ローランディア大陸の中央部は肥沃な穀倉地帯であり、中小の都市国家群がひしめき合っている。
その都市国家群の中心的役割を担っているのが中央府アルチュカリドである。
王国より独立したアルチュカリドは都市国家群随一の騎士団を持ち、重装騎馬兵隊は建国以来の伝統である。
また、旧王国時代の制度を多く引き継ぐアルチュカリドは、その意味でも都市国家同盟の政治の中心であり、都市国家の盟主が集う都市国家会議においてもその意見は重く扱われ、無視できる者はいない。
小さいながら王国風の城壁を有するアルチュカリドだが、王国以上に農耕や牧畜に従事する者が多く、実際には中央府と呼ばれる政治と経済の中心部しか囲われていない。
しかし周囲を都市国家同盟の各国に囲まれ、さらにその外側を友好国である王国と東域に囲まれたこの都市国家は長く平和な時代に恵まれてきたため、それを不安視する民衆は皆無である。
また周辺にはエルフやツリーフォークの集落もあり、彼らとも相互扶助協定を結び、周辺の脅威に対抗してきた。
それだけにこの地域では王国以上にエルフやツリーフォークの常識が普遍化しており、王国や東域からの旅人はそれが元で諍いに発展することが多い。
東西交易路の西側の起点であり、東域への入り口にあたるアルチュカリドは麦や麻、葡萄酒などを交易品として扱う農業国だが、その農耕の歴史は神話の時代まで遡ることができる。
当時は森におおわれていたローランディア大陸中央部は、邪なる龍たちの炎によって焼き尽くされてしまった。
戦が終わって後、生き残った者たちは焼け落ちた森に戻り、それを哀れに思ったセルモンテスはこの地に祝福を与え、大地は肥沃なものになった。
しかし生き残った者たちは多くを望まず、それに心を打たれたセルモンテスはこの地に太陽の恵みを与え、さらにエンデルクスに頼んでこの地の森に火除けの祝福を与えられた。
以来この地には牧畜と農耕が根付き、盛んにおこなわれることになったという。
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