HERO SAGA』の響鬼編「MASKED RIDER HIBIKI EDITION -SEVEN OGRES-」に登場する巨大魔化魍。上記オロチはこの魔化魍の一部であったとされ、事実その頭部は神話と異なり七つしかない。
そのうち六つの首が当時の音撃戦士たちによって退治されているが、一つだけ逃げ延びており、その最後に残った首が劇場版の現代パートに登場したオロチであることが示唆されている。
記紀神話に登場する幻獣だが、八つの谷、八つの峰に跨るほどの巨体とされており、完全に怪獣である。
洪水などの水害の暗喩とされる一方で、侵略により製鉄文化が支配下に入ったことの暗喩という説も唱えられている。
そう考えると、劇中で装甲声刃が初めて使われた相手がオロチだというのは理に適っていると言えるかもしれない。
◆牛鬼
ギュウキ。地域によってはウシオニとも。
『ディケイド』の響鬼の世界に登場。詳しくは該当項目を参照。
実際の伝承ではヌレオンナ(濡女)という別の妖怪と同時に出現する、あるいは牛鬼自身が青年の姿に化けるとされているので、従来の設定に基づくなら童子と姫の存在が不可欠なはずなのだが、如何せん『ディケイド』ではかなり特殊な出自を持つので……。
◆蝕鬼
ショッキ。
『小説 仮面ライダー響鬼』に登場。同作の黒幕にしてラスボスに当たるキャラ。
伊賀忍者の頭領である三代目服部半蔵が変身した、『変身忍者 嵐』に登場する化身忍者の技術と鬼のハイブリッドとでも呼ぶべき存在。
両者の力が融合しているため、化身忍者の力と鬼の音撃を組み合わせることでのみ撃破することができる。
太平の世が訪れたことで行き場を失くした忍びの者達のために、再び世を乱すべく凶行に及んだ。
日本刀を打ち鳴らして発生させた振動によって変身し、その際は体が黒い炎で包み込まれる。
当初はカラスのような黒い羽で覆われた鬼の姿をしており、変身前から所有している刀を武器とする。
また、体を覆う黒い羽を飛ばす「忍法・黒羽の舞」や、刀から発した音波で対象をズタズタにする「音撃殺法・かまいたち」という技を持つ。
響鬼と嵐の同時攻撃によって大ダメージを負うも、黒い木の実を体内に取り込んだことで巨大魔化魍へと変貌を遂げた。
この状態では体から噴き出す毒によって周囲のあらゆるものを蝕み、焼き尽くし、腐らせる。
名前の由来は言うまでもなく、仮面ライダーとは切っても切れぬ因縁を持ち、小説の締めでもその存在が言及される「あの組織」。
余談だが、『変身忍者 嵐』では21話から日本征服を目論む西洋妖怪の集団が登場している。
チョイスされていたのはドラキュラなどのホラー映画で有名になったモンスターや、当時人気だった子供向け妖怪図鑑の作者である佐藤有文の創作妖怪が多い。
造形に関しては原典通りなものもあれば、中にはグール*26のようにパラボラアンテナに足が生えたような姿をしているという攻めた造形も。
一方でフランケンの登場回にせむし男が登場するなど、原典へのオマージュが見受けられる箇所も存在している。
【関連】
- 童子と姫
演(童子):村田充
演(姫):芦名星
魔化魍を育てる役目を負った存在。
必ずつがいで行動し、種類ごとに別々のコンビが存在する。
見た目は人間の男女であるが、童子は女性(姫役の芦名星)の、姫は男性(童子役の村田充)の声で喋るという特徴がある。
人外のモノとしての不気味さを表す演出だと考えられる*27が、小説家の加門七海は「魔化魍の親=大自然を構成する陰陽二元論の象徴ではないか」という仮説をブログにて述べていた。
戦闘時にはそれぞれ怪童子、妖姫という怪人態に変身する。ただし、魔化魍そのものではないため、音撃でない普通の攻撃でも倒すことができる。
「メインの怪人(怪物)の前座・取り巻き」と言う意味では、響鬼における戦闘員的なポジションにいるとも言える。
