2章 教習所編 その3

ページ名:2章 教習所編 その3

ーーーーー

 

メリメリメリ

 

バヌ「いで!いでデデデ!!!離して離して!」

 

ジタバタもがくバヌだが、アゼルはコメカミを握る力を緩めない

 

アゼル「一言あんたに聞くわ、鳥頭。

なんであんた、“私の夢の中にいるの?”」

 

バヌ「!!!」

 

バヌヘッドの目は変わらないが、ペルソナの目が大きく見開かれた気がした。

 

 

バヌ「な、なんのことだか…」

 

アゼル「とぼけないで。

あんた自身が言ってたじゃない。

『ここの創造主』とか 

『結果がわかりきってた』とかね」

 

バヌ「なっ…!」

 

アゼル「ただの講習という設定なら『創造主』なんて言葉はでない。

普通なら所長とかそんなもんでしょ?

まるでだれかがこの世界をつくったみたいな言い方。

それでもって『結果がわかりきってた』?

そんなわけない。

私は天獄ゾーン抜けた場面でしかトップじゃなかった。なんならいつも先頭集団の最後尾にいたのよ?そんな対して大きな活躍してないのに、なんで結果がわかりきってたのよ?」

 

バヌ「……」

 

アゼル「これらの言動で私は自分が夢の中なんだなって気づけた。」

 

アゼルはメキメキと更に力を込める💪

 

バヌ「あだぁーーーーー!😱」

 

アゼル「そして、極めつけは、あんた、アリスの事“社長”って言った。

ここの世界のアリスは社長という設定はなければ誰も社長なんて言ってない。せいぜい店長よ

 

あなた、リアルのバヌね?」

 

バヌ「ぐぬぬぬーー!😫」

 

ペルソナは逃れようと抵抗を試みるが、

万力のような握力に逃れられない

 

 

👇👇👇

 

 

バヌ「かくなる上は…

トォゥ!」

 

スポッ!

 

アゼル「!?」

 

アゼルは自分の手の感触が急に硬さを失ったのを感じた。

自分の手を見ると、クシャッと潰れたバヌヘッドがあった。

 

 

ペルソナ「く、くっそぉー!キャットめ!

まさか見破るとはっ!」

 

アゼルの前には

片方の手の平で顔を覆うように隠すペルソナが恨めしそうに立っていた。

 

ペルソナ「だが、見破ったところで、

この夢が終わればウチの事なんて忘れるだろぅ!ウチが夢にいたな〜ぐらいしか覚えてない!😠」

 

 

ペルソナはアゼルに指を指し、まくしたてるように叫ぶ

 

ペルソナ「この場は一旦逃げる!ちょうどキャットの覚醒も近いしね!」

 

アゼルは、ペルソナの奥の風景がどんどん崩れてる消えていくのを見た。

 

アゼル「あんた、そもそもどうやって私の夢の中に入ってるのよ!」

 

ペルソナ「それを知る必要は今のキャットにはない!あのお方の考えだからなっ!」

 

アゼル「あのお方!?まだだれかいるの!?」

 

ペルソナ「誰が教えるもんか!今度が実験最後の夢になるはずだ!

その時会おう!サラダバー!ᕙ༼◕ θ ◕༽ᕗ」

 

 

アゼル「あ、待て!クソバード!」

 

ペルソナはデジョンのような消え方でその場から去った

 

 

アゼル「あの鳥…なんなのよ…だれがいったいなんのために…」

 

アゼルはがっくりと肩を落とした

そんな中ふと声が聞こえた。

  

???「知りたいかい?」

 

その声の主を見下ろすアゼル

 

アゼル「君は…!」

 

ーーーーー

 

アゼル「なんでここにいるの!?ズンド君!」

 

ズンド「なんでって…ここは君の夢の中。望めば大抵のことが叶う君だけの世界だよ?」

 

アゼル「私が知りたいって願ったから君が現れた?」

 

ズンド「そう。そういうこと。」

 

マメットズンドは頷く。

 

アゼル「じゃあ、聞くわ。あのクソ鳥はどうやって私の夢に入ったの!?」

 

アゼルは胸ぐらを掴みそうになるが、胸ぐらがないのに気づき止める。

 

ズンド「そうだね、君は集団無意識って言葉しってる?」

 

アゼル「やめて、漢字が5文字以上続くと眠くなる」

 

ズンド「そ、そっかぁ…では簡単に言うと

人間全体は心の奥底ではみんな繋がってるのさ」

 

アゼル「なにそれ、気持ち悪い!💦」

 

 

ズンド「うーん、まぁ心の奥底を海に例えると

その海の中に島が点々とある。その島がそれぞれの個人の自我だね。

その心の海を渡ってきて、上陸した

そんな感じかな??」

 

アゼルは頭をフル回転させる

 

アゼル「そんな簡単なこと?」

 

その島があるとするならば

誰でも他人の夢に入れることになる

そんな簡単な事なの?

