千島・樺太問題

千島・樺太問題とは、日ソ間で発生している領土問題の一つである。地域によって呼称が異なり、日本やアジア地域は千島列島、樺太は北方にあることから北方領土問題、ソ連側は東方にあることから極東諸島領土問題と呼称している。ソ連側が日本に対し南樺太、千島列島の領有権を主張し、請求したことから始まった。

両国の主張

ソ連の主張

ソ連側としては、樺太・千島交換条約、その後日露戦争で締結されたポーツマス条約は前ロシア帝国時代に締結されたものであり、ソ連政府は批准しておらず、1853年にニコライ一世が派遣したエフィム・プチャーチンが択捉島と樺太の領有を主張していたことに遵守している。

日本の主張

日本側は、樺太・千島交換条約、ポーツマス条約はロシア内戦後に政権が交代しても効力を保持しており、この条約に基づくとソ連の主張は一切の正当性を有していないことを主張している。

ソ連の狙い

ソ連側は、千島・樺太の領有に関してオホーツク海、日本海の勢力圏拡大や南下政策、日ソ冷戦における日本に対する圧力をかけるためのものであるとした。

日本側は、北方地域の日本側の安全を確保するため、この地域を防衛する必要があるとしている。

紛争

千島・樺太問題において、現在までに紛争は発生していない。多少両国の千島列島、樺太島の国境警備は強化されたものの、この狭い地域での大規模戦闘は難しく、外満州問題程の緊張はない。

影響

この領土問題において、日ソ間の軍事的緊張は外満州問題よりは小さいものの、日ソ対立構造の主要な原因であり、国際社会に日ソ冷戦を通して多大な影響を与えている。

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