0188 日本經世濟民会

ページ名:0188 日本經世濟民会

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 中功綾夏曰く「政治家連中だけにカッコイイ顔させてられないからね」と言って、日本經世濟民会と言う民間の団体を立ち上げた。
 最初は、剣菱グループの会社が参加しているが、資本の垣根を越え、また中小を含め、多くの企業の参加を呼びかけた。

「売れるものだけ作ると言う態度で日本の企業は衰退して、成果の出ると言う分野だけ研究して日本の大学は衰退した。そうやって、金にならない企業は勝手に潰れろってやって、何が産業振興ですかね。その所為で、自前で飛行機も作れない、ワクチンも作れないなんて国になってしまった。
 そして、企業から見て使えない人は死んでしまえって言うのが福祉国家なんですかね。
 いい加減、当たり馬券だけ買っていれば儲けられるって発想やめにしませんか?」
 中功綾夏は会員に積極投資を呼びかけた。

 次いで、行動党の事についてチクリと針を刺す。
「派遣規制をするなら、解雇規制の緩和を同時に行わないと、企業側は首が回らなくなるね。
 実際、解雇規制が緩和された国で正規雇用が増えたというし。理論的に予言されたことが実証されたのだから、我が国もこれを検討しないのは愚かだろう」
「企業が労働者に対して滅私奉公を命ずるならば、もっとウェットで包括的な保護を申し出るのが筋だが、そんな時代は終わってしまった。
 そうであるならば、お互いにドライであるべきで、企業側だけが得する時に急に家族的経営だなんだと言うのは馬鹿げているでしょ。お互い利益が出る条件で雇用し、お互い役に立たないと思えばさっさと見切りを付けて、新しい会社に移っていく。これが派遣労働のあるべき姿であり、現状は明らかに不公正な制度だ」
 これらについては、実のところ行動党も考えてはいたが、マニフェストには載せていなかった部分もある。

「競争社会が強い社会を作るとしても、その競争のルールを誰が設定するの? 完璧なルールが設定されない以上、その競争で勝つのは、純粋に強い人ではなくて、ルール上強い人でしかないでしょ?
 ましてや、制度設計の専門家でもない人間が、ルールを考えるんだったら、もう、その結果はお察しの通りじゃない?」
「いい会社のいい時に、いい人材が来るのは当然で、そこでバイアスが生じてしまうと、保守的な人材だけが採用されるようになる。
 そこには、商売に対する情熱も能力もない人間だけとなってしまう。
 そうもなれば、管理職は失点を減らすことだけを心がけるようになるし、冒険しない会社となる。古くてつまらない商品しか残らなくなる。
 リストラクチャーとは元々再構築と言う意味だ。
 固定費の削減だけを目的にしては駄目で、もっと本質的な企業の力を涵養しなければならないでしょう」
 と、派遣規制と解雇規制の緩和に条件を付けた。

 行動党の提唱する財政出動に関してはこうだ。
「十分に利益が出て、そしてサービスが還元されるのであれば、それは自然に民間事業者が立ち上がってくる事業であるだろうし、それが実現しない上に国民生活に必要なものは、赤字が出ても政府がやるべきじゃないの?
 利益が出ないものこそ政府がやらなければならないし、利益が出るのであれば速やかに民間に移管すべきだね」

 教育改革については。
「大学はあくまでも研究機関である訳で、企業側の欲しい人材の育成が必要なら、企業はその為の投資が必要でしょ。実際そうしている企業もあるわけだし。
 一般の大学卒業生に即戦力を求めるなら、それはただ乗りで慎むべき行為だね」

 中小企業支援について。
「雇用の多くは中小企業が担っており、ことに三大都市圏以外はその割合が如実だよ。そうならば、中小企業の支援が求人の状況を改善する道でしょう」
 

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