黄金色の砂漠

ページ名:黄金色の砂漠

東域の大部分を占める砂漠。

この広大な黄金の砂原は、日中は非常に暑く、夜は寒い。

東西交易路の半分を占める最大の難所であり、古くからこの砂漠の横断を専門にする隊商が存在する。

多くの東域の民はこの砂漠に点在する水場と草を求めて旅する遊牧の民である。

しかしこの砂漠は古くから砂竜種砂蜥蜴をはじめとした魔獣の住処であり、またサンドフォークや砂ゴブリンの生活の場でもあるため、遊牧民たちは氏族ごとに協力し合うことでこの脅威から身を守ってきた。

その中にはサンドフォークや砂ゴブリンと親しくする者もいるという。

この相互扶助の思想のため、砂漠の民は旅をする者にも家族のように接してくれる。

また、彼らは有事の際には氏族ごとに属する将軍の下で戦うことをいとわず、老いた者でさえ何らかの役割を持っている。

つまり彼らは、広大な砂漠に散らばる眼や耳であり、同時に牙であると言える。

こうした不可視の軍に対抗するため、帝国では砂漠に詳しいサンドフォークの傭兵団を雇い入れ、それが竜鱗奇兵隊設立の契機だったとも言われている。

 

黄金色の砂漠は、ノームに言わせれば限りなく富を生む砂原なのだという。

と言うのも、この砂漠には金鉱が多く眠っており、それをすべて掘り起こすには五百年あっても足りないのだとか。

事実、東域ローランディア大陸きっての金文化であり、その大半はこの砂漠から産出されている。

 

砂漠の民にとって結婚は氏族同士を結び付ける重要なものだという考えが今もって主流である。

そのため、遊牧の民は生まれた時から結婚相手が決まっていることも珍しくない。

砂漠は弱い者には容赦などしないことを、皆知っている。

結婚によって氏族が強い氏族と結びつくことで、多くのものが守れることを皆知っているのだ。

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