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登録日:2016/10/15 Sat 14:19:00
更新日:2025/08/21 Thu 22:38:30NEW!
所要時間:約 13 分で読めます



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あの人が毒殺したんだ…


ゲームセンターという…
この異質な空間を利用して…



『バトルゲームの罠』とは、『名探偵コナン』において、江戸川コナンが解決した事件の名称。
単行本第27巻に収録。テレビアニメでは第226話・第227話として、2001年2月26日と3月5日に放送された。
謎めいた英語教師のジョディ・サンテミリオンが初登場したエピソード。



以下、ネタバレにご注意ください。



【ストーリー】
ある日の放課後、ゲームセンター「GAME ON GAME」でプリクラを撮って楽しんでいたコナン、蘭、園子の3人は、帝丹高校の新人英語教師のジョディ・サンテミリオンと遭遇する。
無類のゲーム好きだというジョディの薦めで、最近大人気だというバーチャル格闘ゲーム「グレートファイタースピリット」に蘭も挑戦してみる事に。
見事第1ステージは勝ち進んだものの、直後に乱入プレイを仕掛けてきたゲーマー・尾藤賢吾に敗れ、彼に席を奪われてしまう。
ほどなくして尾藤は客の1人の志水高保と対戦を開始。ゲームは終始尾藤が優勢であったが、突然尾藤の操るキャラが動かなくなりドローゲームとなってしまう。
この結果にゲームを観戦していた客が色めき立つ中、尾藤の様子がおかしい事に客の1人が気づく。
コナンが尾藤のそばに駆け寄ると、ゲームのキャラと同様に尾藤も動かなくなっていて……



【事件関係者】
ジョディ以外の関係者の苗字はアルファベットとコンピューターゲーム関係の用語から取られている。


  • ジョディ・サンテミリオン

CV:一城みゆ希
帝丹高校の英語教師。28歳。
つい最近赴任してきたばかりの新任教師。教師の割には妙に露出の高い服を好んで着ている。
授業は分かりやすいそうだが園子曰く「真面目すぎてつまんない」らしく、園子からは名家の箱入り娘という印象を持たれていた。
だが素顔は陽気で社交的な人物であり、普段の真面目な授業も問題を起こしてクビになりたくないからあえてそうしていたらしい。
日本のゲームが大好きなゲーマーで、本場のゲームが毎日できるという理由で教師を志したのだとか(笑)。
事件が発覚する直前には尾藤の右隣にあったレースゲームをプレイし、見事ハイスコアを叩き出していた。
捜査中は、警察に助言をするコナンを興味津々で見つめていたが……
ちなみに、彼女の存在自体は『命がけの復活』の中で仄めかされていたりする。


  • 尾藤賢吾(びとう けんご)

CV:江川央生
「米花のシーサー」を気取っている無職のゲーマー。21歳。
金髪を逆立てた筋肉質でガラの悪いチンピラ。その見た目どおりゲーセンでの評判は悪く、最近はどこかの暴力団とも繋がりを持ったとも噂されている*1
グレートファイタースピリットの達人で、ゲーセンにあるゴールド席は彼の指定席らしく、最初その席は蘭が座ってプレイしていたが、乱入し蘭を負かした後席を横取りしている。
志水との対戦ではすごいラッシュで彼を一気に追いつめるが、あと一息で勝つという場面で突然攻撃をやめて勝負は引き分けに終わる。
その後死亡している事が発覚。殺人事件として捜査が開始され、司法解剖の結果テトロドトキシンによる毒殺と判明する。
ちなみにテトロドトキシンが登場した事件は、2019年現在でこの1件のみである。
苗字は「ビット」と「B」から。


  • 出島均(でじま ひとし)

CV:岡野浩介
「GAME ON GAME」のアルバイト店員。22歳。
根暗そうな青年だが、半年前までは「米花のパトラ」の異名で知られるゲーマーだった。
尾藤にゲームで完膚なきまでに叩きのめされて以降は行方をくらませ、髪型を変えてゲーセンのアルバイトをやっている。
事件が起きる直前には尾藤が使っていたゲーム機の集金を行っており、尾藤と志水の対戦中は持ち場を離れて対戦の様子を撮影していた。
苗字は「デジタル」と「D」から。