装甲と化した皮膚を持つ武者童子、鎧姫や、イレギュラー的な存在である乱れ童子といった個体も実験の過程で生み出されている。
後半では立て続けに強化魔化魍が倒されたことを受け、後述の「洋館の男女」が自身の髪を媒体に作り出したスーパー童子とスーパー姫が登場。名前もうちょっとどうにかならなかったのか。
こちらは全ての魔化魍を育てることが可能で、声は逆転しておらず戦闘力も素で高い。
- クグツ
「洋館の男女」が生み出す傀儡。
「黒クグツ」と「白クグツ」の二種類があり、黒は大型魔化魍、白は夏の魔化魍に対応する童子と姫を生み出す。
ヨロイツチグモのように、クグツが直接魔化魍を生み出すケースも存在する。
三十二之巻でスーパー童子とスーパー姫が生み出されたことで用済みとなり、「人員整理」と称して全て破壊された。
終盤の描写からすると人間を素材に作られる模様。
- 洋館の男女
演:村田充、芦名星
クグツを使ってこれまでのパターンに当てはまらない魔化魍を生み出し、何らかの実験を続けている存在。
徹底して裏で動いていたが猛士たちは魔化魍のパターンの変化からうすうすその存在を勘付いていた。
音撃戦士の敵ではあるが、オロチ現象による滅びは困るらしく、鬼たちをサポートする姿勢を見せていた。
鬼たちは彼らを黒幕と見ていたが、実際には彼らもまた傀儡であり……。
- ???
最終回でいきなり現れた謎の男女コンビ。
洋館の男女を操る存在であり、服装から「海外における魔化魍のような存在を生み出している存在」と推測されている。
あるいは彼ら自身も傀儡であるという説もあるが、現在まで全く掘り下げられていないため正体は不明。
余談だが、男の方の服装が直近で公開された『チャーリーとチョコレート工場』にてジョニー・デップ演じるキャラクターとぱっと見そっくりだったため、当時の匿名掲示板などではチャーリーと呼ばれていた*28。
オニという種族の魔化魍といっても違和感がないアナザーライダー。
トドロキさんはツクヨミからアナザーライダーの存在を知らされるまで鬼が変化した魔化魍と思っていた*29。
【余談】
特撮ヲタクにして妖怪ガチ勢の東雅夫は、29話までの魔化魍の描写とそれに伴う作劇を高く評価しており、京極夏彦*30や加門七海といった賛同者を集めて国書刊行会*31から『響鬼探究』という本を発表している。
内容は論文、エッセイ、短編小説など様々。中でも目を引くのが造形家の天野行雄*32による、劇中未登場の魔化魍の造形化企画であろう。
妖怪図鑑風に八体の魔化魍がオリジナルの設定とともに紹介されており、うち一体はロクロクビに合成される前のオオムカデである。
ただしこの本、メインは論文やエッセイということもあってか東映の許諾を取っておらず、そのため魔化魍という造語は一切使わずあくまでもちょっと変わった妖怪図鑑という体を貫き通している。
紹介されている魔化魍には太鼓・管・弦のどの鬼が担当するかも設定されているのだが、造語が使えない関係上太鼓・笛・琵琶のいずれかの音を聴くと苦しむという白々しい解説が付与されている。
また東雅夫は30話以降の作劇に対するアンチ的見解も堂々と書籍に載せているため、『響鬼』という作品そのものが純粋に好きなファンは本を取る前に注意しよう*33。
以下、内訳。発生地はいずれも実際に伝承が残る場所。
◆西多摩のモモンジー
百々爺。
ムササビと鳥類を合成したような姿の魔化魍。字面だけで管担当の魔化魍であることは容易に想像がつく。
本来「ももんじい」とはモモンガを指す幼児語であり、そこからムササビの姿をした妖怪であるノブスマ(野衾)の異名とされるようになった。
その点を踏まえて、野衾の特徴である人間の顔に覆い被さって窒息させるという方法で捕食を行うと設定されており、このことから等身大サイズであることが窺える。
◆日光のオオムカデ
大百足。
巨大なムカデの魔化魍。
幼体の時点で成人男性の腰回り程の長さであると設定されている。
