登録日:2020/04/26 Sun 22:42:57
更新日:2024/05/17 Fri 11:28:28NEW!
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カノヌシとは、ゲーム『テイルズ オブ ゼスティリア』、『テイルズ オブ ベルセリア』に登場する、あるいは語られる人物。
天族(聖隷)の中でも最高位に位置する「聖主」で、この世界における神のような存在。
地水火風の四聖主に続く五柱目、「無」の聖主。
テイルズオブゼスティリア
ラストダンジョン「アルトリウスの玉座」の紋章からその存在が知れる。
高齢の天族でも知るものは少ない謎に包まれた天族。
名前を呼んではいけない「忌み名の聖主」であり、カノヌシという呼び名も「彼の主」という代名詞から来ているらしい。
マオテラスがカノヌシに代わって聖主となったと言われているため、今は聖主として存在していない模様。
テイルズオブベルセリア
『ゼスティリア』の過去にあたる時系列。
アバル村の祠に封印されており、ベルベットの弟ライフィセット・クラウ(ラフィ)を生け贄として復活した。
聖寮が祀る神にして、筆頭対魔士アルトリウス・コールブランドが契約した聖隷。
桁外れの力を持ち、完全覚醒していない状態で、ベルベット一行を圧倒する程の力をアルトリウスに発揮させている。
その力に成す術も無かったベルベット達は、偶然手に入れた古文書からその性質を探り、
カノヌシの力を削ぐため喰魔を引き剥がす策戦に出る。
そもそも聖主の存在からして伝説上のものとしか認識されていないが、
古文書や一部の人間に伝承が伝わっている。
古文書によれば、8つの頭を持つ竜のような姿で、本体以外の7つの頭から穢れ*1を喰らい目覚めると言われている。
この7つの頭にあたるのが「喰魔(くうま)」で、カノヌシに適合する7体の生物が選ばれ、喰魔となる。
喰魔になった者は穢れを喰う能力を持ち、地脈点に固定されることで、周囲の穢れを吸収し地脈を通してカノヌシに送る役目を持つ。
ベルベット達は喰魔に選ばれた者たちを地脈点から連れ去ることで、カノヌシの覚醒を防ぎその力を削ごうとした。
そしてほとんどの喰魔を集め、穢れの供給を絶ったはずだったが……?
※以下、『テイルズオブベルセリア』の重大なネタバレ有り。
久しぶりだね、お姉ちゃん
そう、僕はライフィセット・クラウ
そして、鎮めの聖主カノヌシ
CV:釘宮理恵
デザイン:いのまたむつみ
真名:「ネブ=ヒイ=エジャム(理想のための翼)」
ベルベット達の前に姿を現したカノヌシ。
それは死んだはずのベルベットの弟ラフィの姿をしていた。
カノヌシは生け贄に捧げられたラフィを依代として復活していたのである。
幻術の故郷に囚われるという経験をしたベルベットでさえも本物と信ずる他ないほど、その姿と立ち振る舞いはラフィそのものであった。
カノヌシは依代となったラフィの全ての記憶を持っていたのである。
しかし、優しかったはずのラフィは手のひらを返す様にベルベットに対して暴言を吐いた。
全てはベルベットから「絶望」の穢れを喰らい、完全覚醒を果たすためである。
カノヌシの覚醒には、単に穢れを多く送ればいいというものではなく、
8つの「質」、すなわち 憎悪、逃避、利己、貪婪、傲慢、執着、愛欲、絶望の穢れを送ることが重要だった。
7体の喰魔たちが地脈に設置された時点でそれらの穢れを喰らっていたため、後から喰魔を地脈から剥がしても手遅れだったのである。
そして残る「絶望」をベルベットから直に喰らおうとするが、
聖隷ライフィセット*2の言葉によってベルベットの心から絶望が消えたことで失敗。(因みにその後のシーンでフィーにぶん殴られる。ざまぁw)
ベルベットを再び絶望させようと追撃するも逃れられ、ベルベット達が地水火風の四聖主を目覚めさせたことで4つの領域に上空へと押し出される。
そして宇宙空間にラストダンジョン「八頭竜カノヌシ」を形成し、アルトリウスとともにベルベット達を待ち受ける。
最終決戦ではベルベットの代わりにアルトリウスが内に溜めこんでいた絶望の穢れを喰らい完全覚醒。
アルトリウスとの神衣*3を行い、最後の戦いに臨む。
激闘の末アルトリウスが死亡すると、制御を失い暴走状態になる。
「おなかがすいた」と訴え、ベルベットに苦しみを吐露するその姿は、幼いラフィそのものであった。
そしてベルベットにより、お互いに穢れを喰い合う永遠の矛盾となることで、姉と二人で眠るように封印された。
こうして五大神の一角が欠けたことで後継者が求められ、
半身であるフィーがマオテラスとなって新たな聖主の座に就き、『ゼスティリア』の物語へとつながるのである。
カノヌシの心と身体
カノヌシが復活するには、霊応力に優れた生け贄が2人必要である。
しかし偶然により生け贄が一人ずつ捧げられてしまったことで、「心」と「身体」が別々に復活してしまった。
最初にセリカの子供が生け贄となったとき、その転生体、聖隷フィーとして「心」が先に復活した。
そして、二人目の生け贄ラフィの転生体であるカノヌシは、「身体」だけで復活した存在なのである。
カノヌシは前世であるラフィの記憶を持っているが、心を失っている。
ラフィの声でベルベットに辛辣な言葉を投げつけるのも、全てはカノヌシが目的のためにラフィの記憶を利用しているに過ぎない。
しかし、カノヌシは途中で、ラフィとしての怒りや嘆きのような感情を垣間見せている。