  • 江守敏嗣(えもり としつぐ)

CV:大山高男
タクシー運転手。41歳。
ニット帽を被った小太りな中年男性。
ゲーセンの常連で、関係者の内情に詳しい。
蘭と尾藤の試合をモニターで観ており、蘭の振りがでかいのを指摘している。
かつてレースゲームでのミスを尾藤にバカにされて恥をかかされた事があるが、ゲーマーとして尾藤の事は一目置いていたと言う。
対戦中に尾藤の左隣の自販機でコーヒーを買っていたが、右脇に毒が仕込まれたのなら自分に犯行は不可能と主張する。
苗字は「メモリ」と「A」から。


  • 志水高保(しみず たかやす)

CV:内田直哉
ゲーム雑誌ライター。30歳。
目つきの悪い長身の男性で、杯戸町で無敗を誇った「杯戸のルータス」としても知られる人物。
尾藤とほぼ互角の腕を持っているとされているが、今回のゲームは終始尾藤に押され、反撃できないままあっという間に追い込まれていた。
対戦中はゲン担ぎのためにガムを噛むようにしているらしく、警察の現場検証中もガムを噛んでいた。
彼の妹は尾藤の恋人であるが、ロクに働きもしない尾藤と妹が付き合う事をよく思っておらず、早く別れて欲しいと日頃から願っている。
ちなみに対戦前に尾藤の戦法を探ろうと、少しだけ彼と会話していた。
苗字は「シミュレーション」と「C」から。



【レギュラー陣】


ご存知主人公。
冒頭で蘭と園子と撮ったプリクラでは泥棒のイラストを貼り付けられていた。
尾藤の遺体の状況を見てすぐに毒殺の可能性があると気づき、いつものように目暮たち警察に助言をして推理を組み立てる。
しかしその様子をジョディが注意深く見つめており……


ご存知蘭姉ちゃん。
帝丹高校では、手紙にプリクラを貼るのが流行っているようだが、彼女1人だけその流行についていけてない様子。
グレートファイタースピリットでは、持ち前の格闘センスで第1ステージはクリアしたものの、乱入してきた尾藤には全く歯が立たなかった。
リアルファイトになったら多分蘭のほうが強い。


ご存知蘭の親友。
今回の舞台となったゲーセンは彼女が見つけたプリクラの穴場スポット。
今回は久々に探偵役に抜擢される。その時の口調は連載当時に多くいたコギャル調だった。


ご存知警部殿。
ジョディが英語教師と分かると、張り切って自己紹介を英語でやるというお茶目なところを見せる。
しかし発音が悪かったため、ジョディにしつこく発音を修正される結果に。


ご存知高木君。
今回犯人が使ったトリックを分かりやすく説明するために、コナンの指示で蘭とグレートファイタースピリットで対戦を行う。



【用語】


  • グレートファイタースピリット

現在ゲーセンで人気No.1のバーチャルファイティングゲーム。メーカーは「NOMCOM*2」。
ヘッドギアをつけてお金を入れ、キャラクターを選ぶと自動的にプレイヤーにガードが装着され、それを動かす事で相手キャラにダメージを与える事ができる。
しかしそれほど力は必要とせず、腕などを小刻みに揺らしながら両手についた4つのボタンを使えば必殺技も繰り出せるようになっている。
プレイヤーのキャラがダメージを受けると、その感覚がそのままプレイヤーにも伝わるようになっているので、本当に戦っているような感覚でゲームがプレイできる。
ダメージと言っても、携帯電話のバイブのように軽く振動するだけなので、プレイヤーに害はないよう配慮はなされている。
今回の舞台となったゲーセンでは、乱入プレイが始まるとゲーセン内にある大型モニターでその試合の様子を観戦できるようになっていた。
ゲーム画面にHPゲージは表示されず、キャラの顔色の具合でダメージの蓄積量が分かるようになっている。
登場人物の名前の由来は、古代ローマ帝国に関する偉人からとなっている。


