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曖昧さ回避 | この項目では、富山県にある飛騨山脈系の山について記述しています。その他の用法については「立山 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
立山 | |
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ファイル:20 Tateyama from Mikurigaike 1998-7-17.jpg ミクリガ池と立山(富士ノ折立・大汝山・雄山) | |
標高 | 3,015[1]m |
所在地 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺 |
位置 | 北緯36度34分33秒東経137度37分11秒[1] |
山系 | 飛騨山脈(立山連峰) |
立山の位置
|
ウィキプロジェクト 山 | ウィキプロジェクト 山 |
剱岳、立山三山
立山(たてやま)は、飛騨山脈(北アルプス)北部に位置する標高3,015mの山。雄山(おやま、3,003m)、大汝山(おおなんじやま、3,015m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、2,999m)の3つの峰の総称[2]。立山連峰の主峰で、中部山岳国立公園[3]を代表する山の一つである。
古くから日本の山岳信仰の山として、日本三霊山の一つである。日本三名山、日本百名山[4]、新日本百名山[5]及び花の百名山[6]に選定されている。雄山の山頂には、雄山神社本宮がある。峰本社神殿右端の前には、測量の基準である大きな黒御影石の標石(標高点3,003m)があり[7]、その約70m南南西に一等三角点(標高2,991.59m、点名は立山)の標石が設置されている[8][9]。
立山は古くから霊峰とされ、大伴家持は「皇神(すめかみ)の頷(うしは)きいます 新川のその立山に~」(国神の領有される新川のその立山に)と立山の霊性を詠んだ[10]。
雄山・浄土山・別山を「立山三山」と呼び、その周辺の山々と合わせて狭義の「立山連峰」ということがある。広義で「立山連峰」という場合は僧ヶ岳から黒部五郎岳の辺りまでを呼ぶこともある。古くは、三俣蓮華岳から猫又山に至るまでを立山七十二峰[11]と呼んだという。これとは別に立山火山がある。室堂山[12]、浄土山、国見岳辺りを最高地点[13]としている。かつて山体は立山カルデラにあり、元の立山火山の山頂部は侵食で喪失している。弥陀ヶ原と五色ヶ原はこの火山の火砕流堆積物や溶岩の台地である。ミクリガ池、ミドリガ池は火口湖であり、現在の立山火山の主な火山活動は地獄谷周辺の火山性ガスの噴出と温泉噴出である。
「立山」は単なる地理的な名称ではなく、室堂・地獄谷・弥陀ヶ原や立山カルデラという立山一体を含んだ地理的な広がりと、立山信仰や遥拝登山など精神的な広がりを含んだ複合的な意味を持っている。
立山についての記述のある最古の文献である万葉集には「多知夜麻」と記され、古くは「たちやま」と呼ばれていたようである[14]。立山が刃を上にして太刀を横に置いた形だとも聞く。また、たちやまは「太刀山」であるから、本来は剱岳のことであるが、なぜ今の場所を立山と言うようになったのかはわからない、という説もある。また、日本を作り終えた神が天界に戻る際に踏み台代わりに足をかけて立った山だから「たちやま」という説もある。
雄山神社と登山者
立山は、古くから立山修験と呼ばれる山岳信仰の場であり信仰の対象であった。開山縁起に神々が種々の姿で現れ実は阿弥陀如来であったとあるように神仏混淆である。立山山麓には、芦峅寺(あしくらじ)、岩峅寺(いわくらじ)の二つの拠点寺院がある。雄山神社の主神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、本地仏は阿弥陀如来で、不動明王を本地とする手力雄命(たぢからおのみこと)を副神とする。立山本峰の雄山に峰本社があり、山麓芦峅寺の中宮(祈願殿)、岩峅寺の麓大宮(前立社壇)とともに、三者一体の形を有する。峰本社を見上げる室堂平には参籠の場として建てられた室堂が復元されている。[20]古代には立山権現として、平安時代からは地獄極楽のある山として阿弥陀信仰と結びついてきたという変遷が見られる。
鎌倉期から江戸期に成立した開山縁起によれば、701年(大宝元年)により越中国守・佐伯有若の16歳の息子である有頼が開山したとされている。随心院文書の佐伯院付属状(延喜5年、905年)に越中守従五位下佐伯宿祢有若の署名があった。有頼が居城の新川郡字布施の院 布施城近くの片貝川下流(黒部市犬山付近だという)で鷹狩をしているときに勝手に持ち出した父の白鷹が逃げてしまい、それを追って上市、芦峅寺と道をたどり立山山麓に至ると熊が現れた。有頼が矢で熊を射ると、熊は血を流しながら逃げていった。血をたどって着いた室堂の岩屋(立山玉殿)[21]で有頼が見たものは、矢を射立てられた阿弥陀如来であった。この出来事により、有頼は発心して立山寺(現在の雄山神社前立社壇)を建立し、後に慈興上人となったと伝えられている。縁起については時代によって変化があり、開山者は初期には現朝日町山崎の狩人、次に有若、最後に子の有頼となっていった。現在、立山の山荘経営者や山麓の芦峅寺地区の住民の名字は「佐伯」「志鷹」の2つが大半を占めるが、これは開山伝説とも関係があると考えられる。
