苔むしたような鮮やかな緑の皮膚を持ち、そのことから苔猪の名がついたと言われる。
縄張り意識が強く、その生息地域に入って活動をしていると、突然襲われることもある。
大きな体格と牙を持っているため、突進を受けると怪我では済まないこともあり、駆除対象というほどではないが山歩きの際には注意を払うべき魔獣である。
牙は杖の核などに用いられるが、苔猪の牙を用いた核は非常に安価で、効果も強いものではない。
特筆すべきところがあるとすれば、特別に相性のいい魔術がない代わりに、相性の悪い物もない、ということくらいで、貧農から魔術師を目指す農家の三男四男はまず苔猪の杖を最初の一本に選ぶのだとか。
また、その鮮やかな緑の革は鞄や靴などの革製品にはよく使われる。
加工次第ではその緑の美しさは高く評価されることもあり、王国の都市部などでも愛用している女性は少なくない。
一方で、肉は森林部などの苔猪を獲った場所でしか食することは難しい。
苔猪の肉は足が速く、かつ食肉としては家畜化された王国の白豚種に比べて野性味が強いため好みが分かれるからであると言われている。
その溢れる野趣は人を選ぶものの、一度虜になると他では代わりは効かないという人もおり、帝国の森近くでは豆味噌を溶いて作った汁で苔猪の肉と馬鈴薯を煮込む、簡素な汁物が伝統料理として残ってる。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