魔導に関する調査情報

警　　　告　　　　 企業連邦評議会通達ID: 20030-0000329
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物質名称: 魔導(Sorcerium)

分類: 放射性同位体(仮定)

原子番号: [編集済]

元素記号: So

半減期: 不明(現代の技術では解明不能)

概要: 魔導とは、基底次元よりアルファラインを過ぎた次元全般に見られる未知のエネルギー概念であり、次元D324においては普遍的に利用されている能力概念および擬似的な放射性同位元素を指す。魔導に関する情報は各次元によって差異は見られるものの、大まかな基本理解に差異は見られない。魔導を積極利用し、生活や戦術に利用する者を魔導師(Sorcerer)と呼ぶ。

実際に物質としてどのように存在しているのかが未知数な概念的存在であるものの、原則として放射性物質としての要素・効果を有していることから、分類上は放射性同位体として扱われる。

魔導に関する研究は、企業連邦評議会の決定により新世界戦争以後に急速に進められ、少なくとも次元D324上においてはその多くの概念が解明されている。次元D324で発生する魔導は、天体全体を纏う擬似的なオーロラ状の構成体から露出している物質であると考えられている。次元D324の天体上では夜間は常にオーロラが見えるのはこのためである。

原住民による魔導師や魔導施設で活用されている分には、火、水、風にまつわるエネルギー抽出のみ行われている例がほとんどである。魔導はそもそも専用の検出機械や抽出装置を用いなければ魔導放射スペクトルの捕捉と抽出、そして加工は非常に難しく、AAAクラス以上の魔導技術を持つ原住民魔導師であっても先述の3種以外のエネルギー晶出は困難であると考えられる。

魔導放射スペクトルの一例: 

基本的にヴィーボ・ホールディングス開発の魔導放射スペクトル検出装置を用いることで、魔導の能力抽出の難易度が判別する。色が際立っているスペクトルレベルのものほど抽出が容易であり、淡く目立たないスペクトルレベルのものほど抽出難易度は高い。抽出難易度の高い魔導能力を抽出を試みた場合、最悪の結果として魔導被曝症に至る懸念があるため、注意が必要である。

魔導被曝症について: 魔導被曝症は、高濃度・高純度に圧縮された純粋魔導に人体が触れることで発露する被曝症である。魔導被曝症を引き起こした肉体は少しずつ細胞全体に魔導が浸透し、DNA情報を汚染する。汚染された細胞は魔導細胞と呼ばれる悪性細胞へ変化し、癌細胞に近似した様相で不規則かつ急速に増殖を繰り返す。結果的に健康な細胞は次々と魔導細胞へ書き換えられ、増殖した魔導細胞の影響で臓器を圧迫・破裂させたりするなどして罹患者を死に至らしめる。

魔導被曝症の治療法は21██年現在も確立されておらず、対症療法としてメディテックス製薬の"Medipod"を用いたり、罹患部位の切除を行うことで経過を抑えることができる。しかし、魔導被曝症は放射線被曝症との決定的な違いとして、他の者へ"感染"する可能性がある事が分かっている。そのため、魔導被曝症罹患者は"キャリア"と呼ばれ、基本的にエルディガルシティから追放され、郊外に建造された隔離施設での生活を余儀なくされる。

ルーン結晶について: ルーン結晶は、2122年にヴィーボ・ホールディングスが魔導を結晶化させる技術"ルーン結晶技術"を確立させたことで、エルディガルシティの一般市民にも手軽に魔導技術が扱えるようになった。基本的に一般流通している正規のルーン結晶は、火・水・風のみ操作可能という制限つきで設計されているため、人体への危険性は極めて低い。

ただし、使用許諾契約を結んで利用される特殊なルーン結晶や、非正規で製造・取引されている違法ルーン結晶の場合、魔導放射スペクトルの制御に制限が設けられていない場合が多く、大事故につながる懸念があるため、取締対象として一般のレジデントは単純所持を禁止している。認可されていない違法ルーン結晶は、制御設計が杜撰なものがほとんどであり、魔導被曝症を引き起こす恐れが非常に高い。

+違法ルーン結晶の例[画像ファイル] 

基本的には全体が黒ずんでおり、黒いもやのような影が認められる。ルーン結晶の中の"魔紋"はルーン文字と見受けられるが、企業連邦当局が知る限り、この文字はルーン文字としては存在していない。

もし仮に違法ルーン結晶を所持している場合、また所持していることが予想される者を見かけた場合は、近くのイリジカル・セキュリティ警備員または、エルディガルシティ生活安全窓口まで通報すること。