◆邑久のアオボウズ
青坊主。
単眼を持った青竹とカマキリを合成したような姿の魔化魍。
植物らしく種子を飛ばして自力で増殖できると設定されている。
動物ではなく植物がベースという、他の魔化魍とは異なる珍しい造形をしているが、これは長野県では植物に関係する妖怪として伝承されているためか。
余談になるが、水木しげるは『ゲゲゲの鬼太郎』にて青坊主の絵を見上げ入道という巨大化能力を持った妖怪のデザインに転用している。わざわざ成長の早い竹をモチーフに選んでいるのは果たして偶然なのだろうか。
◆有明湾のウミボウズ
海坊主。
クジラとタコを合成したような姿の魔化魍。船舶を襲い沈没させる程の巨体と設定されている。
タコ要素は、岡山県の伝承では海坊主はタコとされているからか。なお、同じく岡山では海坊主のことをヌラリヒョン(滑瓢)と呼んでいる。
◆神楽坂のブルブル
震々。別名「臆病神」または「ぞぞ神」とも。
電気ウナギに昆虫を思わせる三対の脚が生えた姿の魔化魍。その姿はウナギの稚魚や脱皮したばかりの昆虫のように半透明。
この妖怪に取り憑かれた者は震えが止まらなくなるという伝承を踏まえて、背後から人間に襲い掛かり電気を流して捕食すると設定されている。
◆二条河原のヌッペッポウ
ぬっぺっぽう。別名「ぬっぺふほふ」。
象とアザラシを合成したような姿の魔化魍。巨大な耳朶で全身を包み込み、肉の塊と化すことで高い防御力を誇るとされる。
伝承では巨大な肉塊の怪物とされており、かつて駿府城で徳川家康が遭遇したニクジン(肉人)との関連が研究者から指摘されている。
また、のっぺらぼうの一種と言われていることから、人間の顔面を好んで食べる魔化魍と設定されている。
◆対馬のヌレオンナ
濡女。
女性の髪のように見える海藻を体から生やしたクラゲの魔化魍。水辺に潜み、成体と幼体が協力して狩りを行うとされている。
上述した牛鬼とともに現れるという伝承を踏まえて、他の魔化魍を宿主として共生する寄生型の魔化魍と設定されており、地域によってはウシオニとともに現れると設定されている。
◆那須のハクメンキュウビ
白面九尾。
伝承の通りインド、中国でも猛威を振るったとされる伝説にして最強の魔化魍。
劇中の古文書に記載されていたものとは造形が大きく異なり、殺生石に転じたという伝説を踏まえて下半身が巨大な巻貝になっており、そこから毒を噴き出して周囲の生物を死に至らしめると設定されている。
なお、鳥山石燕は殺生石を玉藻前=九尾の狐とは別個にカウントしており、それぞれ『今昔画図続百鬼』と『今昔百鬼拾遺』に描いている。
この八体のオリジナル魔化魍はポストカード化され、アンケート葉書を送った読者に抽選で贈られている。
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▷ コメント欄
- 公式サイトの「変身の力」の例として「ふしぎな木の実を食べたら強くなった」ってのが載っていたが、それってもしかしてヘルヘイムの…… -- 名無しさん (2020-03-02 20:11:12)
- ↑時期的には悪魔の実? -- 名無しさん (2020-03-02 20:48:28)
- CG費用とか作風の違いとか背景はあるけど、前半のほうが他の怪人を一線を駕してて、毎週楽しみだった -- 名無しさん (2020-03-02 20:49:23)
- 姫と童子の声がアベコベになってる演出、子供心にめちゃくちゃ怖かった。今までの怪人って人間性があったかモンスターかだったけど、姫の童子の不自然な台詞とか怖いんだよな。ドロタボウとオオナマズはトラウマ -- 名無しさん (2020-03-02 21:43:56)
- 東方や鬼太郎たちだったら会話もなく戦闘だろうな -- 名無しさん (2020-03-02 22:09:50)
- 響鬼と言えばバケガニ -- 名無しさん (2020-03-02 23:07:19)