●シーサー
同作における主人公格と思われるキャラクターで尾藤の持ちキャラ。
プレイヤーである尾藤と同様にかなりの悪人面で試合開始前演出では「I'll kill you(お前を殺す)」と言い放つなどガラが悪く、
実際の格ゲーにも度々登場する悪役系主人公といったところか。
外見はそんな悪役系主人公の代表格である鉄拳の三島一八のズボンを赤いジーンズにし、髪型を丁髷にしたような感じ。
名前の由来はジュリアス・シーザー/ユリウス・カエサル(ローマ帝国の政治家)。


●ルータス
眉毛のない強面が特徴の巨漢キャラクターで志水の持ちキャラ。
ルーサーと比べるとかなり大柄でパワー系のキャラクターと思われるが、作中ではシーサーにボコボコにされるシーンだけである。
後に登場するこの人に若干似ている。
名前の由来はブルータス/ブルトゥス(シーザー暗殺の首謀者)。


●パトラ
ハイレグビキニ状の衣装を着たセクシーな女性キャラクター*3。初心者向けの扱いやすい性能をしているという。
タイトル画面にもシーサーと共に登場しているメインヒロインのようだが、
原作・アニメどちらもまともに戦っているシーンがなく、ルータスと同じくシーサーにボコボコにされるシーンのみが描かれる不憫なキャラ。
なお、パトラがやられるシーンは原作では数コマ、アニメでも数十秒と極僅かながらもやけに刺激が強く、そっちの気に目覚めてしまった読者・視聴者もいるとかいないとか。
名前の由来はクレオパトラ7世(古代エジプト・プトレマイオス朝の女王でシーザーの愛人)。


●髭面のレスラー風のキャラクター
CPU戦をプレイした蘭が1戦目で戦った相手のキャラクター。
タンクトップを着たレスラー風の衣装で、操作になれていない蘭のパトラに一撃加えるも、
ジョディから操作方法をレクチャーされた後は一方的にKOされてしまった。


なお、アニメ版ではデモ画面やプレイヤーセレクト画面が一瞬ながらも写っており、
上記4名の他に相撲取り風のキャラクター、顔を覆面で隠したキャラクター、
軍服のような衣装を着た強面の男性キャラクター、中華風の衣装を着ている糸目の女性キャラクターが確認できる。
また、シーサーとパトラが写るタイトル画面の前に上半身裸で下半身は道着のズボンを履いたキャラクターがいる他、
ゲームセンター内の「グレートファイタースピリット」のポスターには上記8人とは似ていないキャラクターが何人か描かれている。
(単なる画風の違いかもしれないが。)
また戦闘時のBGMは『最後の上映殺人事件』で上映された「ゴメラの逆襲」で流れたものを使用している。



【以下、事件の真相。さらなるネタバレに注意】


























ついてるよ…オレの指紋…


あの100円玉はしっかり握って入れたんだ…



オレのラストゲームにするつもりだったんだからな…


志水高保
今回の事件の犯人。
殺害の動機は尾藤と付き合っていた妹にあった。
志水の妹は尾藤がギャンブルで抱えた多額の借金を返すために一ヶ月ものの間、食事もせず必死に働いていたため、ビタミンAを中心とした栄養不足で失明寸前になり入院してしまう。
当の尾藤は恋人が入院してもなお定職につかず暴力団の一員にまでなるが、それでも妹は尾藤と別れたくないという有様。
このままでは妹は決して幸せになれないと思った志水は復讐のために今回の犯行に及んだのだった。


尾藤との対戦前に毒を尾藤の血管に注入し、互いの持ちキャラを入れ替えた状態で対戦を開始する。
その後は尾藤の持ちキャラ「シーサー」で相手を袋叩きにすれば、対戦終了寸前まで尾藤は生きていたと周囲に錯覚させられるわけである。*4
ちなみに対戦を「ドロー」で終わらせたのは、勝ったはずの尾藤側のゲーム画面に「YOU LOSE」の文字を表示させないためだった。


