外満州問題

Manchuria

外満州問題（外東北問題）は、日満、ソ連間で発生している領土問題の一つである。かつて大清帝国の領土であった外満州（外東北）地域をめぐり、日本の援助のもと満州国がソ連に領土の還付を要求し、現在も両国はこの問題の解決を求めている。

両国の主張

日中の主張

清朝は19世紀まで大清帝国として外満州を領有していた。しかし、アロー戦争で清は英仏連合軍に敗北、天津条約が締結された。しかし、その後当時のロシア帝国はさらなる英仏との条約締結の仲介であったことを口実に、清とロシアでも新たな条約が締結された。この条約において、清はロシアに外満州を譲渡することが決定したが、いずれもこれらは不平等条約である。

大日本帝国及び満州国としては、「これらは不当に締結された不平等条約である」とし、清露間に締結された条約は「不平等条約の廃止」から無効である、さらにソ連が支配している外満州に住んでいるツングース民族は歴史的に東方、つまりアジア由来の民族であるという説の南方由来説を主張し、歴史的に見ても外満州がアジア地域（いわゆる大東亜共栄圏）のものであること、それに加えこれらアジア由来の民族をソ連の虐待行為から解放し、国際民族諸問題の解決を図るためということが主張した。

ソ連の主張

ロシア帝国時代、ロシアは清に対して不平等条約を締結させたが、これはすでに廃止されている。英仏＝清の和平のために注力したロシア帝国には清から領土を割譲される権利がある。そもそもこの条約自体は対等的に結ばれた清との平等条約であり、不平等条約である根拠はない。さらに歴史的にも外満州の民族は西方由来説に基いたロシアが起源のツングース民族が最初に定住しており、民族的、文化的にもソ連が領有する正当性がある。と主張した。

日満の狙い

日満にとって前述した主張は建前にすぎず、実際のところは大東亜共栄圏の勢力拡大や、ソビエト社会主義共和国連邦の日本海路の遮断、それに加え日本海やその他北方海域を完全に日本の勢力圏におさめることが狙いだろうと推測されている。また、日満ソ間の領海、経済海域問題である日本＝オホーツク海問題の解決もこれに含まれている。

ソ連において、日本海、オホーツク海の勢力圏確保は最重要課題であり、日ソ冷戦における立場の優位性を揺るがしかねないとして、この外満州地域は絶対に手放すことはできない。

紛争

この満ソ国境での対立は何度か紛争を巻き起こしている。日本側は大東亜共栄圏加盟国と共にソ連国境の軍事ブロック化を行い、大和の装甲という比喩として知れ渡った。これら国境の軍備増強により日ソ両軍は国境付近で軍事衝突を繰り返すようになっていった。これには、ソ連側は首都との距離が遠く、軍の統制が執れていないこと、日本側は関東軍由来の部隊が国境警備にあたっているため、過激的な行動が多いことが要因として挙げられている。この紛争を火種に熱核戦争を起こす危険性があるとし、日ソ両国は平和的解決を目指しているが、そのめどはたっていない。

紛争・事件一覧

（未定）

影響

現在でもこの問題は日ソ対立の中心的な原因の一つであり、日ソ冷戦やこの日ソ対立構造による国際社会の影響力は計り知れないものである。この領土問題の方向性を一歩間違えれば核戦争が始まり、解決に近づけば、世界終末の秒針は左に回転する。

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