- 大ショッカーの一員となったヒトツミ、あるいは幹部と並んだヌリカベの武者童子、ショッカーの傘下となったバケガニの童子と妖姫....どの魔化魍が強豪で幹部っぽい怪人だろう....。 -- 名無しさん (2020-03-03 00:02:53)
- ディケイドみたいな後発作品の設定を別にしても、音撃戦士しか倒せないと言いながら「人員整理」みたいに魔化魍同士で殺したり捕食したりはできるっぽいんだよな。仮面ライダー的に考えるとむしろ音撃戦士も実はある種の魔化魍に近い存在だったりするんだろうか -- 名無しさん (2020-03-03 00:57:44)
- エグゼイドと響鬼のヒーローショーにツキモノっていうダニみたいな魔化魍が出てきたけど検索しても元ネタがわからない -- 名無しさん (2020-03-03 01:38:19)
- ↑↑よくディケイドの設定と勘違いされがちだけど実は本編(後半だけど)の時点で鬼の力に負けて魔化魍にならないように鍛えるって感じに言われてたはず -- 名無しさん (2020-03-03 03:17:30)
- ディケイドでは人間がヨブコに変えられるのもあったな。関係ないが、ヨブコは見た目が激情版スーパー1に登場したヘビンダーに似てるから、初見ではオマージュかと思った -- 名無しさん (2020-03-03 07:55:34)
- なんかすごく惹かれる語り口の項目だな。解説も丁寧だから監修付きの本物の妖怪図鑑みたい -- 名無しさん (2020-03-03 17:20:56)
- 魔化魍好きなんだなあってのがよくわかるよね -- 名無しさん (2020-03-03 17:26:58)
- 牛鬼を退治したものは牛鬼になってしまうという伝承もあるけど、それも意識したものなのかな? -- 名無しさん (2020-03-03 18:58:17)
- ↑6 アトラク用の「ツチグモ」じゃないかな? 因みにアトラク用のイッタモメンなどもいる。 -- 名無しさん (2020-03-03 19:22:25)
- ↑2 あれ、あくまでも鬼太郎の作中設定で実際の伝承は祟り殺す程度だよ -- 名無しさん (2020-03-03 23:48:10)
- 魔化魍デザインの研究費用だけで響鬼の後半作れそう -- 名無しさん (2020-03-04 00:10:35)
- 「黒幕不在で止められない自然発生現象だからどれだけ倒し続けてもキリがない」って言う人もいるけど、TV本編の時代は謎の男女シリーズ(とその黒幕)が故意に意図的に魔化魍を増やしてる大量出現時代なわけで、謎の男女シリーズを大元まで倒せば純粋な自然発生だけに戻り出現頻度を激減させられるはず。ジオウの2019年の鬼たちはあまり魔化魍退治が忙しそうじゃなかったし、もしかすると13年の間に謎の男女シリーズの撃破に成功しているのかもね -- 名無しさん (2020-03-04 01:39:48)
- 響鬼探求に妖怪界の重鎮参加してるのすごくないか? -- 名無しさん (2020-03-04 13:31:58)
- ↑↑↑↑↑響鬼とエグゼイドのヒーローショーに出てきたツキモノって魔化魍は物に憑く小さなダニみたいなやつでガシャットに憑いていた。姿は見えず声だけ聞こえた。元ネタになった妖怪がわからない -- 名無しさん (2020-03-04 14:34:47)
- ↑そのまんま「憑き物」だと思う。人に取り憑いて悪さをする霊のことで、憑かれた人は錯乱したり凶行に走る。妖怪だと「犬神」とか「オサキ狐」とか動物の場合が多いけど、基本目に見えずいつの間にか取り憑かれるから小型の寄生生物(ダニ)をモチーフにしたんじゃないかな。 -- 名無しさん (2020-03-04 20:23:51)
