STUDIO210

ページ名:STUDIO210

STUDIO210(すたじお・にーいちまる)は、大阪市浪速区にある通天閣の地下に位置している、通天閣観光株式会社及び松竹芸能が運営する、日本の劇場及び演芸場のひとつ。

その前身は1989年に開場した、歌謡(演歌)ショー専門の劇場・通天閣歌謡劇場である。同劇場では2008年6月まで、毎週土曜日及び日曜日に、松竹芸能主催による歌謡ショーを開催してきた。

2008年7月からは、B1角座の閉鎖に伴い、松竹芸能の演芸興行の拠点が同劇場に移転。これを機に現在の名称に改めた。

現在、共に松竹芸能の主催で、毎週土曜日及び日曜日に「通天閣劇場 TENGEKI」の名称で寄席興行が、毎週月曜日に「通天閣歌謡劇場」の旧称を引き継いだ名称で従来からの歌謡ショーが、それぞれ開催されている。

目次

概要[]

1989年、通天閣の地下スペースに「通天閣歌謡劇場」が開設された。当初は舞台だけでなく居酒屋のようなカウンターも隅に設けており、またすぐ隣には「通天閣囲碁将棋センター」(1976年より開設)も存在していた。[1][2]

2001年に囲碁将棋センターが消滅、さらに2004年には、老朽化により地下スペースが全面的に改修され(2005年完成)、これにより地下全体がすべて歌謡劇場のスペースとなった。[3][4]この間には、同劇場を本拠とする“通天閣の歌姫”叶麗子(現:叶れい子)が全国区となっている。

その後は土・日の歌謡ショーを中心に、各種イベントにも利用されてきた。[5][6][7]2008年に入り、B1角座が施設の老朽化に伴い閉鎖されることになり[1]、松竹芸能はその代替を探した結果、「通天閣歌謡劇場」を演芸興行の拠点とすることを、同年4月に決定した[2][3]

これを機に2008年7月3日より劇場を「STUDIO210」と改名[4][5][6][8]。同時に通天閣側では、同劇場を多目的ホールと位置付けて、興行のない日に各種イベント会場としての活用を広く求めていく意向である[7]

なお「STUDIO210」という名称は、通天閣の「通天」、即ち「2(ツー)・(通)」「10(テン)・(天)」に引っ掛けたものであり、読み方を「ニーイチマル」としたのは、東京・渋谷にある「109」を意識したという[8]

歌謡ショー[]

通常は2回公演。7〜8組の歌手が出演する。2008年6月29日をもって旧来の土日開催の体制は終了[9]。2008年7月7日より、毎週月曜日開催の新体制がスタートした。

なお、休日の歌謡ショーに関しては場所を変えた形で、2008年8月より「京橋天守閣歌謡劇場」(天守閣ホール)が、同年10月より「淡路東宝歌謡劇場」(淡路東宝2)が、それぞれ不定期ながらも日曜日に開催されている[10][11][12]

演芸興行[]

演芸場機能移転に至るまで[]

もともと通天閣歌謡劇場の歌謡ショーと松竹芸能の演芸興行との関係は深く、同社所属の若手芸人が司会や裏方という形で歌謡ショーに参加したり[9]、逆に歌謡ショーを本拠とする歌手が「浪花座」などにおける演芸興行の幕間に出演することもあった。

そんななかで2008年4月、その演芸興行の拠点が当劇場へ移転することが決定したものの、土・日の休日を演芸興行に充て、休日に行ってきた従来の歌謡ショーを平日の月曜日に移行させるプランが、松竹芸能側から発表された。突然申し渡されたこのプランに対し、叶れい子を始めとする当劇場を本拠としている歌手は猛反発する。演芸興行を問題視したのではなく、歌謡ショーの休日開催の廃止によって、支えてきたファンの足が遠のくのではないかと懸念したためであった。ついには叶が先頭に立って、「休日だけにしか来られないお客さんはどうすればいいのか」と、何らかの形で休日の歌謡ショー開催を残すよう、歌手たちが松竹芸能に嘆願書を提出する事態にまで発展した[13][14][15][16][17]。しかし話し合いの末に、最終的には歌手側が折れる形で、当初のプラン通りの開催が確定した[18]

その後、休日の歌謡ショーは前項のとおり、しばしのブランクこそあったものの、場所を別に設けた形で復活。不定期で月1回ペースながらも、主に日曜日に開催されている。

現状[]

2008年7月5日の「こけら落とし」から、演芸興行「通天閣劇場 TENGEKI」はスタートした[19][20][21][22]。通常土・日のみの2回公演で行われている。

