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デスラー(Desler)は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する架空の人物。(声:伊武雅刀、石塚運昇[1]、若本規夫[2])
テンプレート:ネタバレ
大マゼラン星雲と小マゼラン星雲に跨る星間国家ガミラス帝国の総統。ガミラス本星消失後、ガルマン・ガミラス帝国を建国し総統に就任した。傲慢で冷徹な統治者であり反対者を躊躇なく粛清する冷酷な独裁者として描かれているが、その行動は私利私欲の為ではなく、国家の繁栄と自民族の存続の為である。地球の敵役ではあるが悪ではない。その為、物語の進行と共に地球の存亡に命をかけるヤマトとガミラスのために戦う自分を重ね合わせて共感し始め沖田十三や古代進に敬意と友情を感じるようになってゆく。そして次第にヤマトとともに戦う場面が増えていく。
名前はアドルフ・ヒトラーをもじったものである、とかつては説明されていた[3]。
しかし、後年、1990年代後半に入ると、松本零士はこの説明を翻すようになった。「デスラー」は、松本がよく使う「ラー」(ラーメタル、ラー・アンドロメダ・プロメシュームなど)と「デス」を組合わせたもので、前者はエジプト神話の太陽神ラーに由来し太陽やそれに象徴されるパワーを、後者は死を意味する英語であり、すなわち「デスラー」とは「死の太陽」を意味すると説明するようにした。ヒトラーとの類似は第一作段階での絶対悪的位置づけから。後の展開(ヤマトとの共闘)を受け、偶然の一致と説明を変更するようになった[4]。
デスラーのスペルも「さらば」の音楽集では「Desler」、海外版では「Desslar」、宮武一貴のデスラー戦艦の設定書では「Deathlagh」となっていて、統一されていない。
なお、ヤマトブーム期において、デスラーのモデルはヒトラーか、との問いに対し、プロデューサーの西崎義展は「あんな卑小な男ではない。ローマ帝国の皇帝をイメージしたキャラクター」と語っている[5]。そして『宇宙戦艦ヤマト』のアメリカ公開版『Star Blazers』において、デスラーこと Desslok は、退廃的ローマ貴族風にオカマ言葉で喋るような演出が施されていた[6]。
ガミラスが星としての寿命が尽きようとしていたため、移住先として地球に狙いを定め、人類に「奴隷となるか絶滅するか、好きな方を選べ」と要求、遊星爆弾等で地球侵略を開始した。
宇宙戦艦ヤマト(艦長:沖田十三)を当初は、過小評価していたが、冥王星前進基地の壊滅など思いのほかの善戦を見せるヤマトに関心を持つようになる。デスラー機雷網の突破際には、ヤマト宛に祝電を送る度量を見せた。
余興代わりに、オリオン座のアルファ(ベテルギウス)の前に磁力バリアとガス生命体を配備し、ヤマトを殲滅する作戦を立案・自ら指揮する。(この時、副総統ヒスから「ヤマトに祝電を送りましょうか?」と提案されたが、「ヒス君、君は馬鹿かね?」と一蹴している)
マゼラン星雲を目前にヤマト阻止を託したドメルが七色星団の決戦で敗退すると、ガミラス本星での本土決戦を自ら立案、指揮を行う。ガミラス本星にヤマトを引き込み、希硫酸の雨と濃硫酸の海でヤマトを苦しめるが、沖田による海底火山脈を海中から波動砲で撃つ作戦で形勢は逆転、ガミラス帝国は崩壊。
総統府(デスラー艦)で脱出する。ヤマトを捕捉し白兵戦を挑むが失敗。デスラー砲をヤマトに向け発射するも空間磁力メッキで反射され、四散するデスラー艦と運命を共にしたと思われた。
副官のタランと共に白色彗星帝国に身を寄せ、ガミラス再興の機会を待って、敗軍の将として屈辱の日々を過ごし、白色彗星帝国の一将軍として戦う。
デスラー艦に乗り込み、デスラー戦法でヤマトに戦いを挑むみ、最後は自らの手でデスラー砲によるヤマト殲滅を謀るも、ヤマトはワープしてデスラー艦に突入し白兵戦となる。その最中、爆発に巻き込まれタランが戦死し、自身も負傷してしまう。古代との一騎打ちも力なく倒れ、銃を降ろしてしまう。その時、ミルに不意をつかれて撃たれそうになり、自身をかばった森雪が負傷。ミルをすぐさま射殺し、雪の姿に献身的かつ自己犠牲的な愛を感じ取る。そして古代に白色彗星帝国の攻略方法を示し、「私の心ははるかに君達に近い」と言い残すと、宇宙空間へと身を投じた。
