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人間がある程度の人数集まれば、必ずそこにいじめが発生する。問題は、いじめの存在の隠蔽だ。いじめがあればペナルティが下りるシステムがあると、その傾向は加速する。
いじめをいじめと認めず、問題児が拗ねているだけだと言えば、問題に取り組まなくていいのだ。
教師側の立場で考えてみよう。いじめ問題はいじめられている子一人が問題だとすれば、いじめている複数人を是正しなくて済むので楽なのだ。
だからこそ、いじめ問題が出てくると、いじめられている子を如何に処理するかと言う発想に至る。
我々は研修の時点でその危険性を説き、担当が誰であるかは不問として、報告を義務化してある。勿論、それが発覚することによるペナルティは担当者にも存在しない。何故なら、いじめとは一定数必ず発生するものだからだ。
ペナルティを科せば必ず隠蔽が発生する。これはもはや学校の問題だけではなく、国家運営の一大事から街のパン屋の品質まで全てに言える事だ。
問題を明確にしたところから、問題解決は始まるのだ。
逆を言えば、隠蔽はあらゆる問題を悪化させるので、こちらは厳しく取り締まらなければならない。
いじめはいじめた側の問題である。是正すべきはいじめられた側ではなくいじめた側である。
公正世界誤謬は許さない。
仮にいじめた側に何らかの問題があるとするなら、それを議論して解決するのがスジであり、それをいじめと言う手段に訴えた瞬間、全ての害悪はいじめた側に移るのだ。
差別やいじめを肯定するための理屈など一つも認めるべきではないのである。
いじめと考え得る事象は、匿名の報告を専門部署が一元的に取り扱う。そこで徹底調査を行い、問題があれば当事者を個別に呼び出し聴取を行う。
いじめと判断され、是正の勧告に従わない場合は、特別な教育を施す事になり、それでも従わない場合は残念ながら放校処分となる。
証拠は半永久的に保存されるので、後々蒸し返されても我々はそれを公開する事が出来る。
また、いじめと明確に分かる立場にいて、その報告を怠った者は生徒であろうと教員やその他職員であろうと、聴取と再教育を行う事になっている。
いじめは生徒間のトラブルに限らず、教員間や教員から生徒に向けられるものも含まれている。全体的な規律の維持の為なのだ。
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