- ↑4 他作品でいうとGAROシリーズのホラーに近いノリだな。放置していると自然に湧いてくるし絶対根絶はできないが、TVシリーズで頻繁に出てくるのは悪い奴がわざと増やしてるからで普段はそこまで出現頻度は高くないという -- 名無しさん (2020-03-22 06:16:56)
- ↑自然破壊の影響で自然発生する個体は減少傾向にある。みたいな説明もあった気がする -- 名無しさん (2020-03-30 16:41:42)
- 芦名星さん... -- 名無しさん (2020-09-14 20:52:02)
- ご冥福をお祈り申し上げます -- 名無しさん (2020-09-15 22:18:44)
- ↑童子が後のビショップとレギオンを演じたヒトだというのは知ってたけど....STと相棒の記者さんの芦名星さんが姫を演じてたんですね........本当にショックが続いてる....。 -- 名無しさん (2020-09-15 22:54:03)
- 個人的にはナナシはいわゆる「鵺」の事じゃないかと思ってる。あれも本当は「鵺の声で鳴く正体不明の何か」であって本当の名前は不明だし、複数の生物が合体したような姿というイメージにも合致する -- 名無しさん (2020-09-17 16:37:03)
- どスーパー童子とスーパー姫の二人は名前もうちょっと日本っぽい名前付けられなかったのかな。 -- 名無しさん (2020-09-17 16:56:16)
- モンハンに参戦しても違和感ないな -- 名無しさん (2020-12-15 15:24:15)
- ↑今回笛強いし響鬼ごっこできるな -- 名無しさん (2021-01-19 10:05:27)
- カサバケ(巨大コウモリ)、バケチョウチン(チョウチンアンコウの魚人)、ガシャドクロ(恐竜骨格)みたいな妄想して遊んだりする。 -- 名無しさん (2021-01-24 17:18:01)
- ↑ナナシはネルギガンテに似てると思う -- 名無しさん (2021-04-02 01:56:43)
- 30話までにロクロクビが登場したら姫の首が伸びたりしたんだろうか -- 名無しさん (2021-08-13 17:06:36)
- モンハンのオオナズチ、タマミツネは戦闘BGMも和風だから魔化魍として参戦しても違和感なさそう -- 名無しさん (2021-11-08 20:51:55)
- ↑「和風妖怪をモチーフにした生物的な巨大怪物」という意味では魔化魍もライズのモンスターも同じような物なんだよな -- 名無しさん (2021-11-08 21:08:00)
- 蟻の妖怪が殆どいないのは意外だな。なまじメジャー過ぎて創作妖怪のモチーフとしてもスルーされがちだったとか? -- 名無しさん (2023-10-20 12:24:34)
#comment
*2 魍魎やスダマについては京極夏彦の著書『魍魎の匣』『豆腐小僧双六道中ふりだし』にて詳細かつ分かりやすく解説が行われているので、興味のある方は是非一読を。
*3 「奥多摩のヤマビコ」や「秩父のカッパ」など。
*4 知らないという方は、遠野のマスコットキャラクター「かたるくん」を検索してみてほしい。
*5 室町時代の『百鬼夜行絵巻』には名称不明の布の怪物が描かれており、民俗学者の小松和彦はこれが一反木綿のルーツではないかとする仮説を過去に発表している。
*6 『ゲゲゲの鬼太郎』ではこちらの名称が採用されているため、下手すれば「おどろおどろ」という名称の方が知名度は高いかもしれない。
*7 実は残された絵にはどういった妖怪なのか説明が付与されていない。『画図百鬼夜行』では鳥居とセットに描かれていたため、藤沢がそこからこのような解説をでっち上げたのではないかと言われている。
*8 CM内のゲーム画面にもバッチリ映っている。
*9 作家の山田野理夫が『東北怪談の旅』に「ドロ田坊」という話を収録しているが、そもそもこの本自体が実際の伝承を採録したという体の小説だと言われているので……。
