王国領内で最大のエルフの集落を持つ森アルトロゥは魔導具生産の拠点としても知られ、魔法霊薬や魔導機械学の研究が進んでいる。
全世界から集めた魔術素材を、様々な実用品に加工するのがアルトロゥのエルフの職人たちだ。
特に最近では金属に魔術的な加工を施して作られた鉄弓や、魔導術の力を封じ込めた魔導石などが安価に製造できるようになってきたことで、矢じりに魔導石を使って魔導術を「射る」魔導弓という武器が再評価される傾向にあり、アルトロゥの新たな特産となりつつある。
特にこの地は王国領最後の秘境と言われる竜の巣が近く、魔術素材のひとつでもある水晶樹の群生地でもあることから、国内外から加工師の集まる職人の街でもあった。
そのため、王国の魔術師や魔導学者、魔導騎士は一人前になった証として親や師よりアルトロゥ産の杖を贈られるという風習が今なお残っている。
一方で王国風の杖は華美な装飾が多く、飾り物に過ぎないという考えの者もおり、特に自国にもエルフの工廠を持つ南域などでは素朴な拵えの物が好まれる。
また西方諸島では逆にその装飾品的な価値を高く認めていて、身の丈に合わない高級品を買い求める貴族などもいて「杖丈に合わない」と皮肉を言われることも多い。
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