黒羽「やあ、ようこそ工芸部へ。分からないことがあったらボクか白澤くんに聞いてねえ」
白澤「はぁー……(頭を抱えつつ」
工芸部とは?
フリー課内でもマニアックで人員が少ないため分類分け困難になる手工芸をまとめています。
ちなみに大型の特殊機材も書類申請をすれば他部署の方でも使えます。
活動フロアは21階。
在籍は40名ほどですが、ハーフタイム勤務の者もいるために空席が目立つようです。
※部長席の後ろには謎の標語が貼ってあります。
”工芸部署の壁には角縁があり標語が書かれている。
毛筆で書いたのだろうか、達筆な楷書体で
『不毛な喧嘩はやめよう。猫を追うより皿を引け』
と、記載されていた。……おそらく黒羽部長が書いたものだろう。
デスクチェアに寄りかかり松露を摘んでいた黒羽に訊ねる。
「あー、あれかい?書いたのはボクだよ。最初はいつもの癖で草書体で書いたんだけど皆から読めないと大ブーイングを貰ってね、書き直したんだ」
やんなっちゃうよもー、そうボヤくと袋から松露をもうひとつ取り出し口に含んだ。
「案としてはね『猫を追うより皿を引け』と『諍いは同類でしか起こらない』で迷っていたんだけどねぇ、前者の方が柔らかい表現かと思ってね」
松露を食べ終え、湯のみに入った昆布茶を飲み干すと、彼はいつもの感情が読めない薄笑いを浮かべたのだった。"
奥には作業に集中出来るよう個室ブースが3ヶ所と畳の作業スペースがあります。
勤務形態
出社時間と納期さえ守っていればある程度放置されています。
ただ、度が過ぎると所業を工芸部法度集に書かれるので程々に。
通称”工芸部でしてはいけないことリスト”
あまりにも限度を超えた悪戯(例:黒羽のエイプリスフール騒動や縁の廊下でのフリスビー行為)を記入するノート。
被害の大きさで筆記用具の種類が変わります。
赤マッキー>万年筆≧黒サインペン>ボールペンの順になっているようです。
※該当者に対するけん制が主な目的であるため、破ったからと言って何か罰則がある訳ではないです。
基本は早番管理者→黒羽部長、遅番管理者→清代、白澤
部署に担当者が居るのは8~22時までの間のみとなっています。
シフト管理は黒羽部長が担当のようです。
ハーフタイム社員(非常勤)は時間帯を3ブロックで区切って管理し、相性の悪い人同士が鉢合わせにならないように徹底されています。
ロングタイム社員(常勤)に関しては基本放置だが納期が立て込んでいる時はシフト調整と作業場所の指定をかけてるようです。
部長不在時の管理マニュアルもあります。
仕事内容
クライアントからのオーダーメイド作品の受注が殆どです。
在籍者
部長
・黒羽……柘植櫛細工師
常勤
・白澤·····彫金師、部長補佐
・清代……彫金と鉱物加工(ファセットのみ)兼任、たまに部長補佐
・縁……鉱物加工(ファセット以外の担当)
・古鐵……簪細工師
・浅水……螺鈿細工師
・琥珀(アン)……人形師、模型師