尾藤の殺害に使った毒針は使用後、ゲーセン内にあったタバコとガムを使い床に放置した。
そうする事で店内にいた客の誰かがそれを踏み、どこかに持ち去ってくれるか捨ててくれる算段だった。
警察の目の前であえてガムを噛んでいたのは、たとえその証拠が見つかっても、わざわざ自分に疑いの目を向けるような行動をとる犯人はいないだろうと警察に思わせるためである。
加えてその凶器には指紋を残さない工夫をしていたため、犯行はばれるはずがないと高を括っていたが、問題のゲーム機の集金を犯行直前に出島がしていた事で思わぬ証拠が出てしまう。
トリックを仕掛けるために尾藤がプレイしていたゲームを終わらせ、再びゲームを始めるために100円玉を投入したのだが、
大量の100円玉の中から自分の指紋がついたものが発見されても問題はないと考えていたので、その100円玉には志水の指紋が残っていたのである。
事件後にコインボックスを開けると、最初にゲームをやっていた尾藤のものと、トリックの実験に使ったものの他に、出所不明の100円玉が発見される。
この100円玉の指紋を調べられれば言い逃れは出来ないと思い、妹のためを思って尾藤を殺害した事を自供した。


なお憎き妹の仇である尾藤と度々ゲームをやっていた理由は尾藤から「オレに一度でも勝てば妹とは別れてやる」と持ちかけられていたからで、
そのために腕を磨き「杯戸のルータス」とまで呼ばれる凄腕となる。
それでも結局は尾藤に一度も勝てず、殺意を固める要因となったが、連行直前には「あの男の操る無敵のシーサーを倒す機会をこの手で絶ってしまった」と悔やむ様子を見せていた。


尾藤賢吾
ろくに働きもせずゲームセンターに入り浸り、ギャンブルで多額の借金を抱えていたどうしようもないダメ男。
それだけならまだしも、最近ではどこかの暴力団に入り素行もますます悪化する始末(ちなみにコナンドリルでは、「傷害罪くらいはやってそう」と推測されていた)。
こんな男が妹の恋人だと知れば、誰だって彼と付き合うのを反対するだろう。
それでも志水の妹は彼と別れたくないと言っていたようだが、この男のどこに彼女はそこまで惚れ込んだのだろうか……?
結局改心する事はないまま、彼の人生は志水の手によって強制的にゲームオーバーを迎えたのだった。


2020年現在は日本にもeスポーツが浸透しているので、ゲーマーとして実力のあるどうしようもないダメ男の尾藤がプロのゲーマーになっていれば志水が復讐に走る事もなく、志水の妹も幸せになれたのかもしれない(素行を改めていればの話ではあるが)。


出島均
志水が尾藤の殺害に使った凶器の毒針は彼の靴裏に付着していた。
捜査中に度々聞こえていた金属がこすれるような音は、彼の靴底についた凶器(を覆うガムの銀紙)と床がこすれる音だったのである。
他にも事件の直前に問題のゲーム機の集金をたまたま行っていた事で決定的な証拠が見つかったので、彼は事件解決の最大の功労者と言えるかもしれない。


ジョディ・サンテミリオン
警察に助言するコナンの事を注意深く見つめ、犯行に使われたのがテトロドトキシンだと知るとその特性を淀みなく披露する。
(本人曰く、友人の医者に「日本ではフグ毒に気をつけなさい」と注意されていたとのこと)
しかもその時の口調はカタコトではなく、とても流暢で落ち着いた日本語だった。
事件が解決した後は、眠らされて探偵役となった園子を「まるでケイト・マーティネリのようだった」と評し、その後は学園祭の事件で姿を見せた新一の話題になる。
新一の事を「He is so cool!」と称え、コナンたちと別れるが、その時にコナンを見つめて……


Bye bye cool guy…


……と冷たい口調で呟く。
その夜、自宅でくつろぎながら「目当ての標的は爪にかかった」と誰かに電話で報告する。
その標的とは、容姿を変えて学校に通っている人物であるらしく、その標的名を相手に聞かれて「Rotten apple(腐ったリンゴ)」と答える。
どうやら彼女はその相手の勧めで来日したようだが、彼女の正体と目的がはっきりするのはもう少し先の事となる。


【余談】
格闘ゲームの対戦中にプレイヤーの一方が殺害されるという事件は、
学年誌連載の『特別編』でいち早く描かれている*5が、
そちらで舞台になったのはアーケードゲーム筐体でプレイする普通の格闘ゲームの大会中となっている。



追記・修正はグレートファイタースピリットをプレイしてからお願いします。

*1 アニメ版ではカット。
*2 由来はゲームメーカー「ナムコ」と「カプコン」で、アニメ版で判明。

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