0321
未玖ちゃんの顔面復元手術は段階的に進んでいて、そして表情筋についてもリハビリを行う段階になっていた。
義手も義足も随分と慣れてきていて、時間を選んで授業にも出るようになっていた。
「これからどうしようかな」
"余所行きの義手義足"は植物の蔓をイメージしたデザインになっていて、健常者の目から見ても格好良かった。
「どうしようって?」
「そんなに長くいられないでしょう?」
「別に追い出したりしないよ。それにここって居心地いいでしょう?」
「手前味噌だね」
と静かに笑いつつ、「確かに馬鹿とか無神経がいない」と呟いた。
「次が見つかるまでいていいんだからね」
「次かぁ……やっぱり役者をやりたいんだよね……無理かな?」
軽い口調で言われたが、本気の質問だった。
「無理って事はないよ! 色んな障害の俳優さんとかモデルさんいるし!」
「言ったね? 最後まで付き合って貰うよ。死ぬまで」
「挫けるんじゃないよ、死ぬまで」
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