懺悔の刃

懺悔の刃
Sword of Penitence
監督	小津安二郎
脚本	野田高梧 原案 小津安二郎
製作	松竹蒲田撮影所
出演者	吾妻三郎 小川国松
配給	日本の旗 松竹キネマ
公開	1927年10月14日
上映時間	70分
製作国	日本の旗 日本
言語	日本語
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表・話・編・歴

『懺悔の刃』（ざんげのやいば）は、1927年（昭和2年）製作・公開、小津安二郎監督による日本の長篇劇映画、サイレント映画、剣戟映画である。小津安二郎の第1回監督作品であり、唯一の時代劇である。現在、脚本・ネガ原版・上映用プリントのいずれも散逸している[1]。

略歴・概要[]

日本では1917年（大正6年）に公開されたトマス・H・インス監督の叙事詩的活劇映画『シヴィリゼーション』（1916年）[2]を観て、映画監督になろうと決意した小津安二郎は、1921年（大正10年）8月、満17歳で松竹蒲田撮影所に入社、撮影助手となった。関東大震災後の一時期、松竹下加茂撮影所に異動したが、1924年（大正13年）には蒲田に戻り、大久保忠素の監督助手を務め、1927年（昭和2年）8月、時代劇部に異動して、満24歳で初めて映画監督として手がけたのが本作、『懺悔の刃』である。本作は、同年10月14日、浅草公園六区の電気館を皮切りに公開された。同年11月には時代劇部は廃止されるので、第2作『若人の夢』からは、終生、現代劇の映画作家として全うすることとなる。

小津の初期の作品のうち、デビュー作である本作と『若人の夢』、『女房紛失』、『カボチャ』、『会社員生活』、『エロ神の怨霊』の6本に関しては、脚本・ネガ原版・上映用プリントのいずれも散逸している[1]。したがって、東京国立近代美術館フィルムセンターは本作のプリントを所蔵していない[3]。マツダ映画社も所蔵していない[4]。小津のデビュー作であるにもかかわらず、現状、観賞することの不可能な作品である。一方、小津に影響を与えたインスの『シヴィリゼーション』は、アメリカ国立フィルム登録簿にも記載される現存するフィルムであり[5]、日本でもDVDが発売されており観賞が可能である。

スタッフ・作品データ[]

• 監督・原案 : 小津安二郎
• 脚本 : 野田高梧
• 撮影 : 青木勇

• 製作 : 松竹蒲田撮影所
• 上映時間（巻数 / メートル / フィート） : 70分[6] （7巻 / 1,919メートル / 6,296フィート）
• フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ（1.33:1） - サイレント映画
• 公開日 : Flag_of_Japan.svg 日本 1927年10月14日
• 配給 : 松竹キネマ
• 初回興行 : 浅草・電気館

キャスト[]

• 吾妻三郎 - 木更津の佐吉
• 小川国松 - 弟木鼠の石松
• 河原侃二 - 同心真鍋藤十郎
• 野寺正一 - 山城屋庄左衛門
• 渥美映子 - 娘お八重
• 花柳都 - 乳母お辰
• 小波初子 - 居酒屋の娘お末
• 河村黎吉

ストーリー[]

テンプレート:ネタバレ木更津の佐吉（吾妻三郎）は泥棒である。弟の石松（小川国松）の家を訪れるが、牢屋から出たばかりの弟は、佐吉には更生してもらいたいと願っている。佐吉の相棒は、佐吉を犯罪人生から切り離すために、かんざし泥棒のぬれぎぬを弟に着せたのだった。弟は最終的には釈放されるが、奉公先を解雇され、泥棒の生き方に戻ってしまう。佐吉は最後の大立ち回りの末に、山城屋庄左衛門（野寺正一 ）に殺される。テンプレート:ネタバレ終了

註[]

1. ↑ 1.01.1 『小津安二郎全集』、編集・井上和男、新書館、2003年、ISBN 4403150012, トビラ。
2. ↑シヴィリゼーション、allcinema ONLINE、2009年12月18日閲覧。
3. ↑所蔵映画フィルム検索システム、東京国立近代美術館フィルムセンター、2009年12月18日閲覧。
4. ↑主な所蔵リスト 劇映画＝邦画篇、マツダ映画社、2009年12月18日閲覧。
5. ↑Librarian of Congress Names 25 More Films to National Film Registry, アメリカ議会図書館、2009年12月18日閲覧。
6. ↑Film Calculator、コダック、2009年12月18日閲覧。

外部リンク[]

• IMDb_favicon.png懺悔の刃 at the Internet Movie Database （英語）
• 懺悔の刃 - 日本映画データベース
• 懺悔の刃 - allcinema ONLINE

テンプレート:小津安二郎監督作品

en:Sword of Penitence

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