 

ズンド「基本的には個人の自我はバリアのようなものが張られて他人が勝手に踏み込めない。

俗に言うATフィールド?」

 

アゼル「じゃあなんで私の夢にアイツが入ってくるのよ!!」

 

 

アゼルは胸ぐらを掴もうと思ったがないので、蹴っ飛ばそうか考える

 

ズンド「ただし、そのバリアが弱くなるときがある。人が無意識に近づいたとき。意識が気薄になってるとき。

つまり…眠ってるとき!!」

 

ビシッとズンド君はアゼルを指差す。

 

アゼル「だとしても。

誰だって寝るじゃないっ!寝てるときは他人の夢に侵入し放題なの!?」

 

アゼルはしびれを切らしサッカーボールを蹴る要領で振りかぶる

 

ズンド「んとね。普通は寝てても他人の自我を弾けるぐらいにはバリアは強いはずなの。

でも、起きてるはずなのにバリアが他の人が寝てるときぐらい弱い人がいる。

その人が寝ると…当然バリアもより弱くなる。」

 

アゼル「あ゛ぜ?」

 

アゼルの足が止まる。

 

起きててもバリアが常人と一緒?

それはつまり起きてても寝てるような事ではないか?

 

ズンド「思い至ったようだね。

そう、君は常に寝てる様な状態に近い。

そんな人がさらに深い眠りに入れば…バリアも更に薄くなって他人が入れる隙が生まれる」

 

アゼル「そこに付け込まれた?」

 

ズンド「そういう事になるね。」

 

確かに思い当たるふしがある。

自分は無意識に動くことがある。

というか無意識に寝てしまう。つまり寝落ち。

 

ズンド「彼が入ってきたのはそういう原理だね」

 

アゼルは自分の寝落ち癖がこんな形で影響するとは思わず、軽いショックを受けた。

 

だけど一つ解せない

 

アゼル「入り方はわかった…でも目的はなんなの?」

 

ズンド「それはーー」

 

ズンド君が語り始めると同時に振動が襲った。

ーー夢の世界の崩壊の始まりだ。

 

ズンド「…もうここも終わるらしいね」

 

アゼル「もう、私、起きるの!?」

 

アゼルは、まわりを見渡す。

世界が崩れてくるのがわかる。

壊れる前に聞きださなくては…

 

 

アゼル「ズンド君つづき!」

 

ズンド「うん、目的だったね。

それはみんなを寝落ちさせること。」

 

アゼル「みんな!?なんでそんなことを…いやそこはいいわ!一体誰がこんな事を計画してるの!?」

 

 

振動はより強くなる。

足元に亀裂が入る。

 

ズンド「それは君の身近な存在…」

 

よく見たらズンド君の体も薄くなっている

 

アゼル「私の身近…!?」

 

そう言い終わるかと同時に地面が割れた

やばいーーー

落ちる!

 

ズンドくんに手を伸ばすと

ズンド君の体が半分消えかえていた。

 

 

ズンド「灯台もと暗し…がんばってアゼルくん。」

 

いったい身近って誰のことっと聞こうとしたところで意識が覚醒にむかったのか世界は崩壊し光に包まれたーーーー

 

 

 

ーーー🚣ーーー

 

バヌ「バヌヘッドが無ければ即死だった…」

 

バヌは帰路に着こうとしていた

心の海を渡り自分の島へとその道中である。

 

ペルソナは考えていた。アゼルの事だ。

夢の中で自分が夢の中にいると自覚するのは滅多にない。

それなのにちょっとした言動で見抜いた。

とっぴょうしもない夢なほど些細な言葉の違いなど気にしないものだそれなのに…だ

 

バヌ「あんな滅茶苦茶の夢で気づくとか…どういう神経してるんだ…!」

 

ペルソナは苦虫を噛みしめるようにぼやいた。

するとーーー

 

???「だから言ったじゃない。あの子の"眠り"を甘く見るなって」

 

声がかかるはずもないところで声を聞き慌てて声のする方を向くペルソナ

 

 

バヌ「おっお前はっ!

 

…くろごま!!」

 

ゴマ「情けない。あの子に気づかれた上でおめおめと帰ってくるなんてね!ハッ!お笑い種だわ!

あの子の眠りは常人のそれじゃないのよww

眠りのプロなのよww」

 

バヌ「…

それでも当初の予定どおり夢の終わりまでは見届けられた!一応目標は達成したんだいっ!😫」

 

 

ゴマ「そう…ということは、懸念事項の夢の断片は手に入れたって事ね〜😏いいじゃな〜いw」

 

バヌ「あとは最後の夢の断片さえ手に入れば…」

 

 

ゴマ「最後の夢の断片…

そのステージは私がいくわ〜

こう見えて傲慢なのよ。

黒くて傲慢。

略して"黒ゴマ"なんつってwwギャハハハww🤣」

 

バヌ「……それはウチの役目おわりってこと?」

 

ゴマ「そりゃ、こんなところで失敗しかけたやつなんかに仕事依頼するわけないでしょーよ。

ギャハハハw

ホントウケルww😂

ギャハハン!あー笑う。笑いすぎて腹つる。

あーやばい、ギャハハハww🤣

つったわーww」

 

バヌ「ふ、ふんっ!せいぜい頑張ることだなっ!」

 

ペルソナはそう吐き捨てると

クロごまを視界から外す。

そしてふたたび現実世界への帰路についた、

 

黒ゴマは一人その場に残るが腹を抱えたままその場で喋り続ける

 

ゴマ「アゼちゃん、次の夢があなたの苦悩の最後よっ!…

 

なーんてね、キザな言い方ウケルww😂

ブラックジョーク?黒(ブラック)ゴマだけに?

ギャバババンww🤣

あーお腹つりそーww😭」

 

 

ゴマの笑い声は心の海の上で響くのだった…

 

第2章 完

 

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