白色彗星帝国のズォーダー大帝によって救出され蘇生医療を施され復活し、『さらば~』とは違って、賓客として迎えられている。タラン将軍以下の腹心達の尽力で再集結し、ガミラス帝国軍残存艦隊を率いて白色彗星帝国軍の同盟者としてヤマトと対戦する。
サーベラーを筆頭とする幹部の妨害に遭いつつも、竹輪状の小惑星の決戦やデスラー機雷等ではヤマトを窮地に追いやる事に成功する優れた策略家ぶりを見せた。サーベラーらの陰謀で一度は彗星帝国に逮捕・監禁されるも、巧みに脱出し、再びヤマトとの戦いへ向かう。地球周辺宙域の戦闘は、「さらば」同様白兵戦になり、森雪が負傷した古代を庇う姿を見て、その愛を感じ取るとともに、母星である地球のために必死に戦う古代たちの姿を見て、民族の存亡をかけて闘ってきた自分の心が、ガトランティス人よりはるかに地球人に近いことを悟り、積年の怨恨もここに潰えた。
「真上と真下。フフフ、もろい物よのう」と白色彗星の弱点を暗示した言葉を森雪に託し不敵な笑いを残して、腹心のタランを伴って残存艦隊を纏めて戦場から撤退した。
ガミラス再建を目指すデスラー艦隊がさすらいの旅に出る前に、ガミラス星に戻ったところ、暗黒星団帝国のガミラシウム採掘船団に出くわした。ガミラス星を傷つけている姿に激怒したデスラーは、その船団を攻撃する。その戦いの過程で、ガミラス星は爆発し、兄弟星であるイスカンダル星は、重力バランスを失い暴走し始めた。危機的状況を地球に通信し、訓練航海中のヤマトが出撃した。暗黒星団帝国軍は強力でデスラー艦隊は苦戦した。
ヤマトとの共同戦線で、暗黒星団帝国マゼラン方面第一艦隊と戦い、ヤマトが暗黒星団帝国艦隊司令官デーダーの旗艦プレアデスを波動砲でようやく葬るが、報復のためマゼラン方面軍司令官メルダーズが自動惑星ゴルバを駆って登場した。
デスラーは、デスラー砲でゴルバを攻撃するが、その堅牢な装甲には全く効果がなく、更にイスカンダルを攻撃する姿に堪えかね、ゴルバ主砲に突っ込んで、古代進に自分の戦闘空母ごと波動砲で撃つよう要請する。ためらう古代に自分がスターシャを愛していることを語り決心を促した。覚悟を決めた古代は波動砲のターゲットスコープをデスラー戦闘空母の突っ込んだゴルバ主砲砲口に向けるが、スターシャが止める。イスカンダリウムの採掘を口頭で許可してみせたスターシャがイスカンダルを自爆させることによってゴルバを沈めた。
戦いが終わると、デスラーは、古代に「ガミラス帝国の再建を宇宙を幾年さすらおうとも成し遂げる」と言い残して去った。
未出演。但し、暗黒星団本星で、ヤマトの攻撃をあきらめさせる為、古代達にニセの宇宙戦艦ヤマトの歴史を上映するが、その中にガミラス本星での戦いのシーン(指揮を取っている所)が写っている。但し、回想シーンなのでセリフは一切ない。
ゴルバとの戦いの後、ガミラス再建を目指して旅に出たデスラーは、銀河系中心部にガミラス人の遠い先祖であるガルマン民族の住む二重惑星を発見した。
ガルマン民族は当時銀河系の中心部まで支配していたボラー連邦によって奴隷として酷使されており、デスラーは二重惑星のボラー勢力を放逐し彼らを解放した。その後デスラーは総統に選ばれてガルマン・ガミラス帝国を建国する。ガルマン民族の住んでいた二重惑星系はガルマン・ガミラス本星と「スターシャ」と名付けられ、ガルマン・ガミラス帝国はボラー連邦と銀河系を二分する勢力にまで成長する。
ガルマン・ガミラス帝国は建国一周年を迎える直前、銀河系各地で有利に征服戦争を進めていた。デスラーは再び地球やヤマトと戦う可能性を避けるため、「オリオン腕辺境方面の恒星系には、手を出すな」と厳命していたが、ダゴンの独走で東部方面軍はヤマト及び地球と交戦することになる。一連の戦闘の末、東部方面軍移動要塞にヤマトを捕獲することに成功したガイデルはデスラーに『地球の戦艦ヤマトを捕獲した』と報告する。そこで初めて部下が独断でヤマトと戦っていたことを知ったデスラーは、なぜヤマトの事を早く知らせなかったのかと激怒しヤマトを解放させた。
デスラーはガルマン・ガミラス帝国総統として非礼を詫び、古代を始めとするヤマトクルーをガルマン帝国に招待した。自軍の惑星破壊プロトンミサイルが太陽系に危機を引き起こしたことを知ると、デスラーは償いとして太陽制御を提案し、配下の技術少佐フラウスキー麾下の工作船団を派遣するが太陽制御は失敗に終わる。