*10 公式サイトはこちらの説を採用し、ドロタボウに纏わるそれっぽい設定を創作して紹介していた。
*11 劇中に登場したヒビキさんのメモには、スッポンと書かれてあった。
*12 両腕が繋がっている為、片腕を伸ばすと反対の腕が縮む。更に引っ張ると抜ける。一説によれば、河童は元々藁人形であったかららしい
*13 実際の伝承でも、九州のヒョウスベ(兵主部)のように皿を持たない種類が普通に存在する。
*14 大ショッカー配下の魔化魍は制御されているのではなく、元々大ショッカー製であるディエンドライバーによって事前に召喚されていたコピーではないかという説もある。
*15 現在は市町村合併により消滅。
*16 元々火車とは、獄卒が死者を迎えに曳いてくる車を指す言葉だった。それが「猫が黒雲とともに現れて死体を奪っていった」という伝承と混同され、現在のよく知られる火車の姿が生まれている。
*17 実は三匹というのはローカルな伝承であり、多くの地域ではそもそも姿を持たず風そのものとして語り継がれている。三匹はそれぞれ「棍棒で転ばせる」「鎌で斬る」「傷口に薬を塗って軽傷で済むようにする」という担当制であることは『[[地獄先生ぬ〜べ〜]]』などで語られている為、三匹一組ということを知っている人も多いのでは?
*18 怪気象とも。特定の気象条件を満たした際に発生し、一定の範囲内を覆い尽くす。内部では居るはずのない架空の存在が跋扈し、現象が終息すると何事もなかったかのように元通りになるというもの。
*19 水木しげるものつごのイラストを妖怪図鑑に掲載した際、具体的な姿を与えずぼかして描いている。
*20 蛇の口に嵌っているメガホンのようなもの
*21 ニホンオオカミの別名
*22 オコジョはイタチに近い動物で、飯綱使いが占いなどに使役するとされるクダギツネ(管狐)のモチーフと言われている動物の一つ。
*23 近年は「餓者髑髏」と表記されることが多いが、「餓死者の怨霊」と「ガシャガシャという音」のダブルミーニングの可能性があるため、漢字表記は好ましくない。
*24 まあ前者は江戸の、後者に至っては昭和の創作妖怪なんですけどね。
*25 イクチは鰻や海蛇、磯撫は鮫の姿をした妖怪だとされる。
*26 アラブの伝承に登場する屍食鬼。近年のサブカル作品ではゾンビのような姿で描かれるが、実際の伝承では特定の姿を持たない。『仮面ライダーウィザード』では戦闘員として登場していたので名前だけなら知っている人も多いだろう。
*27 あるいは、劇中にてどちらか片方だけが先に退治されるという展開が稀にあったので、両方の役者に均等に出番を与えるための措置とも考えられる。
*28 本来チャーリーというのは主人公の少年の名前であり、ジョニー・デップが演じていたキャラの名前はウィリー・ウォンカであることに注意。
*29 この発言から考えるに、牛鬼のようなケースは原典の世界でも稀に起こっていたらしく、「ライダーと怪人のルーツは同じ」というライダーをライダーたらしめる根幹は『響鬼』でも守られていたということになる。
*30 ただし京極は当時自身のホームページにて「面白いものは面白い」として30話以降の作劇にも理解を示すとともに、互いに貶し合うファンに向けて苦言を呈している。
*31 妖怪関係の資料や論文も多く出版しているお堅い出版社。
*32 京極夏彦作品の表紙や、村上健司の妖怪図鑑の挿絵などを手掛けている。やっぱりガチ勢。
*33 尤も東自身も賞を受賞する程の文筆家なので、29話までのどういった描写に魅力を感じたのか、逆に30話以降の何が不満なのかを自分の言葉で分かり易く読者に伝えているため一読の価値はあり。
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