ズッケリア島とポンガ島の間、サルデ海峡には多頭竜の生息地があり、いつも海は荒れて渦を巻いている。
これをポンズの大渦と呼び、周辺に大型船航路は通せず、船乗りたちから恐れられている。
また、サルデ海峡は浅瀬になっており、大型の船は元々ここを航行することができない地形になっている。
ポンズの大渦とサルデ海峡に守られているため、ガルバリオの北側は海戦においては鉄壁の守りとなっている。
ここに生息する多頭竜種は武具や魔導具の素材としては非常に珍重されており、これを求めてこの地を訪れる冒険者も珍しくない。
しかし、直接ポンズの大渦に入ろうとするのは自殺行為である。
そもそも巨大な多頭竜種は竜というよりも天災と表現する方がふさわしく、熟練のマーフォークが軍隊でもって攻めても移動させることができれば上出来であり、倒すことなど考えられない。
その素材を得ようと思えば、死骸を活用するほかはなく、この地にやってくる冒険者もほとんどは戦闘よりも潜水作業を得意とする者であり、大半はマーフォークを連れている。
ポンズの大渦に近いサルデ海峡には時折多頭竜種の死骸が流れ着くことがあり、彼らは小型~中型の船で海峡の浅瀬に入り、潜って死骸を探すのである。
当然その作業の大半は徒労だが、多頭竜種の牙は非常に希少な杖の核であり、高値で取引される。
そのため、首のひとつでも引き上げることができれば、2~3年は遊んで暮らすことができると言われており、一獲千金を目指す冒険者は少なくない。
一方、ポンズの大渦に近いサルデ海峡は天候や潮流が変わりやすく、そこに潜る潜水夫は危険と隣り合わせで、現地の住民からも「まっとうな神経を持っているなら多頭竜種は追わないことだ」と言われている。
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