立山は実際に山頂エリアに地獄(地獄は古い日本語で温泉の意味)がある山としても知られていた。平安時代、地獄極楽思想が行き渡ったころから、日本中の死者は立山の地獄に落ちるとされた。立山を極楽、地獄谷を地獄、剱岳を針の山として見たてたのである。そして、立山登山によって死後の世界を疑似体験することができて、極楽へ行けるとして、修験者以外でも登拝する人が多くなった。近世以降、立山曼荼羅と呼ばれる山中の地獄極楽図、巡礼図が盛んに作られ、それを使って岩峅寺や芦峅寺の衆徒により越中国内及び全国に布教され、立山に信仰登山する人が増えた(立山権現)。山麓の岩峅寺及び芦峅寺は古来、巡礼者のための登山基地として繁栄し、かつては多くの宿坊が建ち並んでいた。麓で俗世の穢れや罪を祓う神事を受けた後で入山していたのである。また女人禁制のため登拝できない女性のために芦峅寺の布橋(ぬのばし)では実際に白い布が橋に敷かれて、布橋大灌頂法会が行われるなどしていた。今はスポーツとしての「立山登山」が行われるが、本来は立山の神仏に参拝に行くのが本来の入山の目的で「立山登拝」と称した。
雪の大谷
ファイル:Kurobe-daira01st3200.jpg黒部平駅(1,828 メートル)から望む立山の裏側
ファイル:Tateyama-midagahara.JPG弥陀ヶ原
1964年(昭和39年)6月20日高原バス全線(美女平~室堂)営業開始後、標高2,450 mの室堂までバスで行くことができ、立山登山も非常に手軽に行えるようになった。また黒部ダム完成後、1971年(昭和46年)6月1日に立山黒部アルペンルート開通以降、多くの観光客が訪れるようになった。
平成に入り、県民の広報活動の成果で富山の食が注目され始め、食事と温泉宿泊を併せて立山観光を楽しむ人々が増加している。また、中国、台湾、韓国などのアジアからの観光客も増加している。
立山アルペンルートが春に除雪され開通すると、室堂ターミナル付近の道路は両側が10~20 mの高さの雪の壁となり、「雪の大谷」と呼ばれている。ちょうど5月の連休と重なり特定の期間のみ、この雪の大谷の区間で車道片側が遊歩道として開放され、この景色を見るために多くの観光客が訪れる。
室堂の北側には、みくりが池の湖畔を通り地獄谷へ向かう遊歩道がある。地獄谷の北西にはほとんど草木が生えることができないエンマ山と呼ばれる硫黄を含んだ丘がある。地獄谷では、噴煙、火山ガス及び温泉の源泉が出ていて、有毒ガスの濃度によって、遊歩道が通行禁止となる場合がある。この源泉が周辺の宿泊施設で、温泉施設に利用されている。
冬季、立山では日本海から蒸発した水蒸気が、シベリアから吹く寒風に運ばれて3,000 m級の山々にぶつかり、大量の降雪となる。世界有数の豪雪地帯であり、冬には最低気温が氷点下20℃以下になる。
室堂周辺から上部は、森林限界のハイマツ帯で、多くのライチョウが生息している。花の百名山に選定されていて、室堂周辺などでは雪解けと共に多くの高山植物の開花が見られる。タテヤマリンドウ、タテヤマウツボグサ、タテヤマアザミ、タテヤマキンバイ、タテヤマオウギなどのタテヤマの名称が付く高山植物があるが、立山の固有種というわけではない。
ライチョウ | ハイマツ | タテヤマリンドウ | タテヤマウツボグサ | チングルマ | クルマユリ |
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ファイル:Ptarmigan Raicyou Male in kamikouchidake 2003 11 23.jpg | ファイル:Pinus pumila1.JPG | ファイル:Geum pentapetalum 07.jpg | ファイル:Kuruma-yuri.jpg |
登山者以外にも観光客が毎年大量に室堂周辺にまで登ってくるようになったため、外来植物や病原菌の侵入といった自然破壊に直面することとなった。対策として全国的にも早い段階でマイカー全面乗り入れ禁止(マイカー規制)をはじめ、草刈り十字軍などの民間ボランティアによる環境保護活動を生み出した。
立山と弥陀ヶ原周辺は、3,000 m級の山々とはいえ古くから多くの人の参拝が可能であった。それに対して、剱岳を初めとする山々は近代になってようやく登山の対象となった。近代登山参照[23]。
江戸時代から旧越中国の多くの村では、男子は15歳又は16歳になると成人儀礼として集団で立山(雄山)も登崇拝する風習があり、この立山詣りで一人前と認められた[24]。明治以来、富山県内の小学校で、学校行事として立山登山が行われてきた[25]。また、県教委主催で、県下から小学6年生を募集し「12歳立山夢登山」も行われた。しかし、2003年(平成15年)に転落死亡事故が起こって以後、学校からの登山の計画や届出での規則が強化された。