これは心が空になっているため、ラフィの記憶に人格が引っ張られていたのではないかとファンの間では考察されている。
カノヌシの機能
聖隷はそれぞれが加護と呼ばれる能力を持つが、抜きん出た存在であるカノヌシは加護を二つ持つ。
それは「霊応力の増幅」と「心の鎮静化」である。
復活すると同時に「霊応力の増幅」が働いており、
10年前の半復活で全人類の霊応力が底上げされて、業魔が常人にも見えるようになった。
3年前の完全復活でさらに霊応力が上がり、人々が聖隷を認識できるようになり、対魔士たちが生まれた。
そして肝となるのが「心の鎮静化」である。
力の領域を広げることで、その中にいる人間の心を穢れごと喰らい、奪い去ることができる。
心を奪われた人間は無垢な赤子のように清らかな存在になり、穢れを生まなくなる。
そして世界から穢れが無くなると、カノヌシはまた眠りにつく。
こうして穢れを定期的にリセットし、穢れが地上に溢れないようにする安全弁がカノヌシの役割であった。
しかし人の心が奪われるたびに社会も滅ぶことになるため、人の文明は断絶と発展を繰り返す堂々巡りに陥っていた。
聖寮はカノヌシを神衣によって制御し、
心を失くしたまま社会を運営できるように沈静化の仕方を調整。
さらに別途穢れを供給してカノヌシが眠りにつかないようにした。
こうして人が穢れを生まない世界を永遠に保つことが聖寮、及びアルトリウスの目的だったのである。
しかし、聖寮による沈静化で、心を失くしたまま社会を運営させられる人間たちは、
全てを「理」によって機械的に判断し、弱者の処分や自殺をも黙々と行う悍ましいものに成り果てていた。
カノヌシの出自
カノヌシは元は天界に住む「天族」という種族の一人だった。
数万年前、人間から生まれる穢れは天族にとって毒であるため、天族は地上ごと人間を消し去ろうとしたが、
天族の中に人間との共存を目指す派閥があり、彼らは共存否定派の天族と賭けをした。
自分たちが地上に降り、人間と天族の融和を成せば、地上と天界を隔てる扉を開き世界を一つにするという賭けを。
その共存派を率いた筆頭こそが、カノヌシ、アメノチ、ハヤヒノ、ウマシア、ムスヒたち五人の天族である。
抜きん出た力を持ち、天族たちのリーダー格である彼らは聖主と呼ばれた。
そして仲間とともに人間との融和を進めようとするが、それは容易に実現できるものではなかった。
さらに先述の「賭け」には誓約*4が用いられたが、そこには落とし穴があった。
「人間との共存という条件を達成したときに天界の門が開かれる」という誓約は、
実は「人間との共存が達成されていない間は、常に誓約を破り続けている」と見做されるもので、
カノヌシたちが降り立つとともに、誓約を破った反動で人間と天族の業魔化、ドラゴン化という現象が発生してしまった。
その混乱もあってか、共存はいつまでも実現せず、そのうち天族たちは夢を諦めて人間から離れていき、人間も天族を忘れていった。
そしてカノヌシたちも、いつしか穢れをリセットするシステムとなって、現状維持のまま数万年が過ぎたのである。
劇中では冷たく傲慢な印象が強かったカノヌシだが、意外にも元は人間との共存を夢見る者だった。
もっとも心を失くしていたのだから元と違っていて当たり前なのだが。
結局のところ元のカノヌシがどのような人物だったかははっきりとしないが、心の転生体であるフィーの成長は、もしかしたら元のカノヌシの心根にも起因するのかもしれない。
先述のとおり、聖主とは天族の長としての称号のようなもので、聖主も聖隷も天族という同じ種族である。
「聖隷」という呼称は、「聖主に隷属するもの」という意味で聖主以外の天族を呼んだもの。
『ゼスティリア』の時代には元の天族という呼び方に戻っている。
余談
- デザイン担当のいのまた氏曰く、イメージは「深海で発光するクラゲ」。また髪型と服装が『テイルズ オブ シンフォニア』のユグドラシルに似ていることが気になったため、袖の長さと髪の分け目を変更したとのこと。
- ラスボスということで他のキャラクターと同じようにufotableによるアニメーション設定画が作られているが、彼が登場するアニメムービーやスキットが無く、ほぼ未使用に終わっている。ラスボスなのに……。
唯一アニメ画が見られるのは秘奥義カットインのみ。
- 担当声優の釘宮理恵は『テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士』でマルタ・ルアルディを演じた。
「僕がつくるよ。アニヲタが幸せに追記・修正できる世界を」
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- 水瀬伊織VS萩原雪歩… -- 名無しさん (2020-04-27 09:32:16)
- 「○○する事で約束が果たされる」のが「○○するまでは果たしていない」と取られるのはとんだ落とし穴だ -- 名無しさん (2023-08-23 18:01:05)
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*2 同じ名を付けられた別人。以下フィーと表記
*3 聖隷と人間が合体し強大な力を発揮する術
*4 何らかのルールを課し、それを守ることで力を得る儀式
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