自国の領土内にある地球に似た環境の惑星ファンタムの情報を提供。また、ヤマトの航海の安全を取りはからうために、ボラー連邦首相ベムラーゼにヤマトから手を引くようにホットラインをかけるが、ベムラーゼは、ヤマトはガミラスの尖兵ではないかと揶揄し、デスラーを嘲笑した。
ファンタムがコスモ生命体で、スーパーサイコエネルギーで見る人の文化習慣によって幻影を見せることが判明すると、帝国の名誉に泥を塗ったことに激怒して、グスタフに惑星破壊プロトンミサイルによる「処刑」を命じた。古代は、惑星ファンタム「処刑」に異議をとなえたが、帝国の名誉に泥を塗ったこと、古代をはじめとするヤマト乗組員をたぶらかしたことが赦せなかったからだ、とその理由を説明する。
惑星ファンタムから王女ルダが乗り込んだことを知ると、グスタフに確認させるようにキーリングに指示した。ルダの所在をかぎつけたボラー艦隊の出撃を知るとグスタフにヤマトを死守するよう直接命令した。
ルダの案内でヤマトによってシャルバート星の所在が明らかになるとそれを追跡したが、銀河系を支配した科学力と軍事力を期待したデスラーは、戦いを放棄したシャルバートの姿に当惑する。
一方これを奇貨としたボラー連邦のゴルサコフは、シャルバートの占領を試みるが、これを旗艦のハイパーデスラー砲で艦隊ごと吹き飛ばした。古代からシャルバートの事情を聞かされると「誇り高き武人、栄光あるガルマン・ガミラスの総統として丸腰(無抵抗)の者を攻めたりはしない、太陽制御の成功を祈る」と言い残してシャルバートを去った。
太陽系内で、ボラー連邦首相ベムラーゼは、自ら大艦隊と巨大機動要塞を駆ってヤマトを攻撃する。ヤマトを餌にデスラーをおびきよせて葬るためであった。デスラーは100隻ほどの親衛艦隊を率いて太陽系内に現れる。
会戦劈頭、古代にボラー連邦打倒は自分の宿願であり太陽制御に専念するよう通信を入れ、ベムラーゼに対しては葬式の宗派を問うことで嘲弄し挑発した。一旦は機動要塞以外のボラー艦隊を撃滅したものの、ブラックホール砲の連射によって麾下の艦隊も、旗艦を除いてほぼ全滅する。
ヤマトの艦載機搭乗員揚羽武のコスモタイガーによるブラックホール砲口への特攻で、攻撃が不能になった機動要塞をハイパーデスラー砲で撃破し、ベムラーゼもろとも葬ることに成功した。ハイドロコスモジェン砲によって太陽制御が成功すると、古代に対し、地球が甦ったことに対する祝辞と将来の再会を約束しガルマン・ガミラス本星へ帰還していった。
その後は劇中では語られなかったが、べムラーゼを失ったボラー連邦に対し再び大攻勢をかけたと思われる。しかし、思わぬ形で頓挫することになる。
赤色銀河によってガルマン・ガミラス本星は大きな被害を受けた。ヤマトがガルマン・ガミラス本星を調査しに来た時にはデスラーは辺境視察中で、本星に帰還後、彼の帝国の本星が滅亡したと誤解した古代達の手によって手向けられた花によって、彼らの訪問を知った。デスラーが古代達ヤマトクルーと再会するのは三重水素(トリチウム)という起爆性物質を積み込んだヤマトがディンギル艦隊に反撃できない状態の時で、絶好のタイミングで登場した彼の艦隊はディンギル艦隊を一掃し、神官大総統ルガール座乗の旗艦をデスラー砲ないしハイパーデスラー砲で撃沈した[7]。ディンギルとアクエリアスの地球接近を知って駆けつけた時、ヤマト艦橋のビデオパネルに映る彼の胸元には、古代達が手向けた花束の一輪があしらわれていた。映画ではルガールを葬り去った後、ヤマトの最期を見届けているが、小説版ではルガール艦に特攻し、壮烈な戦死を遂げている。
白色彗星帝国、暗黒星団帝国、自ら率いたガミラス帝国等の猛攻にも屈さず打ち勝ってきたヤマトが、地球を守るため自爆(自沈)する光景を見て、ヤマトの作品中で唯一涙を流した(ガミラス星の崩壊、スターシャの死に際しては錯乱はしているが泣いてはいない)。
クリスタル状鉱石質生命体として登場する。
テンプレート:雑多な内容の箇条書き
2007年12月20日、バンダイネットワークスは『宇宙戦艦ヤマト』劇場公開30周年記念として限定商品「デスラー総統ワインセット」の受注を開始。2008年3月下旬より出荷された。購入特典として、デスラー勲章及びデスラー総統特製リーフレットが付属する。価格は税込み13,650円で完売した[12]。
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