B1角座時代と大きく変わったのは、一興行の後半に「松竹特選落語」と銘打った、落語の定席を設けたことである。それ以前の寄席興行にも落語の定席は存在したものの、漫才中心のなかで飽くまでもイレギュラーな形だった。現在はこの定席に、一興行につき3組前後の落語家が出演している。これに伴い、興行のトリは常時落語家がとる形となっている(ただし2009年5月の興行以降は、興行形態の手直しが行われ、落語は一興行につき1組に縮小。B1角座以来の、漫才中心の興行となっている[23])。

また、B1角座より一世代前の、ミナミのど真ん中ホールでの興行の時代から続く、若手芸人中心の夜興行「ナイトイベント」も再開され、不定期で行われている。

脚注[]

  1. 「B1角座」5月末で閉鎖…松竹が松竹芸能に要請スポニチアネックス大阪2008年2月1日
  2. 松竹芸能「通天閣歌謡劇場」に拠点スポニチアネックス2008年4月21日
  3. 叶れい子激情…通天閣歌謡劇場が"お笑い劇場"にスポニチアネックス大阪2008年4月22日
  4. 「大阪・新世界の通天閣地下にあり、NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』の舞台にもなった『通天閣歌謡劇場』が、歌謡ショーの公演を平日に移すのに伴い、『STUDIO210』に改名することを決定、3日に看板を付け替えた。」(大阪・通天閣の歌謡劇場が「STUDIO210」に週末に寄席MSN産経ニュース2008年7月3日)
  5. 「ふたりっ子」舞台の歌謡劇場が寄席にスポニチアネックス2008年7月3日
  6. 「通天閣歌謡劇場」が改名イメチェンスポニチアネックス2008年7月4日
  7. 「スタジオ210」をよろしく通天閣歌謡劇場が衣替え大阪日日新聞2008年7月3日
  8. 「大阪・通天閣の運営会社『通天閣観光』は、地下フロアの『通天閣歌謡劇場』を『スタジオ210(ニーイチマル)』に改称することを明らかにした。英語で『2(ツー)(通)』『10(テン)(天)』と“しゃれ”を利かせたもので、7月5日から新名称で営業をスタートする。」「閉館した道頓堀の演芸場『B1角座』の代替施設として、松竹芸能(大阪市)が同日から地下フロアで興行を始めるのに合わせ、イメージチェンジを図るのが狙い。東京のファッションビル『渋谷109(イチマルキュウ)』を意識して新名称を決めたという。」(通天閣歌謡劇場が改名、『スタジオ210』に : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE  2008年6月28日)
  9. 超満員熱い声援通天閣歌謡劇場最後の日曜開催大阪日日新聞2008年6月30日
  10. 日曜公演復活に叶れい子“感謝”京橋で歌謡劇場開催スポニチアネックス大阪2008年8月12日
  11. 8月より<天守閣歌謡劇場・京橋天守閣演歌まつり>開催決定!松竹芸能公式トピックス2008年7月11日
  12. 10月より淡路東宝歌謡劇場<淡路東宝演歌まつり>開催決定!松竹芸能公式トピックス2008年9月22日
  13. “通天閣の歌姫”演芸場閉館余波に激怒スポニチアネックス2008年4月22日
  14. “通天閣の歌姫”涙の嘆願書&ビラ配りスポニチアネックス2008年5月3日
  15. 叶れい子“涙の陳情”「帰る家がなくなってしまう」スポニチアネックス大阪2008年5月3日
  16. 通天閣歌謡劇場“追い出し”叶さん涙の嘆願書通天閣歌謡劇場が衣替え大阪日日新聞2008年5月1日
  17. 通天閣から演歌が消える歌謡劇場が演芸中心へ叶さん涙の嘆願書週刊大阪日日新聞2008年5月10日
  18. 叶れい子ら“歌謡ショー月曜移行プラン”受け入れへスポニチアネックス大阪2008年5月17日
  19. 通天閣にお笑いの拠点 地下劇場で土日公演47NEWS2008年7月5日
  20. サンドも来た!通天閣にお笑いの新拠点スポニチアネックス2008年7月5日
  21. 通天閣の常設小屋スタジオ210スタート日刊スポーツ2008年7月5日
  22. 通天閣劇場TENGEKI、本日オープン!松竹芸能公式トピックス2008年7月5日
  23. 「なお、5月より落語が各日1人ずつの出演となります。悪しからずご了承ください。」 通天閣劇場TENGEKI、5月の出演者決定!松竹芸能公式トピックス2009年4月28日

外部リンク[]

  • 通天閣歌謡劇場 (歌謡ショー)
  • 通天閣劇場 TENGEKI(寄席興行)
  • 京橋天守閣歌謡劇場 (歌謡ショー)
  • 淡路東宝歌謡劇場 (歌謡ショー)


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