スーパーカセットビジョン

ページ名:スーパーカセットビジョン

登録日:2019/04/19 (金) 00:33:34
更新日:2024/04/04 Thu 13:24:24NEW!
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スーパーカセットビジョンとは、エポック社が発売した据置型ゲーム機。本体価格14,800円。

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スーパーカセットビジョン

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【解説】


カセットビジョンの後継機種として開発された第3世代ハードであると同時に、エポック社最後の家庭用ゲーム機でもある。


名前こそ分かりやすくカセットビジョンの後継機である事を示しているが、カセットビジョンとの互換性はない。
この辺りは、後の任天堂ファミリーコンピュータ(以下、FC)とスーパーファミコンの関係性と類似していると言えるか。
一部のファンからは「スパカセ」の愛称で呼ばれ、公式では「SCV」という略称(本項目では後者の呼び方で記載する)。


第2世代ゲーム機市場においてエポック社はカセットビジョンを投入し、日本市場の覇権を握った。
しかし、その栄光は長くは続かず、1983年の任天堂のファミリーコンピュータ(以下、FC)の投入で形勢は一気に逆転する。
更に同時にセガもSG-1000を発売し、エポック社は一気に追い込まれる事態に陥った。


FCの攻勢に対して起死回生を目指して次世代機の開発を行うエポック社は、NECを共同開発のパートナーとした。
こうして、FCやSG-1000にやや遅れて1984年にスーパーカセットビジョンを世に送り出した。
また、フランスでもYENOによってOEM販売の形でスーパーカセットビジョンは展開した。


広告塔には当時若大将として人気を博した原辰徳を採用し、宣伝にも力を入れた。
発売から一時的にはFCの品薄の隙をつく形で売り上げを伸ばす時期もあった。
ところが、1985年にFCの人気が決定的になった事やセガもセガ・マークIIIを投入したことで競争での敗北は確定状態になる。


エポック社は積極的な宣伝戦略やソフト展開を見せるが、FCの攻勢に抵抗することは出来なかった。
それでも一部の熱心な固定ファンを獲得したと言われているように、最終的に30万台程販売するが、1986年にエポック社はハード事業からの撤退を決定。
1989年にFCのサードパーティとしてエポック社はゲーム市場に登場し、カセットビジョンから続いたエポック社のハード事業の面影は歴史に葬られていった。


その一方、本機を開発したNECはSCVの撤退と同時期、かの名機PCエンジンを家庭用ゲーム機市場に投入。
つまり、考え方次第ではSCVはPCエンジンの系譜にあると言えなくもない立ち位置にいる(と言っても、PCエンジンはハドソンとの共同開発だが)。
NECはPCエンジンの展開では、トップシェアでこそないが一定の成功を収めた事でSCVの失敗から雪辱を果たすのであった。


日本の家庭用ゲーム機の歴史の最初期を支えたエポック社最後のハードとしては、華々しさに欠ける終焉を迎えたSCV。
だが、SCVの存在はFCに立ち向かった第3世代ゲーム機として確実に歴史に名前を残すことになるだろう。


【スーパーカセットビジョンの特徴】



本体外観/コントローラー

本体は長方形だが、後述する仕様が理由で本体手前が少し坂になっている。


本体上面左にカセット挿入口とスーパーカセットビジョンのロゴが記載さ。
中央右には電源スイッチ、リセットキー、ポーズキーが配置。
本体上面右にはテンキーが設置されており、これは他社の同世代ハードには見られない珍しい仕様だった。
本体背面にはRF出力用の端子に加え、RGB主力用コネクタも設置されている。


本体の下半分には黒色の開閉可能な蓋に覆われたスペースが開かれている。
このスペースに、付属のコントローラーをケーブルごとまとめて中に収納する仕様。


コントローラーはレバーパッドを採用したが、同時期のFCのジョイパッド型コントローラーよりも操作性は劣った。
同時期のSG-1000IIもジョイパッドに変更しており、結果として前世代型の操作スタイルとして取り残されるような形になった。
そのため、SCVにおけるソフトは「操作性が悪い」というマイナス評価が付いて回ることも多かった。


本体性能

CPUuPD7801G(μCOM-87)
RAM128 B(uPD7801G 内蔵)
ROM4 kB(uPD7801G 内蔵)
メモリ16KB
表示色512色(16色同時発色)
解像度256×256ドット
スプライト最大128個

FCよりも後発なのに、一部を除いてFCに劣るという貧弱気味なスペック。


スプライトだけは128枚という第3世代でも最高のスペックを誇る事が有名。
数だけに限定するなら、後のPCエンジンやメガドライブにすらも勝るとも劣らないという驚異的な性能。
しかし、そのスプライト表示能力が活かされる機会は少なく、「本体に内蔵された大量の風船のグラフィックが飛ぶデモ映像だけに使った」とネタにされる。


更に背景描写能力がかなり貧弱だったせいもあって、その補完の為にスプライトを背景描画で無駄に消費するという始末だった。
というか、スプライトで補完しなければ背景描写能力は前世代のカセットビジョンにすら劣る。


当時としては珍しくRGB出力が可能なので、他社ハードよりも高解像度な環境でグラフィックを映せた。
ところが、元々のグラフィック性能が貧弱なこともあって、高解像による恩恵は限りなく薄かった。


サウンド面でも三重和音でありながら実質的には1音となっていた。
第3世代の時期からゲーム音楽のジャンルが本格的に生まれ始めた時期において、この低能力は致命的と見る声もある。


対応ソフトでは、FCよりも先にバッテリーバックアップ機能を搭載した作品が生まれている。
ただし、単三電池2本による仕様(一応電池交換自体は独自で可能ではある)。


ハード本体に拡張スロットに該当するような箇所が存在しなかったことで、周辺機器による性能拡張も見込めなかった。


ソフト展開

マイナーハードのソフトとしては、ゲーム機の歴史的に結構興味深いソフトが多く、以下のようなソフトが有名。


  • ドラゴンボール初の家庭用ゲームソフト『ドラゴンボール ドラゴン大秘境』
  • 『ルパン三世 PARTIII』唯一のゲーム化『ルパン三世』
  • 初の家庭用ゲーム機移植&日本初のバックアップ機能を搭載の『ドラゴンスレイヤー』
  • 『ポールポジションII』の移植作

エポック社はサードパーティとの繋がりが薄く、基本的にファーストタイトルで展開された。
ハード後期には日本ファルコムやナムコからライセンスを借りてのソフト販売に成功した。


発売から撤退までに発売されたソフトの総数は全30本と少ない。
だが、展開期間で平均すれば実に毎月1本のペースでソフトを発売したことになり、供給ペースとしてはそこそこではあった。
と言っても、多くのサードパーティや移植作を抱えた任天堂やセガのソフト展開には大きく劣ったのが実情でもある。


【スーパーカセットビジョンレディースセット】


SCVは後世では珍しくないハードのカラーバリエーション商法に初めて挑戦しており、それがレディースセットである。1985年発売。


単なるカラーバリエーションではなく、当時としては画期的な女性層を狙った仕様変更となっている。
本体色は全身目に眩しいピンク色と白色になっていて、このセットのためだけに用意した専用ロゴもプリントされている。
ハード本体を収納するためのピンク一色の専用キャリングケースも用意。
占いソフトの『ミルキープリンセス』も同梱されている。


価格は19,300円。現在はプレミア扱いとなっていて入手難易度は高い。











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  • 「木こりの与作」がほしかった!(真剣!) -- 名無しさん (2019-04-30 09:58:26)

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