横浜講和条約

ページ名:横浜講和条約

横浜講和条約

署名

1946年7月15日

署名場所

日本 横浜

発効

1947年1月1日

寄託者

大日本帝国政府

内容

第二次世界大戦における連合国と大日本帝国の間の平和条約


横浜講和条約は横浜で開かれた横浜講和会議で正式決定された日本及びその同盟国と、アメリカ、イギリスといった連合国間で起きた太平洋戦争の戦後処理に関する条約である。国際法上、この条約により日本の第二次世界大戦における戦争状態が終結した。

目次

条文

-第一章 平和-

  • 第一条 大日本帝国及びその同盟国と各連合国との間の戦争状態は、この条約が大日本帝国及びその同盟国と当該連合国との間に効力を生ずる日に終了する。大日本帝国及びその同盟国、並びに連合国双方は第二章に定められたところにより両国の領水の両国民の完全な主権を認める。
  • 第二条 大日本帝国及びその植民地政府、傀儡政権、衛星国やタイ王国、自由インド、汪兆銘政権下の中華民国、ビルマ国は枢軸国から脱退し、いかなる条件であっても枢軸国同盟国との同盟関係を断絶する。

-第二章 領域-

  • 第二条 各連合国は、インドネシア、フィリピン及び太平洋諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
  • 第三条 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国はイギリス領インド(インド、セイロン島、バンクラディッシュ、パキスタン、ビルマ)、イギリス領マレー、イギリス領北ボルネオ、シンガポール、香港、九竜半島、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、さらに第二条を含む領土に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
  • 第四条 フランス共和国はフランス領インドシナ(ベトナム、ラオス、カンボジア)、さらに第二条を含む領土に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
  • 第五条 オランダ王国はオランダ領東インド、さらに第二条を含む領土に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
  • 第六条 アメリカ合衆国はシアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、さらに第二条を含む領土に対するすべての権利、権原及び請求権をこの条約の効力発生後60年放棄する。

-第三章 国家承認-

  • 第七条 各連合国は、満州国、蒙古国、自由インド、汪兆銘政権下の中華民国、ビルマ国の国家を承認する。
  • 第八条 第二章の定めるところにより、各連合国が対するすべての権利、権原及び請求権を破棄した領土に対しての大日本帝国及びタイ王国が請求した領土及び成立した国家を承認する。

-第四章 安全

  • 第九条 大日本帝国及びその同盟国及び各連合国両国は、両国軍の両国の敵対国側の捕虜をなるべく速やかに返還する。

-第五章 政治および経済事項-

  • 第十条 大日本帝国及びその同盟国は、それらと各連合国との間にこの条約が効力を生じた後一年以内に、各連合国との戦前のいずれの二国間の条約又は協約を引き続いて有効とし又は復活させることを希望するかを各連合国に通告するものとする。こうして通告された条約又は協約は、この条約に適合することを確保するための必要な修正を受けるだけで、引き続いて有効とされ、又は復活される。こうして通告された条約及び協約は、通告の日の後三箇月で、引き続いて有効なものとみなされ、又は復活される。日本国にこうして通告されないすべての条約及び協約は、廃棄されたものとみなす。
  • 第十一条 第十条に基いて行う通告においては、条約又は協約の実施又は復活に関し、国際関係について通告国が責任をもつ地域を除外することができる。この除外は、除外の適用を終止することが各連合国の通告される日の三箇月後まで行われるものとする。
  • 第十二条 各連合国はは、公海における漁猟の規制又は制限並びに漁業の保存及び発展を規定する二国間及び多数国間の協定を締結するために、希望する大日本帝国及びその同盟国とすみやかに交渉を開始するものとする。
  • 第十三条 各連合国は、大日本帝国及びその同盟国と、貿易、海運その他の通商の関係を安定した且つ友交的な基礎の上におくために、条約又は協定を締結するための交渉をすみやかに開始する用意があることを宣言する。
  • 第十四条 該当する条約又は協定が締結されるまで、各連合国は、この条約の最初の効力発生の後四年間、大日本帝国及びその同盟国並びにその国民、産品及び船舶に次の待遇を与える。
  1. 貨物の輸出入に対する、又はこれに関連する関税、課金、制限その他の規制に関する最恵国待遇。
  2. 海運、航海及び輸入貨物に関する内国民待遇並びに自然人、法人及びその利益に関する内国民待遇。この待遇は、税金の賦課及び徴収、裁判を受けること、契約の締結及び履行、財産権(有体財産及び無体財産に関するもの)、各連合国の法律に基いて組織された法人への参加並びに一般にあらゆる種類の事業活動及び職業活動の遂行に関するすべての事項を含むものとする。

・第十五条 かくれんごうこくの国営商企業の国外における売買が商業的考慮にのみ基くことを確保する。

~以下第五章省略~

-第六章 請求権-

  • 第十六条 各連合国は、戦争中に生じさせた損害及び苦痛に対して、大日本帝国及びその同盟国に賠償を支払うべきことが承認される。
  • 第十七条 第十六条における賠償は、大日本帝国及びその同盟国にそれぞれ定める権利があり、それを連合国側は承認される。

-第七章 最終条項-

  • 第十八条 この条約は、各連合国を含めて、これに署名する国によつて批准されなければならない。この条約は、いかなる条件であっても1941年?月?日から1945年?月?日にかけて大日本帝国及びその同盟国と戦争状態にあった各連合国及び大日本帝国及びその同盟国の過半数により寄託された時に、その時に批准しているすべての国に関して効力を生ずる。この条約は、その後これを批准する各国に関しては、その批准書の寄託の日に効力を生ずる。
  • 第十九条 この条約が各連合国の批准書の寄託の日の後九箇月以内に効力を生じなかつたときは、これを批准した国は、各連合国の批准書の寄託の日の後三年以内に各連合国政府及び大日本帝国並びにその同盟国政府にその旨を通告して、大日本帝国及びその同盟国と各連合国との間にこの条約の効力を生じさせることができる。
  • 第二十条 この条約の適用上、大日本帝国及びその同盟国とは、各連合国と戦争していた国又は以前に第十八条に列記する国の領域の一部をなしていたものをいう。この条約は、ここに定義された連合国の一国でないいずれの国に対しても、いかなる権利、権原又は利益も与えるものではない。また、日本国のいかなる権利、権原又は利益も、この条約のいかなる規定によつても前記のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるものとみなしてはならない。
  • 第二十一条 この条約は、大日本帝国政府の記録に寄託する。同政府は、その認証謄本を各署名国に交付する。以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。19??年?月?日に横浜市で、ひとしく正文である英語及びフランス語並びに日本語により作成した。

~全権委任略~

大日本帝国代表 吉田 茂 大日本帝国元総理大臣         

Shigeru Yoshida sign1

連合国代表 ジョン・フォスター・ダレス


この条約によって起きた問題




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