塔

今日の街の成り立ちの中心であり、魔女たちが挑む謎の建物。
いつからあるのか、誰が建てたのか、どのように作られたのか、全てが明らかになっていない。
門番の役割である『楔』の集積場と称されたりもしている。

その頂点に立てば願いが叶うとされており、切なる願いを胸に重い一歩を踏み出す魔女もいれば、単なる好奇心で登ろうとする魔女もいる。

内部は入る度に構造が変わる、いわゆるローグライクな建造物。
モンスターが徘徊しており、倒すとアイテムやお金を落としたりする。
フィーリやセレナのセリフを読む限り、基本的に暗く、清潔とは言えない環境であると推察できる。
でも階層によってはいきなり屋外に出たりもする。
異世界に繋がっているとも言われており、本来この世界に存在しないものも拾える。
つまるところ何でもありなダンジョンであり、どんなシチュエーションでも叶えてくれる便利屋的な面も備えている。もしかして願いが叶うってそういう……。

真正面から見て左に入口があるのが昨日の塔で、右にあるのが明日の塔。
5階層ごとに魔女とよく似た別世界の存在である門番がおり、魔女の塔攻略を阻んでいる。
門番がいる階層には2本の塔を繋ぐ通路があり、攻略する塔を変更することができる。
昨日の塔と明日の塔では出現するモンスターの分布が多少異なる。

魔力を持つ者は、塔の中で力尽きても死ぬことはなく、モドロに入口まで運んでもらえる。攻略途中で受けた傷もこの時点で治る。
なんなら力尽きてなくても運んでもらえる。

塔の中では魔力が酸素に近い役割を持っており、魔力を持たない者が塔に入った場合、待ち受けるのはゆるやかな衰弱と死である。
モドロにも気づかれないため、よほどの物好きが運び出したりしない限りは遺体すら日の目を見ることはできない。

多くの変人魔女や魔法使いを魅了する塔の最高踏破階層が、物語開始時点で15階なのは低すぎるように思えるが、これは５階層の門番があまりにも強く、誰も勝てなかったから。
ある魔女が彼女をゲームで負かし、第一の門番とカードゲームで戦えるようになったことで、遂に５階層以降への道がひらかれたのである。
（炎魔の記憶編では、エスカの母がアイヴィの祖母とブラッドに挑む姿が描写されており、実際の踏破記録と公式の記録には乖離があると考えられる。）

ちなみに塔の周りは公園のように整備されており、出店や屋台なんかも並んでいる。命の危険がないとはいえ緊張感が薄すぎやしないだろうか。