核開発史

ページ名:核開発史

このぺージでは、この世界ではどのように核開発が行われたかを解説する。

目次

・米国の核開発と戦後

当時、日米は太平洋戦争にて熾烈な戦いを繰り広げていた。しかし徐々に日本が優勢になり、フィリピン、ボルネオ、ミッドウェーなど次々とアメリカは敗北を重ねていった。この危機を脱するべく、アメリカは新たに核分裂の連鎖反応、核融合反応を利用した兵器の開発に注目し始めていた。この新兵器は一発で膨大なエネルギーを放出することができ、これにより劣勢であった対日戦を核の抑止力、最悪の場合日本に核を投下することによって戦争を終結し、勝利することができると考えていた。

-マンハッタン計画

当時ナチス・ドイツのユダヤ人迫害により逃亡してきた優秀な科学者らが、米国を訪れていた。それら含むアルベルト・アインシュタインの支援のもと、原子爆弾の秘密開発プロジェクトが国家規模で始動した。各巨大工場の建設や研究所には優秀な科学者を全米から集め、アメリカの軍・産・学の総力を挙げてこの計画は行われた。戦争がさらに劣勢になると、原子爆弾の開発を加速させ、1944年11月には2個の原子爆弾を完成させた。そして1944年12月11日、アラモゴードの砂漠にそのうち1発の原子爆弾を投下。その後、白い閃光を放ち、世界最初の原爆実験を成功させた。残り1発は日本への投下のためにそのまま保管された。

しかし、対日戦は非常に劣勢であり、ハワイすらも占領され、太平洋の制海権、制空権はほぼすべて失い太平洋から日本軍機が米国を爆撃するようになっていった。日本軍の偵察機がマンハッタン計画の情報をつかむことを恐れ、なかなか原子爆弾の使用の準備を積極化することもできず、国内では暴動が発生し、徐々に核開発研究は滞りを見せるようになっていった。こうして1945年8月に米国は日本と講和。事実上敗北した。核兵器を開発しながらも、それを一度も敵国に使用することなく、戦争は終結した。このころになると、ソ連などが核兵器に関心を寄せるようになり、米国にスパイを送り込み核兵器に関する情報をある程度入手することに成功していた。日本はこの核兵器情報の争奪戦に敗れ、数少ない資料に基づき、原子爆弾の開発を行っていくこととなる。一方英国は、米国とともに秘密裏に核兵器に関する情報共有を行うことを決定。共同開発も行っていく方針を決めた。これには今後の敵国になるであろうソ連の打倒や、宿敵である日本への復讐のためでもあった。

・核開発競争

-ソ連の核開発成功

ソ連は、1945年から核開発を積極化。計画進行中、核兵器の情報源であった米国が内戦状態に突入し、多少の開発延期が決定するも、そこから5年足らずで核兵器の開発を成功させた。「RDS-1」と呼ばれたこの実験は1950年3月20日、セミパラチンスク核実験場で行われ、実験は成功した。実験は一部ではこの核実験はドイツ人や死刑囚を強制的に連れてこさせ、人体実験も行っていたのではないかと言われている。これによりソ連は世界で二番目の核保有国となるが、米国の核開発は世界に知られることはなく、そのまま内戦に突入したため、ソ連が世界初の核保有国と位置付けられており、ソ連側もそれを主張している。

-英国の核開発成功

イギリスは米国から逃亡してきた研究員らの協力もあり、核開発に関して技術的には世界一であったが、植民地崩壊の危機や国内の混乱、米国の内戦による経済崩壊の影響で資金が調達できず、生産には後れをとっていた。しかしそれでもイギリスは核開発を絶対的に成功させなければならない課題であるとした。これには、東側にあるソ連の核による一方的な支配を防ぐためのものであると考えられる。1955年1月3日に南アフリカの喜望峰沖にて核実験が行われ、「ハリケーン作戦」と呼ばれた世界初の海上での核実験である。この実験は成功し、イギリスは世界で2番目(実際は3番目)の核保有国となった。

-日本の核開発成功

核開発において、当時一番の遅れをとっていた日本であったが、1947年から核開発を本格化、「太陽計画」が始動する。1950年、ソ連の核開発成功を耳にすると日本政府は焦りを見せ、さらに核開発の速度を上げ、予算をつぎ込むようになっていった。9年の時を経て核実験を成功させた。1956年5月15日、朝鮮総督府の北西に位置する咸鏡北道で核実験が行われた。実験は成功し、この実験を見物していた政府関係者は、爆発の瞬間を「ピカ」と表した。これにより日本は世界で3番目(実際は4番目)の核保有国となる。

-ソ連の水素爆弾開発の成功

ソ連は、原子爆弾開発の成功後、爆弾の生産を行いつつも、新たなより威力の強い兵器の研究を開始した。それは重水素及び三重水素の熱核反応を利用した核兵器とされている。1951年から研究、開発を始めたいわゆる「水素爆弾」と呼ばれるものは、1959年2月1日に「RDS-9」としてセミパラチンスク核実験場にて実験が行われ、無事成功した。ソ連は「これまでの原子爆弾と比べ物にならない威力であった。」と公表している。



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