黒部立山アルペンルートの交通機関を利用し、室堂を立山や剱岳などの登山口とする場合が多い[26]。立山室堂山荘と一ノ越を経由して、雄山神社まで往復するルートが最もよく利用されている。冬期は交通機関が途絶えるため、一般の登山は困難となる。春に立山黒部アルペンルートが開通すると、室堂周辺などで春山スキーが行われている[7]。
室堂周辺や立山周辺の登山道上に、ホテルや山小屋などの多くの宿泊施設がある[27]。大汝山及び雄山への最寄りの山小屋は一ノ越山荘である。
名称 | 所在地 | 大汝山からの 方角と距離(km) | 標高 (m) | 収容 人数 | 備考 |
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剱御前小屋 | 別山乗越、剱御前と別山との鞍部 | 北2.4 | 2,410 | 200 | 剱岳の展望 |
ロッジ立山連峰 | 雷鳥平 | 北東2.4 | 2,330 | 200 | |
雷鳥沢ヒュッテ | 雷鳥平 | 北東2.3 | 2,350 | 290 | 東隣にキャンプ場、テント250張 |
ホテル立山 | 室堂バスターミナル | 東2.2 | 2,420 | 289 | |
みくりが池温泉 | みくりが池湖畔 | 北東2.2 | 2,410 | 120 | |
雷鳥荘 | リンドウ池北 | 北東2.1 | 2,400 | 350 | |
立山室堂山荘 | 室堂平 | 東1.7 | 2,450 | 200 | 日本最古の山小屋の隣 |
内蔵助山荘 | 真砂岳山頂の東側直下 | 北1.4 | 2,790 | 120 | |
一ノ越山荘 | 一ノ越、雄山と龍王山との鞍部 | 南西0.9 | 2,705 | 200 | 立山に最も近い山小屋 |
他に、天狗平や阿弥ヶ原にも宿泊施設などがある。
大日岳と室堂 | 大汝山と剱岳 | 富山平野 | 黒部湖と後立山連峰 |
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日本の3,000 m超級の山の最北端の山で、富山県の最高峰であり、北陸4県の最高峰でもある。
雄山の西側斜面に山崎圏谷があり、一般には山崎カールと呼ばれている。1905年(明治38年)地理学者の帝国大学理科大学(現東京大学)教授山崎直方博士によって日本で初めて発見された氷河地形。1945年(昭和20年)薬師岳東側の圏谷群[28]と共に国の天然記念物に指定されている。命名者は、山崎の高弟である石井逸太郎[29](博士、1889年 - 1955年)で、東京帝大卒業後、旧制富山高校に赴任し(後に富山大学教授となる)、「立山連峰の氷河作用‐特に山崎圏谷に就いて」(地理評、1943年)などの論文で、天然記念物指定のきっかけを作った。
立山周辺の山(南方上空より)
飛騨山脈(北アルプス)の北部に位置し、その主稜線の三俣蓮華岳から分岐する西側の稜線上にある。東側の親不知まで延びる主稜線の後立山連峰と黒部川を挟んで対峙している。
山容 | 名称 | 標高 (m) | 三角点 | 大汝山からの 方角と距離(km) | 備考 |
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ファイル:Kashimayarigatake from jiigatake 2001-11-20.jpg | 鹿島槍ヶ岳 | 2,889.08 | 二等 | 北東12.6 | 日本百名山 |
ファイル:Tsurugidake from bessan 22 1995 8 20.jpg | 剱岳 | 2,999 | 2,997.07m (三等) | 北5.3 | 日本百名山 |
ファイル:Dainichirenpo and Murodo from Tateyama 1995-8-20.jpg | 奥大日岳 | 2,611 | 2,605.94m (三等) | 北西4.3 | 日本二百名山 |
ファイル:37 Bessan from Tsurugidake 1994-10-11.jpg | 別山 | 2,880 | 北 2.4 | ||
ファイル:Tateyama from Kurobedaira 1994-10-9.jpg | 立山 | 3,015 | 2,991.59m (雄山・一等) | 0 | 大汝山 日本百名山 |
ファイル:Jodosan from Morpdpnokkoshi 1995-8-20.jpg | 浄土山 | 2,831 | 南西 1.7 | ||
ファイル:Yakushidake from Jiidake 2004-8-14.JPG | 薬師岳 | 2,926.01 | 二等 | 南西13.7 | 日本百名山 |
以下の主な源流の河川は富山湾へ流れる。
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執筆の途中です | この「立山」は、山岳に関連した書きかけ項目です。 この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています(PJ山)。 都道府県別スタブ(富山県) |
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